JP2610259B2 - 液晶表示器の製造方法 - Google Patents

液晶表示器の製造方法

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JP2610259B2 JP62090981A JP9098187A JP2610259B2 JP 2610259 B2 JP2610259 B2 JP 2610259B2 JP 62090981 A JP62090981 A JP 62090981A JP 9098187 A JP9098187 A JP 9098187A JP 2610259 B2 JP2610259 B2 JP 2610259B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [発明の目的] (産業上の利用分野) この発明は数字や文字等を表示する液晶表示器の製造
方法に関する。
(従来の技術) 液晶表示器には動作モードによりTN型、DS型、GH型、
SBE型及び熱書き込み型のもの等多くの種類があるが、
現在のところほとんどの液晶表示器には電界効果型であ
るTN型或いはSBE型が使われている。
このような動作モードを使用した液晶表示器の一例と
して、例えば特開昭60−107020号公報に記載されている
SBE型の液晶表示器がある。例えば、この液晶表示器の
構成としては、少なくとも片面側に透明電極が形成され
た透明基板を2枚対向させ、周囲を封着してセルとし、
セル内にネマティック液晶を入れている。対向基板間の
距離は4〜12μm程度であり、ネマティック液晶として
はシクロヘキサン系、エステル系、ビフェニール系及び
ピリジミン系液晶等が使われている。ネマティック液晶
の中にはカイラル剤が添加され、液晶分子の分子軸が18
0゜乃至360゜、好ましくは270゜の角度に、上下の基板
間で捩られている。また液晶分子は、基板上の配向層の
働きにより、分子軸が基板平面に対し1゜より大きい傾
斜(プレチルト)を有している。
そしてSBE型液晶表示器において、好ましくは基板の
外側の前面と後面に偏光板を配しており、前面偏光板の
透過軸が上基板の配向方向に対して右回りに約30゜、背
面偏光板の透過軸が上基板の配向方向に対して左回りに
約30゜或いは右回りに約60゜である場合が最もよい構成
とされている。このうち前者の構成は非選択状態で明る
い黄色の表示、選択状態で黒の表示が得られ(イエロー
モード)、後者の構成は非選択状態で深い青色の表示が
得られ、選択状態で透過状態となる(ブルーモード)。
(発明が解決しようとする問題点) ところでこのような液晶表示器においては、本来、液
晶配向の乱れや対向電極間の電気的短絡等を起こす原因
となる微小なごみがあってはならない。しかしながら実
際には、金属粉、ガラス粉及びセルローズ等の異物が主
に次に示す3つの段階で混入しやすいことがわかってい
る。
あらかじめ異物が付着した対向電極基板を組み合せた
場合 対向電極基板を組み合せるときの異物の抱きこみ 液晶注入時の外部からの侵入 このため従来より、設備、治具及び人体からの発塵防
止や環境の清浄化と維持が行われているが、なお完全で
はなく、微小なごみの液晶表示器内への混入により、表
示画面にコントラストのむら等の不具合を生じることが
あった。
この発明は、液晶表示器における表示品位を向上し、
歩留りのよい製造を可能とすることを目的とする。
[発明の構成] (問題点を解決するための手段) この発明は、第1主面側に導電電極が形成された第1
及び第2基板間にネマティック液晶が挟持され且つ第1
及び第2基板の第2主面側には偏光板が被着されてなる
液晶表示器の製造方法であり、ネマティック液晶にはハ
イドロキノンとP−ベンゾキノンからなる添加剤が含有
されており、このネマティック液晶に紫外線を照射す
る。
(作 用) このような添加剤が含有された液晶セルを組み立てた
後に、紫外線を照射して添加剤をイオン性物質に分解す
ると、微小なごみによるコントラストのむら等の表示画
面の不具合を除去できることが明らかになった。この理
由としては、通常、ごみの回りには液晶材料中のイオン
性不純物が集まったり、或いはごみに付着していたイオ
ン性不純物がごみの近傍の液晶中に拡散することによっ
て、液晶材料中のイオン性物質の分布に偏りが生じ、コ
ントラストのむら等が発生するが、この発明では紫外線
照射後の添加剤の働きにより、イオン性物質の分布を均
一化するためと考えられる。
(実施例) 以下、この発明の詳細を液晶表示器がSBE型である場
合を例に挙げ、図面を参照して説明する。
第1図はこの発明の一実施例によって得られる液晶表
示器を示す断面図である。同図において、例えばガラス
基板である第1及び第2基板(1),(2)の第1主面
(1a),(2a)側には、それぞれ例えばITO(インジウ
ム・チン・オキサイド)からなる透明な導電電極
(3),(4)が形成されており、第1及び第2基板
(1),(2)は各々の第1主面(1a),(2a)が対向
するように約7μmの間隔に保たれている。また第1及
び第2基板(1),(2)の第1主面(1a),(2a)側
には、導電電極(3),(4)を覆うように、それぞれ
例えばポリイミドからなる配向層(5),(6)が形成
されており、その周囲は例えば紫外線硬化型の接着剤か
らなる封着剤(7)により封止されている。そして第1
及び第2基板(1),(2)間には、紫外線によりイオ
ン性物質に分解する添加剤及びカイラル剤が添加された
エステル系及びビフェニール系液晶を含む混合液晶であ
るネマティック液晶(8)が挟持されていて、その分子
軸はカイラル剤の働きにより第1及び第2基板(1),
(2)間で180゜から360゜の範囲例えば210゜の捩れを
もつとともに、第1及び第2基板(1),(2)の平面
に対し、2゜より大きい例えば3゜の傾斜を有してい
る。ここで用いる添加剤は、ハイドロキノンとP−ベン
ゾキノンを等モル混合したキノン系混合物であり、エス
テル系及びビフェニール系液晶を含む混合液晶に対し0.
05重量%の割合で添加している。また第1基板(1)の
第2主面(1b)側には偏光板(9)、第2基板(2)の
第2主面(2b)側には偏光板(10)と反射板(11)が被
着されている。ここで偏光板(9),(10)の配置角度
は、偏光板(9),(10)の透過軸が第1基板(1)の
配向方向に対して、それぞれ右回りに約50゜、右回りに
約20゜となるように設定してある。こうして所望の液晶
表示器が得られ、これは選択時において黒色、非選択時
において黄色を呈する。
次にこの実施例の製造工程について述べる。まず第1
及び第2基板(1),(2)の第1主面(1a),(2a)
上にそれぞれ導電電極(3),(4)のパターンを形成
する。次に、導電電極(3),(4)を覆うように、配
向層(5),(6)を印刷等で形成した後、布等で所定
の方向にラビング処理を施す。そして導電電極(3),
(4)が対向した状態で第1及び第2基板(1),
(2)が一体となるように、ネマティック液晶(8)の
注入口となる部分を除いて封着剤(7)で周囲を封着す
る。次に、前述の注入口よりカイラル剤や添加剤が添加
されたネマティック液晶(8)を注入した後、注入口を
封止する。こうして第1及び第2基板(1),(2)間
に挟持されたネマティック液晶(8)に、外部から例え
ば波長3650Åで強度10mW/cm2の紫外線を約10分間照射す
る。ここで紫外線は、第1及び第2基板(1),(2)
の透過が可能となる波長である必要があり、またその照
射時間は、あまり長すぎるとネマティック液晶(8)が
劣化してしまうので、5〜20分間が適当である。そして
第1及び第2基板(1),(2)の第2主面(1b),
(2b)には、それぞれ偏光板(9)、偏光板(10)及び
反射板(11)を上記処理の後被着する。
この実施例では、紫外線を照射した際に、添加剤がイ
オン性物質に分解するので、微小なごみが混入してしま
った場合にも、ネマティック液晶(8)中のイオン性物
質の均一性が保たれる。この結果、微小なごみによるコ
ントラストむら等の表示画面の不具合は除去され、良好
な表示が得られる。また、添加剤が紫外線によって分解
した場合にも、ネマティック液晶(8)の特性が大きく
変わることはなく、イオン性物質による消費電流の増加
は約10%で極めて少なく、実際上支障はない。
なお、添加剤の濃度をこの実施例では0.05重量%とし
たが、これはネマティック液晶(8)中のイオン性物質
の均一化という観点から0.01重量%以上であり、更に濃
度が高すぎると添加剤が注入口近辺の基板に付着してし
まうので、0.1重量%以下であることが望ましい。ま
た、液晶表示器の動作モードもTN型や他の複屈折制御型
等であってもよい。
[発明の効果] この発明は、基板間にネマティック液晶を挟持してな
る液晶表示器の製造方法であり、ハイドロキノンとP−
ベンゾキノンからなる添加剤を含有させ、紫外線を照射
することにより、微小なごみによるコントラストむら等
の表示画面の不具合を除去することができる。
【図面の簡単な説明】
第1図はこの発明の一実施例によって得られる液晶表示
器を示す断面図である。 (1)……第1基板、 (2)……第2基板、 (3),(4)……導電電極、 (8)……ネマティック液晶、 (9),(10)……偏光板、 (1a),(2a)……第1主面、 (1b),(2b)……第2主面。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1及び第2基板の第1主面側に導電電極
    を形成する工程と、前記第1及び第2基板間にハイドロ
    キノンとP−ベンゾキノンからなる添加剤を混合したネ
    マティック液晶を挟持する工程と、前記ネマティック液
    晶に紫外線を照射する工程と、前記第1及び第2基板の
    第2主面側に偏光板を被着する工程とを備えたことを特
    徴とする液晶表示器の製造方法。
  2. 【請求項2】前記添加剤は前記ネマティック液晶に対
    し、0.01乃至0.1重量%の割合で添加されていることを
    特徴とする請求項1記載の液晶表示器の製造方法。
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