JP2608624B2 - Fz法による単結晶育成時の溶融帯脱落検出方法及びその装置 - Google Patents

Fz法による単結晶育成時の溶融帯脱落検出方法及びその装置

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宏典 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、FZ法による単結晶育成時に、単結晶育成装
置内の溶融帯の状態を監視するテレビカメラの映像信号
を利用して、溶融帯の脱落を検出する方法及びその装置
に関する。
[従来の技術] FZ法による単結晶の育成中に、溶融帯の脱落が生ずる
ことがあり、これに気付かずそのまま加熱を継続すると
単結晶育成装置の故障等のトラブルが発生するため、適
切な処置を必要とする。
現在は、溶融帯の状態をテレビカメラで撮影し、その
映像を操作者が画像モニタで常時監視して、トラブル時
の処置を行っている。
[発明が解決しようとする課題] 人間による監視は、人手を要すること、見落としが生
ずることなどで確実性に欠ける。加えてFZ法による単結
晶の育成は、数時間から数日を要するため、深夜を含む
長時間にわたって常時監視を行うことは、安全衛生面で
も問題があり、これらの問題の解決が待たれていた。
本発明は、FZ法による単結晶の育成中に、溶融帯の脱
落が生じた場合、その状況を早期かつ確実に検出して警
報を発する方法とその装置を提供することを目的とす
る。
[課題を解決するための手段] 上記目的は、次の方法及び装置により達成される。
請求項1の発明は、FZ法による単結晶育成時に、単結
晶育成装置内の溶融帯の状態を監視するテレビカメラの
映像信号を利用して溶融帯の脱落を検出するにあたり、
テレビカメラで撮影した画面内で、溶融帯部に少なくと
も1つのエリアを設定し、設定エリア内の信号を光量信
号として抽出し、この光量信号があらかじめ設定した基
準値を越えたときに警報信号を発することを特徴とす
る、FZ法による単結晶育成時の溶融帯脱落検出方法であ
る。
請求項2の発明は、FZ法による単結晶育成時に、単結
晶育成装置内の溶融帯の状態を撮影するテレビカメラ
と、撮影した画面内の任意の箇所に少なくとも1つのエ
リアを設定するとともに、この設定エリア内の信号を光
量信号として抽出する信号処理回路と、この光量信号と
あらかじめ設定した基準値とを比較して光量信号が基準
値を越えたときに警報を発する比較回路と、点検調整の
ための画像モニタとを有することを特徴とする、FZ法に
よる単結晶育成時の溶融帯脱落検出装置である。
[作用] FZ法による単結晶育成時に、単結晶育成装置内の溶融
帯の状態をテレビカメラで撮影する。次に撮影した画面
内で、溶融帯の脱落を検出したい部分に少なくとも1つ
のエリアを設定する。ここで設定したエリア内の信号を
光量信号として抽出する。なお、ここでいう光量信号と
は、光量の強度を表す信号、あるいは光量の強度を表す
信号を演算した光量の強度変化を表す信号をいう。次に
この光量信号と、あらかじめ設定しておいた基準値とを
比較して、光量信号が基準値を越えたときに警報信号を
発する。いま、溶融帯が脱落すると、上記設定エリア内
の光量信号が急激に変化して、警報信号が発せられる。
こうして溶融帯の脱落を早期かつ確実に検出することが
できる。
[実施例] 第1図は、本発明の一実施例を示すものであるが、本
発明はこの実施例に限定されるものではない。
単結晶育成装置1内の溶融帯2の状態を単結晶育成装
置1に設けたテレビカメラ3で撮影し、その映像信号V
は信号処理回路4に送られる。テレビカメラ3で撮影す
る対象は、溶融帯2を直接撮影してもよく、又は別の光
学系を使用してスクリーンに写しだされた溶融帯2の像
を間接撮影してもよい。
信号処理回路4は、映像信号Vを処理するもので、撮
影した画面内の任意の位置にエリアを設定し、設定した
エリアは第2図に示すようにマーカ7を表示させる。こ
こで設定されるエリアは溶融帯2の部分に置かれ、その
大きさおよび形状は、溶融帯2の状態に応じて適宜決定
されるが、必要により2箇所以上に設定してもよい。そ
して、この決定は、信号処理回路4の信号を画像モニタ
5によって監視することにより容易に実施することがで
きる。さらに信号処理回路4は、設定したエリア内の信
号を光量信号Yとして抽出し、比較回路6に送る。この
光量信号Yは、光量の強度を表す信号あるいは微分回路
等の演算回路を通った光量変化を表わす信号であり、電
圧信号であっても電流信号であってもよく、また1画面
ごとあるいは1画素ごとの信号でも、数画面あるいは数
画素の信号を平均したものでもよい。
比較回路6は、光量信号Yと、あらかじめ設定してお
いた基準値Stとを比較して、光量信号Yが基準値Stを越
えたときに警報信号ALを発する。基準値Stは、溶融帯2
が適切な加熱溶融状態にあるときに、比較回路6が警報
信号ALを発しない感度に設定する。また、2箇所以上の
エリアが設定されている場合には、各設定エリアごとに
それぞれの光量信号Yと基準値Stとを比較しても、各設
定エリアごとの光量信号(Y1,Y2,……,Yn)を平均した
光量信号Yと基準値Stとを比較してもよい。
いま、何かの原因によって、溶融帯2が脱落すると、
上記設定エリア内の明るさが急激に変化して、光量信号
Yが基準値Stを越えるため、警報信号ALが発せられる。
なお、本発明に述べる信号の大小関係は、信号強度の
大小を意味し、数学的な大小を意味するものではない。
この警報信号ALによって、警報装置を作動させて警報
音の発生や警報の表示を行い、又単結晶育成装置1の電
源装置を制御して異常処理をすることなどができる。
なお、画像モニタ5は、点検調整のみならず、溶融帯
2の監視に使用できる。
[発明の効果] 本発明の方法および装置によれば、FZ法による単結晶
の育成中に、溶融帯の脱落が生じた場合、その状況を早
期かつ確実に検出することができるので、単結晶育成装
置の故障等のトラブルの発生が未然に防止でき、さらに
単結晶育成装置の無人運転の可能性をもたらすなど、そ
の工業的価値は大なるものがある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例を示すブロック図、第2図は
画像モニタの表示例を示す図である。 1……単結晶育成装置 2……溶融帯 3……テレビカメラ 4……信号処理回路 5……画像モニタ 6……比較回路 7……マーカ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 河田 真伸 東京都三鷹市下連雀8―10―16 日鉄鉱 業株式会社内 (56)参考文献 特開 昭61−209984(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】FZ法による単結晶育成時に、単結晶育成装
    置内の溶融帯の状態を監視するテレビカメラの映像信号
    を利用して溶融帯の脱落を検出するにあたり、テレビカ
    メラで撮影した画面内で、溶融帯部に少なくとも1つの
    エリアを設定し、設定エリア内の信号を光量信号として
    抽出し、この光量信号があらかじめ設定した基準値を越
    えたときに警報信号を発することを特徴とする、FZ法に
    よる単結晶育成時の溶融帯脱落検出方法。
  2. 【請求項2】FZ法による単結晶育成時に、単結晶育成装
    置内の溶融帯の状態を撮影するテレビカメラと、撮影し
    た画面内の任意の箇所に少なくとも1つのエリアを設定
    するとともに、この設定エリア内の信号を光量信号とし
    て抽出する信号処理回路と、この光量信号とあらかじめ
    設定した基準値とを比較して光量信号が基準値を越えた
    ときに警報を発する比較回路と、点検調整のための画像
    モニタとを有することを特徴とする、FZ法による単結晶
    育成時の溶融帯脱落検出装置。
JP2207941A 1990-08-06 1990-08-06 Fz法による単結晶育成時の溶融帯脱落検出方法及びその装置 Expired - Fee Related JP2608624B2 (ja)

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JPS61206390A (ja) * 1985-03-11 1986-09-12 Hitachi Ltd Itv監視装置
JPS61209984A (ja) * 1985-03-14 1986-09-18 Seiko Epson Corp 赤外線集光加熱単結晶製造装置
JPS63270382A (ja) * 1987-04-27 1988-11-08 Shin Etsu Handotai Co Ltd 半導体棒浮遊熔融帯域制御方法

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