JP2607710Y2 - 室内多方向配線用分岐ケ−ブル - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】この考案は、室内配線に使用される分岐ケ
−ブルに係るもので、詳しくは複数個の分岐ユニットを
集合し、多方向へ無理なく配線できるようにした分岐ケ
−ブルの構造に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種のケ−ブルとしては、実開
平２−１０４５５９０号に開示されているような構造の
ものが使用されていた。この構造のものは、電線・ケ−
ブルが一方向にのみ出ているので、電線・ケ−ブルが出
ている前方への配線は問題ないが、背後への配線は、電
線・ケ−ブルを１８０度屈曲しなければならず、配線作
業が困難であるという欠点があった。また、室数や室内
に配置される電気製品等の数が増えると、電線・ケ−ブ
ルの数も増え、接続部を収納する接続ケ−スも大型にな
り、背後への配線作業がますます困難になるとともに、
接続ケ−スに充填される常温硬化性樹脂の量が多くな
り、製品コストをアップするという欠点があった。ま
た、使用中に一部の接続部が絶縁破壊を起こしたような
場合には、全てが駄目になり廃棄処分にするしか方法が
ないという欠点もあった。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】この考案は、従来の技
術で述べた欠点を解決するためになされたもので、数個
の分岐ユニットを集合し、多方向へ無理なく配線できる
室内多方向配線用分岐ケ−ブルの提供を目的とするもの
である。

【０００４】

【課題を解決するための手段】一方が開口した円筒体の
中央に設けた円柱状部に、適宜な角度で放射状に設けた
コの字状の凹溝と、この凹溝に対向する壁に切欠を設け
てなる函体の前記凹溝に、分岐ユニット接続ケ−スを嵌
合し、この分岐ユニット接続ケ−スからでた電線・ケ−
ブルを前記切欠部から出し、前記函体の開口部に蓋をす
ることを特徴とするものである。

【０００５】

【作用】各分岐ユニット接続ケ−スは、適宜な角度で放
射状に配置されているので、函体の切欠部から出る電線
・ケ−ブルも、函体周辺に適宜な角度で放射状に分散さ
れ、多方向への配線が容易になる。また、複数個の分岐
ユニット接続ケ−スの容積を合計した総容積は、同サイ
ズ、同数の電線・ケ−ブルを有する従来タイプのものに
比し、数分の一程度に小さくなるので、それに充填する
常温硬化性樹脂の量も少なくなる。分岐ユニット接続ケ
−ス内で絶縁破壊が起こった場合には、その分岐ユニッ
ト接続ケ−スのみを置換すればよいので、従来のように
全てが使用不能になることがない。

【０００６】

【実施例】この考案の実施の一例を示す図面について説
明する。図１に示すように、一方が開口した円筒体から
なる函体３の中央に設けた円柱状部に、適宜な角度で放
射状にコの字状の凹溝１を設け、凹溝１に対向する函体
３の壁に切欠２を設け、例えば、図２示すような分岐ユ
ニット接続ケ−ス６を、図３に示すように、函体３の凹
溝１に嵌合し、分岐ユニット接続ケ−ス６からでた電線
・ケ−ブル５を、函体３の切欠２部から出し、函体３の
開口部に蓋４を装着する。

【０００７】分岐ユニット接続ケ−ス６は、ビニル、ポ
リエチレン等のプラスチックからなり、その内部には、
電線・ケ−ブル５の結線部が収納され、結線部の絶縁と
ケ−ス内への湿気の侵入を防止するために、常温硬化性
樹脂が充填、硬化されている。

【０００８】なお、函体３は、ビニル、ポリエチレン等
のプラスチックを射出成形し、凹溝１、切欠２、函体３
をボルト等で天井や壁面に固定するための取付け孔７、
分岐ユニット接続ケ−ス６の係止用突起８の受け溝９等
は一体に成形される。受け溝９に突起８を嵌着させる
と、分岐ユニット接続ケ−ス６は、凹溝１から離脱しな
いようになる。なお、図１において、１０，１０’は蓋
４を函体３に固定するためのビス孔である。

【０００９】ビニル、ポリエチレン等のプラスチックか
らなる蓋４には、図１に示すように、切欠２に嵌合する
突設部１１が設けられ、突設部１１の基部と壁面の適宜
箇所にミシン孔１２を設けており、切欠２から外へ出る
電線・ケ−ブルの数に合わせて、ミシン孔１２に沿っ
て、突設部１１の一部を除去できるようになっている。
なお、突設部１１を省略し、電線・ケ−ブル５と切欠２
との間隙に耐火粘土等を詰めて密閉してもよい。なお、
本例では、分岐ユニット接続ケ−ス６が四個の場合を示
したが、これに限定されるものではない。

【００１０】

【効果】この考案は上述のように構成されているので、
次のような効果を呈する。電線・ケ−ブルが円周上に
沿って、ほぼ均等の間隔で出ているので、多方向の配線
が容易に行える。複数個の分岐ユニット接続ケ−スが
コンパクトに作られるので、それに注入される常温硬化
性樹脂量は従来に比し、少なくてよく、製品の価格を低
減できる。分岐ユニット接続ケ−スが故障した場合に
は、そのケ−スのみを置換すればよいので、経済的であ
る。分岐ユニット接続ケ−スの装着が簡単であり、し
かも十分な引っ張り強度を保持して、凹溝に嵌合してい
る。保守点検及び取り替えが簡単にできる。例えば、
部屋数が増えたり又は電気製品が増えた場合には、分岐
ユニット接続ケ−スのみを取り替えるだけで対応でき
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の函体と蓋の実施例を示す斜視図

【図２】本考案の分岐ユニット接続ケ−スの実施例を示
す斜視図

【図３】本考案の函体に分岐ユニット接続ケ−スを装着
した状態を示す斜視図

【符号の説明】

１ 凹溝 ２ 切欠 ３ 函体 ４ 蓋 ５ 電線・ケ−ブル ６ 分岐ユニット接続ケ−ス ７ 取付け孔 ８ 分岐ユニット接続ケ−スの係用突起 ９ 受け溝 １０、１０’ ビス孔 １１ 突設部 １２ ミシン孔

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 平井 泰生 大分県大分市大字駄原2899番地 西日本 電線株式会社内 (56)参考文献 特開 平６−54432（ＪＰ，Ａ) 実開 平２−104590（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭53−36071（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−26233（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−26234（ＪＰ，Ｕ) 実開 平６−80321（ＪＰ，Ｕ) 実開 平４−2459（ＪＰ，Ｕ) 実開 平１−117065（ＪＰ，Ｕ) 実公 昭60−41787（ＪＰ，Ｙ２) 実公 昭48−27186（ＪＰ，Ｙ１) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) H01B 7/00 305 H01R 31/02 H02G 3/08

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】一方が開口した円筒体からなる函体（３）
   の中央に設けた円柱状部に、適宜な角度で放射状にコの
   字状の凹溝（１）を設け、該凹溝（１）に対向する前記
   函体（３）の壁に切欠（２）を設け、分岐ユニット接続
   ケ−ス（６）を、前記函体（３）の凹溝（１）に嵌合
   し、分岐ユニット接続ケ−ス（６）からでた電線・ケ−
   ブル（５）を、前記切欠（２）から出し、前記函体
   （３）の開口部に蓋（４）を装着したことを特徴とする
   室内多方向配線用分岐ケ−ブル