JP2606155Y2 - 伝動ベルト - Google Patents

伝動ベルト

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JP2606155Y2
JP2606155Y2 JP1993029770U JP2977093U JP2606155Y2 JP 2606155 Y2 JP2606155 Y2 JP 2606155Y2 JP 1993029770 U JP1993029770 U JP 1993029770U JP 2977093 U JP2977093 U JP 2977093U JP 2606155 Y2 JP2606155 Y2 JP 2606155Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、Vリブドベルト等の伝
動ベルトの改良に関し、特に摩耗対策と音対策に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、Vリブドベルト等の伝動ベル
トにおいては、初期摩耗による張力低下と音の発生が大
きな問題として挙げられている。この問題点を解決する
ために、例えば特開昭54−90375号公報に開示さ
れているように、ゴム表面にシリコンオイル等の潤滑剤
を塗布することにより、ゴム表面の摩擦係数を低減する
ことが提案されている。また、ゴム組成物に短繊維を多
量に配合したり、ゴム硬度を高めること等も行われてい
る。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】ところが、上記の潤滑
剤を塗布するやり方をベルト本体を構成するゴム層に適
用した伝動ベルトでは、潤滑剤がゴム層表面に付着して
いる初期段階では潤滑剤により摩擦係数を低減して初期
摩耗を抑えることができるものの、潤滑剤はゴム層表面
から早期になくなり易いことから、直ぐに摩擦係数が上
昇して初期摩耗を抑えきれないという問題がある。ま
た、初期摩耗の進行により音の発生率が高くなるという
問題もある。
【0004】一方、ゴム組成物に短繊維を多量に配合し
たり、ゴム硬度を高めるやり方は、配合設計上限界があ
ってクラック等が発生し易くなり、ベルトとしての寿命
が短くなるという問題がある。
【0005】また、これらのやり方では、摩擦係数が安
定しないことから、初期摩耗および音の発生率にばらつ
きが大きいことが判明している。
【0006】本考案はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、ベルト本体を構成する
ゴム層のプーリと接触する両側面にだけ特殊な処理を施
すことにより、摩擦係数を安定させ、初期摩耗および音
の発生率を低減するとともに、これらのばらつきをなく
さんとすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本考案の第1の解決手段は、ベルト本体を構成する
ゴム層のプーリと接触する両側面及び該両側面間のプー
リと接触せずプーリの溝底に対応する部分には、帆布が
なくゴム層が露出しており、上記プーリと接触する両側
面のみが塩素化処理されて当該処理表面のみが硬化し、
上記両側面間のプーリと接触せずプーリの溝底に対応す
る部分は塩素化処理されず当該表面は硬化していないこ
とを特徴とする。
【0008】本考案の第2の解決手段は、ベルト本体を
構成するゴム層のプーリと接触する両側面及び該両側面
間のプーリと接触せずプーリの溝底に対応する部分に
は、帆布がなくゴム層が露出しており、上記プーリと接
触する両側面のみが紫外線照射によりUV処理されて当
該処理表面のみが硬化し、上記両側面間のプーリと接触
せずプーリの溝底に対応する部分はUV処理されず当該
表面は硬化していないことを特徴とする。
【0009】本考案の第3の解決手段は、第1又は第2
の解決手段において、ベルト本体を構成するゴム層がク
ロロプレン系ゴムで構成されていることを特徴とする。
【0010】
【作用】上記の構成により、本考案の第1〜3の解決手
段では、ベルト本体を構成するクロロプレン系ゴム等か
らなるゴム層のプーリと接触する両側面のみが塩素化処
理または紫外線照射によりUV処理されていることか
ら、上記ゴム層の処理された両側面の表面のみが硬化
し、これにより摩擦係数が初期から安定し、初期摩耗お
よび音の発生率が低減するとともに、これらのばらつき
がなくなる。
【0011】
【実施例】以下、本考案の実施例を図面に基づいて説明
する。
【0012】図1は本考案の実施例に係る伝動ベルトと
してのVリブドベルトAを示す。該VリブドベルトAは
接着ゴム層1を備えてなり、該接着ゴム層1はクロロプ
レン系ゴム、例えばクロロプレンゴム(CR)、アルキ
ル化クロロスルフォン化ポリエチレン(ACSM)、水
素化アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)
等、一般にベルトに用いられるゴムにて構成されてい
る。
【0013】また、上記接着ゴム層1にはベルト長手方
向に延びる複数本の心線2,2,…が埋設され、上記接
着ゴム層1の上側には帆布3が貼り合わされているとと
もに、接着ゴム層1の下側には短繊維4,4,…が混入
された3つのリブ5,5,…からなるリブゴム層6が一
体に成形されている。このリブゴム層6も上記接着ゴム
層1と同様に、クロロプレンゴム(CR)、アルキル化
クロロスルフォン化ポリエチレン(ACSM)、水素化
アクリロニトリル−ブタジエンゴム(H−NBR)等、
一般にベルトに用いられるクロロプレン系ゴムにて構成
されている。
【0014】そして、上記接着ゴム層1とリブゴム層6
とでベルト本体を構成するゴム層が構成され、このベル
ト本体を構成するゴム層のプーリと接触する両側面であ
る各リブ5の両リブ側面5a,5aと、上記両側面間の
プーリと接触せずプーリの溝底に対応する部分である各
リブ5のリブ先端5bとには、帆布3がなくゴム層が露
出している。そして、本考案の特徴として、このゴム層
のうち上記リブゴム層6の各リブ5のプーリと接触する
両リブ側面5a,5aのみが塩素化処理や紫外線照射に
よりUV処理されている。
【0015】この塩素化処理や紫外線照射によりUV処
理することにより、処理された上記各リブ5のプーリと
接触する両リブ側面5a,5aの表面のみを硬化させる
ことができ、これにより摩擦係数を初期から安定させる
ことができ、初期摩耗および音の発生率を低減すること
ができるとともに、これらのばらつきをなくすことがで
きるのである。
【0016】なお、各リブ5の両リブ側面5a,5aの
みを塩素化処理や紫外線照射によりUV処理し、両リブ
側面5a,5a間のプーリの溝底に対応する部分である
各リブ5のリブ先端5bを塩素化処理等しないのは、該
各リブ5のリブ先端5bはプーリと接触しない反面、1
0〜15%の歪みを受けるため、塩素化処理等で各リブ
5のリブ先端5bをも硬化させると早期にクラックが発
生するからである。したがって、リブ先端5bの表面は
硬化していない。
【0017】次に、本考案例を比較例と共に具体的に説
明する。
【0018】本考案例および比較例は共に図1に示すV
リブドベルトAであり、そのベルト本体を構成するゴム
層(接着ゴム層1およびリブゴム層6)の配合を下記に
示す。なお、接着ゴム層1の配合は、下記の配合からナ
イロン短繊維を除いたものである。
【0019】<ゴム層の配合> (重量部) クロロプレンゴム 100 ステアリン酸 1 MgO 4 HAF 20 FEF 20 DOA 5 ZnO 5 老化防止剤 1 ナイロン短繊維 5 この配合のゴム組成物を用いてVリブドベルトAを製造
し、本考案例1では塩素化処理を、本考案例2ではUV
処理をした。その処理の要領を下記に示す。
【0020】<塩素化処理の要領> まず、VリブドベルトAを塩素処理槽に入れ、塩酸10
0cc、高度さらし粉50g、水30リットルからなる処
理液に浸漬して10分間撹拌する。次いで、この処理後
のVリブドベルトAを満水状態で水道水を流しっ放しに
した容器に浸漬して10分間水洗する。その後、この水
洗後のVリブドベルトAを60〜70℃に加熱された温
水に浸漬し、10分間煮沸する。しかる後、この煮沸後
のVリブドベルトAを乾燥器に入れて40〜50℃で1
0分間乾燥する。その後、この処理済のVリブドベルト
Aのリブ5のリブ先端5bを研削して該リブ先端5bか
ら硬化層を除去し、硬化層をリブ5のリブ側面5aのみ
とする。
【0021】<UV処理の要領> 積算光量500〜1500mJ/cm2 、最高強度500
mW/cm2 で紫外線をVリブドベルトAに照射した。そ
の後、この処理済のVリブドベルトAのリブ5のリブ先
端5bおよびリブ底を研削して該リブ先端5bおよびリ
ブ底から硬化層を除去し、硬化層をリブ5のリブ側面5
aのみとする。
【0022】比較例1では塩素化処理およびUV処理は
共にしておらず、比較例2ではリブ5のリブ側面5aだ
けでなくリブ5のリブ先端5bをも塩素化処理した。処
理条件は本考案例1と同じである。
【0023】上述の如く構成された本考案例1,2およ
び比較例1,2のVリブドベルトAを用いたテストデー
タを下記の表1に示す。テスト条件は下記の如くであ
る。なお、表1には比較例2のテストデータは挙げなか
った。
【0024】
【表1】 <部材評価の条件> P=863kPa V=0.15m/s T=25℃ FC材ディスク <ベルト評価の摩擦係数の求め方> 図2に示すように、VリブドベルトAの一端をロードセ
ル7に接続し、中程を直径30mmの駆動プーリ8に掛け
渡すとともに、他端に1.75kgf のウエイト9を接続
し、上記駆動プーリ8を48rpm で回転させた。
【0025】そして、ロードセル7の測定値T1 を測定
し、 μ=ln(T1 /T2 )/(π/2) により摩擦係数μを計算した。
【0026】<ベルト評価の摩耗量の求め方> 図3に示すように、駆動プーリ10(直径60mm、35
00rpm )と従動プーリ11(直径60mm)との間にV
リブドベルトAを負荷5.2PSで巻き掛け、駆動プー
リ10にF1 方向に60kgf の荷重を加えた。
【0027】<ベルト評価の走行寿命の求め方> 図4に示すように、駆動プーリ12(直径120mm、4
8rpm )、従動プーリ13(直径120mm、負荷16P
S)、テンションプーリ14(直径70mm)およびテン
ションプーリ15(直径45mm)にVリブドベルトAを
巻き掛け、テンションプーリ15にF2 方向に85kgf
の荷重を加えた。
【0028】このテスト結果から明らかなように、本考
案例1,2では摩擦係数、摩耗量、音の発生率および走
行寿命等全ての点で比較例1に比べて優れていることが
分かる。なお、表1には比較例2のテストデータは挙げ
ていないが、ベルト評価で走行寿命が80時間と短命で
あった。
【0029】なお、上記実施例では、伝動ベルトがVリ
ブドベルトAである場合を示したが、Vベルト等他のベ
ルトにも適用することができるものである。
【0030】
【考案の効果】以上説明したように、請求項1〜3に係
る本考案によれば、ベルト本体を構成するゴム層のプー
リと接触する両側面及び該両側面間のプーリと接触せず
プーリの溝底に対応する部分には、帆布がなくゴム層が
露出しており、上記プーリと接触する両側面のみを塩素
化処理または紫外線照射によりUV処理して当該処理表
面のみを硬化させ、上記両側面間のプーリと接触せずプ
ーリの溝底に対応する部分を塩素化処理またはUV処理
せず当該表面を硬化させないので、上記ゴム層の処理さ
れた両側面の表面のみを硬化して摩擦係数の初期安定を
図り、初期摩耗および音の発生率を低減することができ
るとともに、これらのばらつきをなくすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Vリブドベルトの断面図である。
【図2】ベルトの摩擦係数を調べるテスト要領を示す図
である。
【図3】ベルトの摩耗量を調べるテスト要領を示す図で
ある。
【図4】ベルトの走行寿命を調べるテスト要領を示す図
である。
【符号の説明】
1 接着ゴム層(ベルト本体を構成するゴム層) 3 帆布 5a リブ側面(プーリと接触する側面) 6 リブゴム層(ベルト本体を構成するゴム層) A Vリブドベルト(伝動ベルト)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−160648(JP,A) 特開 昭61−165045(JP,A) 特開 平1−214546(JP,A) 特開 昭54−57576(JP,A) 実開 昭62−81742(JP,U) 実開 昭61−146646(JP,U) 実開 平4−5547(JP,U) 実開 昭55−22513(JP,U) 実開 平4−246427(JP,U) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16G 1/00 - 5/20 C08J 7/00 - 7/18

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ベルト本体を構成するゴム層のプーリと
    接触する側面及び該両側面間のプーリと接触せずプー
    リの溝底に対応する部分には、帆布がなくゴム層が露出
    しており、上記プーリと接触する両側面のみが塩素化処
    理されて当該処理表面のみが硬化し、上記両側面間のプ
    ーリと接触せずプーリの溝底に対応する部分は塩素化処
    理されず当該表面は硬化していないことを特徴とする伝
    動ベルト。
  2. 【請求項2】 ベルト本体を構成するゴム層のプーリと
    接触する側面及び該両側面間のプーリと接触せずプー
    リの溝底に対応する部分には、帆布がなくゴム層が露出
    しており、上記プーリと接触する両側面のみが紫外線照
    射によりUV処理されて当該処理表面のみが硬化し、上
    記両側面間のプーリと接触せずプーリの溝底に対応する
    部分はUV処理されず当該表面は硬化していないことを
    特徴とする伝動ベルト。
  3. 【請求項3】 ベルト本体を構成するゴム層がクロロプ
    レン系ゴムで構成されていることを特徴とする請求項1
    又は2記載の伝動ベルト。
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