JP2607734Y2 - 給湯器の制御装置 - Google Patents

給湯器の制御装置

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JP2607734Y2
JP2607734Y2 JP1992038508U JP3850892U JP2607734Y2 JP 2607734 Y2 JP2607734 Y2 JP 2607734Y2 JP 1992038508 U JP1992038508 U JP 1992038508U JP 3850892 U JP3850892 U JP 3850892U JP 2607734 Y2 JP2607734 Y2 JP 2607734Y2
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清一 森
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  • Instantaneous Water Boilers, Portable Hot-Water Supply Apparatuses, And Control Of Portable Hot-Water Supply Apparatuses (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、ファジィー制御によっ
て出湯湯温等の制御対象を制御する給湯器およびその制
御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】家庭等に設置される給湯器の燃焼運転は
通常、PID演算によって行われている。このPID演
算は、給湯器に供給される水の温度と、給湯量と、給湯
器から出る湯の出湯温度等を検出し、出湯温度が設定温
度に近づくようにPID演算により燃焼量(比例弁の開
弁量)を制御し、設定温度の湯を安定に供給しようとす
るものである。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、給湯器
の燃焼運転をPID演算により行う場合、特に、給湯器
の初期出湯時に、多量の湯を出湯しようとすると、図6
の曲線Aに示すように、出湯湯温が設定温度TS になか
なか上がらず、湯温が安定化するまでに長時間かかると
いう問題があり、また、出湯量が小さ過ぎると、同図の
曲線Bに示すように出湯湯温が設定温度TS よりも高く
なるオーバーシュートが生じ、次に、設定温度TS より
も湯温の低いアンダーシュートが生じるという如く、湯
温が変動してこれが安定するまで時間がかかるという問
題が生じる。
【0004】このような湯温の変動をできるだけ抑え、
短時間のうちに湯温を安定化するために、給湯器の初期
出湯時にはフィードフォワード制御により燃焼運転を行
うことも提案されているが、まだ十分満足できるには至
っておらず、その改善が望まれていた。
【0005】本考案は上記従来の課題を解決するために
なされたものであり、その目的は、給湯器の初期出湯時
および出湯量変化時における湯温の早期安定化を行うこ
とができる給湯器およびその制御装置を提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本考案は上記目的を達成
するために、次のように構成されている。すなわち、第
1の考案の給湯器の制御装置は、制御対象の検出値と予
め与えられた設定値との偏差およびその時間的変化率を
求める偏差・変化率演算部と、この偏差・変化率演算部
によって求められた偏差とその時間的変化率の両方から
所定の制御ルールに基づいたファジィー論理演算により
制御対象を可変制御するアクチュエータの操作変量を演
算するファジィー論理演算部と、制御対象をPID制御
するPID演算部と、制御対象が所定の条件を満たす安
定領域に入ったときに制御対象の制御をファジィー制御
からPID制御へ全面的に切り換える切り換え手段とを
有することを特徴とする。さらに、第の考案の給湯器
は、供給された水を加熱して所定の給湯場所に出湯する
給湯器において、上記第1の考案の給湯器の制御装置を
備えたことを特徴として構成されている。
【0007】
【作用】上記構成の本考案において、例えば制御対象を
給湯器の湯温とし、この湯温を制御するときには、給湯
器の出湯湯温が検出手段により検出され、この検出温度
と予め与えられた設定温度(設定値)との偏差Eと、そ
の偏差Eの時間的変化率ΔEとが偏差・変化率演算部に
よって求められる。ファジィー論理演算部は、前記求め
られた偏差Eとその時間的変化率ΔEとから所定の制御
ルールに基づいてファジィー論理演算を行い、比例弁等
のアクチュエータに加える操作変量を算出する。そして
その操作変量を加味した制御信号が前記比例弁に加えら
れる結果、ファジィー論理演算値に基づいて燃料のガス
供給量が制御され、ファジィー制御の燃焼運転が行われ
る。
【0008】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。図10には本実施例において特徴的な制御装置を
組み込んだ給湯器のシステム構成が示されている。同図
において、燃焼室1の下部側にはバーナ2が配置され、
このバーナ2にはガス供給通路3が接続され、このガス
供給通路3には開弁量によってバーナ2へのガス供給量
を制御するアクチュエータとしての比例弁4と、ガス量
を検出する熱線風速計5が配設されている。バーナ2の
下部側には給排気を行うファン6が設けられており、こ
のファン6にはファン6の回転検出を行う回転検出セン
サ7と風量を検出する熱線風速計8とがそれぞれ配設さ
れている。
【0009】燃焼室1の上部側には熱交換器10が配設さ
れ、この熱交換器10の入側には給水管11が接続され、こ
の給水管11に給水温度を検出する給水温度センサ12と入
水量(給湯量)を検出する流量センサ13とが設けられて
いる。熱交換器10の出側には給湯管14が接続され、この
給湯管14にはギヤモータの回転によって出湯量を制御す
る出湯量制御弁15と、出湯湯温を検出する出湯温度セン
サ16とが設けられている。そして、これら各センサ5,
7,8,12,13,16の検出信号は制御装置17に加えられ
ており、この制御装置17から各アクチュエータ4,6,
15に制御信号が加えられている。
【0010】本実施例において特徴的なことは、制御装
置17に、ファジィー制御手段が組み込まれていること
である。図1にはこの特徴的な制御装置の第1の実施例
のブロック構成がフローチャートを兼用した態様で示さ
れている。同図において、制御装置17は偏差・変化率
演算部35と、ファジィー論理演算部36とを有してお
り、偏差・変化率演算部35の偏差算出部18には押ボ
タン操作等により予め与えられる設定温度Tsと所定の
サンプリング時間ごとに検出手段の出湯温度センサ16
で検出される出湯温度Tとの情報が加えられており、
偏差算出部18はこれらの情報により、偏差E(E=T
−T)を算出し、その結果を、偏差グレード算出部
22に加えている。偏差グレード算出部22は偏差Eの
値と、メモリ21に予め与えられている図2に示すファ
ジィー変数のメンバーシップ関数とにより、グレードg
Eを求める。例えば、偏差算出部18で算出された偏差
がEであったとき、このEの縦線とメンバーシップ
関数のNBとNSとの交点により、グレードgEとg
とが求められるが、この実施例ではミニマム演算に
より小さい方のgEを偏差Eのグレードとして決定
する。
【0011】一方、前記偏差算出部18で求められた偏差
Eの値は変化率算出部19にも加えられており、この変化
率算出部19はメモリ20に与えられている前回のサンプリ
ング時における偏差と今回の偏差との値から偏差Eの時
間的変化率ΔEを算出し、その算出値を変化率グレード
算出部23に加える。変化率グレード算出部23はメモリ24
に予め与えられている図3に示すファジィー変数のメン
バーシップ関数を参照してファジィー変数グレードgΔ
Eを求める。例えば、変化率算出部19から加えられる偏
差Eの変化率がΔE1 であるときには、この変化率ΔE
1 の縦線とメンバーシップ関数のNSとZOとの交点か
らgΔE1 とgΔE2 とが求められる。このgΔE1
gΔE2 のうち、ミニマム演算により小さい方のグレー
ドを採用するので、変化率ΔE1 に対するグレードの値
として、gΔE2 の値が決定される。
【0012】変量グレード算出部25は前記偏差グレード
算出部22から加えられる偏差グレードgEおよび変化率
グレード算出部23から加えられる変化率グレードgΔE
の値と、メモリ26に予め与えられている制御ルールに基
づき、変量グレードgΔVの最小値を算出する。すなわ
ち、メモリ26には表1に示す制御ルールが記憶されてい
る。
【0013】
【表1】
【0014】これら制御ルールa乃至kは図5に示す出
湯検出温度TC の時間的変化曲線上のa乃至kの各点に
それぞれ対応する。これら制御ルールは具体的には表2
に示すようにファジィーテーブルとしてまとめられて記
憶されている。
【0015】
【表2】
【0016】なお、表1および表2において、Z0は
零、NBは負の方向に大、NSは負の方向に小、PSは
正の方向に小、PBは正の方向に大をそれぞれ意味して
いる。
【0017】上記例の場合で、制御ルールおよびメモリ
28に予め与えられている図2および図3のファジィー変
数のメンバーシップ関数を用いて変量グレードgΔVの
最小値を求めると、次のようになる。まず、偏差がE1
のとき、図2に示すように、E1 の線がNSとNBとに
交差しており、したがって、前記表1の制御ルールで、
偏差EがNSとNBにあてはまるものを選ぶと、d,
e,iの場合となり、同様に時間的変化率がΔE1 のと
き、図3に示すように、ΔE1 の線はNSとZ0に交差
していることから、前記表1の制御ルールの中で、偏差
の時間的変化率ΔEがNSとZ0のものを選ぶと、e,
g,iとなり、前記偏差Eと、時間的変化率ΔEの両方
が該当しているものは制御ルールのe,iとなり、この
制御ルールe,iを用いて変量グレードgΔVが図2お
よび図3のメンバーシップ関数を用いて得られるグレー
ドのミニマム演算によって求められる。
【0018】すなわち、図4に示すように、グレードg
の横線と制御ルール(ΔV=NS)によるNSの
三角形の線で囲まれる領域ABCDが変量面積として
まり、次に、グレードgΔE の横線とNSの三角形
とで囲まれる領域AEFDが変量面積として求められ
る。そしてこの求められた変量面積の各値は、和集合演
算部29に加えられる。和集合演算部29はABCDの領域
とAEFDの領域との和集合を求める。領域AEFDは
領域ABCDに含まれるので、この場合は領域ABCD
が和集合演算結果の値(領域)として求められる。この
和集合演算結果に基づき、重心算出部30は面積ABCD
の重心を求め、この重心位置の値ΔVを出湯温度を設
定温度にするための操作変量として求め、この操作変量
ΔV(ΔV=ΔV )が制御出力算出部37に加えられ
る。
【0019】制御出力算出部37は設定温度TS に対して
出湯温度TC が高くなったか、あるいは低くなったかに
応じて、アクチュエータとしての比例弁4に加える開弁
量の駆動電流V2 を前回のサンプリング時における駆動
電流の値V1 にΔV(ΔV1)だけ増減してV2 =V1
+ΔV1 の値として算出し、その算出結果V2 をアクチ
ュエータ駆動回路31に加える。この比例弁駆動電流の算
出は出湯温度のサンプリングの周期ごとに行われる。
【0020】アクチュエータ駆動回路31は制御出力算出
部37で算出された値の駆動電流をアクチュエータとして
の比例弁4に加え、同比例弁4の開弁量を可変してガス
供給量を制御し、出湯湯温の安定化制御を行う。
【0021】図6の実線で示すグラフは本実施例のファ
ジィー制御により給湯器の出湯湯温を制御した場合の温
度特性を示したものである。ファジィー制御を行うこと
により、給湯器の初期出湯時において、時間の経過とと
もに、出湯湯温が速やかに立ち上がって短時間のうちに
設定温度TS に到達し、しかも、オーバーシュートやア
ンダーシュートのない安定した湯温制御が可能となって
いる。また、出湯湯温が設定温度に到達した以降の湯温
の安定領域においても、比較的良好な温度特性が得られ
ている。
【0022】の実施例は、さらにPID演算部32と切
り換え手段とを設け、給湯器の初期出湯後、湯温が安定
状態に入ったときに、出湯湯温の制御をファジィー制御
からPID制御(本明細書でPID制御の用語は、純粋
なPID制御の場合と、これにフィードフォワード制御
を併用した場合の両方を含む広い概念で使用している)
に切り換えるようにしている。
【0023】この実施例における切り換え手段は制御切
り換え判定部33と切り換えスイッチ34とを有して構成さ
れており、制御切り換え判定部33はメモリ26に与えられ
ている制御ルールと変量グレード算出部25の変量グレー
ド算出結果に基づき、表1に示すルールkの条件になっ
たときであって、かつ、変量グレード算出部25で算出さ
れた変量グレードgΔVが1に近くなったとき、つま
り、図に示すメンバーシップ関数で、gΔVがZ0の
三角形の頂上P付近になり、かつ、操作変量ΔVが零に
近くなったときに、給湯器の出湯湯温が安定状態に入っ
たものと判断し、スイッチ切り換え信号を切り換えスイ
ッチ34に加える。切り換えスイッチ34は制御切り換え判
定部33から切り換え信号が加えられたときに、アクチュ
エータ駆動回路31に加える信号をファジィー制御側から
PID演算部32側の信号に切り換え、出湯湯温が安定し
た以降はPID演算制御により燃焼制御を行うものであ
る。
【0024】給湯器の初期出湯時には、ファジィー制御
により出湯湯温を制御することによって、PID制御の
場合に比べ、図6に示したように、応答性が速く、か
つ、オーバーシュートやアンダーシュートのない良好な
湯温制御を達成することができるのであるが、湯温が安
定化領域に入った以降もファジィー制御を引き続き行っ
た場合、湯温の安定化領域における湯温変化の状態を拡
大すると、図9の点線で示すように多少、湯温変化が生
じている。もちろん、メンバーシップ関数のラベル数を
多くし、きめ細かなファジィー推論を行えば、このよう
な湯温の変動を防止できるのであるが、ファジィー推論
をきめ細かく行うと、多くのメンバーシップ関数を記憶
する大容量のメモリが必要となり、装置構成も複雑とな
って装置コストが高くなるという問題が生じる。湯温が
安定化領域に入った後には、むしろ、PID演算によっ
て湯温の制御を行う方が簡易な装置構成でより安定した
湯温制御を行い得る点で好ましい。この実施例では、湯
温が安定化領域に入ったものと判断されたときに、ファ
ジィー制御からPID制御に移行するので、図9の実線
で示すように、湯温の変動が抑制され、より安定した出
湯湯温の制御が可能となる。
【0025】図8には本考案の第の実施例が示されて
いる。この実施例も、前記したの実施例と同様に、
給湯器の初期出湯時にはファジィー制御により出湯湯温
の制御を行い、出湯湯温が安定した後に、ファジィー制
御からPID制御に切り換えるように構成したものであ
る。この実施例は、前記第の実施例と同様に、制御切
り換え判定部33と切り換えスイッチ34とを備えている
が、給湯器の初期出湯時から湯温が安定領域に入ったこ
とを判断する制御切り換え判定部33をメモリ26の制御ル
ールと、偏差グレード算出部22によって算出された偏差
グレードgEと、変化率グレード算出部23によって算出
された変化率グレードgΔEに基づき判定するように構
成したものであり、それ以外の構成は前記第の実施例
と同様である。
【0026】前記制御切り換え判定部33はメモリ26に予
め与えられている制御ルールkの条件が満たされ、か
つ、グレードgEが1に近い値となり、かつ、グレード
gΔEが1に近い値となったときに、ファジィー制御に
よる湯温が安定状態に至ったものと判断し、切り換えス
イッチ34に切り換え信号を加える。この切り換え信号を
受けて、切り換えスイッチ34はアクチュエータ駆動回路
31に加える信号を重心算出部30の信号からPID演算部
32の信号に切り換える結果、比例弁4はPID演算によ
り開弁量が制御されて、給湯器の出湯湯温の制御が行わ
れるのである。
【0027】この第の実施例の場合も、前記図9の実
線に示すように、湯温の安定領域において、湯温変動の
ほとんどないきめ細かな制御を行うことができることと
なる。
【0028】なお、本考案は上記各実施例に限定される
ことはなく、様々な実施の態様を採り得る。例えば、上
記各実施例では、操作変量算出部27によって算出された
操作変量の和集合を求め、この和集合の重心位置により
操作変量ΔVを求めたが、操作変量算出部27によって算
出された操作変量に基づき、その積集合を求め、この積
集合の重心位置から操作変量ΔVを求めるようにしても
よい。
【0029】また、上記各実施例ではファジィー変数
(メンバーシップ関数)の形状を三角形状のものとした
が、このファジィー変数は図に示すように、釣り鐘状
の形状のものでもよく、実施例以外の様々な形状のファ
ジィー変数を用いてファジィー推論を行うことができ
る。
【0030】さらに、上記各実施例では制御対象を出湯
湯温とし、アクチュエータとして比例弁4を制御するよ
うにしたが、表3に示すように、制御対象を出湯量、フ
ァン回転数、バーナ2に加えるガス流量、ファンの空気
流量等を制御対象としてもよい。この場合に、例えば、
出湯量制御を行う場合には、流量センサ13によって出湯
量を検出し、この検出出湯量と設定出湯量によって偏差
およびその偏差の時間的変化率を求め、アクチュエータ
としてのギヤモータを制御すればよく、また、ファン6
の回転数制御を行う場合は、回転検出センサ7によりフ
ァン6の回転数を検出し、この検出回転数と設定回転数
とによる偏差とその時間的変化率を求め、ファン6をア
クチュエータとしてファン回転数を制御するようにして
もよく、あるいは、制御対象としてガス流量を制御する
場合には、熱線風速計5によってバーナ2に供給するガ
ス流量を検出し、この検出ガス流量と設定ガス流量との
値から偏差とその時間的変化率を求めてアクチュエータ
としての比例弁4の開弁量を制御するようにしてもよ
く、さらには、ファン6の空気量を制御対象とする場合
は、熱線風速計8によってファン6の空気量を検出し、
この検出空気量と設定空気量とから同様に偏差およびそ
の時間的変化率を求め、アクチュエータとしてのファン
6の回転制御を行うようにしてもよく、本考案の制御装
置を適用して給湯器の様々な制御対象を制御することが
できる。
【0031】
【表3】
【0032】さらに本実施例では差分(操作変量ΔV)
を求めて、これを制御出力算出部37に加え、この制御出
力算出部37でアクチュエータの駆動出力を求めている
が、この駆動出力(絶対値)を直接ファジィー推論によ
って求めてアクチュエータを駆動制御するようにしても
よい。この場合は図2,図3,図4の横軸の零点は左端
になる。
【0033】
【考案の効果】本考案は制御対象の検出値と設定値との
偏差とその時間的変化率を求め、偏差とその変化率との
両者を考慮したファジィー論理演算により制御対象を制
御するように構成したものであるから、給湯器の出湯湯
温を制御するような場合にあっては、給湯器の初期出湯
時における湯温を迅速に、しかも、オーバーシュートや
アンダーシュートの大きな湯温変動を生じることなく、
設定温度に安定化させることができ、温度特性の大幅な
改善が図れることになり、また偏差とその変化率の一
方のみから操作変量を求める場合に比べ、制御精度が高
まり、制御の信頼性を十分に高めることができる。さら
に、ファジィー論理演算部により操作変量が求められる
毎に前回の操作量に今回の演算により得られた操作変量
を加算した値をアクチュエータの操作量として出力する
構成とすることにより、フィードバック制御とは異なる
制御となり、特に、運転開始の初期段階で生じるフィー
ドバック制御の不安定要因を取り除くことができるの
で、制御精度を高めた安定した運転制御が可能となる。
【0034】また、制御対象が初期動作から安定領域に
入ったときに、制御対象をファジィー制御からPID制
御に切り換えるように構成したので、給湯器の初期動作
から安定動作状態の広範囲の領域で制御対象をより正
確、かつ、安定に制御することができ、給湯器の制御性
能を格段に高めることができる。もちろん、メンバーシ
ップ関数のラベル数を多くし、きめ細かなファジィー推
論を行えば、安定領域においても正確な制御が可能とな
るが、ファジィー推論をきめ細かく行うと、多くのメン
バーシップ関数を記憶する大容量のメモリが必要とな
り、装置構成も複雑となって装置コストが高くなるとい
う問題が生じる。制御が初期領域(初期の不安定領域)
から安定化領域に入った後には、むしろ、PID演算に
よって制御を行う方が簡易な装置構成でより安定した湯
温制御を行い得る点で好ましい。この点に着目し、上記
の如く、制御が安定化領域に入ったものと判断されたと
きには、ファジィー制御からPID制御へ自動的に移行
する構成を備えることによって、ファジィーの構成を簡
易化するにも拘らず初期領域から安定化領域に至る全領
域に亙って安定した高性能の制御が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る給湯器の制御装置の要部構成を示
すブロック図である。
【図2】同実施例のファジィー推論によってグレードg
Eを求めるメンバーシップ関数の説明図である。
【図3】同実施例のファジィー推論によってグレードg
ΔEを求めるメンバーシップ関数の説明図である。
【図4】同実施例のファジィー推論によってグレードg
ΔVを求めるメンバーシップ関数の説明図である。
【図5】同実施例における温度検出値の時間的変化を示
すグラフである。
【図6】同実施例における給湯器の出湯温度特性を従来
例との比較状態で示す説明図である。
【図7】ファジィー推論を行うメンバーシップ関数の他
の形状の説明図である。
【図8】本考案の第の実施例を示すブロック構成図で
ある。
【図9】前記第および第の実施例の温度特性を湯温
安定領域におけるファジィー制御の場合との比較状態で
示すグラフである。
【図10】本実施例における給湯器のシステム図である。
【符号の説明】
4 比例弁 16 出湯温度センサ 18 偏差算出部 19 変化率算出部 20,21,24,26,28 メモリ 22 偏差グレード算出部 23 変化率グレード算出部 25 変量グレード算出部 27 操作変量算出部 29 和集合演算部 30 重心算出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 森 清一 神奈川県大和市深見台3丁目4番地 株 式会社ガスター内 (72)考案者 大林 尚樹 神奈川県大和市深見台3丁目4番地 株 式会社ガスター内 (56)参考文献 特開 平3−36421(JP,A) 特開 平4−3850(JP,A) 特開 平4−52454(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F24H 1/10 302

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御対象の検出値と予め与えられた設定
    値との偏差およびその時間的変化率を求める偏差・変化
    率演算部と、この偏差・変化率演算部によって求められ
    た偏差とその時間的変化率の両方から所定の制御ルール
    に基づいたファジィー論理演算により制御対象を可変制
    御するアクチュエータの操作変量を演算するファジィー
    論理演算部と、制御対象をPID制御するPID演算部
    と、制御対象が所定の条件を満たす安定領域に入ったと
    きに制御対象の制御をファジィー制御からPID制御へ
    全面的に切り換える切り換え手段とを有する給湯器の制
    御装置。
  2. 【請求項2】 供給された水を加熱して所定の給湯場所
    に出湯する給湯器において、請求項1記載の制御装置を
    備えたことを特徴とする給湯器。
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