JP2606198B2 - ポリエステルフイルム - Google Patents

ポリエステルフイルム

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JP2606198B2 JP20593886A JP20593886A JP2606198B2 JP 2606198 B2 JP2606198 B2 JP 2606198B2 JP 20593886 A JP20593886 A JP 20593886A JP 20593886 A JP20593886 A JP 20593886A JP 2606198 B2 JP2606198 B2 JP 2606198B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ポリエステルフィルムに関するもので、更
に詳しくは、磁気テープ、磁気ディスク用に適したポリ
エステルフィルムに関するものである。
[従来の技術] 今日、ポリエステルフィルムは、ビデオテープ、オー
ディオテープ、コンピューターテープ等の磁気テープ用
途に対する需要伸張にめざましいものがある。
特に磁気テープ用途においては、平滑でかつ滑り性の
優れたポリエステルフィルムが要求されており、この要
求に対し特開昭60−82326号公報のように高級脂肪酸ま
たは高級脂肪酸エステルと微細粒子をともに含有したポ
リエステルフィルムが開示されている。
[発明が解決しようとする問題点] 上記磁気テープ、特にはビデオテープ、オーディオテ
ープにおいては、低価格化のために一部の高級グレート
を除き、バックコート層を設けないで用いられている。
このため常温で繰返してVTRあるいはカセットレコーダ
ー中で使用するうちに、ポリエステルフィルム表面と金
属ガイドピンの間で摩耗を生じ、走行性不良等の問題を
引き起している。
特開昭60−82326号公報のように、特定量の高級脂肪
酸または高級脂肪酸エステルと微細粒子を併用して含有
せしめることにより、上記の常温における繰返し使用に
よる走行性不良の問題はやや改善されるものの十分では
ない。さらに高温高湿(例えば40℃、80%RH)下での使
用においては、走行性が悪化するという欠点があった。
本発明は、かかる問題点を改善し、磁気記録媒体、特
には、磁気テープとした時に、電磁変換特性を損うこと
なく走行性に優れたポリエステルフィルムを提供するこ
とを目的とする。
[問題点を解決するための手段] 本発明は、ポリエステルにポリオキシアルキレングリ
コール成分を0.01〜10重量%、および炭素原子数10〜50
の高級脂肪族モノカルボン酸またはそのエステルまたは
その金属塩からなる化合物の少なくとも一種を0.005〜
2重量%含有させ、かつフィルムの表面粗さRaが0.004
〜0.09μmであることを特徴とするポリエステルフィル
ムに関するものである。
本発明におけるポリエステルとは、ジカルボン酸とジ
オールから縮重合により得られるエステル結合を有した
ポリマーであり、ジカルボン酸の具体例としては、テレ
フタル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタリンジカルボン
酸、ジフェノキシエタンジカルボン酸、ジフェニルジカ
ルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、ジフェニ
ルサルホンジカルボン酸、ジフェニルケトンジカルボン
酸、アンスラセンジカルボン酸、α,β−ビス(2−ク
ロロフェノキシ)エタン−4,4′−ジカルボン酸などが
挙げられ、これらのうち、特にテレフタル酸が好まし
い。
ジオールの具体例としては、エチレングリコール、ト
リメチレングリコール、エトラメチレングリコール、ペ
ンタメチレングリコール、ヘキサメチレングリコール、
ヘキシレングリコールなどが挙げられ、これらのうち
で、特にエチレングリコールが望ましい。
本発明におけるポリオキシアルキレングリコールと
は、両末端に水酸基を有するポリエーテルのことであ
り、この具体的化合物の例としては、ポリオキシエチレ
ングリコール、ポリオキシプロピレングリコール、ポリ
オキシテトラメチレングリコール、エチレンオキサイド
とプロピレンオキサイドとの共重合物、エチレンオキサ
イドとテトラヒドロフランとの共重合物などが挙げられ
る。
また、本発明で用いられるポリオキシアルキレングリ
コールの分子量は、400〜4000000、好ましくは1000〜20
0000、さらに好ましくは8000〜50000のものである。
分子量が小さいと高温多湿下における走行性改良効果
が不十分となるので好ましくない。逆に分子量が大きす
ぎると熱安定性が不十分でフィルム表面に粗大突起を発
生せしめ、磁気記録媒体用ベースフィルムとして用いた
場合、ドロップアウト等を増大せしめるためこのましく
ない。ここにおけるポリオキシアルキレングリコールの
ポリエステルフィルム中の含有量は、0.01〜10重量%、
好ましくは0.05〜5重量%である。ポリオキシアルキレ
ングリコールの含有量が少ないと走行性改良効果、特に
高温多湿下における走行性改良効果が不十分となるので
好ましくない。逆にポリオキシアルキレングリコールの
含有量が多すぎるとポリエステルフィルムにした場合の
機械的強度に劣るだけでなく、フィルム表面が粗くな
り、磁気記録媒体用ベースフィルムして用いた場合、電
磁変換特性を悪化させるため好ましくない。本発明にお
けるポリオキシアルキレングリコールの含有形態は、ブ
レンドでも共重合でも良いが、共重合の方が本発明の効
果の1つである高温多湿下における走行性がより一層良
好となるので特に好ましい。
ここにおける高温多湿下とは、温度35℃以上湿度70%
RH以上の雰囲気下のことをいう。また走行性とは、フィ
ルムと金属ガイドとの摩擦μkのことで、μkが小さい
ほど走行性が良好となる。
本発明における炭素原子数10〜50の高級脂肪族モノカ
ルボン酸からなる化合物とは、具体例としては、カプリ
ン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラ
キン酸、ベヘン酸、メリシン酸、リグノセリン酸、セロ
チン酸、モンタン酸、ヘントリアコンタン酸、ペトロセ
リン酸、オレイン酸、エルカ酸、リノール酸およびこれ
らを含む酸混合物などが挙げられる。これらのうちで、
好ましくは炭素原子数18〜50、更に好ましくは20〜40を
有する高級脂肪酸モノカルボン酸は、易滑性が大幅に向
上する特徴がある。
本発明における高級脂肪族モノカルボン酸エステルと
は、上記の高級脂肪族モノカルボン酸を、炭素原子数2
〜50を有する1価または2価のアルコールで一部または
全部をエステル化することによって得られるものであ
る。具体的には、モンタン酸エチレングリコールエステ
ル、モンタン酸エチルエステル、モンタン酸セリル、リ
グノセリン酸オクタコシル、リグノセリン酸メリシル、
リグノセリン酸セリル、セロチン酸ミリシル、セロリン
酸セリルなどが挙げられ、天然に得られるモンタンワッ
クス、、カルナウバワックス、ビーズワックス、カンデ
リラワックス、ヌカロウ、イボタロウなども好ましく用
いられる。
本発明における高級脂肪族モノカルボン酸金属塩と
は、具体例としてステアリン酸、ノナデカン酸、アラキ
ン酸、カルナウバ酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モ
ンタン酸、ペトロセリン酸、オレイン酸、エルカ酸、リ
ノール酸およびこれらを含む酸混合物などが挙げられ、
金属種としてアルカリおよび/またはアルカリ土類金
属、例えばリチウム、ナトリウム、カリウム、バリウ
ム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムが挙げ
られ、特に好ましい化合物としては、ステアリン酸カル
シウム、モンタン酸カルシウム、モンタン酸ナトリウ
ム、エルカ酸ナトリウムなどが挙げられる。
前記高級脂肪酸モノカルボン酸金属塩は、部分金属塩
でもよい。
以下、本発明における高級脂肪酸モノカルボン酸また
はそのエステルまたはその金属塩からなる化合物のこを
「高級脂肪酸化合物」と略称する。
本発明において、高級脂肪酸化合物の高級脂肪族モノ
カルボン酸の炭素原子数が10未満の場合は、耐熱性に劣
るためポリエステルの溶融製膜時に分解したり、あるい
は、フィルム表面へのブリードアウトが激しく接着性が
著しく劣る。また炭素原子数が50を越える場合は、フィ
ルムと金属ガイドピン間での滑り性(以下、走行性とい
う)が不十分となる。
本発明において、高級脂肪族モノカルボン酸エステル
としては、その骨格となる酸およびアルコールの炭素原
子数が好ましくは、ともに18〜45、更に好ましくは25〜
40の組合せで得られるエステルが良好な走行性を付与で
きる点で好ましい。
本発明において、高級脂肪酸化合物の含有量はポリエ
ステルに対して、0.005〜2重量%、好ましくは0.01〜
1重量%、更に好ましくは0.01〜0.1重量%である。前
記含有量が少なすぎる場合には、走行性改良効果が不十
分となるので好ましくない。逆に前記含有量が多すぎる
とフィルム表面へのブリードアウトが激しくなってフィ
ルム表面が粗くなり、磁気記録媒体用ベースフィルムと
して用いた場合、電磁変換特性を悪化させるのみでな
く、磁性層との接着性が著しく劣り、繰返し走行により
ドロップアウト等を増加させる。
本発明においては、ポリエステル中にポリオキシアル
キレングリコールと高級脂肪酸化合物とを必ず両方とも
含有していることが必要である。ポリオキシアルキレン
グリコールのみの含有では、本発明の効果は発現しな
い。また高級脂肪酸化合物のみでは、走行性改良効果が
不充分であるだけでなく、高温高湿下で走行性が悪化す
るという欠点を有する。
本発明フィルムは、上記組成物を主成分とするが、本
発明の目的を阻害しない範囲内で、他種ポリマーをブレ
ンドしてもよいし、また酸化防止剤、熱安定剤、紫外線
吸収剤、核生成剤などの無機または有機添加剤が通常添
加される程度添加されていてもよい。
本発明における表面粗さRaは、0.004〜0.09μmであ
ることが必要であり、好ましくは0.006〜0.05μmであ
る。該表面粗さRaが小さすぎるとポリエステル中のポリ
オキシアルキレングリコール成分と高級脂肪酸化合物の
含有量が本発明の範囲内においても走行性が不充分とな
り、ワカメ、エッジ折れ等が発生し易くなる。一方、Ra
が大きすぎるとフィルムスリット時に切粉が発生し易く
なり、またフィルムの巻き姿も不良となるだけでなく、
磁気記録媒体用ベースフィルムとして用いた場合、電磁
変換特性が不良となる。
本発明において特にRaの範囲が0.004〜0.018μmの範
囲内にある場合、下式(1)で示した面積平均突起径A
(単位:μm)と下式(2)で示した数平均突起径B
(単位:μm)の比(A/B)が1.04〜1.30、好ましくは
1.08〜1.2の範囲にあり、かつBが0.5〜5.0、好ましく
は0.8〜3.0の範囲にある場合に常温常湿ならびに高温高
湿下における走行性がより一層良好となるので高級磁気
テープ用ベースフィルムとして特に望ましい。
ここでnは、小数点以下2桁で求められた突起径(μ
mφ)の最大値を切り上げた整数を0.1で割った整数値
であり、Xiは0.1・iで求められる突起径の級中値であ
り、fiはフィルム表面1mm2中の上記突起の級中値の度数
として求められる。ここでの突起径は0.5μmφ以上の
ものを数える。
本発明においては、上記Σfiで求められるフィルム表
面1mm2中の総突起数が2000〜200000個、好ましくは3000
〜100000個である時に常温常湿下ならびに高温高湿下に
おける走行性がより一層良好となるので特に望ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、2軸配向されてい
ることが好ましく、圧延によっても、2軸延伸(同時2
軸延伸でも逐次2軸延伸でもよい。)によったものでも
よい。2軸延伸においては、通常、面積倍率(縦延伸倍
率と横延伸倍率との積)が4倍以上のものが特に好まし
い。
なお、2軸配向の程度は特に限定されないが、その程
度は、内面複屈折△nが0〜0.15、好ましくは0〜0.1
0、内面屈折率の和が3.2〜3.42、厚さ方向屈折率比が0.
935〜0.980の範囲にあると走行性がより一層向上するの
で望ましい。ここでいう面内複屈折△nとは、ナトリウ
ムD線を用いたアタゴ(株)製のアツベ屈折計で25℃・
65%RHで測定したフィルムの縦方向てと横方向の屈折率
の差の絶対値であり、また、面内屈折率の和とは、縦方
向屈折率と横方向屈折率の和であり、また、厚さ方向屈
折率比とは、フィルムの厚さ方向の屈折率(J)と、そ
のフィルムを溶融プレス後10℃水中で急冷した非晶フィ
ルムの厚さ方向の屈折率(K)の比は、すなわち(J)
/(K)である。
本発明のポリエステルフィルムの厚みは、3〜125μ
m、好ましくは4〜25μmが望ましい。
本発明のポリエステルフィルムは、水の接触角が40〜
70゜、好ましくは45〜65゜の範囲にあると磁気テープ化
後の走行性がより一層良好となるので特に好ましい。
本発明のフィルムの表面粗さRaを得るためには、通常
周知の内部粒子や不活性微粒子のほかにポリエステルに
不溶性でかつ溶融押出時に融解しない有機系粒子などか
ら選ばれる少なくとも一種をポリエステル中に含有させ
る方法がとられるが、必ずしもこの方法に限定されな
い。
内部粒子とは、ポリエステルの合成時に添加した金属
化合物、たとえばカルシウム化合物、マグネシウム化合
物およびリチウム化合物などの少なくとも一種の化合物
やリン化合物がポリエステルを構成する成分と結合して
生成する粒子である。
不活性粒子とは、種類としては元素周期律表第II,II
I,IV族の元素の酸化物もしくは無機塩から選ばれる化学
的に不活性なもので、たとえば合成または天然品として
得られる炭酸カルシウム、カーボンブラック、TiN,TiO,
CaF,LiF,MgF2、湿式シリカ(二酸化ケイ素)、乾式シリ
カ(二酸化ケイ素)、ケイ酸アルミニウム(カオリナイ
ト)、硫酸バリウム、リン酸カルシウム、タルク、二酸
化チタン、酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、テ
レフタル酸カルシウム、ケイ酸カルシウムなどが挙げら
れる。
ポリエステルに不溶性の有機系粒子とは、種類は特に
限定されるものではなく、たとえば、含フッ素系微粒子
ポリマや架橋ポリマの微粉末などである。(以下、内部
粒子、不活性微粒子および有機系粒子を「粒子源」と略
称する)。
ここで、平均粒子径が0.05〜5μφ、好ましくは0.1
〜2μφの粒子源をポリエステル中に含有せしめること
が本発明のRaの範囲を得るのに有効である。
また本発明において、前記面積平均突起径A(単位:
μm)と数平均突起径B(単位:μm)の比(A/B)な
らびにBの範囲を前記範囲内にするための方法として
は、平均粒子径0.05〜0.4μφの粒子Xと平均粒子径0.7
〜1.5μφの粒子Yとを下記(3)式、(4)式を満足
するようにポリエステルフィルム中に含有せしめる方法
が有効である。
0.1≦Y/X≦0.4 ……(3) 0.1≦(X+Y)≦1.3 ……(4) 次に、本発明のポリエステルフィルムの製造方法の大
要を述べる。ただし、これに限定されるものではない。
先ず、ポリオキシアルキレングリコール、高級脂肪酸
化合物、不活性微粒子あるいはポリエステルに不溶の有
機系粒子をポリエステルに添加する。添加する方法は、
ポリエステルの重合の反応前、反応中、反応後または溶
融押出時の何れでもよいが、ポリオキシアルキレングリ
コールの場合は、ポリエステルの重合の完結前に添加混
合するのが良く、特にエステル交換後に添加するのが良
い。また不活性微粒子あるいはポリエステルに不溶の有
機系粒子の添加は、重合開始前エステル化又はエステル
交換反応で比較的低分子量の中間体を製造する段階、あ
るいはこれらを更に減圧または不活性気流中で反応させ
てフィルム形成能を有する高重合体を得る段階等のポリ
エステル重合開始前から重合反応中の段階で添加するの
が操作上有利である。この時種々の分散媒、一般にはエ
チレングリコールに均一に分散させたスラリー状態で添
加するのが好ましい。
エチレングリコール等の分散媒への分散には、種々の
分散法、例えば供給分散機(H,S,D)、超音波分散機、
コロイドミル、ウルトラ・フーレックス、ホモジナイザ
ー、サンドミル、アトライタ、ロールミル等を用いて分
散するのが好ましい。特に超音波分散機やサンドミル、
ロールミル等の分散が凝集粒子を微分散させるために有
利であり好ましい。最も好ましくは0.5mm以下のメディ
アを用いて分散する方法である。また分散時には、リン
酸、アルカリ化合物等の分散剤を使用するとスラリーお
よびポリエステル中での不活性微粒子の再凝集を防止で
き特に好ましい。
また、ポリエステル中に内部粒子を含有せしめる方法
として、エステル交換反応後、所定量の三酸化アンチモ
ンのエチレングリコールゾルを添加しポリエステルの重
合を完結させることによって得られる。
こうしてポリオキシアルキレングリコール、高級脂肪
酸化合物、粒子源を特定量含有するポリエステルを押出
機中で溶融押出し、シート状にキャストし、周知の方法
で延伸して配向せしめる。
延伸方法は特に限定されるものではないが、一軸配向
型式を得るための一種延伸方法としては、ロールによる
タテ一方向延伸、クリップ把持によるヨコ−方向延伸が
あり、一方、より望ましい配向型式である二軸配向型式
を得るための二軸延伸方法としては、例えば、同時二
軸、タテ→ヨコ、タテ→ヨコ→タテ→、ヨコ→タテ、2
段タテ→ヨコ、2段タテ→ヨコ→タテ、2段→タテ→ヨ
コ→同時2軸などが挙げられる。
次いで必要に応じ、適当な弛緩を与えつつ、熱処理を
する。
2軸配向の条件をポリエステル、特にポリエチレンテ
レフタレート、またはこれを主成分とするポリエステル
フィルムを例として説明すると、未延伸フィルムを縦横
両方向共、延伸温度70〜130℃、延伸倍率2〜5倍で延
伸し、130〜250℃で熱処理するのが通例である。
また、ポリエステルフィルムの水の接触角を40〜70
゜、好ましくは45〜65゜にする方法として、1軸延伸
後、あるいは2軸延伸後のポリエステルフィルムにコロ
ナ放電処理を施すことが有効である。この場合、空気
中、窒素中、二酸化炭素中の何れの雰囲気中で処理を行
なってもよいが、窒素中での処理が磁気テープ化後の走
行性をより一層良好にするために好ましい。
また、水滴の接触角を前記範囲内にするためには、印
加する電気エネルギーの総和が被処理フィルム1m2あた
り5〜70ワット・分、好ましくは10〜30ワット・分が好
適である。ここで、コロナ放電処理の際、電極に印加す
る電源は、任意の波形の交流を用いることができるが、
電圧5〜70KV、周波数50HZ〜50MHzの正弦波が好適であ
る。
以上のようにして、本発明のポリエステルフィルムを
得ることができるが、本発明のポリエステルフィルムに
接着性、耐湿性、ヒートシール性などを付与する目的で
他種ポリマーを積層した形や、他の有機または無機組成
物で被覆した形で用いてもよく、また、未延伸あるいは
1軸延伸後のポリエステルフィルムに低温プラズマ処理
を施す方法も接着性などを付与する上で有効である。
[物性の測定方法、評価基準] (1) 表面粗さ[中心線平均粗さ:Ra(μm)] 触針式表面粗さ計による測定値を示す(カットオフ値
0.08mm、測定長4mm。ただしJIS−B−0601による)。
(2) 電子変換特性 γ−Fe2O3100重量部、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合
体15重量部、ポリウレタンエラストマー15重量部、カー
ボンブラック8重量部、メチルエチルケトン120重量
部、メチルイソブチルケトン130重量部、ミリスチル酸
2重量部の混合物をサンドミルで十分に混合分散させて
磁性塗料を作り、この磁性塗料にポリイソシアネート
(コロネートL)を15重量部添加し、これをサンプルの
ポリエステルフィルムに厚さ4.0μm(乾燥厚さ)塗布
し、カレンダー処理(温度90℃、線圧200kg/cm)後、1/
2インチ幅にスリットしてテープとした。このテープをV
HS方式のビデオカセット(120分)に組込み、ビデオカ
セットテープを作った。
このテープにVTRを用い、TV試験信号発生機((株)
シバソク製TG−7/1型からの信号を録画させたのち、25
℃、50%RHで100パス(120分×100パス)走行させた。
このテープをドロップアウトカウンターで用いて、ドロ
ップアウトの幅が5μ秒以上で、再生された信号の減衰
がマイナス16dB以上のものをピックアップしてドロップ
アウトした。測定はビデオカセット10巻について行な
い、1分間当りに換算したドロップアウト個数が10個未
満で、かつ4MHzの信号を記録し再生した時の出力信号を
一画面分で見た場合、出力信号が強く、かつ信号波形が
フラットであるものを◎、ドロップアウト個数が10〜50
個で、かつ信号波形がフラットであるものを○、ドロッ
プアウト個数が50個を越え、かつ出力信号が弱いか、信
号波形が変形しているものを×とした。
(3) 走行性、μk テープに走行性試験機TBT−300型((株)横浜システ
ム研究所製)を使用し、20℃、60%RHおよび40℃、85%
RH雰囲気で100回繰返し走行させ、初期のμkと100回繰
返し走行後のμkを下記の式により求めた。また、これ
らの二つの値の差J(100回繰返し走行後のμk−初期
μk)を走行耐久性とした。
μk=0.733logT1/To ここで、初期μkの値が0.33以下であれば走行性に優
れている。
ここでT0は入側張力、T1は出側張力であり、ガイド径
は8mmφであり、ガイド材質はSUS27(表面粗度0.2S)、
巻き付け角は180゜、走行速度は3.3cm/秒である。
走行耐久性(耐摩耗性) (100回繰返し後μkと初期μkとの差) 0.03未満 ◎ 0.03以上〜0.06未満 ○ 0.06以上〜1.2未満 △ 1.2以上 × (4) 平均突起径 フィルム表面を微分干渉顕微鏡(X1000)に取り付け
たビデオカメラからイメージアナライザー(例えば、カ
ールツアイス製IBAS2000)に画像を取り込み、濃淡画像
から突起部分のみを二値化し、さらに個々の突起の二値
化像を画像処理することによって突起の円相当径x(単
位:μm)を小数点下2桁で求める。
面積平均突起径A(単位:μm)はこのようにして得
られた突起径の級中値xiとその度数fiより(1)式で求
められ、数平均突起径B(単位:μm)は(2)式で求
められる。
(5) 不活性微粒子及び有機系粒子の平均粒子系 フィルムからポリエステルをプラズマ灰化処理法、あ
るいはo−クロロフェノール溶解法で除去し、これをエ
タノールに分散させ、遠心沈降法(堀場製作所(APA500
使用))で測定した体積平均径である。
[実施例] 以下、実施例に基づいて本発明の一実施態様を説明す
る。
実施例1 テレフタル酸ジメチル100重量部、エチレングリコー
ル62重量部に酢酸カルシウム0.06重量部を触媒として常
法によりエステル交換反応を行ない、その生成物に三酸
化アンチモン0.04重量部、酢酸リチウム0.07重量部およ
び酢酸カルシウム0.04重量部を添加し、続いて亜リン酸
0.02重量部、リン酸トリメチル0.10重量部とを添加した
後、重縮合を行ない、固有粘度0.618、内部粒子量(平
均流径1.0μm)0.35重量部(対ポリエステル100重量
部)を含むポリマーを得た。内部粒子中にはカルシウム
元素1.2.重量%、リチウム元素1.9重量%、リン元素4.9
重量%含有されていた(ポリエステルA)。
テレフタル酸100重量部とエチレングリコール43重量
部を混練しスラリーを調製した。反応器に245℃で貯留
したテレフタル酸50重量部とエチレングリコール21.5重
量部の反応物中に該スラリーを一定速度で連続的に添加
し、常圧下245℃でエステル化反応を行ない、生成する
水を貯留塔から連続的に系外に留去させた。該スラリー
の供給時間は3時間30分で終了し、エステル化反応は4
時間で終了した。得られた反応物からテレフタル酸100
重量部に相当するエステル化反応物を重合装置に移し、
リン酸0.045重量部、三酸化アンチモン0.023重量部、お
よび平均粒径0.3μφおよび0.6μφのコロイダルシリカ
2.5重量部をエチレングリコールスラリーとして添加
し、常法に従って重縮合反応した。得られたポリマーは
固有粘度0.615を有し、本発明で規定する内部粒子は存
在せず、平均粒径0.3μφのコロイダルシリカと平均粒
径0.6μφのコロイダルシリカをそれぞれポリエステル
中に2重量%含有していた(ポリエステル:B[コロイダ
ルシリカ0.3μφ]、ポリエステル:C[コロイダルシリ
カ0.6μφ])。
ポリエステル:B,Cと同様の方法で不活性微粒子を添加
しない固有粘度0.62のポリマーを得た(ポリエステル:
D)。
ポリエステル:B,Cと同様な方法で不活性微粒子を添加
せずに重縮合を行ない、反応終了後カルナウバワックス
23重量部を添加し、約10分間の混練を行ない、固有粘度
0.610のポリマを得た(ポリエステル:E)。
ポリエステル:B,Cと同様な方法で不活性微粒子の代り
に平均分量200000のポリエチレングリコール10重量部と
少量のシリコーンを共に添加後、重縮合を行ない、固有
粘度0.62のポリマーを得た(ポリエステル:F)。
かくして得られたポリエステル:A,B,C,D,E,Fをブレン
ドし、減圧乾燥(170℃、2時間)後、ポリエステル100
重量部に対し、内部粒子0.17重量部、平均粒径0.3μφ
のコロイダルシリカ0.03重量部、カルナバワックス0.1
重量部、ポリエチレングリコール0.3重量部からなるポ
リマー組成物を得た。
該組成物を285℃て溶融押出し、60℃の冷却ドラム上
にキャストして無延伸シート状とした後、常法の逐次二
軸延伸法によって、まず、周速差をもたせた一対のロー
ル間で90℃でタテ(長手)方向に3.3倍延伸した。屈折
率はタテ方向、ヨコ方向それぞれ1.64、1.54であり、面
内複屈折△nは0.10であった。次いで、テンターに送り
込み、両端をクリップで把持しつつ、95℃でヨコ(幅)
方向に3.5倍延伸し、同じくテンター内で幅方向に5%
弛緩させつつ、218℃で5秒間熱処理した。
次いで、巻き取り、厚みが15μmのポリエチレンテレ
フタレート2軸配向フィルムを得た。これらフィルムの
巻取性は非常によかった。このフィルムのタテ方向、ヨ
コ方向、厚さ方向の屈折率はそれぞれ1.63、1.66、1.50
(P)であった。また屈折率(Q)は1.57であった。逆
に、内面複屈折△nは0.03、面内屈折率の和は3.29、厚
さ方向屈折率比は0.95であった。
このフィルムの特性を測定、評価した結果を第1表に
示した。フィルム特性は両面とも同じ数値、結果となっ
た。このフィルムの水の接触角は68゜であった。第1表
から実施例1のフィルムは、平坦性(Ra)、走行性(μ
k)、走行耐久性、電磁変換特性のいずれにも優れてい
ることがわかる。
次いで、実施例のフィルムの片面に、次の方法で磁性
塗料を塗布し、そして磁気テープとした。
すなわち、 強磁性合金粉末(Fe−Co) 300重量部 亜鉛粉末(平均粒径2μm) 25重量部 セルロースアセテートブチレート 30重量部 エポキシ樹脂 25重量部 シリコーン油 4重量部 レシチン 5重量部 トルエン(溶剤) 200重量部 メチルエチルケトン(溶剤) 200重量部 酢酸エチル(溶剤) 100重量部 からなる組成物をボールミルに入れて十分に混練したの
ち、ポリイソシアネート化合物(デスモデュールL−7
5)を180重量部加え、30分撹拌混合した後、上記のポリ
エチレンテレフタレートフィルムの片面に、磁場を印加
しつつ、乾燥厚み4μmになるように塗布し、嵌挿し
た。しかる後、硬化処理・鏡面処理をした後、1/2イン
チ幅にスリットし、ビデオテープとした。
こうして得たフィルムの磁気テープ特性を評価した結
果を第1表に併せて示す。
第1表の磁気テープ特性の測定評価結果から、実施例
1のフィルムを用いた磁気テープは、走行性、走行耐久
性、電磁変換特性のいずれもが良好であることがわか
る。
実施例2 実施例1と同様の方法でテンターから出てきた該2軸
配向ポリエステルフィルムを次いで20ワット・分/m2
電気エネルギーで空気雰囲気下、両面をコロナ放電処理
してポリエステルフィルムを得た。コロナ放電処理後、
1日経過後の水の接触角は55゜であった。次いで実施例
1と同様の方法にて磁気テープを得た。これらのポリエ
ステルフィルムおよび磁気テープの特性を第1表に示
す。第1表から実施例2のフィルム及び磁気テープは平
坦性(Ra)、走行性(μk)、走行耐久性、電磁変換特
性のいずれにも優れていることがわかる。
実施例3〜14、比較例1〜9 実施例1のポリエステル:Eと同様の方法で、モンタン
酸2.0重量%含有するポリマーを得た(ポリエステル:
G)。
実施例1のポリエステル:Fと同様の方法で、分子量1,
000,4,000,10,000,50,000,200,000,10,000,000のポリエ
チレングリコールを10重量%含有するポリマーを得た。
(ポリエステル:H,I,J,K,L,M)。
実施例1のポリエステル:B,Cと同様の方法で粒子径1.
5μφのコロイダルシリカを2.0重量%含有するポリマー
を得た(ポリエステル:N)。
かくして得られたポリエステル:B,C,D,E,F,G,H,I,J,
K,L,M,Nを各適当量選んで組合せブレンドし、実施例1
と同様にして15μm厚のポリエチレンテレフタレート2
軸配向フィルムを得た。これらのフィルムの特性を第1
表、第2表に示す。実施例1〜14は、本発明の特許請求
の範囲になるものであり、平坦性(Ra)、走行性、走行
耐久性、電磁変換特性、スリット性、巻き姿のいずれに
も優れていることがわかる。
一方、比較例1〜9の各フイルムは、本発明の特許請
求の範囲のいずれかの要件に合致しないため、フィルム
特性の項目のいずれかが悪くなっている。特に比較例9
は、スリット時の切り粉が多く、かつ巻き姿が不良であ
る。
[発明の効果] 本発明は、ポリエステルに特定量の高級脂肪酸化合物
に特定量のポリオキシアルキレングリコールを含有させ
ることにより高級脂肪酸化合物のフィルム表面へのブリ
ードアウト量を抑制し、ブリードアウト量が増大するこ
とによって発生する粘着や空気中の水分の吸着によるフ
ィルムと金属ガイドの滑り性悪化を減少させるため走行
性が向上する。特にこの効果は、高温多湿下のように高
級脂肪酸化合物のブリードアウト量が増加し易い雰囲気
下で顕著となる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオキシアルキレングリコール成分を0.
    01〜10重量%、および炭素原子数10〜50の高級脂肪族モ
    ノカルボン酸またはそのエステルまたはその金属塩から
    なる化合物の少なくとも一種を0.005〜2重量%含有
    し、かつフィルムの表面粗さRaが0.004〜0.09μmであ
    ることを特徴とするポリエステルフィルム。
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