JPH0828983A - 多室空調機の制御装置 - Google Patents

多室空調機の制御装置

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JPH0828983A
JPH0828983A JP6161794A JP16179494A JPH0828983A JP H0828983 A JPH0828983 A JP H0828983A JP 6161794 A JP6161794 A JP 6161794A JP 16179494 A JP16179494 A JP 16179494A JP H0828983 A JPH0828983 A JP H0828983A
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JP
Japan
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room temperature
expansion valve
indoor
conditioning capacity
value
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Application number
JP6161794A
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English (en)
Inventor
Yozo Hibino
陽三 日比野
Susumu Nakayama
進 中山
Hiroshi Yasuda
弘 安田
Shinichiro Yamada
眞一朗 山田
Kenichi Nakamura
憲一 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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  • Compression-Type Refrigeration Machines With Reversible Cycles (AREA)
  • Air Conditioning Control Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【構成】圧縮機13の吐出温度を目標値に制御するに必
要な各室の室内膨張弁22の開度の増減分の合計を算出
し、これを各室の室温の目標値と室温の偏差に応じて決
まる目標空調能力と現空調能力との比率に応じて按分
し、各室の室内膨張弁の開度の増減分を算出する。 【効果】圧縮機の吐出温度と各室の室温の両方ともを、
安定かつ精度良く制御することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、複数個の部屋を同時に
冷房もしくは暖房する多室空調機の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】本発明に関連する公知例としては、特開
昭61−24937 号公報多室空調システムの制御方式があげ
られる。これは、可変容量形圧縮機,室外熱交換器,過
熱度検出器及びマイクロコンピュータ等の室外制御器を
備えた1台の室外ユニットと,室内熱交換器,二方弁,
室温センサ,室温設定器及びマイクロコンピュータ等の
室内制御器をそれぞれ備えた複数台の室内ユニットから
なり、室外制御器は、過熱度検出器からのデータに応じ
全膨張弁開度データを演算する手段と、全室内ユニット
制御器からの室内ユニットオンオフデータ,各室温と設
定室温の差温データから圧縮機容量制御データを演算し
圧縮機容量制御信号を出力する手段を、各室内制御器
は、室温センサと室温設定器からの温度データから室温
と設定室温との差温を演算する手段をそれぞれ有するよ
うなされた多室空調システムの制御方式において、各室
内ユニット熱交換器の暖房時高圧,冷房時低圧となる側
に上記二方弁を、それと反対側に電気式膨張弁をそれぞ
れ設け、室外制御器に、各室内制御器からの室内ユニッ
トオンオフデータ,室温と設定室温の差温データ及び室
内ユニット容量データから、運転中の各室内ユニットに
おける差温と容量の積の、運転中の全室内ユニットに対
する按分比率を演算する手段、この手段により演算され
た按分比率を過熱度検出器からのデータから演算された
全膨張弁開度に乗じ、各室内ユニットに対する膨張弁開
度を演算する手段、及びこの手段により演算された各室
内ユニットの膨張弁開度データを各室内ユニット制御器
に送出する手段を、各室内ユニットの制御器に、室外ユ
ニット制御器から送出された室内ユニット膨張弁開度デ
ータに応じそれぞれの電気式膨張弁を制御する手段をそ
れぞれ設けたことを特徴とする多室空調システムの制御
方式に関する。
【0003】さらに、室外制御器における全膨張弁開度
を演算する手段は、過熱度検出器からのデータと圧縮機
容量制御データとから全膨張弁開度を演算する手段とし
た多室空調システムの制御方式に関する。
【0004】さらに各室内制御器で算出される室温と設
定室温との差温が、所定の一定値を超える時は、その一
定値を差温データとする多室空調システムの制御方式に
関する。
【0005】これによれば、各室内ユニット毎に電気式
膨張弁を設け、これら膨張弁開度の総和を過熱度により
求め、運転中の各室内ユニットの膨張弁開度は、その全
膨張弁開度を、室内ユニットの室温と設定室温の差温と
容量の積の、運転中全室内ユニットのそれらの総和に対
する比率で按分して定めたため、各室内ユニットの負荷
の大小に応じた膨張弁開度で制御され、ハンチングのな
い非常に安定性の高い制御が得られ、これによる省エネ
ルギ効果、さらに全体の弁の個数が減少するなどの効果
が得られるとしている。
【0006】このほか、本発明に関連する公知例は、特
開平2−133760号,特開平4−283362号,特開平4−25415
9号,特開平5−79721号ならびに特開平5−106929号公報
があげられる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】前記の特許における制
御装置12の構成を図11に示す。過熱度目標決定機構
1により与えられる圧縮機の過熱度目標値SH0 と、冷
凍サイクル2における圧縮機の過熱度検出器3の検出値
SHとの偏差ΔSHにもとづいて演算機構4によって合
計室内膨張弁開度G0 を決定する。一方、各室の室温設
定器5によって設定される室温設定値Ts と、室温検出
器6の検出値Ta1との偏差ΔTs の大きさに応じて、合
計室内膨張弁開度の按分演算機構7により、上記の合計
室内膨張弁開度G0 を各室の室内膨張弁開度Gm を求め
る。この結果にもとづいて、各室の膨張弁駆動器8によ
って室内膨張弁9の開度を制御する。これによって、室
内熱交換器10の空調能力が制御され、各室11の室温
a1が室温設定値Ts になるように制御されるようにな
る。
【0008】按分演算機構7の動作内容を、図12に示
す。室数を番号1,2,3の3台の場合で説明する。図
12(a)で、横軸に室温の偏差ΔTs をとり、縦軸に
これに対して想定される室内熱交換器に対する要求能力
Dをとる。室番1の室温の偏差ΔTs1<室番2の室温の
偏差ΔTs2<室番3の室温の偏差ΔTs3の関係があるも
のとすると、この偏差の大きさに応じて、一義的に室内
熱交換器に対する要求能力Dの大きさが対応されられ
る。したがって、図12(b)に示すように合計室内膨
張弁開度G0 は、室温の偏差ΔTs の大きさに応じて、
一義的に、Gm1<Gm2<Gm3のように按分される。
【0009】この制御方式に関しては、以下に説明する
ようにいくつかの問題点が指摘される。
【0010】(1)圧縮機の過熱度の検出ならびに過熱度
制御を行うようになっている。しかし、冷媒の過熱度は
直接検出することはできない。そこで、冷媒の圧力,温
度、特に飽和温度を検出しなければならないので複数個
の検出器が必要であり、また測定誤差が重畳しやすい。
そして、室内膨張弁の合計開度を決める過熱度のフィー
ドバック制御系の設計が複雑になるという問題点があ
る。
【0011】(2)室内膨張弁の合計開度及び按分した開
度の演算結果の出力が、値全体を出力する、いわゆる位
置形になっている。このため、過渡的に冷凍サイクルの
状態が大きく変動するような場合や、室内機が起動停止
するような場合には、弁開度が大きく変化する。これに
よってサイクル状態がハンチングを起したり、不安定に
なるという問題点がある。
【0012】(3)基本的に室温と室温設定値との偏差の
大小だけにもとづいて、室内膨張弁の合計開度を、各室
の室内膨張弁の開度に按分している。このとき、室内膨
張弁の開度を操作することによって、冷凍サイクルの状
態で変動する熱交換器の出力が制御され、これによっ
て、部屋の熱特性や熱負荷というあいまいな特性をもっ
たものを介して、最終的に部屋の室温が制御され、これ
がフィードバックされるという一連の制御系統が構成さ
れる。
【0013】このため、室温に関して非常に応答の悪い
制御特性になる。この結果、圧縮機の過熱度制御と、各
室の室温の制御を両立させることは困難であるという問
題点がある。
【0014】上記のような問題点に対して、本発明の目
的は、圧縮機の冷媒過熱度にかわって吐出温度を制御す
る機能と各室室内熱交換器によって各室室温を制御する
機能を両立させることができる室内膨張弁の制御機能を
有する多室空調機の制御装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明においては、回転数可変の圧縮機と室外熱
交換器と室外ファンと室外膨張弁とから成る室外機と、
室内熱交換器と室内ファンと室内膨張弁とから成る複数
台の室内機を接続して冷房もしくは暖房サイクルを構成
する多室空調機の制御装置において、冷房サイクルにお
いては、圧縮機の吐出温度の目標値の決定機構と、圧縮
機の吐出温度の目標値と検出値との偏差を小さくするよ
うな各運転室内機の室内膨張弁の開度の増減分の合計を
計算する演算機構と、室内膨張弁の開度の増減分の合計
を、各運転室内機の室内膨張弁の開度の増減分の合計が
正のときには、運転室内機の室温設定値と現室温の偏差
に応じて決められる目標空調能力に対する現空調能力の
比率の最大値と、各運転室内機の室温設定値と現室温の
偏差に応じて決められる目標空調能力に対する現空調能
力の比率の偏差に応じて按分し、各運転室内機の室内膨
張弁の開度の増減分の合計が負のときには、運転室内機
の室温設定値と現室温の偏差に応じて決められる目標空
調能力に対する現空調能力の比率の最小値と、各運転室
内機の室温設定値と現室温の偏差に応じて決められる目
標空調能力に対する現空調能力の比率の偏差に応じて按
分し、各運転室内機の室内膨張弁の開度の増減分の合計
がゼロのときには、運転室内機の室温設定値と現室温の
偏差に応じて決められる目標空調能力に対する現空調能
力の比率の平均値と、各運転室内機の室温設定値と現室
温の偏差に応じて決められる目標空調能力に対する現空
調能力の比率の偏差に応じて按分する演算機構を有して
いる。
【0016】
【作用】本発明の多室空調機の制御装置においては、圧
縮機の冷媒過熱度ではなく吐出温度そのものを制御する
ようにしているので、冷媒の温度検出器のみを付設すれ
ばよい。また、このための室内膨張弁の合計開度及び按
分した開度の演算結果の出力は、前回からの変化分だけ
出力される、いわゆる速度形になっている。これによっ
て、過渡的に冷凍サイクルの状態が大きく変動するよう
な場合や、室内機が起動停止するような場合にも、弁開
度がなめらかに変化するように調節することができるの
で、冷凍サイクルを常に安定した状態に維持することが
できる。したがって、室内膨張弁の合計開度を決める圧
縮機の吐出温度のフィードバック制御系の設計が簡単に
なる。さらに、この合計開度と按分して各室の室内膨張
弁を制御することにより、圧縮機の吐出温度を制御する
機能と、各室の室内熱交換器の出力を調節して各室の室
温を制御する機能の2つの機能を容易に両立させること
ができる。また、合計開度を按分するに際しては、単に
室温と室温の設定値との偏差という冷凍サイクルに関し
て間接的な量の大小に依存せずに、まず室温と室温の設
定値との偏差の大きさによって冷凍サイクルに関して直
接的な量である室内熱交換器の冷媒の過熱度もしくは空
気温度差で決まる目標空調能力を設定し、この目標空調
能力に対する現空調能力の比率の大小に応じて按分する
ようになっている。すなわち、室内熱交換器の空調能力
を、室温と室温の設定値との偏差の大きさに合わせて適
確に制御することによって、結果的に各室の室温を精度
良く制御することができる。これによって、部屋の熱特
性や熱負荷というあいまいな特性をもったものを介し
て、効果的に各室の室温が制御され、これがフィードバ
ックされるという一連の制御系統を容易に構成すること
ができる。
【0017】
【実施例】図1は、本発明の制御装置を適用する多室空
調機の冷凍サイクルの構成を示している。Oは多室空調
機の室外機で、回転数制御が可能な圧縮機13,四方弁
14,室外熱交換器15,室外ファン16,室外膨張弁
17,レシーバ18及びアキュームレータ19から構成
される。I1,I2……は複数の部屋に設置される室内機
であり、それぞれの室内機は室内熱交換器20,室内フ
ァン21及び室内膨張弁22から構成される。各室内を
冷房する場合には、実線の矢印の方向に冷媒を流す冷凍
サイクルを構成する。また、各室内を暖房する場合に
は、四方弁14を切り換えて、これと反対方向の破線の
矢印の方向に冷媒を流す冷凍サイクルを構成する。以
下、図1に示した冷房時のサイクルに関して説明する。
この冷凍サイクルの状態を目的どおりに運転制御するた
めに、サイクル状態の検出器を配置する。室外機Oに
は、圧縮機13の吐出圧力Pd の検出器23,吐出温度
d の検出器24及び吸入圧力Ps の検出器25を配置
する。一方各室内機I1,I2…… には、室内熱交換器2
0の冷媒の入口温度Tr1の検出器26,出口温度Tr2
検出器27,吸込空気温度すなわち室温Ta1の検出器2
8,吹出空気温度Ta2の検出器29をそれぞれ配置す
る。
【0018】図2ないし図4は、本発明の制御装置30
の構成を示すブロック線図である。このうち図2は、圧
縮機13の吸入圧力Ps を制御する制御系統である。目
標決定機構31によって、吸入圧力Ps の目標値Ps0
決定する。この目標値と吸入圧力検出器25の検出値の
偏差ΔPs を小さくするような圧縮機13の回転数を、
PI制御機構32によって演算する。この出力にもとづ
いて、回転駆動器33によって、圧縮機13の回転数を
制御すると、図1に示した室外機Oと複数の室内機
1,I2……とから成る冷凍サイクルSのサイクル状態
が変化し、吸入圧力Ps が目標値Ps0に制御される。
【0019】図3(a)は、圧縮機13の吐出圧力Pd
を室外膨張弁によって制御する場合の制御系統である。
目標決定機構34によって、吐出圧力Pd の目標値Pd0
を決定する。この目標値と吐出圧力検出器23の検出値
の偏差ΔPd を小さくするような室外膨張弁17の開度
を、PI制御機構35によって演算する。この出力にも
とづいて、弁駆動器36によって、室外膨張弁17の開
度を制御すると、図1に示した室外機Oと複数の室内機
1,I2……とから成る冷凍サイクルSのサイクル状態
が変化して、吸入圧力Pd が目標値Pd0に制御される。
【0020】図3(b)は、同じく圧縮機13の吐出圧
力Pd を、室外ファンによって制御する場合の制御系統
である。目標値決定機構37によって、吐出圧力Pd
目標値Pd0を決定する。この目標値と吐出圧力検出器2
3の検出値の偏差ΔPd を小さくするような室外ファン
16の回転数を、PI制御器38によって演算する。こ
の出力にもとづいて、回転駆動器39によって、室外フ
ァン16の回転数を制御すると、図1に示した室外機O
と複数の室内機I1,I2……とから成る冷凍サイクルS
のサイクル状態が変化して吐出圧力Pd が目標値Pd0
制御される。
【0021】図4は、各室の室内膨張弁によって、圧縮
機13の吐出温度Td と、各室の室温をあわせて制御す
る制御系統である。目標値決定機構40によって、吐出
温度の目標値Td0を決定する。この吐出温度の目標値T
d0は、図5に示すように、吐出圧力Pd の一次関数lと
して設定しておけば、圧縮機の状態に関して過熱度とほ
ぼ同等の指標とみなすことができ、しかも吐出温度検出
器24が簡単な温度検出器ですむので好都合である。こ
の目標値と吐出温度検出器24の検出値の偏差ΔTd
小さくするような室内膨張弁の開度の増減分の合計ΔE
VIを演算機構41によって演算する。この演算方式と
しては、基本的な方式として、(数1)式に示すような
速度形のPI制御なども用いることができる。
【0022】
【数1】 ΔEVI=Kp(ΔTd−ΔTdn-1)+KIΔTdns …(数1) ここで、ΔTdn :(Td−Td0)の時刻nでの値 ΔTdn-1:(Td−Td0)の時刻(n−1)での値 Kp :比例定数 KI :積分定数 ts :サンプリング周期 この式によって運転している室内機の室内膨張弁の開度
の増減分の合計がこの値になれば、吐出温度Td は目標
値Td0になることが保証される。
【0023】しかし、一方で各室の室内膨張弁22は、
各室の室温Ta1を室温の設定値Tsに制御する機能も果
さなければならない。そこでこれら2つの機能を両立さ
せるように、按分演算機構42によって室内膨張弁の開
度の増減分の合計ΔEVIを、各室の室内膨張弁の開度
の増減分に按分する。このとき、次のような各室の室温
の制御系統をもとに按分する。各室においては、室温設
定器43によって、室温の設定値Ts を設定する。そし
てこの設定値と室温検出器28の検出値の偏差ΔTs
もとづいて、まず室内熱交換器20を通過する冷媒の入
口と出口の温度差(過熱度)あるいは空気の吹出しと吸
込みの温度差を制御することにより、室内熱交換器20
の空調能力を制御し、この結果として室温Ta1をその目
標値Tsに近づけるようにする。このようなカスケード
制御の原理を用いることによって、変動しやすい冷凍サ
イクルの構成要素の1つである熱交換器の空調能力を的
確に制御することができるので、部屋の熱特性や熱負荷
というあいまいな特性をもったものを精度良く制御する
ことが可能になる。図6(a)は、室温Ta1と室温の設
定値Ts の偏差ΔTs に対する、室内熱交換器20の過
熱度Δrの目標値Δr0 の関係を示すグラフである。過
熱度Δrは、冷媒の出口温度Tr2と入口温Tr1との差で
ある。室温と室温の設定値の偏差ΔTs が大きい程、過
熱度の目標値r0 を小さくして空調能力を大きくするた
め、右下りの曲線とする。例えば室温の偏差がΔTs
ときには、過熱度Δrが目標値Δr0 に一致した状態1
になるように室内膨張弁22の開度を調整することによ
り、そのときの熱負荷に対応した空調能力が室内熱交換
器20から出力される。
【0024】そして、このとき過熱度がΔr0 よりも小
さな状態2の空調能力RはR0 よりも大きいので、過熱
度が小さくなるように室内膨張弁22の開度を小さくす
る。また、過熱度がΔr0 よりも大きな状態3の空調能
力RはR0 よりも小さいので、過熱度が大きくなるよう
に室内膨張弁の開度を大きくする。このような指標にも
とづき、各室の室内膨張弁22の開度の増減分を決定す
る。図6(b)は、室温Ta1と室温設定値Ts の偏差Δ
s に対する室内熱交換器20の空気温度差Δaの目標
値Δa0 の関係を示すグラフである。空気温度差Δa
は、吸込空気の温度Ta1と吹出空気の温度Ta2との差で
ある。室温と室温の設定値の偏差ΔTsが大きい程、空
気の温度差の目標値Δa0 を大きくして空調能力を大き
くするため、右上りの曲線とする。例えば室温の偏差が
ΔTs のときには、温度差Δaが目標値Δa0 に一致し
た状態1になるように室内膨張弁22の開度を調整する
ことにより、そのときの熱負荷に対応した空調能力が室
内熱交換器20から出力される。そして、このとき過熱
度がΔa0 よりも大きな状態2の空調能力RはR0より
も大きいので、温度差が小さくなるように室内膨張弁2
2の開度を小さくする。また、温度差がΔa0 よりも小
さな状態3の空調能力RはR0 よりも小さいので、温度
差が大きくなるように室内膨張弁の開度を大きくする。
このような指標にもとづいて、各室の室内膨張弁22の
開度の増減分を決定する。
【0025】図4における過熱度目標値決定機構44
は、図6(a)の関係を用いて、偏差ΔTs に応じて過
熱度の目標値Δr0 を演算する。そして、能力比演算機
構45では、この目標値と室内熱交換器20に配置され
た過熱度の検出器26,27の検出値Δrの偏差から、
図6(a)の関係にもとづいて空調能力の目標R0 に対
する現空調能力の比率Rを算出する。また、図4の温度
差目標決定機構46は、図6(b)の関係を用いて、偏
差ΔTs に応じて、温座差の目標値Δa0 を演算する。
そして、能力比演算機構45では、この目標値と室内熱
交換器20に配置された温度差の検出器28,29の検
出値Δaの偏差から、図6(b)の関係にもとづいて、
空調能力の目標値R0 に対する現空調能力の比率Rを算
出する。ただし、切換機構47によって、これらのいず
れの方式を用いるかを選択することができる。
【0026】このようにして求めた各室の室温の偏差Δ
s に対応する各室の空調能力比Rにもとづいて、各室
の室内膨張弁の増減分の合計開度ΔEVIを各室の室内
膨張弁の増減分に按分する按分演算機構42の機能を、
図7ないし図9を用いて説明する。ここでは、図6(b)
に示した温度差目標値を用いた場合について説明する。
また、運転室内機が、室番1,2,3の3台の場合で、
室温の偏差にはΔTs1<ΔTs2<ΔTs3の関係があるも
のとする。
【0027】図7は、吐出温度Td が目標値Td0より高
い場合であり、室内膨張弁の増減分の合計開度ΔEVI
が正、すなわち弁を開く方向に制御する場合である。こ
の場合には、以下の数2にもとづいて按分し、各室内膨
張弁の開度の増分ΔEVIiを求める。
【0028】
【数2】
【0029】ここで、Ri は各室内機の目標空調能力に
対する現空調能力の比率 Rs はRi のうちの最大値 i=1,2,3 (ケースA)各室の空調能力がいずれも目標空調能力よ
り大きく、その比率にR1A<R2A<R3Aの関係がある場
合である。この場合には、最大値R3A=Rs を基準とし
て、(数2)式を用いてΔEVIを按分し、ΔEVIi
を求める。この結果、各室内膨張弁の開度の増分は、Δ
EVI1>ΔEVI2>ΔEVI3 と求められる。すなわ
ち、空調能力の比率が大きい室内機3の室内膨張弁の開
度の増分は小さくなり、より目標空調能力に近くなるよ
うにすなわち空調能力をおさえるように按分される。
【0030】(ケースB)各室の空調能力がいずれも目
標空調能力より小さく、その比率にR1B<R2B<R3B
関係がある場合である。この場合には、最大値R3B=R
s を基準として、(数2)式を用いてΔEVIを按分
し、ΔEVIi を求める。この結果、各室内膨張弁の開
度の増分は、ΔEVI1>ΔEVI2>ΔEVI3 と求め
られる。すなわち、空調能力の比率が大きい室内機1の
室内膨張弁の開度の増分は大きくなり、より目標空調能
力に近くなるようにすなわち空調能力が出るように按分
される。
【0031】図8は、吐出温度Td が目標値Td0より低
い場合であり、室内膨張弁の増減分の合計開度ΔEVI
が負、すなわち弁を閉る方向に制御する場合である。こ
の場合には、以下の(数3)式にもとづいて按分し、各
室内膨張弁の開度の減分ΔEVIi を求める。
【0032】
【数3】
【0033】ここで、Ri は各室内機の目標空調能力に
対する現空調能力の比率 Rs はRi のうちの最小値 i=1,2,3 (ケースC)各室の空調能力がいずれも目標空調能力よ
り大きく、その比率にR1C<R2C<R3Cの関係がある場
合である。この場合には、最大値R1C=Rs を基準とし
て、(数3)式を用いてΔEVIを按分し、ΔEVIi
を求める。この結果、各室内膨張弁の開度の減分は、Δ
EVI1>ΔEVI2>ΔEVI3 と求められる。すなわ
ち空調能力の比率の大きい室内機3の室内膨張弁の開度
の減分が大きくなり、より目標空調能力に近くなるよう
に、すなわち空調能力をおさえるように按分される。
【0034】(ケースD)各室の空調能力がいずれも目
標空調能力より小さく、その比率にR1D<R2D<R3D
関係がある場合である。この場合には、最小値R1D=R
s を基準として、(数3)式を用いてΔEVIを按分
し、ΔEVIi を求める。この結果、各室内膨張弁の開
度の減分は、ΔEVI1>ΔEVI2>ΔEVI3 と求め
られる。すなわち、空調能力の比率が小さい室内機1の
室内膨張弁の開度の減分が小さくなり、より目標空調能
力に近くなるように、すなわち空調能力が出るように按
分される。
【0035】図7,図8のような制御過程によって、各
室の室温の偏差に対応する空調能力のアンバランスを修
正しながら、まず圧縮機の吐出温度が目標値になるよう
に各室の室内膨張弁が制御される。そうすると、吐出温
度Td が目標値Td0に一致するようになる。この場合に
は、室内膨張弁の増減分の合計開度ΔEVIがゼロ、す
なわち弁開度をしなくてもよい。しかし、図9のように
各室の室温の偏差に対応する空調能力のアンバランスを
修正するように各室の室内膨張弁を制御する。この場合
には、以下の(数4)式にもとづいて各室内膨張弁の開
度の増減分ΔEVIi を修正する。
【0036】
【数4】 ΔEVIi =(Rs−Ri)ΔEVIi …(数4) ここで、Ri は各室内機の目標空調能力に対する現空調
能力の比率 Rs はRi の平均値 i=1,2,3 (ケースE)各室の空調能力がいずれも目標空調能力よ
り大きく、その比率はR1E<R2E<R3Eの関係がある場
合である。この場合には、Ri の平均値をRsとして、
(数4)式を用いてΔEVIi を修正する。ここでは、
2=Rsを基準としている。この結果、修正後の各室内
膨張弁の開度は、ΔEVI1>ΔEVI2>ΔEVI3
求められる。すなわち、空調能力の比率がの小さい室内
機1の室内膨張弁の開度が増加し、かわりに、空調能力
の比率の大きい室内機3の室内膨張弁の開度が減少し
て、空調能力の比率の平均化が行われる。
【0037】(ケースF)各室の空調能力がいずれも目
標空調能力より小さく、その比率はR1F<R2F<R3F
関係がある場合である。この場合には、Ri の平均値を
sを基準として、(数4)式を用いてΔEVIi を修
正する。ここでは、R2=Rsとしている。この結果、修
正後の各室内弁の開度はΔEVI1>ΔEVI2>ΔEV
3 と求められる。これによって空調能力の平均化が行
われる。
【0038】以上の図7ないし図9に示した内容を、図
12に示した内容を比較してみる。各室の室温の偏差は
いずれもΔTs1<ΔTs2<ΔTs3と同じ関係になってい
る。このとき、図12に示した方式では、各室内膨張弁
の開度は常にGm1<Gm2<Gm3の関係に求められる。こ
れに対して、図7ないし図9に示した方式によると、各
室内膨張弁の開度がΔEVI1>ΔEVI2>ΔEVI3
となり、図12とは全く逆の関係になる場合があること
を示している。このようにすることによって、圧縮機の
吐出温度の制御に加えて、各室の負荷に応じた空調能力
を出力するように各室の室内熱交換器を制御することが
できる。
【0039】図10は、図4に示した制御系統の制御動
作をフローチャートにしたものである。この制御動作
は、空調機始動後一定の時間周期で動作し、各室内膨張
弁の開度の増減分を弁駆動回路48に出力する。ただ
し、始動直後所定時間内は、冷凍サイクルの状態が安定
しない可能性があるので、使用者によって指定された運
転室内機の室内膨張弁には、初期開度EVI0 を設定
し、停止室内機の室内膨張弁は全閉を設定する。始動終
了の条件成立あるいは所定時間完了したならば、運転室
内機についての室内膨張弁の開度制御に移行する。ただ
し、室内機が停止した場合には、室内膨張弁は全閉とす
る。また、新たに室内機が運転を起動した場合には、ま
ず初期開度EVI0 を設定する。
【0040】なお、上記の説明においては各室の室内機
の基準となる空調能力は等しいものとしたが、一般的に
膨張弁の容量や風量等の差も含めて基準となる空調能力
に差があるので、これを考慮するための重み係数を各室
内膨張弁の開度に乗じて取り扱うようにすればよい。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、各室内機の室内膨張弁
によって、圧縮機の吐出温度を目標値に制御すること
と、各室の室温を設定値に制御することの2つの機能
を、精度良くしかも安定に実行することができる。この
ため、圧縮機の信頼性確信のうえから好都合であるのみ
ならず、使用者に快適な空調環境を提供することができ
るという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多室空調機の制御装置に対応する冷凍
サイクルのブロック図。
【図2】圧縮機の吸入圧力の制御系統図。
【図3】圧縮機の吐出圧力の制御系統図。
【図4】室内膨張弁を用いた制御系統図。
【図5】吐出温度の目標値の決定方式の説明図。
【図6】室内熱交換器の冷媒過熱度及び空気温度差の目
標値の決定方式の説明図。
【図7】各室内機の室内膨張弁の開度の演算方法の説明
図。
【図8】各室内機の室内膨張弁の開度の演算方法の説明
図。
【図9】各室内機の室内膨張弁の開度の演算方法の説明
図。
【図10】各室内機の室内膨張弁の開度の演算方法のフ
ローチャート。
【図11】従来の制御方式の説明図。
【図12】従来の制御方式の説明図。
【符号の説明】
20,22…室内膨張弁、21…室内ファン、23…吐
出圧力検出器、24…吐出温度検出器、25…吸入圧力
検出器、26…冷媒入口温度検出器、27…出口温度検
出器、28…吸込空気温度検出器、29…吹出空気温度
検出器、41…演算機構、42…按分演算機構、43…
室温設定器、44…過熱度目標値決定機構、45…能力
比演算機構、46…温度差目標値決定機構、47…切換
機構、48…弁駆動器。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 眞一朗 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内 (72)発明者 中村 憲一 静岡県清水市村松390番地 株式会社日立 製作所空調システム事業部内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】回転数可変の圧縮機と室外熱交換器と室外
    ファンと室外膨張弁とから成る室外機と、室内熱交換器
    と室内ファンと室内膨張弁とから成る複数台の室内機を
    接続して冷房もしくは暖房サイクルを構成する多室空調
    機の制御装置において、冷房サイクルでは、圧縮機の吐
    出温度の目標値の決定機構と、圧縮機の吐出温度の目標
    値と検出値との偏差を小さくするような各運転室内機の
    室内膨張弁の開度の増減分の合計を計算する演算機構
    と、室内膨張弁の開度の増減分の合計を、各運転室内機
    の室内膨張弁の開度の増減分の合計が正のときには、運
    転室内機の室温設定値と現室温の偏差に応じて決められ
    る目標空調能力に対する現空調能力の比率の最大値と、
    各運転室内機の室温設定値と現室温の偏差に応じて決め
    られる目標空調能力に対する現空調能力の比率の偏差に
    応じて按分し、各運転室内機の室内膨張弁の開度の増減
    分の合計が負のときには、運転室内機の室温設定値と現
    室温の偏差に応じて決められる目標空調能力に対する現
    空調能力の比率の最小値と、各運転室内機の室温設定値
    と現室温の偏差に応じて決められる目標空調能力に対す
    る現空調能力の比率の偏差に応じて按分し、各運転室内
    機の室内膨張弁の開度の増減分の合計がゼロのときに
    は、運転室内機の室温設定値と現室温の偏差に応じて決
    められる目標空調能力に対する現空調能力の比率の平均
    値と、各運転室内機の室温設定値と現室温の偏差に応じ
    て決められる目標空調能力に対する現空調能力の比率の
    偏差に応じて按分する演算機構を有することを特徴とす
    る多室空調機の制御装置。
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