JP2608055B2 - 静磁波非線形デバイス - Google Patents
静磁波非線形デバイスInfo
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- JP2608055B2 JP2608055B2 JP61272601A JP27260186A JP2608055B2 JP 2608055 B2 JP2608055 B2 JP 2608055B2 JP 61272601 A JP61272601 A JP 61272601A JP 27260186 A JP27260186 A JP 27260186A JP 2608055 B2 JP2608055 B2 JP 2608055B2
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- wave
- thin film
- magnetostatic wave
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Description
【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、静磁波を用いてマイクロ波信号を処理す
る静磁波非線形デバイスに関するものである。
る静磁波非線形デバイスに関するものである。
第3図は、例えば「IEEE トランザクションズ 第MA
G−21巻,No.5.1985年9月 No.5 1794〜1796頁」(IEEE
Trans.Vol.MAG−21,No.5,Sept 1985,PP.1794−179
6″)に示された従来の静磁波非線形デバイスを示す斜
視図である。図において、1はGGG(ガドリニウム−ガ
リウム−ガーネット)基板、2はGGG基板1の裏面に液
相成長して製作されたYIG(イットリウム−鉄−ガーネ
ット)薄膜、3はYIG薄膜2の裏面の両側端に取付けら
れた吸収体、4は導体膜、5は表面に導体膜4が密着さ
れた誘電体基板、6は誘電体基板5表面の導体膜4に設
けられたスロット、7はスロット6を有する導体膜4に
より構成されたスロット線路であり、該スロット線路7
上にはYIG薄膜2が近接して配置されている。8は誘電
体基板5の裏面に設けられたストリップ導体、9は誘電
体基板5、導体膜4およびストリップ導体8から構成さ
れるマイクロストリップ線路、10はスロット線路7とマ
イクロストリップ線路9を変換する変換器、11は誘電体
基台、12は永久磁石、13は継鉄、14は永久磁石12と継鉄
13とから構成される磁気回路である。
G−21巻,No.5.1985年9月 No.5 1794〜1796頁」(IEEE
Trans.Vol.MAG−21,No.5,Sept 1985,PP.1794−179
6″)に示された従来の静磁波非線形デバイスを示す斜
視図である。図において、1はGGG(ガドリニウム−ガ
リウム−ガーネット)基板、2はGGG基板1の裏面に液
相成長して製作されたYIG(イットリウム−鉄−ガーネ
ット)薄膜、3はYIG薄膜2の裏面の両側端に取付けら
れた吸収体、4は導体膜、5は表面に導体膜4が密着さ
れた誘電体基板、6は誘電体基板5表面の導体膜4に設
けられたスロット、7はスロット6を有する導体膜4に
より構成されたスロット線路であり、該スロット線路7
上にはYIG薄膜2が近接して配置されている。8は誘電
体基板5の裏面に設けられたストリップ導体、9は誘電
体基板5、導体膜4およびストリップ導体8から構成さ
れるマイクロストリップ線路、10はスロット線路7とマ
イクロストリップ線路9を変換する変換器、11は誘電体
基台、12は永久磁石、13は継鉄、14は永久磁石12と継鉄
13とから構成される磁気回路である。
このような静磁波非線形デバイスでは、YIG薄膜2に
近接するスロット6の長さ方向をx方向、YIG薄膜2の
面をxy面とすると、磁性体であるYIG薄膜2には磁気回
路14によりx方向に均一な磁界H0が印加されており、電
磁波がスロット線路7を伝搬する際の高周波磁界の分布
は第4図中の破線のようになり、実線矢印に示す方向
(y方向)成分をもつ。一方、静磁表面波は第5図に示
すようにy方向に大きな高周波磁界成分をもち、YIG薄
膜2内をy方向に伝搬する。従って第3図に示すように
スロット線路7上にYIG薄膜2を配置した場合において
は、電磁波がスロット線路7に入射すると、スロット線
路7の上側に存在する高周波磁界のy方向成分がYIG薄
膜2内に存在することとなり、この高周波磁界が静磁表
面波の高周波磁界成分としてy方向に伝搬する。
近接するスロット6の長さ方向をx方向、YIG薄膜2の
面をxy面とすると、磁性体であるYIG薄膜2には磁気回
路14によりx方向に均一な磁界H0が印加されており、電
磁波がスロット線路7を伝搬する際の高周波磁界の分布
は第4図中の破線のようになり、実線矢印に示す方向
(y方向)成分をもつ。一方、静磁表面波は第5図に示
すようにy方向に大きな高周波磁界成分をもち、YIG薄
膜2内をy方向に伝搬する。従って第3図に示すように
スロット線路7上にYIG薄膜2を配置した場合において
は、電磁波がスロット線路7に入射すると、スロット線
路7の上側に存在する高周波磁界のy方向成分がYIG薄
膜2内に存在することとなり、この高周波磁界が静磁表
面波の高周波磁界成分としてy方向に伝搬する。
小さな電力の電磁波がスロット線路7に入射した場合
は、上記電磁波の電力に比例した量の静磁表面波が励振
される。このため、小さな電力の電磁波がスロット線路
7を通過する際に失う電力は、入射する電磁波の電力に
比例することとなる。
は、上記電磁波の電力に比例した量の静磁表面波が励振
される。このため、小さな電力の電磁波がスロット線路
7を通過する際に失う電力は、入射する電磁波の電力に
比例することとなる。
一方、大きな電力の電磁波がスロット線路7に入射す
ると、特定の電力値Pth以上で、かつ電磁波の周波数が
2γH0以上で、YIG薄膜2内部の電子スピン歳差運動の
非線形効果が生じ、静磁表面波が励起される量は入射電
磁波の電力に比例せず飽和して一定値となる。ここでγ
は磁気回転比である。
ると、特定の電力値Pth以上で、かつ電磁波の周波数が
2γH0以上で、YIG薄膜2内部の電子スピン歳差運動の
非線形効果が生じ、静磁表面波が励起される量は入射電
磁波の電力に比例せず飽和して一定値となる。ここでγ
は磁気回転比である。
従って、挿入損失は入射電力に対する失なわれた電力
の比であるので、スロット線路7を通過する電磁波は入
射電力が小さい場合よりPth以上の場合の方が挿入損失
が小さくなるという非線形性が現れる。従来の静磁波非
線形デバイスは、この性質を利用したものであり、入射
した小さな電力の雑音を大きく減衰し、大きな電力の信
号をわずかに減衰することにより信号対雑音比を拡大す
る機能を有する。
の比であるので、スロット線路7を通過する電磁波は入
射電力が小さい場合よりPth以上の場合の方が挿入損失
が小さくなるという非線形性が現れる。従来の静磁波非
線形デバイスは、この性質を利用したものであり、入射
した小さな電力の雑音を大きく減衰し、大きな電力の信
号をわずかに減衰することにより信号対雑音比を拡大す
る機能を有する。
従来の静磁波非線形デバイスは以上のように構成され
ており、第4図に示すように、スロット線路7の片面側
の高周波磁界のみを用いるため、静磁表面波の励振効率
が小さく、大,小電力に対する挿入損失差も小さいとい
う問題点があった。
ており、第4図に示すように、スロット線路7の片面側
の高周波磁界のみを用いるため、静磁表面波の励振効率
が小さく、大,小電力に対する挿入損失差も小さいとい
う問題点があった。
この発明は上記のような問題点を解消するためになさ
れたもので、短いスロット線路長でも、効率よく励振で
き、大,小電力に対する挿入損失差の拡大を図ることが
できる静磁波非線形デバイスを得ることを目的とする。
れたもので、短いスロット線路長でも、効率よく励振で
き、大,小電力に対する挿入損失差の拡大を図ることが
できる静磁波非線形デバイスを得ることを目的とする。
この発明に係る静磁波非線形デバイスは、従来装置の
誘電体基板5をYIG薄膜で置き換えることにより、スロ
ット線路を構成する導体膜の両面側にYIG薄膜を配置し
たものである。
誘電体基板5をYIG薄膜で置き換えることにより、スロ
ット線路を構成する導体膜の両面側にYIG薄膜を配置し
たものである。
この発明においては、スロット線路の両面側にYIG薄
膜が配置されているので、両面側にて高周波磁界が静磁
波に変換されることとなり、静磁表面波を効率良く励振
することができる。
膜が配置されているので、両面側にて高周波磁界が静磁
波に変換されることとなり、静磁表面波を効率良く励振
することができる。
以下、この発明の実施例を図について説明する。
第1図はこの発明の一実施例による静磁波非線形デバ
イスを示し、また、第2図は上記実施例のスロット線路
7の近傍を示す断面図である。図において、1〜14は第
3図と同じものであり、15は表面に導体膜4が密着され
たYIG薄膜、16は該YIG薄膜15が密着したGGG基板であ
る。
イスを示し、また、第2図は上記実施例のスロット線路
7の近傍を示す断面図である。図において、1〜14は第
3図と同じものであり、15は表面に導体膜4が密着され
たYIG薄膜、16は該YIG薄膜15が密着したGGG基板であ
る。
このような構成になる静磁波非線形デバイスでは、第
4図に示すような実線矢印の方向(y方向)成分を有す
る高周波磁界が、スロット6を有する導体膜4の上下両
面のいずれにおいても存在することとなるため、第2図
に示すようにYIG薄膜2,15に静磁波が励振されることと
なる。従って、スロット線路7を伝搬する電磁波は、従
来のように片面側のみの高周波磁界が静磁波に変換され
る場合に比較して、効率良く静磁波に変換されることと
なり、雑音に相当する小信号の損失は、従来の約2倍と
なって、S/N改善効果が大きくなる。
4図に示すような実線矢印の方向(y方向)成分を有す
る高周波磁界が、スロット6を有する導体膜4の上下両
面のいずれにおいても存在することとなるため、第2図
に示すようにYIG薄膜2,15に静磁波が励振されることと
なる。従って、スロット線路7を伝搬する電磁波は、従
来のように片面側のみの高周波磁界が静磁波に変換され
る場合に比較して、効率良く静磁波に変換されることと
なり、雑音に相当する小信号の損失は、従来の約2倍と
なって、S/N改善効果が大きくなる。
以上のように、この発明の静磁波非線形デバイスによ
ればスロット線路を構成する導体膜の上,下両面にYIG
薄膜を配置することにより、スロット線路を伝搬する電
磁波から静磁波への単位長当たりの、大電力の信号に対
する静磁波への変換率の方が小電力の信号に対する静磁
波への変換率より小さいという非線形性に基づいて、大
電力の信号と小電力の信号に対する上記スロット線路の
単位長当たりの挿入損失差を大きくしたので、両面側に
て高周波磁界が静磁波に変換されるようになり、静磁波
の励振効率を大きくでき、S/N比改善の向上を図ること
ができる効果がある。
ればスロット線路を構成する導体膜の上,下両面にYIG
薄膜を配置することにより、スロット線路を伝搬する電
磁波から静磁波への単位長当たりの、大電力の信号に対
する静磁波への変換率の方が小電力の信号に対する静磁
波への変換率より小さいという非線形性に基づいて、大
電力の信号と小電力の信号に対する上記スロット線路の
単位長当たりの挿入損失差を大きくしたので、両面側に
て高周波磁界が静磁波に変換されるようになり、静磁波
の励振効率を大きくでき、S/N比改善の向上を図ること
ができる効果がある。
第1図はこの発明の一実施例による静磁波非線形デバイ
スを示す斜視図、第2図は上記実施例の一部を示す断面
図、第3図は従来の静磁波非線形デバイスを示す斜視
図、第4図,第5図は上記従来例のスロット線路と静磁
波の高周波磁界分布を示す図である。 図において、1,16はGGG基板、2,15はYIG薄膜、3は吸収
体、4は導体膜、5は誘電体基板、6はスロット、7は
スロット線路、8はストリップ導体、9はマイクロスト
リップ線路、10は変換器、11は誘電体基台、12は永久磁
石、13は継鉄、14は磁気回路である。 なお図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
スを示す斜視図、第2図は上記実施例の一部を示す断面
図、第3図は従来の静磁波非線形デバイスを示す斜視
図、第4図,第5図は上記従来例のスロット線路と静磁
波の高周波磁界分布を示す図である。 図において、1,16はGGG基板、2,15はYIG薄膜、3は吸収
体、4は導体膜、5は誘電体基板、6はスロット、7は
スロット線路、8はストリップ導体、9はマイクロスト
リップ線路、10は変換器、11は誘電体基台、12は永久磁
石、13は継鉄、14は磁気回路である。 なお図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
フロントページの続き (72)発明者 石田 修己 鎌倉市大船5丁目1番1号 三菱電機株 式会社情報電子研究所内 (72)発明者 武田 文雄 鎌倉市大船5丁目1番1号 三菱電機株 式会社情報電子研究所内 (56)参考文献 IEEE,Transaction on Magnetics,Vol.M AG−21,No.5(1985−9)P. 1794〜1796 IEEE,Transaction on Microwave Theor y and Techniques,V ol.MTT−17,No.12,P.1091 〜1096 テレビジョン学会誌,Vol.38,N o.12(1984)P.1060
Claims (1)
- 【請求項1】スロット線路の近傍にYIG薄膜を配置し、
該薄膜内にて該スロット線路の長さ方向に磁界を加えて
なり、上記スロット線路を伝搬する電磁波の一部を静磁
波に非線形変換する静磁波非線形デバイスにおいて、 上記スロット線路を構成する導体膜を第1のYIG薄膜面
上に密着させて配置し、第2のYIG薄膜を上記導体膜上
に密着させて配置することにより、上記スロット線路を
伝搬する電磁波から静磁波への単位長あたりの、大電力
の信号に対する静磁波への変換率の方が小電力の信号に
対する静磁波への変換率より小さいという非線形性に基
づいて、大電力の信号と小電力の信号に対する上記スロ
ット線路の単位長当たりの挿入損失差を大きくしたこと
を特徴とする静磁波非線形デバイス。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61272601A JP2608055B2 (ja) | 1986-11-14 | 1986-11-14 | 静磁波非線形デバイス |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP61272601A JP2608055B2 (ja) | 1986-11-14 | 1986-11-14 | 静磁波非線形デバイス |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS63125002A JPS63125002A (ja) | 1988-05-28 |
JP2608055B2 true JP2608055B2 (ja) | 1997-05-07 |
Family
ID=17516197
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP61272601A Expired - Lifetime JP2608055B2 (ja) | 1986-11-14 | 1986-11-14 | 静磁波非線形デバイス |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2608055B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP0475408B1 (en) * | 1990-09-14 | 1996-01-24 | Nippon Hoso Kyokai | Magnetostatic wave s/n enhancer and receiving apparatus of fm or pm signal using the same |
-
1986
- 1986-11-14 JP JP61272601A patent/JP2608055B2/ja not_active Expired - Lifetime
Non-Patent Citations (3)
Title |
---|
IEEE,Transaction on Magnetics,Vol.MAG−21,No.5(1985−9)P.1794〜1796 |
IEEE,Transaction on Microwave Theory and Techniques,Vol.MTT−17,No.12,P.1091〜1096 |
テレビジョン学会誌,Vol.38,No.12(1984)P.1060 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS63125002A (ja) | 1988-05-28 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |