JP2607546B2 - ズームレンズのズーム機構 - Google Patents

ズームレンズのズーム機構

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JP2607546B2 JP62250440A JP25044087A JP2607546B2 JP 2607546 B2 JP2607546 B2 JP 2607546B2 JP 62250440 A JP62250440 A JP 62250440A JP 25044087 A JP25044087 A JP 25044087A JP 2607546 B2 JP2607546 B2 JP 2607546B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ズームレンズのズーム機構、さらに詳しく
は、合焦レンズ群を含む複数のレンズ群をそれぞれ光軸
方向に移動させてズーミングを行なうズームレンズのズ
ーム機構に関する。
[従来の技術] ズームレンズ付きレンズシャッタカメラは、ズーミン
グ時に各レンズ群を駆動するズーム駆動機構と、フォー
カシング時に合焦レンズ群を駆動するフォーカス駆動機
構とを備えている。
[発明が解決しようとする問題点] しかし、従来技術では、合焦レンズ群の駆動に関して
は、ズーミングとフォーカシングのそれぞれの駆動機構
が重複して構成されている。したがって、電動ズームで
オートフォーカスの構成にすると、駆動源(モータ)も
重複してしまう構成となり、カメラが大型化し、部品点
数も増大してコストも高くなってしまう。
本発明は、このような問題点に鑑み、1個の駆動源を
用いてズーミングをフォーカシングも行なえるように
し、小型でかつ安価なズームレンズのズーム機構を提供
することを目的とする。
[問題点を解決するための手段および作用] 本発明によるズームレンズのズーム機構は、合焦レン
ズ群を含む複数のレンズ群をそれぞれ光軸方向に移動さ
せてズーミングを行なうズームレンズのズーム機構にお
いて、 上記合焦レンズ群を光軸方向に駆動する第1の駆動機
構と、上記合焦レンズ群以外のレンズ群を光軸方向に駆
動する第2の駆動機構と、上記第1,第2の駆動機構に駆
動力を与える駆動源と、上記第1の駆動機構と上記駆動
源とを常時連結している連結機構と、ズーミング時には
上記第2の駆動機構と上記駆動源とを連結して上記駆動
源からの駆動力を上記第1及び第2の駆動機構にそれぞ
れ伝達し合焦時には上記第2の駆動機構への伝達を解除
して該駆動力が該第1の駆動機構にのみ伝達されるよう
に切り換える切換手段とを具備したことを特徴とする。
[実 施 例] 第1図および第2図に本発明を2群ズームレンズのカ
メラに適用した第1実施例の構成を示す。第3図(A)
は従来の2群ズームレンズの一例におけるレンズ群の動
きを示したものであり、第3図(B)は本実施例におけ
るレンズ群の動きを示したものである。
第1図において、合焦レンズ群である前群Iを保持し
た前枠1と、後群IIを保持した後枠2は、カメラ本体
(全体を図示せず)3に固定された上下2本の支持軸4,
5により光軸方向に移動自在に支持され、かつ回り止め
されている。前枠1は支持軸4に平行して回転自在に支
持されている前ねじ軸6に螺合し、また後枠2は同じく
支持軸4に平行して回転自在に支持されている後ねじ軸
7に螺合しており、上記ねじ軸6,7の回転により、それ
ぞれ前枠1,後枠2が光軸方向に送られるようになってい
る。前ねじ軸6に一体の前ギア8はギア9を介して、モ
ータ10の駆動軸に固定された、差動歯車機構11の太陽ギ
ア12に連結している。
差動歯車機構11は、第4図にその詳細を拡大して示す
ように、太陽ギア12に対して回転自在な内歯ギア13と、
この内歯ギア13および太陽ギア12に噛合している複数個
の遊星ギア14と、この遊星ギア14を回転自在に支持して
いるキャリア15とによって構成されている。キャリア15
の外周には歯が形成され、この歯に上記後ねじ軸7に一
体の後ギア16が噛み合っている。
上記内歯ギア13の所定箇所には1個の凹部13aが形成
されていて、同凹部13aに係止部材17の凸部17aが対向で
きるようになっている。係止部材17は電磁プランジャ18
に連結して設けられている。また係止部材17の先端に
は、上記キャリア15の背面側に僅かに突き出したキャリ
ア係止部17bが形成されている。係止部材17は電磁プラ
ンジャ18の非通電状態の平生時には、ばね19により矢印
aの方向に付勢されて凸部17aが上記凹部13aに係合し内
歯ギア13を回転させないようにしている。この状態で
は、キャリア係止部17bはキャリア15から離間している
ので、同キャリア15の回転は妨げられない。電磁プラン
ジャ18が通電状態になると、係止部材17はばね19の付勢
力に抗して矢印bの方向に移動し、凸部17aが上記凹部1
3aから抜け出して内歯ギア13が回転自在になる。この状
態で、キャリア係止部17bはキャリア15の歯を係止し
て、キャリア15の回転を妨げる。
第2図に示すように、上記ギア8の回転量は前枠位置
読取器20によって読み取られ、後枠2の位置は焦点距離
読取器21により読み取られる。これらの読取器20,21の
出力と撮影距離設定器22の出力に基づいて、制御回路23
はモータ10および電磁プランジャ18を制御する。
次に、このように構成されている第1実施例の動作を
説明する。
まず、図示しないズーミングスイッチによってズーミ
ングの信号が入ると、制御回路23はモータ10を駆動す
る。始め、電磁プランジャ18は非通電状態にあって係止
部材17が矢印a方向に付勢されている状態にあるので、
上述したように、内歯ギア13が係止部材17によって係止
され、キャリア15が回転自在になっている。したがっ
て、モータ10の駆動によって太陽ギア12が回転すると、
遊星ギア14が太陽ギア12の周囲を公転運動し、キャリア
15が回転する。キャリア15の回転は後ギア16を介して後
ねじ軸7に伝達される。また太陽ギア12の回転はギア9
と前ギア8を介して前ねじ軸6に伝達される。すなわ
ち、このとき差動歯車機構11により前ねじ軸6と後ねじ
軸7とが同時に回転することになる。そして、前枠1
(前群I)と後枠2(後群II)は、それぞれ異なる速度
で第3図(B)に示すように広角(ワイド;W)から望遠
(テレ;T)まで線型に移動する。
因みに、従来の2群ズームレンズの場合には、第3図
(A)に示すように、後群II′が1つの駆動源によって
ワイドからテレまで線型に移動するものとすると、この
とき前群I′は別の駆動源によって非線型に制御される
ものとなっている。
ズーミングが終了し、次にレリーズ信号が入ると、制
御回路23は電磁プランジャ18を通電状態にする。する
と、係止部材17が矢印b方向に移動し、キャリア15が係
止されて内歯ギア13が回転自在になる。この状態でモー
タ10が回転すると、後枠2は停止したままで、前枠1の
みがフォーカシングのために移動する。このとき、前枠
位置読取器20,焦点距離読取器21および撮影距離設定器2
2の出力に基づいた制御回路23の出力によりモータ10が
制御され、前枠1の移動が制御される。前枠1が所定の
位置に移動したところでモータ10が停止する。この状態
で前群Iは第3図(B)に二点鎖線で示す無限遠(∞)
位置と一点鎖線で示す至近位置の間で、所定の焦点距離
で被写体にピントの合った状態となる。
なお、比較のために第3図(A)に示す従来の2群ズ
ームレンズでは、前群I′はズーミングの後、前記別の
駆動源すなわち前群専用モータにより、さらに実線で示
す無限遠(∞)位置と一点鎖線で示す至近位置の間でフ
ォーカシングの移動を行なうことになる。
合焦の後、続いて露出が行われる。露出終了後に制御
回路23の出力によりモータ10が逆転し、また電磁プラン
ジャ18への通電が断たれる。モータ10の逆転により前枠
1は上記と逆方向に移動する。そして、前枠1がフォー
カシング以前の位置に戻ったとき係止部材17の凸部17a
と内歯ギア13の凹部13aが一致して内歯ギア13が係止部
材17により回転を係止されるとともにキャリア15が回転
自在になる。したがって、この後は再び前枠1と後枠2
が線形の関係で移動できる状態となりズーミングが可能
になる。ここで、前枠1を∞から至近までフォーカシン
グさせるために必要とする内歯ギア13の回転角を1回転
未満とし、内歯ギア13の凹部13aを1箇所にしておけ
ば、内歯ギア13が動いた時点で電磁プランジャ18への通
電を断っても作動に問題は生じない。また前枠1のフォ
ーカシング時の移動量が大きく、内歯ギア13が複数回回
転してしまう場合には、内歯ギア13の回転数の検知手段
を設け、前枠1を逆転して戻すときに、内歯ギア13の残
り逆転量が1回転以下になった時点で電磁プランジャ18
への通電を断つようにすればよい。
この第1実施例によれば、フォーカシングとズーミン
グの機構を兼用してフォーカシング専用の機構を省いて
いるので、小型で低コストのズームレンズカメラを提供
することができる。また精度も機構で補償されているの
で、高精度のエンコーダや複雑な制御等も必要としな
い。
次に、第5図に示した本発明の第2実施例について説
明する。
この第2実施例の構成は、前群Iに関しては上記第1
実施例と全く同じで、後群IIの駆動に関してのみ異な
る。すなわち、後群IIを保持した後枠2A上のカムピン2a
がカム環31のカム溝31aに嵌合している。カム環31の外
周の後端部にはギア部31bが形成され、同ギア部31bに差
動歯車機構11のキャリア15の歯が噛み合っている。
この実施例の動作は前記第1実施例の動作と殆ど同じ
である。ただし、カム環31が差動歯車機構11のキャリア
15の回転によって等速回転すると、後枠2Aのカムピン2a
がカム環31のカム溝31aにガイドされ、第6図に示すよ
うに、後群IIはワイドからテレまで光軸方向に非線型に
移動する。このとき前群Iは前記実施例と同様に線型に
移動する。この後、前枠1のみが移動してフォーカシン
グが行われるが、後群IIが非線型に移動するズームレン
ズにおいては、前群Iのフォーカシングの移動量は焦点
距離に関係なく一定であるので、前記第1実施例で用い
られた焦点距離読取器21(第2図参照)を必要としな
い。
このように第2実施例では、カム環31を用いているこ
とによって前記第1実施例よりも一段とレンズ制御が簡
単になっている。
上記第1,第2実施例では、電磁プランジャ18の作動に
より、差動歯車機構11の内歯ギア13の回転係止および係
止解除を行なう構成とされていたが、電磁プランジャ18
の代わりに、例えば、レリーズ釦の操作に連動して上記
内歯ギア13の回転係止および係止解除がなされるように
してもよい。そこで、次に、この部分の具体的な構成の
一実施例を第7図によって説明する。
第7図において、レリーズ釦41はコイル状のレリーズ
ばね42を介してカメラ本体43に上下動自在に取り付けら
れ、レリーズ釦41の下端は本体43内で連結レバー44の一
腕に当接している。連結レバー44の他端はピン44aによ
り係止部材47に連結している。不動のガイドピン45に長
孔46を案内されるようになっている係止部材47は、上記
レリーズ釦41が押されない平生時においては、前記係止
部材17と同様にばね19により矢印aの方向に付勢されて
おり、係止部材47の凸部47aは、内歯ギア13の凹部13aに
嵌合し、内歯ギア13の回転を係止している。このときキ
ャリア係止部47bはキャリア15の歯から退避している。
したがって、レリーズ釦41が押されないズーミング時に
は、太陽ギア12およびキャリア15が回転し、前枠1およ
び後枠2が光軸方向に移動する。ズーミングの後、レリ
ーズ釦41が押し下げられると、連結レバー44が図示する
反時計方向へ回動するので、係止部材47は矢印bの方向
に移動し、凸部47aが上記凹部13aから離脱するととも
に、キャリア15がキャリア係止部47bにより係止され
る。したがって、この状態では後枠2(または2A)は停
止し、内歯ギア13の回転により前枠1のみが光軸方向に
フォーカシングの移動を行なう。この後、露出が行わ
れ、レリーズ釦41がもとの位置に戻ったところで、モー
タ10を逆転すれば、内歯ギア13がフォーカシング以前の
位置に戻ったときに、係止部材47がばね19により矢印b
方向に移動して再び内歯ギア13が係止され、キャリア15
が回転自在になる。
このように電磁プランジャ18を省略した構成にすれ
ば、ズームレンズを小型化できるとともにコストの低減
化を図ることができ、また制御も簡単になる。
次に、本発明を3群ズームレンズに適用した実施例に
ついて説明する。この実施例のズームレンズの概略構成
を第8図に示す。第9図(A)は従来の3群ズームレン
ズの一例におけるレンズ群の動きを示したものであり、
第9図(B)は本実施例におけるレンズ群の動きを示し
たものである。
第8図において、合焦レンズ群である第1群Iを保持
した第1枠51は前ねじ軸6により、第2群IIを保持した
第2枠52は後ねじ軸7により、前記第1実施例と同様
に、それぞれ光軸方向に移動できる構成となっている。
第3群IIIを保持した第3枠53は前記2実施例と同様
に、カムピン53aがカム環54のカム溝54aに嵌合してお
り、カム環54の外周に形成されたギア部54bがギア55に
噛み合っている。このギア55は、後ギア16を介して差動
歯車機構11のキャリア15に噛み合っている。なお、第1
枠51〜第3枠53は図示しない支持部材により光軸方向に
移動自在に支持されている。その他の構成は前記第1,第
2実施例と同様である。
この実施例においては、前記各実施例と同様に、最
初、差動歯車機構11の太陽ギア12およびキャリア15が回
転するので、前ねじ軸6および後ねじ軸7が回転して第
1枠51および第2枠52が光軸方向に移動する。このとき
キャリア15に後ギア16を介して噛み合っているギア55も
回転しカム環54が回転するので、第3枠53も光軸方向に
移動する。モータ10は等速回転するので、第9図(B)
に示すように、第1枠51(第1群I)および第2枠52
(第2群II)はワイドからテレまで線型に移動するが、
第3枠53(第3群III)についてはカム溝54aに沿って回
動するので光軸方向に非線型に移動する。このズーミン
グの後は、前記第1実施例と同様に、合焦レンズ群であ
る第1群Iのみが、それ自身の位置情報,焦点距離情報
および撮影距離情報により光軸方向に移動し、第9図
(B)に二点鎖線で示す∞位置と一点鎖線で示す至近位
置の間でフォーカシングする。
なお、従来の3群ズームレンズでは、第9図(A)に
示すように、第2群II′のみが線型に移動し、第1群
I′および第3群III′については非線型に移動してズ
ーミングを行ない、この後、第1群I′によりフォーカ
シングを行なっていた。
本発明は3群以上のズームレンズにも適用できること
は言うまでもない。
[発明の効果] 以上述べたように本発明によれば、ズーミングとフォ
ーカシングとを同一の駆動源を用いて行なうことがで
き、ズーミング時にはフォーカシングのための駆動機構
とズーミングのための駆動機構とを同時に駆動させ、フ
ォーカシング時にはそのうちのズーミングのための駆動
機構への伝達を解除して合焦レンズ群のみが駆動される
ようになっているので、小型でコストが廉価であり、し
かも複雑な制御をしない高精度のズーム機構を提供する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明を2群ズームレンズに適用した第1実
施例を示すズーム機構の斜視図、 第2図は、上記2群ズームレンズの概略構成図、 第3図(A)および(B)は、それぞれ、従来の2群ズ
ームレンズの一例におけるレンズ群の動きと、上記第1
図の2群ズームレンズにおけるレンズ群の動きを示した
線図、 第4図は、上記第1,2図中の差動歯車機構および切換手
段の拡大断面図、 第5図は、本発明を2群ズームレンズに適用した第2実
施例を示すズーム機構の概略構成図、 第6図は、上記第5図の2群ズームレンズにおけるレン
ズ群の動きを示した線図、 第7図は、上記第1,第2実施例のズーム機構において、
差動歯車機構を切り換える切換手段の他の実施例を示し
た構成図、 第8図は、本発明を3群ズームレンズに適用した実施例
を示すズーム機構の概略構成図、 第9図(A)および(B)は、それぞれ、従来の3群ズ
ームレンズの一例におけるレンズ群の動きと、上記第8
図の3群ズームレンズにおけるレンズ群の動きを示した
線図である。 1……前枠(合焦レンズ群) 2,2A……後枠(合焦レンズ群以外のレンズ群) 6……前ねじ軸(第1の駆動機構) 7……後ねじ軸(第2の駆動機構) 8……前ギア(第1の駆動機構) 9……ギア(第1の駆動機構) 10……モータ(駆動源) 11……差動歯車機構(第1,第2の駆動機構) 16……後ギア(第2の駆動機構) 17,47……係止部材(切換手段) 18……電磁プランジャ(切換手段) 31,54……カム環(第2の駆動機構) 41……レリーズ釦(切換手段) 44……連結レバー(切換手段) 51……第1枠(合焦レンズ群) 52……第2枠(合焦レンズ群以外のレンズ群) 53……第3枠(合焦レンズ群以外のレンズ群) 55……ギア(第2の駆動機構) I……前群,第1群(合焦レンズ群) II……後群,第2群(合焦レンズ群以外のレンズ群) III……第3群(合焦レンズ群以外のレンズ群)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】合焦レンズ群を含む複数のレンズ群をそれ
    ぞれ光軸方向に移動させてズーミングを行なうズームレ
    ンズのズーム機構において、 上記合焦レンズ群を光軸方向に駆動する第1の駆動機構
    と、 上記合焦レンズ群以外のレンズ群を光軸方向に駆動する
    第2の駆動機構と、 上記第1,第2の駆動機構に駆動力を与える駆動源と、 上記第1の駆動機構と上記駆動源とを常時連結している
    連結機構と、 ズーミング時には上記第2の駆動機構と上記駆動源とを
    連結して上記駆動源からの駆動力を上記第1および第2
    の駆動機構にそれぞれ伝達し、合焦時には上記第2の駆
    動機構への伝達を解除して該駆動力が該第1の駆動機構
    にのみ伝達されるように切り換える切換手段と、 を具備したことを特徴とするズームレンズのズーム機
    構。
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