JP2606516B2 - 水洗便器及びその制御方法 - Google Patents

水洗便器及びその制御方法

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JP2606516B2
JP2606516B2 JP4851592A JP4851592A JP2606516B2 JP 2606516 B2 JP2606516 B2 JP 2606516B2 JP 4851592 A JP4851592 A JP 4851592A JP 4851592 A JP4851592 A JP 4851592A JP 2606516 B2 JP2606516 B2 JP 2606516B2
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water
toilet
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宏 松田
洋介 鈴木
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株式会社イナックス
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は水洗便器及びその制御方
法に係り、特に排水を電磁力によって付勢するよう構成
された水洗便器及びその制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】洋風便器、和風便器、小便器などの水洗
便器は、通常の場合、鉢部の底部に水封部が設けられ、
この水封部の下流側の排水口が排水管に連なっている。
この鉢部の上部には洗浄水の供給部(例えば、リム通水
路など。)が設けられており、該供給部から供給された
水により鉢面の洗浄を行なう。
【0003】従来の水洗便器においては、この鉢上部の
供給部から供給された洗浄水によって水封部内の水を排
出させたり、噴水孔から水封部内に水を噴出して排水を
促進させるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前者の排水方式では、
汚水の排出力が弱いという問題がある。後者の排水方式
では、噴水孔から水を噴出させることから消費水量が多
いという問題があった。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の水洗便器は、鉢
部が水封部を介して排水口に連通しており、鉢部の上部
には鉢内への洗浄水の供給部が設けられている水洗便器
において、該水封部内の水に対し前記排水口に向う方向
と交叉する方向に電流を流すための電極と、該水封部内
の水に対し該電流の流れる方向と交叉する方向に磁界を
印加し、該水封部内の水に対し、排水口へ向う方向の電
磁力を付与する電磁石と、を設けたことを特徴とするも
のである。
【0006】本発明の水洗便器の制御方法は、請求項1
の水洗便器を制御する方法であって、前記洗浄水の供給
部へ給水するための給水手段の給水作動に応動して前記
電極間への通電と、前記電磁石への通電とを行なうこと
を特徴とするものである。
【0007】
【作用】本発明の水洗便器によると、所謂フレミングの
左手の法則に従った電磁力が水封部内の水に付与され、
これにより排水が行なわれるか、又は排水が促進され
る。これにより、強力な排水作用をひき起こし、水封部
の詰り防止を図ることが可能になると共に、洗浄水の節
水化を図ることも可能となる。
【0008】本発明の水洗便器の制御方法によると、鉢
部に洗浄水を供給すべくスイッチやハンドル等を操作す
ると、上記の電磁力が発生する。従って、必要なときだ
け水封部内の水に対し電磁力を付与できる。
【0009】
【実施例】以下図面を参照して実施例について説明す
る。第1図は本発明の実施例に係る水洗便器の断面図、
第2図は第1図のII−II線に沿う拡大断面図、第3図は
第2図のIII −III 線に沿う断面図である。第4図はこ
の水洗便器の作動を説明するための制御フローチャート
である。
【0010】洋風便器10の便鉢12の上縁部分にリム
通水路14が周設されている。このリム通水路14の便
器後部側は給水路16を介して給水口18に連通してい
る。この給水口18に給水管20が接続され、水道水が
供給可能とされている。給水管20の途中に開閉弁22
と流量計23とが設けられている。トイレルーム内の壁
面など、洋風便器10の使用者が操作し易い位置に操作
スイッチ24が設けられており、この操作スイッチ24
の信号がコントローラ26に入力されている。このコー
トローラ26に対し前記流量計23の検出信号が入力さ
れ、コントローラ26から開閉弁22と、後述する通電
制御用リレー28に制御信号が出力されている。
【0011】便鉢12の底部には水封部30が設けられ
ており、この水封部30の下流側が排水口32に連通し
ている。
【0012】この水封部30の内面のうち上面及び下面
にそれぞれ電極34,36が設けられている。又、この
水封部30の水平方向左右両側に鉄芯38,40が設け
られており、この鉄芯38,40にそれぞれコイル4
2,44が巻回されている。鉄芯38,40はヨーク4
6によって磁束流通可能に連結されている。
【0013】前記リレー28は、電極34,36間に直
流電圧を印加し、水封部30内の水に対し、電極34か
ら電極36に向う方向に電流を流す。又、リレー28
は、鉄芯38から鉄芯40に向う方向に磁束が流れるよ
うにコイル42,44に通電を行なう。
【0014】第4図にも示す如く、操作スイッチ24を
ONとすると、コントローラ26からの信号により開閉
弁22が開放し、便鉢12に洗浄水が供給される。又、
この洗浄水の供給開始と共に、電極34,36間に直流
電圧を印加し、且つコイル42,44に直流電流を通電
する。これにより、水封部30内の水に対し、フレミン
グの左手の法則に従って排水口32に向う方向の電磁力
が付与される。これにより、水封部30内の水は排水口
32に向って強力に押し流されるようになり、排水が速
やかに行なわれるようになる。
【0015】給水管20から便鉢12に供給される洗浄
水量は、前記流量計23で検出され、コントローラ26
で積算されている。この積算水量が所定量に到達する
と、コントローラ26はリレー28に制御信号を出力
し、電極34,36間への電圧印加を停止すると共に、
コイル42,44への通電を停止する。又、開閉弁22
を閉弁させる。
【0016】このように、本実施例によると、水封部3
0内の水に電磁力を与え、強力に排水を行なうことがで
きる。これにより、粗大物であっても容易に排出するこ
とが可能となり、水封部の詰りが防止されるようにな
る。又、強力な電磁力によって排水を行なうところか
ら、水封部30から排水口32に向う排水速度が大きく
なり、汚物を急速に排出することができる。これによ
り、洗浄水の節水を図ることができる。
【0017】更に、本実施例から明らかな通り、従来の
ように水封部に水を噴出させて強力な排水をひき起こす
ものと異なり、水封部への噴水孔が不要である。従っ
て、便器の形状も簡素なものとなり、便器の製造も容易
となる。
【0018】尚、前記の鉄芯及びコイルよりなる電磁石
としては、超伝導磁石が好適であるが、通常の電磁石で
あっても良いことは明らかである。
【0019】本発明においては、第2図及び第3図に示
す如く、便器の水封部分に電極や電磁石を設けるため、
この水封部の構成が複雑となり易い。そこで、この水封
部の部分を合成樹脂製とし、その他の便器の本体部分と
は別体としておいて電極や電磁石を組込み、その後この
合成樹脂製の水封部分を便器本体に連結するようにして
も良い。
【0020】第1図に示した実施例では排水口32を水
封部30よりも下方に配置しているが、本発明では電磁
力による強力な排水が可能であるため、第5図に示す如
く、排水口32を水封部30よりも上位に配置した所謂
ブローアウト型の便器とすることもできる。第5図のそ
の他の構成は第1図と同様であり、同一符号は同一部分
を示している。
【0021】第6図は和風便器に本発明を適用した実施
例を示す縦断面図である。給水口50から供給された洗
浄水は、リム通水路52を経て鉢部54内に流れ込み、
次いで水封部54を経て排水口56から排出される。こ
の水封部54に電極58,60及び電磁石62よりなる
電磁力による排水装置が設けられている。
【0022】第7図は小便器に本発明を適用した実施例
を示す縦断面図である。小便器64の底部の水封部66
に、電極68,70及び電磁石72よりなる電磁力によ
る排水装置が組込まれている。74は排水口である。
【0023】上記実施例は何れも本発明の一例を示すも
のであり、本発明は図示以外の各種形状、形式の便器に
も適用できることは明らかである。
【0024】又、上記実施例では水封部の水に電磁力を
与えて排水を行なうようにしているが、本発明では電極
間に交流を流すか、又はコイルに交流を通電することに
より、水封部内の水を運動させ、これにより水封部内の
水の凍結防止を図るようにしても良い。第8図はそのた
めの制御フローチャートを示している。第8図におい
て、スイッチ24がOFFとなっている時に、気温セン
サ(図示略)によって便器周囲の気温を検知し、この気
温が凍結温度以上となっているかどうか判断する。気温
が凍結温度を下回っている時には、交番電流を電極又は
コイルに通電することにより、水封部内の水を撹拌し、
凍結を防止する。尚、スイッチ24がONとされた時の
制御内容は前記第4図と同様である。
【0025】
【発明の効果】以上の通り、本発明の水洗便器及びその
制御方法によると、便器底部の水封部内の水に電磁力を
付与し、これによって排水をひき起こすか、又は排水を
促進する。そのため、強力な排水作用をひき起こし、水
封部の詰り防止を図ることが可能になる。更に、洗浄水
の節水を図ることも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例に係る洋風便器を示す縦断面図
である。
【図2】図1のII−II線に沿う拡大断面図である。
【図3】図2のIII −III 線に沿う断面図である。
【図4】図1の洋風便器の洗浄方法を示すフローチャー
トである。
【図5】別の実施例に係る洋風便器を示す縦断面図であ
る。
【図6】実施例に係る和風便器を示す縦断面図である。
【図7】実施例に係る小便器を示す縦断面図である。
【図8】水封部の凍結防止運転方法を説明するフローチ
ャートである。
【符号の説明】
10 洋風便器 12 便鉢 14 リム通水路 20 給水管 22 開閉弁 23 流量計 24 操作スイッチ 26 コントローラ 32 排水口 34,36 電極 38,40 鉄芯 42,44 コイル 58,60 電極 62 電磁石 68,70 電極 72 電磁石

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉢部が水封部を介して排水口に連通して
    おり、鉢部の上部には鉢内への洗浄水の供給部が設けら
    れている水洗便器において、 該水封部内の水に対し前記排水口に向う方向と交叉する
    方向に電流を流すための電極と、 該水封部内の水に対し該電流の流れる方向と交叉する方
    向に磁界を印加し、該水封部内の水に対し、排水口へ向
    う方向の電磁力を付与する電磁石と、を設けたことを特
    徴とする水洗便器。
  2. 【請求項2】 請求項1の水洗便器を制御する方法であ
    って、前記洗浄水の供給部へ給水するための給水手段の
    給水作動に応動して前記電極間への通電と、前記電磁石
    への通電とを行なうことを特徴とする水洗便器の制御方
    法。
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