JP2606953B2 - X線管ターゲット用の熱放射性被膜 - Google Patents

X線管ターゲット用の熱放射性被膜

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    • H01J35/00X-ray tubes
    • H01J35/02Details
    • H01J35/04Electrodes ; Mutual position thereof; Constructional adaptations therefor
    • H01J35/08Anodes; Anti cathodes
    • H01J35/10Rotary anodes; Arrangements for rotating anodes; Cooling rotary anodes
    • H01J35/105Cooling of rotating anodes, e.g. heat emitting layers or structures

Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 本発明はX線管陽極用の改良された熱放射性被膜に関
するものである。更に詳しく言えば本発明は、高い熱放
射率を有すると共に、X線管陽極に対して改善された結
合性を示すような被膜に関する。
本発明の場合と同じ譲受人に譲渡された米国特許第41
32916号明細書中に述べられている通り、X線管ターゲ
ットに衝突する電子ビームが有する全エネルギーのう
ち、X線に変換されるのは約1%に過ぎないのであっ
て、残りの約99%は熱に変わることが知られている。ま
た、上記特許明細書の「発明の背景」中に説明されてい
るごとく、焦点軌道外のターゲット表面を各種の被膜材
料で被覆すれば、X線管ターゲットの熱放射率をある程
度まで向上させ得ることも知られている。こうして放射
された熱はX線管のガラス管球を通過し、そして最終的
にはX線管ケーシング内を循環する油に伝達される。
従来、各種の熱放射率向上用被膜が使用されてきた。
たとえば、上記のごとき米国特許第4132916号明細書中
には、二酸化ジルコニウム(ZrO2)、酸化ハフニウム
(HfO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ストロンチウ
ム(SrO)、二酸化セリウム(CeO2)、酸化ランタン(L
a2O3)またはそれらの混合物を酸化カルシウム(CaO)
もしくは酸化イットリウム(Y2O3)で安定化しかつ二酸
化チタン(TiO2)と混合して成るような被膜が記載され
ている。この被膜は、X線管陽極上に「融合型」の被膜
を与える。この被膜は商業的用途のために採用されてき
たが、熱放射率がやや低いという点に問題があった。一
層重要な点は、この被膜を陽極上に設置するための方法
が厳しい条件を必要とすることであった。更にまた、こ
の被膜をある種の合金基体上に形成する場合には、所要
の融着処理に際して被膜が非被覆領域上に流れる傾向が
あり、そのために余分の加工工程が必要になるという問
題もあった。一層重大な問題の1つは、陽極上に設置さ
れた被膜の真空焼成に際し、温度を1400℃以下に保たな
ければならないことであった。このことは、使用者がX
線管の組立に先立って陽極のガス抜きを行う作業にも制
限を加えることになる。
米国特許第4029828号明細書中には、80〜94%のアル
ミナ(Al2O3)および6〜20%のTiO2から成るX線管タ
ーゲット用被膜が記載されている。この被膜は良好な熱
放射率を有するが、密着性の点で問題があった。
米国特許第4090103号明細書中には、モリブデン、タ
ングステン、ニオブおよび(または)タンタルのごとき
金属と20〜60(容量)%のセラミック酸化物[たとえ
ば、TiO2、Al2O3および(または)ZrO2]とを組合わせ
て成る被膜が開示されている。この特許および米国特許
第4029828号の被膜はX線管陽極上に「非融合型」の被
膜を与えるのであって、これらは正規の動作条件下でも
安定性に問題がある。
発明の要約 本発明に従えば、電子により衝撃されてX線を発生す
るための表面領域を有する本体、および該表面領域とは
異なる部位に設置されて本体の熱放射率を向上させるた
めの被膜から構成されるX線管陽極が提供される。本発
明のX線管陽極は、上記の被膜が50〜80(重量)%のAl
2O3と50〜20(重量)%のZrO2またはLa2O3およびTiO2
の金属酸化物混合物から成り、かつTiO2とZrO2またはLa
2O3とが1:1〜10:1の範囲内の比率で存在することを特徴
とするものである。このような被膜は、黒体の理論的な
最大熱放射率を1.0とした場合、0.91という高い熱放射
率を有している。
好適な実施の態様に従えば、Al2O3が被膜の重量を基
準として約80(重量)%の量で存在し、かつZrO2および
TiO2が被膜の重量を基準して約20(重量)%の量で存在
する。
本発明に従えばまた、熱放射率を向上させるようなX
線管陽極用の被膜材料が提供される。かかる被膜材料は
上記のごとき金属酸化物混合物から成ると共に、それを
陽極に融着させることによって得られた被膜の表面から
はAl2O3の粒子が突出していることを特徴とするもので
ある。これは、「融合型」兼「非融合型」の被膜が得ら
れることを意味している。
本発明に従えばまた、X線管陽極上に熱放射率の高い
被膜を形成するための方法が提供される。かかる方法に
よれば、先ず最初に、上記のごとき金属酸化物混合物か
ら成る被膜材料が陽極の特定の表面領域上に付着させら
れる。次いで、被膜材料を融着させるのに十分な時間に
わたって前記陽極を真空条件および少なくとも1600℃か
つ最高1725℃までの温度の下で加熱することにより、Al
2O3の粒子が被膜表面から突出している平滑な黒色の被
膜が形成される。
本発明の目的の1つは、より広い範囲の陽極使用条件
を与えるようなX線管陽極用の被膜材料を提供すること
にある。
また、高い熱放射率を有するような上記のごとき被膜
材料を提供することも本発明の目的の1つである。
更にまた、「融合型」兼「非融合型」の被膜を与える
と共に、焼成に際して流れを生じないような被膜材料を
提供することも本発明の目的の1つである。
本発明の上記およびその他の目的や利点は、添付の図
面を参照しながら以下の詳細な説明を読むことによって
自ら明らかとなろう。
好適な実施の態様の説明 先ず第1図を見ると、本発明の被膜材料を使用し得る
典型的な回転陽極X線管10が示されている。かかるX線
管10は、一端に陰極支持体12を封止したガラス管球11を
含んでいる。陰極支持体12には、電子放出用フィラメン
ト14および集束カップ15から成る陰極構造物13が取付け
られている。また、フィラメントに加熱電流を供給する
ための1対の導線16、および陰極を大地電位またはター
ゲットに対して負の電位に維持するための別の導線17が
設けられている。
陰極構造物13からの電子ビームの衝撃を受けてX線を
発生する陽極またはターゲットは、参照番号18によって
示されている。かかるターゲット18は、通例、モリブデ
ン、タングステンまたはそれらの合金のごとき高融点金
属で作られている。なお、最高の定格出力を有するX線
管においては、ターゲット18はモリブデン合金製の基体
上にタングステンを配置したものから成るのが普通であ
る。第1および2図中には、ターゲットの回転時に電子
ビームの衝撃を受けてX線を発生するための焦点軌道を
成す表面層19の断面が示されている。かかる表面層19
は、公知の理由に基づいてタングステン−レニウム合金
から成るのが普通である。
図示された実施の態様においては、ターゲット18の後
面20は平坦であることが好ましい。かかる後面20は、高
い熱放射率を有する本発明の被膜を設置し得る表面の1
つである。所望ならば、後面20が凹面または凸面を成し
ていてもよい。本発明の被膜はまた、焦点軌道の外側に
位置するターゲットの表面領域(たとえば、ターゲット
の前面21および外周面22)にも設置することができる。
第1図においては、ターゲット18はロータ24から突き
出た軸23上に固定されている。ロータ24は内部のジャー
ナル軸受面25上に支持されており、またジャーナル軸受
面25はガラス管球11の端部に封止されたフェルール26に
よって支持されている。第1図においては、誘導電動機
としてロータ24を駆動するためのステータコイルは省略
されている。陽極構造物中のターゲット18には、コネク
タ27に接続された給電線路(図示せず)によって高電圧
が供給される。
公知の通り、回転陽極X線管はケーシング(図示せ
ず)の内部に封入されているのが通例である。かかるケ
ーシングは互いに離隔した壁体を有していて、それらの
間を循環する油が回転するターゲット18から放射される
熱を運び去るために役立つ。多くの場合、タングステン
18の本体温度はX線管の動作に際して1350℃にも達する
が、かかる熱の大部分はガラス管球11内の真空を通して
の放射によってケーシング内の油中に放散させなければ
ならない。なお、かかる油は熱交換器(図示せず)を通
して冷却することができる。ロータ24を支持する軸受が
過熱することを防止するため、ロータ24を二酸化チタン
のごとき粗面材料で被覆して熱放射率を増大させること
が普通である。ターゲット18の蓄熱容量が十分に大きく
なかったり、あるいはそれの冷却速度が小さかったりす
ると、動作サイクルを短縮しなければならない。これ
は、ターゲット18が安全な温度に達するまでX線管を休
止させなければならないことを意味している。その結
果、X線診断操作に要する時間がしばしば延長すること
になる。それ故、ターゲット表面の熱放射率をできるだ
け高めることは重要なのである。
本発明を一層詳しく説明するため、以下に実施例を示
す。なお、本発明はこれらの実施例中に記載された特定
の成分、比率、温度またはその他の条件によって限定さ
れないことを理解すべきである。
実施例1 96個のモリブデン基合金製陽極(18)において、タン
グステン合金製の焦点軌道(19)の反対側に位置する後
面(20)に対し、80%のAl2O3、18%のTiO2および2%
のZrO2(4%の酸化カルシウムによって安定化したも
の)から成る被膜材料をプラズマ溶射法によって吹付け
た。渦電流装置によって測定したところ、吹付けたまま
の被膜は3.0〜3.8ミルの厚さを有していた。被膜済みの
陽極を高真空の炉内において1650℃で30〜35分間にわた
り焼成したところ、被膜は艶の無い黒色を外観を呈し
た。外見上、被膜が当初の被覆領域を越える部位にまで
流れた形跡は認められなかった。2ミクロンの波長範囲
内において室温下で測定したところ、熱放射率は0.90〜
0.91であった。
実施例2 上記実施例1において作製した被膜陽極のうち、16個
を真空中において1600℃に加熱した、そしてこの過熱操
作を全部で14回にわたって繰返した。外見上、被膜の劣
化や流れは認められず、また熱放射率は0.89であった。
実施例3 上記実施例1に記載された被膜材料をプラズマ溶射法
によって4個の陽極に吹付け、そして1600℃で30分間に
わたり真空焼成した。外見上、焼成後の被膜は実施例1
において得られた被膜と同じであった。なお、エネルギ
ー分散X線分析(EDAX分析)によれば、該被膜中に多少
のアルゴンが存在することが判明したが、これは恐らく
焼成時のガス抜きが不完全であったことに原因するもの
である。このことは、上記の被膜材料についてはより高
い焼成温度が必要であることを示している。
実施例4 上記実施例1に記載された被膜材料をプラズマ溶射法
によって4個の陽極に吹付け、そして1625℃で30分間に
わたり真空焼成した。外見上、焼成後の被膜は実施例1
において得られた被膜と同じであり、またEDAX分析結果
についても同様であった。
実施例5 上記実施例1に記載された被膜材料をプラズマ溶射法
によって4個の陽極に吹付け、そして1700℃で30分間に
わたり真空焼成した。外見上焼成後の被膜は実施例1に
おいて得られた被膜と同じであり、またEDAX分析結果に
ついても同様であった。
実施例6 上記実施例1に記載された被膜材料をプラズマ溶射法
によって4個の陽極に吹付け、そして1750℃で30分間に
わたり真空焼成した。焼成後の被膜は結晶質の外観を呈
すると共に、本来被覆しながった陽極領域にまで薄い黒
色の被膜が広がっていた。このような現象は「流れ」と
呼ばれる。このことは、上記の被膜材料にとって1750℃
の焼成温度は高過ぎることを示している。
実施例7 上記実施例1に記載された被膜材料をプラズマ溶射法
によって4個の陽極に吹付け、そして1725℃で30分間に
わたり真空焼成した。外見上、焼成後の被膜は実施例1
において得られた被膜と同じであった。
実施例8 上記実施例の場合と同様にして、80%のAl2O3、4%
のTiO2および16%のZrO2(4%の酸化カルシウムによっ
て安定化したもの)から成る被膜材料を4個のモリブデ
ン基合金製陽極に吹付けた。渦電流装置によって測定し
たところ、吹付けたままの被膜の厚さは実施例1の場合
と同じであった。被覆済みの陽極を高真空の炉内におい
て1700℃で30分間にわたり焼成したところ、被膜は艶の
無い灰黒色の外観を呈し、かつ流れの形跡を示さなかっ
た。熱放射率は僅かに0.7に過ぎなかった。
実施例9 上記実施例の場合と同様にして、50%のAl2O3、10%
のTiO2および40%のZrO2から成る被膜材料を4個のモリ
ブデン基合金製陽極に吹付けた。被覆済みの陽極を高真
空の炉内において1650℃で30分間にわたり焼成した。得
られた被膜は0.87という良好な熱放射率を有していた
が、それは陽極上への設置に際して流れを示した。
上記の実施例中には、18%のTiO2および2%のZrO2
80%のAl2O3と組合わせて使用することによって有用な
被膜が得られたことが記載されているが、15%のTiO2
よび5%のZrO2あるいは10%のTiO2および10%のZrO2
使用した場合にも有用な被膜が得られたことを指摘して
おきたい。それ故、本発明に従えば、Al2O3、TiO2およ
びZrO2は被膜の重量を規準とした重量パーセントで表わ
される下記範囲内の量で使用される。
Al2O3 50〜80(重量)% TiO2 10〜25(重量)% ZrO2 2〜25(重量)% なお、TiO2およびZrO2の合計量は被膜の重量を基準と
して50〜20(重量)%の範囲内にあるものとする。
上記の実施例および本明細書中に記載されたその他の
試験例は、TiO2とZrO2との比率を1:1〜10:1の範囲内に
維持することが重要であることを示している。この点に
関しては、実施例1、2、4、5および7並びに15%の
TiO2および5%のZrO2あるいは10%のTiO2および10%の
ZrO2を用いて有用な被膜を得た試験例を実施例8および
9と比較されたい。
上記の実施例中に記載されたごとく、金属酸化物混合
物から成る被膜材料をターゲット上に付着させる望まし
い方法の1つはプラズマガンを用いてそれを吹付けるこ
とである。プラズマガンは、タングステン電極とそれを
取巻く銅電極との間にアークを発生させるような公知の
装置である。かかるアーク中を通過しながら、被膜材料
がアルゴンガス流によって運ばれる。イオン化した気体
原子の再結合によって生じたプラズマ中を通過する際
に、粒子は融解し、そしてガス流によりターゲット表面
に向けて投射される。その際、溶融した粒子が被覆すべ
き表面に衝突することによって初期付着力が得られる。
吹付けたままの表面は薄い灰色を呈している。引続いて
真空焼成を行うことにより、光沢のある外観を呈する
「融合型」兼「非融合型」の被膜が得られる。かかる被
膜の被膜表面からはAl2O3粒子が突出しているが、この
ことは走査電子顕微鏡写真において観察された。焼成後
の被膜は艶の無い黒色を外観を呈する。
かかる被膜はその他の方法によって設置することもで
きる。たとえば、金属酸化物を適当な結合剤またはその
他の揮発性液状ビヒクル中に分散させ、そしてターゲッ
ト表面上に吹付けもしくは塗布することができる。更に
また、不活性ガス中において金属酸化物の真空スパッタ
リングを行うことによって付着させることもできるし、
あるいは金属酸化物を構成する金属の真空スパッタリン
グを酸素分圧の存在下で行うことによって金属酸化物被
膜を形成することもできる。
前述の米国特許第4132916号明細書中に記載されてい
る通り、プラズマ溶射法の場合には、プラズマアークが
極めて高い温度を有するため、混合物中のTiO2から部分
的に酸素が奪われる。この段階において、最初は白色で
あったTiO2が青黒色に変わる。混合物中に存在するTiO2
の量に応じ、吹付け後の被膜は約0.6〜0.85の範囲内の
熱放射率を有する。また、肉眼もしくは極めて低い拡大
倍率の下で検査してみると、かかる被膜は粒子から成る
粗面状の外観を呈している。このような状況下では、タ
ーゲット表面の金属に対する拡散および結合はまだ十分
に達成されていると言えない。
上記のごとき方法のいずれかによって被膜材料を均一
に付着させた後に実施される次の工程は重要である。こ
の工程は、熱放射率を最適化すると共に、一部の粒子が
そのまま残存しているような融合型の被膜を形成するこ
とを目的とするものである。すなわち、被覆後のX線管
ターゲットを真空中(実際には、10-5Torr以下の低い圧
力下)で焼成することにより、融合した黒色の被膜が形
成される。その際、TiO2からは更に酸素が奪われる。焼
成温度は少なくとも1600℃であることを要するが、1725
℃を越えてはならない。焼成温度が高過ぎると、溶融し
た被膜が被覆すべきでない領域にまで流れることがあ
る。
真空中における焼成の結果、得られた被膜はX線管の
高真空中において少なくとも1600℃までの温度に対して
安定である。この温度は、焦点軌道外のターゲット領域
に関して予想されるいかなる温度よりも高い値である。
本発明の方法に従って形成された被膜は、一貫して0.90
〜0.91の熱放射率を示した。
当業者にとっては自明の通り、ターゲット18はロータ
24に取付けた後に焼成することはできない。なぜなら、
ロータの銅製および鋼製部分はそれぞれ1083℃および14
50℃の融点を有するからである。
好適な実施の態様に従えば、ZrO2は4(重量)%の酸
化カルシウムによって安定化される。所望ならば、酸化
カルシウムの量を8%にまで増加させることもできる。
あるいはまた、酸化イットリウムのごとき安定剤を上記
の場合と同じ量で使用することもできる。
Al2O3およびTiO2と組合わせて使用するために好適な
材料はZrO2であるが、その代りに酸化ランタン(La
2O3)を使用することもできる。La2O3を用いた被膜材料
は、ZrO2を用いた被膜材料の場合と同様にしてターゲッ
トの後面20に付着させることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の被膜材料を適用し得る典型的な回転陽
極X線管の断面図、そして第2図は第1図に示されたX
線管ターゲットの断面図である。 図中、10はX線管、11はガラス管球、12は陰極支持体、
13は陰極構造物、1はフィラメント、15は集束カップ、
18は陽極またはターゲット、19は焦点軌道、20は後面、
21は前面、22は外周面、そして24はロータを表わす。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ピーター・チャールス・エロフ アメリカ合衆国、オハイオ州、クリーブ ランド・ハイツ、オークリッジ・ドライ ブ、1243番 (56)参考文献 特開 昭53−142308(JP,A) 特開 平1−112646(JP,A) 特開 昭57−158937(JP,A)

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】電子により衝撃されてX線を発生するため
    の表面領域を有する本体、および前記表面領域とは異な
    る部位に設置されて前記本体の熱放射率を向上させるた
    めの被膜から構成されるX線管陽極において、前記被膜
    は、Al2O3が50〜80(重量)%、TiO2とZrO2またはLa2O3
    とを合せたものが50〜20(重量)%の金属酸化物被膜か
    ら成り、かつ前記TiO2が前記ZrO2またはLa2O3に対して
    1:1〜10:1の範囲内の比率で存在することを特徴とする
    X線管陽極。
  2. 【請求項2】前記Al2O3が前記被膜の重量を基準として
    約80(重量)%の量で存在し、かつ前記ZrO2および前記
    TiO2が前記被膜の重量を基準として約20(重量)%の量
    で存在する請求項1記載の陽極。
  3. 【請求項3】前記ZrO2が前記被膜の重量を基準として約
    2〜25(重量)%の範囲内の量で存在する請求項1記載
    の陽極。
  4. 【請求項4】前記ZrO2が前記被膜の重量を基準として約
    2(重量)%の量で存在する請求項1記載の陽極。
  5. 【請求項5】前記ZrO2および前記TiO2が相等しい量で存
    在する請求項1記載の陽極。
  6. 【請求項6】前記ZrO2が酸化カルシウム(カルシア)に
    よって安定化されている請求項1記載の陽極。
  7. 【請求項7】電子により衝撃されてX線を発生するため
    の表面領域を有する本体、および前記表面領域とは異な
    る部位に設置されて前記本体の熱放射率を向上させるた
    めの被膜から構成されるX線管陽極用の被膜材料におい
    て、前記被膜材料は、Al2O3粒子が50〜80(重量)%、T
    iO2とZrO2またはLa2O3とを合せたものが50〜20(重量)
    %の金属酸化物混合物から成り、前記TiO2が前記ZrO2
    たはLa2O3に対して1:1〜10:1の範囲内の比率で存在し、
    かつ前記被膜材料を前記陽極に融着させることによって
    得られた被膜の表面からは前記Al2O3の粒子が突出して
    いることを特徴とする被膜材料。
  8. 【請求項8】前記Al2O3が前記被膜材料の重量を基準と
    して約80(重量)%の量で存在し、かつ前記ZrO2および
    前記TiO2が前記被膜材料の重量を基準として約20(重
    量)%の量で存在する請求項7記載の被膜材料。
  9. 【請求項9】前記ZrO2が前記被膜材料の重量を基準とし
    て約2〜25(重量)%の範囲内の量で存在する請求項7
    記載の被膜材料。
  10. 【請求項10】前記ZrO2が前記被膜材料の重量を基準と
    して約2(重量)%の量で存在する請求項7記載の被膜
    材料。
  11. 【請求項11】前記ZrO2および前記TiO2が相等しい量で
    存在する請求項7記載の被膜材料。
  12. 【請求項12】前記ZrO2が酸化カルシウムによって安定
    化されている請求項7記載の被膜材料。
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