JP2610488C - - Google Patents

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JP2610488C
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、製紙用サイズ剤組成物、さらに詳しくは高濃度で且つ貯蔵安定性、
機械安定性に優れるケテンダイマー系製紙用サイズ剤組成物に関する。 〔従来の技術〕 従来、紙や板紙の製紙方法において、これらの紙にサイズ性、防水性、耐水性等
の機能を付与するためにサイジングが行われている。このサイジング方法として
は、カルボキシル基を有するロジンサイズ剤と硫酸バンドを用いて、pH4.5〜6
.5の酸性域でサイジングする酸性サイジングが一般的に行われてきた。これに対
して、近年、填料として安価な炭酸カルシウムの利用、炭酸カルシウムを含む損
紙或は古紙の利用、抄紙用水のクローズド化、紙の永久保存性付与等を目的とし
て中性サイズ剤を用いて、pH6.5〜9.0の中性ないし弱アルカリ性域でサイジン
グする、いわゆる中性サイジング方法が注目されてきている。 この中性サイジング方法に用いられる現在市販の中性サイズ剤としては、ケテ
ンダイマー系化合物、置換環状ジカルボン酸無水物、カチオン性モノマーと疎水
性モノマーとの共重合体、カチオン化石油樹脂、カチオン化脂肪酸アミド等が知
られているが、これらのうちケテンダイマー系化合物がサイズ効果の点から多用
されている。 〔発明が解決しようとする課題〕 従来、このケテンダイマー系化合物は、澱粉、特にカチオン化澱粉を含む水性
連続相に分散せしめられた水性分散液として市販され、使用されている。しかし
、ケテンダイマー系化合物は、本来水と反応しやすく、安定な水性分散液を得る ことは難しい。例えば、貯蔵中に分散系が均一性を失い、ゲル化したり或は析出
物を生じる。さらには、サイズ性、防水性等の効果も減少するという問題点を有
する。特に高濃度でかつ貯蔵安定性や機械安定性に優れた水性分散液を得ること
は、さらに困難である。 このケテンダイマー系化合物の水性分散液の安定化をはかるために、特開昭62
-15397号公報には、アルキルケテンダイマーとカチオン化澱粉に水溶性金属を添
加する方法が開示されており、又、特開昭60-258244号公報にはカチオン性基を
有するアクリルアミド系ポリマーを含む水性連続相にケテンダイマー系化合物を
分散する方法が開示されているが、いづれも貯蔵安定性及び機械安定性において
、なお不充分である。 本発明の目的は、ケテンダイマー系製紙用サイズ剤組成物において従来法に比
べより高濃度で且つ貯蔵安定性及び機械安定性に優れる製紙用サイズ剤組成物を
提供することにある。 〔課題を解決するための手段〕 本発明者らは、上記問題点を解決するため、鋭意検討を重ねた結果、ケテンダ
イマー系化合物にアニオン性基を含む保護コロイド又は少なくとも一方にアニオ
ン性基を含む保護コロイド及び分散剤と水溶性アルミニウム塩を配合することに
より目的を達成できることを見出し、本発明に到達した。 すなわち、下記一般式(1)で表されるケテンダイマー系化合物と、 〔式中、R1、R2は同一又は異なる炭素数8〜30の炭化水素基を表す。)アニオン性基を含む保護コロイド又は少なくとも一方にアニオン性基を含む保
護コロイド及び分散剤と、水溶性アルミニウム塩とを含有することを特徴とする
製紙用サイズ剤組成物を提供するものである。 次に本発明を詳細に説明する。 本発明で使用するケテンダイマー系化合物としては、上記一般式(1)で示さ
れる化合物であり、公知の各種ケテンダイマー系化合物はいずれも使用できる。
上記一般式(1)中、R1、R2は炭素数8〜30の同一又は異なる炭化水素基を示
すが、この炭化水素基としては、例えば、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘ
キサデシル、オクタデシル、エイコデシル等のアルキル基、テトラデセニル、ヘ
キサデセニル、オクタデセニル等のアルケニル基、オクチルフェニル、ノニルフ
ェニル等のアルキル置換フェニル基、ノニルシクロヘキシル等のアルキル置換シ
クロアルキル基、フェニルエチル等のアラルキル基等が例示でき、これらのうち
アルキル基が好ましい。これらのケテンダイマー系化合物は、1種単独又は2種
以上混合して用いられる。 又、アニオン性基を含む保護コロイドとはアニオン性基を含む保護コロイドを用
いることを示すものであり、少なくとも一方にアニオン性基を含む保護コロイド
び分散剤とは、保護コロイドもしくは分散剤のいずれか一方又はその両方にア
ニオン性基を含んでいるものを用いることを示すものであり、好ましくは保護コ
ロイドとしてアクリルアミド系ポリマーを用いるものである。 すなわち、好ましい具体例を示すと、 (1)アニオン性基を含むアクリルアミド系ポリマー、 (2)アニオン性基を含むアクリルアミド系ポリマーとアニオン性分散剤、 (3)アニオン性基を含まないアクリルアミド系ポリマーとアニオン性分散剤 があげられる。 ここで言うアクリルアミド系ポリマーとは、主たる繰り返し単位がアクリルア
ミド又はメタクリルアミド或はこれら両者から成る、水溶性又は水分散性ポリマ
ーである。さらに詳しくは、 アクリルアミド及び/又はメタクリルアミドの重合体 アクリルアミド及び/又はメタクリルアミドとアニオン性モノマーの共重合
体 アクリルアミド及び/又はメタクリルアミドとカチオン性モノマーの共重合
体 アクリルアミド及び/又はメタクリルアミドとアニオン性モノマーとカチオ
ン性モノマーの共重合体 である。これらのうち、アニオン性基を含むアクリルアミド系ポリマーである、
とのポリマーは、アニオン性分散剤を併用しても、或はしなくてもよいが、
アニオン性基を含まないアクリルアミド系ポリマーである、とのポリマーは
、アニオン性分散剤を併用する必要がある。さらにこれらのモノマーに、共重合
体の水溶性/水分散性を害さない程度の疎水性モノマーを併用した共重合体も、
用いることができる。これらの中で好ましくは、アクリルアミド及び/又はメタ
クリルアミドとアニオン性モノマーとカチオン性モノマーの共重合体であり、こ
の重合体にアニオン性分散剤を併用するのがさらに好ましい。 このアクリルアミド系ポリマーの原料のモノマーとしては、例えば、アニオン
性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸
、シトラコン酸、クロトン酸等のカルボン酸基を有するモノマー、ビニルスルホ
ン酸、 (メタ)アリルスルホン酸、2―アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸
、スルホン化スチレン等のスルホン酸基を有するモノマー、或はヒドロキシアル
キル(メタ)アクリレートのリン酸エステル等のリン酸エステル基を有するモノ
マーが使用できる。カチオン性モノマーとして、(モノ−又はジ−アルキル)ア
ミノ(ヒドロキシ)アルキル(メタ)アクリレート、(モノ−又はジ−アルキル
)アミノアルキル(メタ)アクリルアミド、ビニルピリジン、ビニルイミダゾー
ル、ジアリルアミン等が使用でき、さらにはこれらの第4級アンモニウム塩が使
用できる。又、疎水性モノマーとして、スチレン或はその誘導体、アルキル(メ
タ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル又はプロピオン酸ビ
ニル等のビニルエステル類、或はメチルビニルエーテル等が使用できる。これら
のモノマーを1種又は2種以上適宜組合わせて使用できる。 アクリルアミド系ポリマーを合成するには、従来公知の重合反応によって合成
することができる。即ち、アクリルアミド及び/又はメタクリルアミドと必要に
応じてアニオン性モノマー及び/又はカチオン性モノマーを水、或はメタノール
、エタノール、イソプロピルアルコール等の低級アルコール類、或はそれらの混
合液中、ラジカル重合触媒の存在下に重合反応させることにより得られる。ラジ
カル重合触媒としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウ
ム等の過硫酸塩、これら過硫酸塩と還元剤の組合せによるレッドクス系重合触媒
、或は、2,2′−アゾビス−(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2′−アゾ
ビスイソブチロニトリル等のアゾ系触媒を挙げることができる。また、必要に応
じて、公知の連鎖移動剤を適宜用いることも差し支えない。 このようにして得られる前記アクリルアミド系ポリマー水 溶液の粘度は、20重量%水溶液で10〜5000センチポイズ(但し、25℃、ブルック
・フイールド粘度計、毎分60回転で測定)のものが好ましく、特に上記粘度が10
0〜1000センチポイズのものが好ましい。この粘度が10センチポイズより低いと
き、或は、5000センチポイズより高いときは、これを本願発明の保護コロイド成
分として用いた場合、貯蔵安定性、機械安定性が上記粘度範囲のものを用いたも
のに比べ、劣る傾向がある。 又、アニオン性分散剤としては、スルホン酸基、硫酸エステル基及びそれらの
塩からなる群より選ばれるものをいい、これらは、1種或は2種以上混合して用
いることができる。これらの中で、リグニンスルホン酸ナトリウム、ナフタレン
スルホン酸塩−ホルムアルデヒド縮合物が好ましい。 アクリルアミド系ポリマーは、前記一般式(1)で示されるケテンダイマー系
化合物100重量部に対して 2〜100重量部、好ましくは5〜50重量部の割合で用い
るのがよい。2重量部未満では、乳化性が劣り、貯蔵安定性、機械安定性を失い
、又、100重量部を越えると、経済的に不利益になるばかりではなく、サイズ効
果に悪影響を与える。又、アニオン性分散剤はケテンダイマー系化合物100重量
部に対して、15重量部以下好ましくは、0.1〜5重量部用いるのがよい。15重量
部を越えて用いると、サイズ効果に悪影響を与える。 又、本発明の水溶性アルミニウム塩としては、アルミニウムの硫酸塩、塩酸塩
、硝酸塩、蟻酸塩、酢酸塩から選ばれた1種又は2種以上の水溶性塩が使用でき
る。これらのうち、経済性、及び、工業的に入手が容易であることから、硫酸ア
ルミニウム、いわゆる硫酸バンドが好ましい。 この水溶性アルミニウム塩は、前記一般式(1)で示されるケテンダイマー系
化合物100重量部に対してアルミニウム 量として0.001〜1重量部、好ましくは0.01〜0.5重量部の割合で用いるのが
よい。0.001重量部未満では、貯蔵安定性、機械安定性が劣り、又、1重量部を
越えると、凝集を起し易くなる。 本発明においては、さらにカチオン化澱粉等の高分子保護コロイド、或は、ソ
ルビタンエステル等のノニオン性分散剤も、製紙用サイズ剤組成物の安定性を害
しない程度に使用することができる。 本発明の製紙用サイズ剤組成物は、従来公知の方法により製造することができ
る。例えば、前記一般式(1)で示されるケテンダイマー系化合物の融点以上の
温度でケテンダイマー系化合物とアクリルアミド系ポリマー及びアニオン性分散
剤と水溶性アルミニウム塩とを水性溶媒中に混合して、ホモミキサー、高圧ホモ
ジナイザー、超音波乳化機等の各種公知の乳化機で均一に分散させることにより
得られる。又、ケテンダイマー系化合物とアクリルアミド系ポリマー及びアニオ
ン性分散剤とを水性媒体中に混合し、均一に分散させたのち、水溶性アルミニウ
ム塩を混合することによっても得られる。さらに、ケテンダイマー系化合物とア
クリルアミド系ポリマー及びアニオン性分散剤と水溶性アルミニウム塩とを水性
媒体中に混合し、均一に分散させたのち、水溶性アルミニウム塩を追加混合する
ことによっても得ることができる。製造に際して、水溶性アルミニウム塩は、水
溶液の状態で加えることが好ましい。 このようにして得られた本発明の製紙用サイズ剤組成物は、分散相の粒子径が
10μ以下であり、15〜30重量%という濃度で貯蔵安定性及び機械安定性が極めて
優れており、且つ優れたサイズ効果を発揮することができる。 本発明の製紙用サイズ剤組成物が優れた効果を発揮する理 由については、現在まだ解明されてはいない。しかしながら、今までアニオン性
物質の存在下にカチオン性のアルミニウムイオンが存在すると、凝集を起こしエ
マルジョンの安定性に害を与えると考えられていたのに対し、逆に本発明では貯
蔵安定性、機械安定性に優れるエマルジョンである製紙用サイズ剤組成物が得ら
れたということは驚くべきことである。 次に、本発明の製紙用サイズ剤組成物の使用方法について説明する。本発明製
紙用サイズ剤組成物は、従来公知の方法によって用いることができる。すなわち
、紙又は板紙の製造工程において、紙層形成前の紙料に添加する、いわゆる内添
サイジング方法と、紙層形成後に塗布或は含浸させることによる表面サイジング
方法がある。内添サイジング方法と、表面サイジング方法のいずれか一方を用い
てもよく、また両方同時に用いてもよい。 内添サイジング方法を用いる場合には、本発明の製紙用サイズ剤組成物をパル
プの水性分散液に、パルプの乾燥重量に対して0.02〜3固型重量%、好ましくは0
.05〜2固型重量%添加する。 パルプ原料としては、クラフトパルプ、サルファイトパルプ等の晒或は未晒化
学パルプ、砕木パルプ、機械パルプ、サーモメカニカルパルプ等の晒或は未晒高
収率パルプ、新聞古紙、雑誌古紙、段ボール古紙、脱墨古紙等の古紙パルプのい
ずれも使用することができる。 填料、染料、乾燥紙力向上剤、湿潤紙力向上剤、歩留り向上剤などの添加物も
必要に応じて使用してもよい。又、サイズプレス、ゲートロールコーター、ビル
ブレード、キャレンダー等で、澱粉、ポリビニルアルコール、染料、コーティン
グカラー、表面サイズ剤、防滑剤等を必要に応じて塗布することも一向に差し支
えない。 又、表面サイジング方法に用いる場合には、サイズプレス、ゲートロールコー
ター、ビルブレード、キャレンダー等で塗布する表面塗工液に本発明の製紙用サ
イズ剤組成物を、紙表面に0.005〜0.5g/m2(乾燥重量)塗布されるように添
加すればよい。 〔実施例〕 以下、本発明を実施例を挙げて具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に
のみ限定されるものではない。なお、以下実施例、比較例において%とあるのは
、特に断わりのない限り固型分重量%を意味し、又、部とあるのは重量部を意味
する。 まず、使用するアクリルアミド系ポリマーの合成例を示す。 合成例1 撹拌機、温度計、還流冷却器、及び窒素ガス導入管を備えた1lの四つ口フラ
スコに、50%アクリルアミド水溶液290.7g、イタコン酸9.17g、ジメチルアミノ
エチルメタクリレート36.94g、イオン交換水610.0g、イソプロピルアルコール9.
4gを仕込み、20%硫酸水溶液にてpH4.0に調整した。この混合液を撹拌しながら
窒素ガスを導入し酸素を除去した後、65℃まで昇温し、過硫酸アンモニウムの5
%水溶液8.1gを加え重合を開始した。その後78℃まで昇温し、1.5時間78℃に保
持した後、過硫酸アンモニウムの5%水溶液4.0gを追加し、更に1.5時間同温度
に保持して重合を完了させた。得られたポリマーは、不揮発分20.3%、25℃・毎
分60回転で測定したブルック・フィールド粘度(以下、粘度という)920センチ
ポイズ(以下、cpsという)、pH4.3であった。これを、ポリマーP−1とする。 合成例2〜5 モノマーの種類及び組成を、表1に示す配合に変えた以外は、アクリルアミド
系ポリマーの合成例1と同様の操作で重合し、ポリマーP−2〜P−5を得た。
なお、粘度調整用のイソプロピルアルコールの量はその都度適宜変更した。得ら
れたポリマーの物性を表1に示す。 実施例1 ケテンダイマー系化合物(パルミチン酸クロライド40%及びステアリン酸クロ
ライド60%の混合物を原料としたもの)100部、前記合成例によって得られたポ
リマーP−1を123部及びイオン交換水134部を70℃に加熱し、ホモミキサーにて
予備分散させた後、同温度に保ちながら高圧吐出型ホモジナイザーに250Kg/cm2
の剪断圧力で2回通して均一に分散させた。イオン交換水150部を加えて 35℃以
下に冷却した後、10%水溶液とした硫酸バンド(アルミニウム分8.9%含有)13.
5gとイオン交換水を適量加え325メッシュの金網にて濾過して水性分散液の製紙
用サイズ剤組成物E−1を得た。この製紙用サイズ剤組成物E−1は、不揮発分
20.1%、粘度12.5cps、pH3.5であった。 実施例2〜10 ポリマーの種類、配合比率、及び硫酸バンドの配合比率を表2に示すように変
え、適宜アニオン性分散剤を併用して、実施例1と同様の操作を行い、製紙用サ
イズ剤組成物E−2〜E−10を得た。なお、硫酸バンドの添加方法はホモジナイ
ザーに通す前、及び/又は後と適宜変更した。得られた製紙用サイズ剤組成物E
−2〜E−10の物性を表2に示す。 比較例1〜6 実施例2〜10と同様にして、製紙用サイズ剤組成物RE−1〜RE−6を得た。得
られた製紙用サイズ剤組成物RE−1〜RE−6の配合及び物性を表2に示す。 比較例7〜8 市販のケテンダイマー系化合物を含有する製紙用サイズ剤組成物2種を比較例
とし、物性を表2に示す。 表2中、ケテンダイマー系化合物はパルミチン酸ク
ロライド40%及びステアリン酸クロライド60%の混合物を原料としたもの、アク
リルアミド系化合物は表1に記載したもの、アニオン性分散剤はナフタレンスル
ホン酸ナトリウム−ホルムアルデヒド縮合物(但し、実施例6と比較例2につい
てはリグニンスルホン酸ナトリウム)、アルミニウム量は使用した硫酸バンドの
アルミニウム分を8.9%として計算した値を示す。硫酸バンドの添加方法は、ホ
モジナイザー通過後に添加した。但し、実施例3はホモジナイザー通過前に添加
し、又実施例5と実施例8と比較例3についてはホモジナイザー通過前に半量添
加しホモジナイザー通過後に残りの半量を追加した。 次に、上記で得た製紙用サイズ剤組成物を用いて、貯蔵安定性試験、機械安定
性試験、及びサイズ効果試験を行った応用例を示す。 応用例1−貯蔵安定性試験 上記で得た製紙用サイズ剤組成物を32℃に1ケ月間保存し粘度変化を調べた。
なお、粘度変化が大きい程、貯蔵安定性が不良である事を示す。 応用例2−機械安定性試験 上記で得た製紙用サイズ剤組成物を固型分量20%に調整し、その50gをマーロ
ン法安定度試験機において、20Kg/cm2の荷重下、回転速度1000rpmで10分間撹拌
し、この時生じた、100メッシュ金網不通過の固型分重量を測定した。なお、試
験開始温度は25℃である。この重量が多い程、粕発生が多いことであり、機械安
定性が不良である事を示す。 応用例3−サイズ効果試験 2.4%濃度のパルプスラリー(BKP L/N=8/2、カナディアン・スタンダード・
フリーネス405ml)に、軽質炭酸カルシウム(タマパール121、奥多摩工業社製)
20%を添加し、2分間撹拌後、カチオン化澱粉(ケート15、王子ナショナル社製
)1.0%、硫酸バンド0.5%を順次添加し更に2分間撹拌した。次いで、パルプス
ラリー濃度を0.24%に希釈した後、上記で得た製紙用サイズ剤組成物のそれぞれ
0.15%、歩留り向上剤(ハイレテン104、ディック・ハーキュレス)0.02%を添
加し、1分間撹拌した後、ノーブル・アンド・ウッド社製手抄き装置にて坪量70
g/m2の湿紙を得た。なお、抄紙pHは8.0であった。この湿紙を水分率59.0%にな
るまでプレスした後、ドラムドライヤーで、80%、70秒間乾燥した。乾燥直後、
水分率3.5%の紙を得た。この紙を、20℃、相対湿度65%の雰囲気下で24時間調
湿した後、ステキヒトサイズ度をJISP−8122に準じて測定した。なお、上記填料
、薬品の添加率は、乾燥パルプ重量に対する固型分重量%である。 応用例1〜3の結果をまとめて表3に示す。 以上の結果から、実施例の製紙用サイズ剤組成物は、貯蔵安定性、機械安定性
に優れる製紙用サイズ剤組成物であることが明らかである。 〔発明の効果〕 以上説明してきたように本発明の製紙用サイズ剤組成物はケテンダイマー系化
合物を用いたサイズ剤の特長を維持しつつ、従来のものに比べ貯蔵安定性、機械
安定性が優れているという効果を有する。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】下記一般式(1)で表されるケテンダイマー系化合物と、 〔式中、R1、R2は同一又は異なる炭素数8〜30の炭化水素基を表す。)アニオン性基を含む保護コロイド又は 少なくとも一方にアニオン性基を含む保護
    コロイド及び分散剤と、水溶性アルミニウム塩とを含有することを特徴とする製
    紙用サイズ剤組成物。 【請求項2】アニオン性基を含む保護コロイド又は少なくとも一方にアニオン性
    基を含む保護コロイド及び分散剤が、 (1)アニオン性基を含むアクリルアミド系ポリマー、 (2)アニオン性基を含むアクリルアミド系ポリマーとアニオン性分散剤、 (3)アニオン性基を含まないアクリルアミド系ポリマーとアニオン性分散剤の
    いずれかであり、且つ、ケテンダイマー系化合物100重量部に対して、アクリル
    アミド系ポリマー2〜100重量部、及びアニオン性分散剤0〜15重量部を含有す
    ることを特徴とする請求項1記載の製紙用サイズ剤組成物。 【請求項3】水溶性アルミニウム塩が、アルミニウムの硫酸塩、塩酸塩、硝酸塩
    、蟻酸塩、酢酸塩から選ばれた1種又は2種以上の水溶性塩であり、且つ、ケテ
    ンダイマー系化合物100重量部に対して、水溶性アルミニウム塩をアルミニウム
    量として0.001〜1重量部含有することを特徴とする請求項 1記載の製紙用サイズ剤組成物。

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