JP2609682B2 - 高度に可溶性の芳香族ポリイミド - Google Patents

高度に可溶性の芳香族ポリイミド

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、アルキル置換4,4′−メチレン−ビスアニ
リンおよび3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカルボン酸
二無水物(BPDA)から調製され、非プロトン性溶媒中に
可溶性である、完全に環化した芳香族ポリイミドの1つ
のクラスに関する。
米国特許4,378,400号は、BPDAに基づくポリイミドお
よびガス分離膜としてのそれらの実用性を開示してい
る。米国特許4,378,400号(第10欄、第19−21行)は、
その例の1つがジメチルアセタミド中に不溶性であるこ
とを開示している。米国特許4,378,324号、米国特許4,4
86,376号、米国特許4,528,004号、米国特許4,370,290
号、米国特許4,440,643号、米国特許4,460,526号、米国
特許4,474,662号、米国特許4,474,858号、米国特許4,48
5,056号、米国特許4,512,893号および米国特許4,535,10
5号は、このクラスのポリイミドのための製作方法など
を開示しているが、すぐれた非プロトン性溶媒中の可溶
性を開示していない。英国特許出願G.B.2,176,196A号
は、BPDAに基づくポリイミド粉末およびそれらの製造を
開示している。それらの製造法は、すぐれた非プロトン
性溶媒、例えば、N−メチルピロリドン中のBPDAに基づ
くポリイミドの不溶性に基づく。
日本特許出願公開61−195125号は、9,10−ビス(アミ
ノフェニル)アントアセトンと2,3,3′,4′−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物、BPDAの構造異性体、から
調製されたポリイミドの、すぐれた非プロトン性溶媒、
例えば、N−メチルピロリドン中の可溶性を開示してい
る。それらは、同一ジアミンとBPDAとから調製されたポ
リイミドについてのすぐれた非プロトン性溶媒中の可溶
性を開示していない。
米国特許4,696,994号は、BPDAとビス(アミノフェノ
キシ−フェニル)スルホンまたはビス(アミノフェノキ
シ−フェニル)プロパンから調製されたポリイミドの、
すぐれた非プロトン性溶媒、例えば、N−メチルピロリ
ドン中の可溶性を開示している。
欧州特許出願132,221号、欧州特許出願141,781号およ
び欧州特許出願181,837号は、ジアミンがアルキル基で
置換されている芳香族ポリイミドを開示している。ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物は、これらの特許出願
の実施例のいずれいにおいても使用されていない。米国
特許4,629,685号、米国特許4,629,777号および米国特許
4,656,116号は、高度にアルキル置換された芳香族ポリ
イミドを開示しており、それらのあるものはすぐれた非
プロトン性溶媒中に可溶性である。それらはこれらのポ
リイミドがより弱い溶媒中に可溶性であることを開示し
ていない。BPDAはこれらの特許の実施例のいずれにおい
ても使用されていない。
米国特許3,356,648号は、ポリアミド酸およびヘキサ
フルオロプロピレン架橋ジアミンおよび二無水物からの
ポリイミドが、比較的弱い溶媒、例えば、アセトン中に
可溶性であるが、より弱い溶媒、例えば、トルエン中に
は可溶性でないことを開示している。BPDAはこの特許の
実施例のいずれにおいても使用されていない。
米国特許3,959,350号は、すぐれた非プロトン性溶媒
中に可溶性のポリイミドを開示している。より弱い溶媒
中の可溶性は例示されていない。BPDAはこの特許の実施
例のいずれにおいても使用されていない。
米国特許3,705,870号は、2,4−ジアミノジフェニルア
ミンおよび2,4−ジアミノフェニルサルファイドから調
製した可溶性ポリイミドを記載している。弱い溶媒中の
可溶性は例示されていない。BPDAはこの特許の実施例の
いずれにおいても使用されていない。
米国特許3,705,869号は、3,3−ビス(p−アミノフェ
ニル)オキシインドールおよび3,3−ビス(p−アミノ
フェニル)−1−フェニルオキシインドールから誘導さ
れた可溶性ポリイミドを記載している。弱い溶媒中の可
溶性は開示されていない。BPDAはこの特許の実施例のい
ずれにおいても使用されていない。
米国特許3,758,434号は、すぐれた非プロトン性溶媒
中に可溶性であるポリイミドを開示している。弱い溶媒
中の可溶性は開示されていない。BPDAはこの特許の実施
例のいずれにおいても使用されていない。
米国特許3,787,367号は、可溶性コポリイミドを記載
している。より弱い溶媒中の可溶性は開示されていな
い。BPDAはこの特許の実施例のいずれにおいても使用さ
れていない。
米国特許3,803,075号は、2,6−ジアミノ−s−トリア
ジンからの可溶性ポリイミドを記載している。この材料
は弱い溶媒中に不溶性であることが示されている。BPDA
はこの特許の実施例のいずれにおいても使用されていな
い。
米国特許3,856,752号は、フェニルレンジアミンおよ
び二無水物から調製された可溶性ポリイミドを記載して
いる。弱い溶媒中の可溶性は開示されていない。BPDA
この特許の実施例のいずれにおいても使用されていな
い。
米国特許4,078,142号および米国特許4,145,522号は、
改良された可溶性を有するポリイミド材料を記載してい
る。しかしながら、可溶性の情報は開示されていない。
BPDAはこれらの特許の実施例のいずれかにおいても使用
されていない。
米国特許3,546,175号は、2、4−ジアミノイソプロ
ピルベンゼンおよびピロメリット酸二無水物および3,
3′,4,4′−ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物
からの可溶性ポリイミドを記載している。これらの材料
はすぐれた非プロトン性溶媒においてのみ可溶性である
ことが発見された。BPDAはこの特許の実施例のいずれに
おいても使用されていない。
米国特許3,642,682号は、グアナミンに基づくジアミ
ンからの可溶性ポリイミドを記載している。弱い溶媒
は、それらの材料のための、すぐれた非プロトン性溶媒
とともに、希釈剤または補助溶媒として使用できること
が開示されている。BPDAはこの特許の実施例のいずれに
おいても使用されていない。
米国特許4,588,804号は、1系列の可溶性ポリイミド
を記載している。弱い溶媒中の可溶性は開示されていな
い。BPDAはこの特許の実施例のいずれにおいても使用さ
れていない。
米国特許4,697,093号は、可溶性ポリイミドを記載し
ている。これらの材料は弱い溶媒中に可容性であると開
示されていない。BPDAはこの特許の実施例のいずれにお
いても使用されていない。
NASA−TM−8916は、可溶性ポリイミドを記載してい
る。これらの材料は弱い溶媒中に可溶性であると開示さ
れていず、そしてBPDAの使用は記載されていない。
本発明は、芳香族ポリイミドのクラスにおいて前に発
見されたより広い溶媒範囲において可溶性である、芳香
族ポリイミドに関する。これらのポリイミドから形成さ
れたフィルムは、本質的に光学的に透明でありかつ無色
である。本発明のポリイミドは、ビフエニルテトラカル
ボン酸二無水物である二無水物およびアミノ基に隣接し
てアルキル基で置換され、そしてある場合においてハロ
ゲン原子でさらに置換されている4,4′−メチレン−ビ
ス−アニリンから形成される。
芳香族ポリイミドは、1つのクラスとして、広い範囲
の溶媒中に不溶性である傾向がある。この不溶性は、高
い軟化温度とともに、芳香族ポリイミド材料の有用な製
品への製作を非常に困難とする。不溶性芳香族ポリイミ
ドからのフィルム、コーティングおよび他の構造体の製
作は、一般に、手の込んだ方法、例えば、前記ポリイミ
ドからの凝集性粉末の形成、を必要とする。他の製作技
術は、不溶性ポリイミドの可溶性ポリアミド−酸前駆体
からのフィルムの形成を包含する。フィルムは、過剰の
溶媒を除去した後、熱的または化学的に脱水して、前駆
体ポリアミド酸フィルムをポリイミドフィルムに転化し
なくてはならない。それ以上の問題、例えば、イミド化
工程の間の副生物の水の発生によって生ずる空隙の形成
が存在する。
前述の欠点は、本発明の可溶性の完全に環化したポリ
イミドによって、この分野において回避された。可溶性
の完全に環化した3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物(BPDA)に基つくポリイミドは、先行技
術において開示された。これらは、一般に、塩素化溶
媒、例えば、ジクロロメタン、およびフェノール系溶
媒、例えば、クレゾール中にのみ可溶性であるというこ
とによって悩まされる。このような溶媒は健康に対して
危険であるために問題を提供する。例えば、クレゾール
は、接触すると、高度に毒性であり、そしてジクロロメ
タンは蒸気を呼吸すると、呼吸器系の疾患を引き起こす
ことがある。これらの問題は、より広い範囲の非プロト
ン性溶媒、例えば、N−メチルピロリドン、N,N′−ジ
メチルアセタミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド、トルエンなど中で可溶性のBPDAに基
づくポリイミドを使用することによって回避することが
できる。
本発明は、前述の欠点を回避し、そして、N−メチル
ピロリドン(NMP)からトルエンにいたらる、より広い
範囲の非プロトン性溶媒中に可溶性である、第1の既知
のクラスの完全に環化したBPDAに基づくポリイミドを提
供する。このクラスのポリイミドは、置換されたメチレ
ンジアミンおよび3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカル
ボン酸二無水物(ここでBPDAとして表わす)から本質的
に組成的に調製される。より広い範囲の非プロトン性溶
媒中に可溶性の適当なポリイミド組成物は、次の反復単
位を有するポリイミドを包含する: 式中、 −Ar1−は次式 からなり、 ここで、 −Xは、独立に、1〜6個の炭素原子を有する第1級
アルキル基または第2級アルキル基、好ましくはメチル
基、エチル基またはイソプロピル基、であり、 −Zは独立に−C1、−Brまたは−I、好ましくは−C
l、であり、 そして、 である、 の、等モル量の芳香族無水物 及びジアミンAr1からなり、そして分子量がフイル
ム形成に充分でありかつフイルムを折り曲げた時の割れ
目抵抗に充分である、芳香族ポリイミド。
より広い範囲の非プロトン性溶媒中の高温のBPDAに基
づくポリイミドのこのクラスについて見出された驚くべ
き可溶性は、その中に組み入れられた構造的特徴の組み
合わせの直接の結果であると信じられる。先行技術にお
いて教示されているように、3,3′,4,4′−ビフェニル
テトラカルボン酸二無水物(BPDA)を組み入れた、いく
つかの完全に環化した芳香族ポリイミドは、塩素化溶
媒、例えば、ジクロロメタン、およびフェノール系溶
媒、例えば、クレゾール中に可溶性である。この可溶性
は完全には理解されない。一般に、BPDAに基づくポリイ
ミドは非プロトン性溶媒中に不溶性である。例えば、BP
DAに基づくポリイミドは、すぐれた非プロトン性溶媒、
例えば、N,N−ジメチルアセタミド(米国特許4,378,400
号;第10欄、第21行)およびN−メチルピロリドン(米
国特許4,508,766号;第7欄、第14行)中で調製したと
き、粉末として溶液から外に沈澱する。すぐれた非プロ
トン性溶媒中のこの不溶性は、BPDAに基づく成形可能な
ポリイミド粉末を調製するために利用されてきた(英国
特許出願GB2,176,196A号)。1つの場合においてのみ、
BPDAに基づくポリイミドはすぐれた非プロトン性溶媒中
に可溶性であることが開示された(米国特許4,696,994
号)。従来、ポリイミド中のBPDAの組み入れは、より広
い範囲の非プロトン性溶媒中のポリマーの可溶性を提供
するために十分な基準ではなかった。
ジアミン官能のまわりのオルト−アルキル置換基は、
イミド連結を立体的に詰め込む(crowd)傾向がある。
これはイミド官能および二無水物残基の芳香族残基の平
面より外にジアミン官能の芳香族残基を保持させる傾向
がある。したがって、芳香族ポリイミド連鎖内の電子的
環の接合は大きく減少する。さらに、前述のアルキル置
換基は、フィルムおよび/またはコーティング内の異な
るポリイミド連鎖間の強い電子的相互作用を立体的に遮
断する。しかしながら、先行技術においておよびこの明
細書中の比較例において教示されているように、オルト
−アルキル置換基の組み入れは、それ自体で、すぐれた
非プロトン性溶媒、例えば、N−メチルピロリドン中の
増大したポリマーの可溶性を提供するために十分な基準
ではない。
ジアミン官能のまわりの構造的に異なるオルト−アル
キル置換基の組み入れおよび/またはオルト−アルキル
置換ジアミン官能のまわりのメターハライド置換基の組
み入れは、ポリマー連鎖中になおいっそう大きい無秩序
を引き起こす。このポリマー連鎖の無秩序は、ポリイミ
ド連鎖の高分子構造をさらに崩壊し、こうしてフィルム
および/またはコーティング内の連鎖内の有機化に対し
て大きい障害を引き起こす。
前述の構造的特徴の組み合わせは、連鎖間および連鎖
内の相互作用を大きく減少するはたらきをする。このク
ラスの高温のBPDAに基づくポリイミドの広い範囲の非プ
ロトン溶媒中での驚くべきほどに高い可溶性を与えるは
たらきをするのは、この減少であると信じらる。ここに
開示するBPDAに基づくポリイミドの実施例は、すぐれた
非プロトン性溶媒、例えば、N−メチルピロリドンか
ら、非常に弱い非プロトン性溶媒、例えば、トルエンに
及ぶ、驚くべきほどに広い範囲の非プロトン性溶媒中に
可溶性であることが発見された。機構に無関係に、ここ
に記載する芳香族ポリイミドがすぐれた非プロトン性溶
媒中において大きく増大した可溶性を有するという発見
は、先行技術の教示に照して驚くべきである。
すぐれた非プロトン性溶媒中の前述のクラスのポリイ
ミドの可溶性は、多くの製品へのBPDAに基づくポリイミ
ドの製作を促進する。不溶性ポリイミドからのフィル
ム、コーティング、および他の製品への製作は、前述の
ように、長大な方法を必要とする。さらに、先行技術に
記載されいるような、塩素化溶媒、例えば、ジクロロメ
タン、およびフェノール系溶媒、例えば、クレゾール中
に可溶性であるクラスの完全に環化したBPDAに基づくポ
リイミドから、このような製品を製作することは、これ
らの溶媒に関連する危険によって複雑となる。すぐれた
非プロトン性溶媒、例えば、N−メチルピロリドン中に
可溶性の、本発明のここに記載するクラスの完全に環化
したBPDAに基づくポリイミドは、フィルム、コーティン
グなどの製作のための製作方法を大きく簡素化する。
前述のクラスのBPDAに基づくポリイミドは、弱い非プ
ロトン性溶媒、例えば、トルエン中に可溶性であること
が発見された。より弱い溶媒中の可溶性は、不溶性また
は可溶性に劣るポリイミドに対して利用できなかった、
独特の製作の機会を提供する。コーティングの材料が支
持体の材料が感受性である溶媒中にのみ可溶性である、
多層構造体を製作することは困難である。この問題は、
支持体の材料が不感受性である、より弱い溶媒中に可溶
性であるポリイミド材料が入手可能であるとき、解決さ
れる。上の例は、電子装置上にポリイミドの不動態化コ
ーティングを適用するとき、起こりうる。
ここに開示するポリイミドは、ガス分離および電子的
応用、例えば、保護コーティングに使用される。
実施例 実施例1(参考例) N−メチルピロリドン(250ml)中の4,4′−メチレン
−ビス(2−メチル−6−イソプロピルアニリン)(3
1.0g、0.10モル)の攪拌した溶液に、3,3′,4,4′−ビ
フェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA、29.7g、0.1
01モル、最後の部分を追加の50mlのN−メチルピロリド
ンで洗浄した)を不活性雰囲気下に室温において添加し
た。暗いオレンジ色の溶液を室温において一夜攪拌した
後、酢酸無水物(37.7ml、0.4モル)およびトリエチル
アミン(55.8ml、0.4モル)の溶液を急速に攪拌しなが
ら添加した。生ずる淡いオレンジ色溶液を室温において
4時間攪拌し、次いで水中で沈殿させた。この灰色の固
体をろ過より集め、水で2回洗浄し、そしてメタノール
で2回洗浄した。このポリマーを一夜空気乾燥し、次い
で真空炉[51cmHg(20インチHg)]内で室温において一
夜乾燥し、120℃で3時間そして250℃で5時間乾燥し
て、収量53.2gの生成物を得た。
この得られるポリイミドはすぐれた非プロトン性溶
媒、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルスルホキ
シドおよびジメチルアセタミドならびにジクロロメタン
およびm−クレゾール中に20%の固形物(ポリマーの重
量に基づく)より多い量で可溶性であった。
デュポン熱分析装置990−3型(セルHCB1−S/N00523
をもつ、基線傾斜=5.0)を窒素雰囲気中で10℃/分の
進行速度で使用して、上のポリマーについて差動走査熱
量測定(DSC)を実施した。Tgの相関関係づけられる転
移は、この方法によって、400℃まで観測されなかっ
た。
デュポン熱重量分析装置99−2型(セル951−5型を
もつ)を窒素雰囲気中で10℃/分の進行速度で使用し
て、上のポリマーについて熱重量分析(TGA)を実施し
た。5%の重量損失が400℃で観測され、そして40%の
重量損失が515℃において観測された。
N−メチルピロリドン中の15%上のポリマー溶液(重
量に基づく)から、デュポンのテフロン(TEFLON )の
乾燥滑剤中で処理したガラス板上に、100℃において38.
4×10-5m(15ミル)のナイフギャップでフィルムを流延
した。[テフロン(TEFLON )の乾燥滑剤は、ガラス板
へのフィルムの接着を減少するフルオロカーボンターポ
リマーを含有する。]フィルムを板上で100℃において2
5分間乾燥し、室温に冷却し、真空炉[51cmHg(20イン
チHg)]内で室温において一夜さらに乾燥した。フィル
ムを板から剥し、そして真空炉[51cmHg(20インチH
g)]内で120℃において4時間乾燥した。
この透明なフィルムは強靭かつ柔軟であり、そして割
れ目を形成しないで折ることができた。
実施例2 N−メチルピロリドン(1,000ml)中の4,4′−メチレ
ン−ビス(3−クロロ−2,6−ジエチルアニリン)(18
9.5g、0.5モル)の攪拌した溶液に、3,3′,4,4′−ビフ
ェニルテトラカルボン酸二無水物(BPDA、148.6g、0.50
5モル、最後の部分を追加の100mlのN−メチルピロリド
ンで洗浄した)をわずかの窒素のパージの下に室温にお
いて添加した。この反応溶液をN−メチルピロリドンの
沸点までゆっくリ加熱し、その間揮発性物質を留出させ
た。300mlの水/N−メチルピロリドン溶液を3.5時間にわ
たって蒸留した後、蒸留物を反応溶液中に流して戻し
た。非常に粘性の反応溶液が約204℃において合計6.7時
間にわたって流した後、反応溶液を室温にゆっくり冷却
した。この溶液をN−メチルピロリドンで希釈し、そし
て水中で沈殿させた。生ずる固体を順次に水およびメタ
ノールで洗浄した。この灰色のポリマーを一夜空気乾燥
し、次いで真空炉[51cmHg(20インチHg)]内で120℃
においてそして250℃で5時間乾燥して、収量326.8gの
生成物を得た。
このポリイミドは弱い非プロトン性溶媒、例えば、ト
ルエンおよびすぐれた非プロトン性溶媒、例えば、N−
メチルピロリドンおよびジメチルアセタミドならびにジ
クロロメタンおよびm−クレゾール中に可溶性であっ
た。
デュポン熱分析装置990−3型(セルHCBl−S/N00523
をもつ、基線傾斜=5.0)を窒素雰囲気中で10℃/分の
進行速度で使用して、上のポリマーについて差動走査熱
量測定(DSC)を実施した。Tgの相関関係づけられる転
移は、この方法によって、400℃まで観測されなかっ
た。
デュポン熱重量分析装置99−2型(セル951−5型を
もつ)を窒素雰囲気中で10℃/分の進行速度で使用し
て、上のポリマーについて熱重分析(TGA)を実施し
た。5%の重量損失が400℃で観測され、そして40%の
重量損失が490℃において観測された。
実施例3(参考例) N−メチルピロリドン(250ml)中の4,4′−メチレン
−ビス(2−エチル−6−メチルアニリン)(28.2g、
0.10モル)の攪拌した溶液に、3,3′,4,4′−ビフェニ
ルテトラカルボン酸二無水物(BPDA、29.7g、0.101モ
ル、最後の部分を追加の50mlのN−メチルピロリドンで
洗浄した)を不活性雰囲気下に室温において添加した。
黄−オレンジ色の溶液を室温において一夜攪拌した後、
酢酸無水物(37.7ml、0.4モル)、トリエチルアミン(5
5.8ml、0.4モル)およびN−メチルピロリドン(150m
l)の溶液を急速に攪拌しながら添加した。生ずる黄色
溶液を室温において4時間攪拌し、次いで水中で沈殿さ
せた。このポリマーを水で2回洗浄し、そしてメタノー
ルで2回洗浄した。この固体を一夜空気乾燥し、次いで
真空炉[51cmHg(20インチHg)]内で室温において乾燥
し、120℃で3時間そして250℃で5時間乾燥して、収量
55gの生成物を得た。
このポリイミドはすぐれた非プロトン性溶媒、例え
ば、N−メチルピロリドンならびにジクロロメタンおよ
びm−クレゾール中に20%の固形分(ポリマーの重量に
基づく)より多い量で可溶性であった。
デュポン熱分析装置990−3型(セルHCBl−S/N00523
をもつ、基線傾斜=5.0)を窒素雰囲気中で10℃/分の
進行速度で使用して、上のポリマーについて差動走査熱
量測定(DSC)を実施した。Tgの相関関係づけられる転
移は、この方法によって、400℃まで観測されなかっ
た。
デュポン熱重量分析装置99−2型(セル951−5型を
もつ)を窒素雰囲気中で10℃/分の進行速度で使用し
て、上のポリマーについて熱重量分析(TGA)を実施し
た。5%の重量損失が410℃で観測され、そして40%の
重量損失が510℃において観測された。
比較例 N−メチルピロリドン(250ml)中の4,4′−メチレン
−ビス(2,6−ジエチルアニリン)(31.0g、0.10モル)
の攪拌した溶液に、3,3′,4,4′−ビフェニルテトラカ
ルボン酸二無水物(BPDA、29.7g、0.101モル、最後の部
分を追加の50mlのN−メチルピロリドンで洗浄した)を
不活性雰囲気下に室温において添加した。この黄−オレ
ンジ色の溶液を室温において一夜攪拌した後、酢酸無水
物(37.7ml、0.4モル)、トリエチルアミン(55.8ml、
0.4モル)およびN−メチルピロリドン(150ml)の溶液
を急速に攪拌しながら添加した。この淡黄色溶液を室温
において4時間放置した後、水中で沈殿させた。生ずる
灰色固体を水で2回洗浄し、そしてメタノールで2回洗
浄した。この固体を一夜空気乾燥した後、真空炉[51cm
Hg(20インチHg)]内で120℃で3時間そして250℃で5
時間乾燥して、収量55%の生成物を得た。
このポリイミドは膨潤したが、すぐれた非プロトン性
溶媒、例えば、N−メチルピロリドン、ジメチルアセタ
ミドおよびジメチルスルホキシド中に不溶性である。こ
のポリマーはジクロロメタンおよびm−クレゾール中に
可溶性である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 式中、 −Ar1−は次式 からなり、 ここで、 −Xは、独立に、1〜6個の炭素原子を有する第1級ア
    ルキル基 または第2級アルキル基であり、 −Zは独立に−Cl、−Brまたは−Iであり、 そして、 である、 、の等モル量の芳香族無水物 及びジアミンAr1からなり、そして、分子量がフイ
    ルム形成に充分でありかつフイルムを折り曲げた時の割
    れ目抵抗に充分である、芳香族ポリイミド。
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