JP2609534B2 - オレフィン性不飽和ポリマーの水添方法 - Google Patents

オレフィン性不飽和ポリマーの水添方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、オレフィン性不飽和二重結合含有ポリマー
の選択的水添方法に関する。より詳しくは、新規なロジ
ウム錯体触媒を用いて、ポリマーの側鎖の不飽和二重結
合を、温和な条件下で選択的に水添する方法に関する。
[従来技術] オレフィン性二重結合含有ポリマーの水添方法として
は、従来から担持型不均一系触媒や、有機金属錯体の均
一系触媒を用いる方法等が数多く提案されている。
これらの中で均一系触媒は活性が高く、少量の使用で
済むので工業的によく利用されており、例えば、ロジウ
ム、ルテニウム、イリジウムのトリフェニルホスフィン
錯体触媒を用いてオレフィン性不飽和二重結合含有ポリ
マーの側鎖の二重結合を選択的に水添する方法が提案さ
れている(特開昭52−41690号公報参照)。
しかしながら、これらの水添方法を用いてポリマーの
不飽和二重結合を水添した場合、耐候性、耐酸化性、耐
熱性、架橋防止性等は著しく改善されるのであるが、低
温特性と耐候性をともに要求されるような用途、例えば
耐候性・耐衝撃性ポリスチレンの原料、耐候性、耐熱性
の要求されるゴム製品、架橋のできる耐熱性・耐候性エ
ラストマー等に用いる場合には側鎖のみの水添が強く望
まれていたのである。
[発明が解決しようとする課題] ところが、従来の担持型不均一系触媒や均一系触媒を
用いて水添した場合、オレフィン性不飽和二重結合含有
ポリマーの側鎖のみならず、主鎖や場合によっては芳香
環まで水添してしまい、選択性がよくないというのが一
般であった。この点に関しては先に示したロジウム等の
トリフェニルホスフィン錯体触媒の場合には側鎖の選択
的水添を温和な条件下で行なえるという点で優れている
が、ポリマー溶液のような高粘度溶液においては反応が
著しく遅くなるという欠点があった。
そこで、これらの点を改善すべく反応温度や反応圧を
上げるか、あるいは溶媒で希釈して、粘度を下げようと
しても、これらの触媒は高温等の厳しい条件下では側鎖
のみならず主鎖の不飽和二重結合も水添してしまい、本
発明の目的を達成しにくくなるという新たな問題を発生
する。また、溶媒で希釈して粘度を下げる方法も生産効
率を悪化し、工業上採用できない。
本発明は以上の問題点を解決しオレフィン系不飽和二
重結合のうち、側鎖にあるものを、工業上実用的な温度
範囲で選択的に水添し、主鎖の二重結合を保持できる選
択的水添技術を開発することを目的とするものである。
[課題を解決するための手段および作用] 本発明者らは上記目的を達成するため、鋭意研究した
結果、特定のジヒドリドロジウム錯体が実用的な温度域
でオレフィン性不飽和二重結合含有ポリマーの側鎖の不
飽和二重結合を選択的に水添できることを見出し、本発
明を完成した。
即ち、本発明は有機溶媒中で共役ジエンのホモポリマ
ーまたはコポリマーであって、共役ジエン単位の側鎖の
二重結合が10〜90重量%であるオレフィン性不飽和二重
結合含有ポリマーを、下記一般式で表わされるジヒドリ
ドロジウム錯化合物の少なくとも一種からなる水添触媒 (R1はフェニル、アリール基を、R2は水素、またはC1
C6のアルキル基を、R3は水素、C1〜C6のアルキル基、フ
ェニル基、またはアリール基を示す。) の存在下に水素と接触させて、該ポリマーの中のオレフ
ィン性不飽和二重結合のうち、側鎖の不飽和二重結合を
水添する方法を提供するものである。
本発明で用いる触媒はポリマー中のオレフィン性不飽
和二重結合のうちの側鎖(ビニル基、ビニレン基等)を
選択的に水添することができる。従ってポリブタジエン
の場合を例にすると、1,2含有率が低下し、1,4含有率の
高いポリマーが得られる。
本発明で用いるオレフィン性不飽和二重結合含有ポリ
マーは、ポリマー鎖中および側鎖中にオレフィン性の炭
素−炭素不飽和二重結合を有するポリマーであって、好
ましい代表例は共役ジエンポリマーまたは共役ジエンと
オレフィンモノマーとのランダム、ブロック、グラフト
コポリマー等である。
本発明で用いられる共役ジエンポリマーは、共役ジエ
ンホモポリマーおよび共役ジエン相互もしくは共役ジエ
ンの少なくとも一種と共役ジエンと共重合可能なオレフ
ィンモノマーの少なくとも一種とを共重合して得られる
コポリマー等である。この共役ジエンポリマーの製造に
用いられる共役ジエンとしては、4〜約12個の炭素原子
を有する共役ジエンが好ましく、具体的には、1,3−ブ
タジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、1,3−ペンタジエン、2−メチル−1,3−ペンタジエ
ン、1,3−ヘキサジエン、4,5−ジエチル−1,3−オクタ
ジエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、クロロプレ
ン等が挙げられる。工業的に有利で、物性の優れたエラ
ストマーを得るには、1,3−ブタジエン、イソプレンが
特に好ましく、ポリマーとしてはポリブタジエン、ポリ
イソプレン、ブタジエン/イソプレンコポリマーのよう
な弾性体が特に好ましい。
一方、本発明の方法は共役ジエンの少なくとも一種と
共役ジエンと共重合可能なオレフィンモノマーの少なく
とも一種とを共重合して得られるコポリマーの水添にも
好適に用いられる。このようなコポリマーの製造に用い
られる好適な共役ジエンとしては、前記した共役ジエン
が挙げられ、一方のオレフィン性モノマーとしては、共
役ジエンと共重合可能な全てのモノマーが挙げられる。
これらの中で特にビニル芳香族炭化水素が好ましい。該
コポリマーの製造に用いられるビニル芳香族炭化水素の
具体例としては、スチレン、t−ブチルスチレン、α−
メチルスチレン、p−メチルスチレン、ジビニルベンゼ
ン、1,1−ジフェニルエチレン、N,N−ジメチル−p−ア
ミノエチルスチレン、N,N−ジエチル−p−アミノエチ
ルスチレン等が挙げられ、特にスチレン、α−メチルス
チレンが好ましい。具体的なコポリマーの例としては、
ブタジエン/スチレンコポリマー、イソプレン/スチレ
ンコポリマー、ブタジエン/αメチルスチレンコポリマ
ー等が工業的価値の高い水添コポリマーを与えるので好
適である。
かかるコポリマーとしては、前記モノマーがポリマー
鎖全体に統計的に分布しているランダムコポリマー、お
よび漸減ブロックコポリマー、完全ブロックコポリマ
ー、グラフトコポリマーが含まれる。
工業的に有用な熱可塑性エラストマーを得るために
は、ビニル芳香族炭化水素含有量が5重量%ないし95重
量%であることが好ましく、さらに好ましくはブロック
コポリマーである。
このブロックコポリマーとしては少なくとも1個のビ
ニル芳香族炭化水素を主としたポリマーブロックAと、
少なくとも1個の共役ジエンを主としたポリマーブロッ
クBを有するコポリマーで、ブロックAには少量の共役
ジエンが、またブロックBには少量のビニル芳香族炭化
水素が含まれていてもよい。またブロックコポリマーは
直鎖型の他に、カップリング剤でカップリングしたいわ
ゆる分岐型、ラジアル型あるいは星型のブロックコポリ
マーも使用することができる。
本発明で用いる触媒は、上記ポリマーの側鎖の不飽和
二重結合を選択的に水添する。側鎖のオレフィン性不飽
和基が主鎖の不飽和二重結合部分に対し、10〜90重量%
含有するポリマーが特に好適である。
本発明の水添反応に用いるポリマーは、一般的には分
子量約500〜約100万を有するものであって、公知の重合
方法、例えばアニオン重合法、カチオン重合法、配位重
合法、ラジカル重合法、溶液重合法、エマルジョン重合
法等いづれの重合法によっても製造することができる。
本発明の水添反応は、ポリマーを適当な溶媒に溶解
し、触媒を入れ、水素パージを十分行なってから所定温
度に昇温し、分子状水素を撹拌下、吹き込むことによっ
て実施される。
本発明のオレフィン性不飽和二重結合含有ポリマー中
の側鎖の不飽和二重結合を選択的に水添する触媒として
は、下記一般式で表わされるジヒドリドロジウム錯化合
物の少なくとも一種からなるものである。
(R1はフェニル基、アリール基を、R2は水素、またはC1
〜C6のアルキル基を、R3は水素、C1〜C6のアルキル基、
フェニル基、またはアリール基を示す。) その具体例としては、ジヒドリド(1,3−ジフェニル
トリアゼニド)〔ビス(12−ジフェニルホスフィノ)ベ
ンゼン〕ロジウム(III)、ジヒドリド(1,3−ジフェニ
ルトリアゼニド)〔ビス(1,2−ジ−p−メチルフェニ
ルホスフィノ)−3−メチルフェニル〕ロジウム(II
I)、ジヒドリド(1,3−ジトリルトリアゼニド)〔ビス
(1,2−ジフェニルホスフィノ)ベンゼン〕ロジウム(I
II)等が挙げられる。これらの触媒は単独または混合物
として使用することができ、合成の容易さ、水添の活性
・選択性・安定性等を考慮すると、ジヒドリド(1,3−
ジフェニルトリアゼニド)〔ビス(1,2−ジフェニルホ
スフィノ)ベンゼン〕ロジウム(III)が最も好まし
い。
本願発明のジヒドリドロジウム(III)錯体の製法は
特願昭62−97512号(特公平6−15554号公報)明細書に
記載されている。
これらの錯体触媒とともに用いる溶媒は、水添するポ
リマーが溶解する溶媒であれば何れも使用できるが、好
ましくは、該触媒が反応条件下で溶解する溶媒が好適で
ある。
例えば有機溶媒としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭
化水素、芳香族炭化水素、エーテル類、ケトン類、エス
テル類、含ハロゲン溶媒、塩基性極性溶媒等が挙げられ
る。また、脂肪族炭化水素の例としては、n−ペンタ
ン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等であり、脂環式炭化
水素の例としては、シクロペンタン、メチルシクロペン
タン、シクロヘキサン等であり、芳香族炭化水素の例と
してはベンゼン、トルエン、キシレン等がある。エーテ
ル類の例としてはテトラヒドロフラン(THF)、テトラ
ヒドロピラン(THP)等、ケトン類の例としてはアセト
ン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、シクロヘキ
サノン等、エステル類の例としては酢酸メチル、酢酸エ
チル、安息香酸メチル、安息香酸エチル等、含ハロゲン
溶媒の例としてはクロロホルム、四塩化炭素、クロロベ
ンゼン、ジクロロベンゼン等、また、塩基性極性溶媒の
例としては、ジメチルスルフォキサイド(DMSO)、ジメ
チルフォルアミド(DMF)、N−メチルピロリドン(NM
P)、ヘキサメチレンリン酸トリアミド(HMPA)等が挙
げられる。これらは単独で用いても良いし、二種以上を
混合して用いても良い。好適には工業的に安価に入手で
き、しかもポリマー、錯体触媒ともに溶解力のあるTH
F、ベンゼン、またはトルエンが好ましい。
本発明の水添反応はポリマーを溶媒に対して1〜50重
量%、好ましくは5〜25重量%の濃度に溶解した溶液中
で行なわれる。
本発明の水添反応は上記ポリマー溶液を所定の温度に
保持し、撹拌下にて該水添触媒を添加し、次いで水素ガ
スを導入して所定圧に加圧することによって実施され
る。
また、該触媒はそのままポリマー溶液に加えてもよい
し、上記溶媒に溶解させて加えても良い。
本発明で用いる触媒は、乾燥した不活性雰囲気下で取
り扱うのが好ましい。ここで不活性雰囲気とは、例えば
窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等の水添反応のいか
なる関与体とも反応しない雰囲気下を意味する。
一方、本発明における触媒の好ましい添加量は、ポリ
マー100gに対し、ロジウム原子として0.01mmol〜1.0mmo
l(触媒として0.007〜0.7重量%)、特に好ましくは0.0
5mmol〜0.5mmolである。
この添加量の範囲で用いると、ポリマー中の不飽和二
重結合のうち、側鎖にあるものが選択的に水添され、主
鎖にあるものは50%以下しか水添されず、芳香環の二重
結合は実質的に水添されないという側鎖水添選択性が実
現される。なお、触媒がロジウム原子として1.0mmolを
超えても水添反応は進行するが、主鎖の不飽和二重結合
の水添もある程度進行する。
また添加量が0.01mmolより少ないと、極めて水添速度
が遅く、長時間を要し、ゲル化・分解等の副反応を招く
場合がある。
本発明の水添反応は、撹拌下、水素ガスを吹き込んで
十分ポリマーと水素ガスとを接触させて行なうのが好ま
しい。水添反応は一般的には0〜120℃で行なわれ、好
ましくは50〜100℃で実施される。温度が低いとポリマ
ー溶液の粘度が高くなり、均一な反応が行ないにくくな
り、反応速度も遅い。また、温度が高いとポリマーのゲ
ル化等の副反応を招きやすい。
水添反応に使用される水素の圧力は1〜30kg/cm2が好
適である。圧力が低いと水添速度が遅くなって実質的に
頭打ちとなるので水添率を上げるのが難しくなり、圧力
が高過ぎると主鎖の二重結合の水添を含む副反応やゲル
化を招きやすい。より好ましい水添水素圧力は2〜20kg
/cm2であるが、触媒添加量等との相関で最適水素圧力は
選択され、実質的には前記好適触媒量が少量になるに従
って水素圧力は高圧側を選択して実施するのが好まし
い。
本発明の水添反応時間は通常数分ないし50時間であ
る。他の水添反応条件の選択によって水添反応時間は上
記範囲内で適宜選択して実施される。
本発明の水添反応はバッチ式、連続式等のいかなる方
法で実施しても良い。水添反応の進行は水素吸収量を追
跡することによって把握することができる。
本発明の方法によって、ポリマー中の不飽和二重結合
のうち、側鎖の不飽和二重結合が80%以上、好ましくは
90%以上水添され、主鎖の不飽和二重結合の水添率は50
%以下、好ましくは30%以下に制御される。また共役ジ
エンとビニル芳香族炭化水素とのコポリマーを水添した
場合、芳香環の不飽和二重結合の水添率は10%以下、好
ましくは5%以下に制御された水添ポリマーを得ること
ができる。
本発明の方法により水添反応を行なったポリマー溶液
からは好ましくは触媒の残渣を除去し、水添されたポリ
マーを溶液から容易に単離することができる。例えば、
水添後の反応液にアセトンまたはアルコール等の水添ポ
リマーに対する貧溶媒となる極性溶媒を加えてポリマー
を沈殿せしめる方法、または反応液を熱湯中に撹拌下投
入した後、溶媒と共に蒸留することによって溶媒を除去
する方法等で行なうことができる。これらの水添ポリマ
ーを単離する過程においても触媒の大部分が分解、除去
され、ポリマーより除かれる。従って触媒を脱灰、除去
するための特別な操作は必要としないが、触媒除去をよ
り効果的に実施する場合は、酸性の極性溶媒または水を
ポリマー水添反応液に加えて実施することが好ましい。
[発明の効果] 以上のように本発明の方法によって、オレフィン性不
飽和二重結合含有ポリマーの側鎖の不飽和二重結合を選
択的に水添することが可能となった。即ちポリマー中の
不飽和二重結合のうち側鎖の不飽和二重結合が80%以
上、好ましくは90%以上水添され、主鎖の不飽和二重結
合の水添率は50%以下、好ましくは30%以下に制御され
る。
而して、本発明の方法によって得られた水添ポリマー
は、部分水添ポリマーとして低温特性のある耐候性・耐
酸化性・耐オゾン性・耐熱性が優れ、かつ後反応や架橋
が可能な炭素−炭素二重結合を残したポリマーまたはエ
ラストマーとして粘接着剤、タイヤトレッド、耐衝撃性
ポリスチレン(HIPS)等に使用され、また紫外線吸収
剤、オイル、フィラー等の添加剤を加えて、組成物とし
て使用されたり、他のエラストマーまたは樹脂とブレン
ドして耐衝撃性の改良や可撓性付与の目的で使用される
等工業上多様な有用性を発揮するポリマーといえる。
次に本発明の好ましい実施態様を列記する。
(1)水添するポリマーが1,3−ブタジエンおよび/ま
たはイソプレンとスチレンおよび/またはα−メチルス
チレンとのコポリマーである特許請求の範囲記載の方
法。
(2)オレフィン性不飽和ポリマーの共役ジエン単位の
側鎖の二重結合が80%以上水添し、かつ主鎖の二重結合
が50%以下水添する特許請求の範囲記載の方法。
(3)触媒の添加量がポリマー100gに対し、ロジウム原
子として0.01〜1.0mmol、好ましくは0.05〜0.5mmolであ
り、水添反応の温度が0〜120℃、好ましくは50〜100℃
であり、圧力が1〜30Kg/cm2Gである特許請求の範囲記
載の方法。
[実 施 例] 以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本
発明は、これらに限定されるものではない。なお、共役
ジエン系ポリマー中の1,2結合(ビニル結合)含量、ス
チレン含量および水添率は1H−NMR(270MHz JEOL製GX−
270 FT−NMR)で求めた。測定は重クロロホルム溶液
(0.1%TMS含有)にポリマーを5%w/vになるように溶
かし、50℃で行なった。水添率の%は重量%で表わし、
1,2結合および1,4結合の水添率は、ブタジエンユニット
での水添率で表わす。また、実施例中で使用したポリマ
ーは次に示す方法で調製したものである。
(1)ポリマーA 攪拌機つきの3金属オートクレーブに、ヘリウム雰
囲気下で脱水したシクロヘキサン1350gにブタジエン240
gを入れ、開始剤としてn−ブチルリチウムを4.8mmolと
テトラメチルエチレンジアミンを1.8mmol加え、撹拌下6
5℃で2時間重合した。得られたポリブタジエンのGPCに
よる分子量はMw=5.7×104,Mn=5.5×104,1,2結合(ビ
ニル結合)は60.5%であった。
(2)ポリマーB 加えたテトラメチルエチレンジアミンの量を0.9mmol
にした以外は、ポリマーAと同様に行なった。Mw=6.0
×104,Mn=5.8×104,ビニル結合32%であった。
(3)ポリマーC 同一オートクレーブにシクロヘキサン1350g、ブタジ
エン168g、スチレン72gを加えたのち、n−ブチルリチ
ウム4.8mmolとテトラメチルエチレンジアミン0.9mmol加
え、ポリマー(A)と同一反応条件で重合した。
Mw=6.1×104,Mn=5.8×104,ビニル結合36.5%,スチ
レン含量30.2%。
(4)ポリマーD スチレンを36g 65℃で30分、次いでブタジエンを168g
添加した後、同温で1時間、次いでスチレンを36g同温
で30分間と、3回に分けてフィードしたこと以外は全て
ポリマーCの重合と同様に行なった。
Mw=5.9×104,Mn=5.7×104,ビニル結合38.5%,スチ
レン含量29.6%。
なお、ポリマーA〜Dはメタノール中で失活、沈殿さ
せ、80℃で8時間真空乾燥させてから水添に用いた。
実施例1〜4 ポリマーA〜Dを撹拌機つき3の金属オートクレー
ブ中で、各々30gを脱水トルエン270gに溶解させ、系内
を水素置換した後、撹拌下60℃に保持した。
次いでジヒドリド(1,3−ジフェニルトリアゼニド)
〔ビス(1,2−ジフェニルホスフィノ)ベンゼン〕ロジ
ウム(III)を0.1g(触媒として0.3重量%)、トルエン
20mlに溶解させてから添加した。直ちに水素圧を5.0kg/
cm2Gに昇圧し、同温で3時間反応を行なった後、多量の
メタノール中に抜き出して沈殿させた。80℃で6時間真
空乾燥させ、1H−NMR測定により求めた結果を表1に示
す。
比較例 1 反応温度を130℃(±5℃)にした以外は実施例4と
同様にして実施した。結果を表2に示す。
比較例 2 触媒量を0.3g(0.9重量%)にした以外は実施例4と
同様にして実施した。結果を表2に示す。
比較例 3 水添水素圧力を50Kg/cm2Gにした以外は実施例4と同
様にして実施した。結果を表2に示す。
比較例 4 触媒をトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム
(I)クロライド(0.1g、0.3重量%)とした以外は実
施例4と同様にして実施した。結果を表2に示す。
実施例 5 溶媒を脱水THFに変えた以外は、実施例2と同様にし
て実施した。得られたポリマーを分析した結果を表3に
示す。
実施例 6 溶媒を脱水DMFに変えた以外は、実施例2と同様にし
て実施した。得られたポリマーを分析した結果を表3に
示す。
実施例 7 反応温度を90℃(±5℃)とした以外は実施例4と同
様にして実施した。得られたポリマーを分析した結果を
表4に示す。
実施例 8 水添水素圧力を20kg/cm2Gにした以外は実施例4と同
様にして実施した。得られたポリマーを分析した結果を
表4に示す。
実施例 9 触媒をジヒドリド(1,3−ジフェニルトリアゼニド)
〔ビス(1,2−ジ−p−メチルフェニルホスフィノ)−
3−メチルフェニル〕ロジウム(III)にした以外は実
施例4と同様にして実施した。得られたポリマーを分析
した結果を表5に示す。
実施例 10 触媒をジヒドリド(1,3−ジトリルトリアゼニド)
〔ビス(1,2−ジフェニルホスフィノ)ベンゼン〕ロジ
ウム(III)にした以外は実施例4と同様にして実施し
た。得られたポリマーを分析した結果を表5に示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機溶媒中で共役ジエンのホモポリマーま
    たはコポリマーであって、共役ジエン単位の側鎖の二重
    結合が10〜90重量%であるオレフィン性不飽和二重結合
    含有ポリマーを、下記一般式で表わされるジヒドリドロ
    ジウム錯化合物の少なくとも一種からなる水添触媒 (R1はフェニル、アリール基を、R2は水素、またはC1
    C6のアルキル基を、R3は水素、C1〜C6のアルキル基、フ
    ェニル基、またはアリール基を示す。) の存在下に水素と接触させて、該ポリマーの中のオレフ
    ィン性不飽和二重結合のうち、側鎖の不飽和二重結合を
    水添する方法。
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