JP2604305B2 - 冷蔵庫の青果物新鮮度維持装置 - Google Patents
冷蔵庫の青果物新鮮度維持装置Info
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Description
箱に保管される野菜及び青果物の新鮮度を長時間維持し
得る冷蔵庫の青果物新鮮度維持装置(Controll
ed Atmosphere System)に関する
ものである。
は、添付図面の図1に示すように、概略冷凍室と冷蔵室
とに区分され、該冷蔵室1の下部側には野菜箱2を別に
構成して青果物を保管するようにしている。このよう
に、別の野菜箱2を構成した訳は、冷蔵庫内の冷気が青
果物に直接触れることを防止し青果物冷害を防いで青果
物の水分が易く蒸発しないようにするためである。
うに冷気が直接青果物に接触しないようにボックス形態
に区分した従来の冷蔵庫構造は、青果物の間接冷却と水
分蒸発を抑える役目のみを行うだけ、貯蔵された青果物
から発生されるエチレンガス(C2 H4 )を浄化し得な
くて青果物の新鮮度が早く落ち、短時間に腐敗される原
因となった。又、青果物から発生するエチレンガスは植
物ホルモンの一種であるエチレンにより生成され、該エ
チレンは植物の成長及び老化に関係するホルモンとして
成長中の植物に対して色々な生理現象を起こすだけでな
く、収穫された後の植物に対しても生理現象を起こす作
用をする。即ち、保管中の青果物を早く成長及び老化さ
せて食品の新鮮度を落とす。従って、本発明は前記従来
の問題を解決するためのもので、冷蔵庫の冷蔵室に保管
される青果物を新鮮に長時間保管することを目的とす
る。
め、本発明は青果物から生じるエチレンガスを、少なく
とも表面にパラジウムが存在する不織布を使用して除去
する。なお、以降に記載する実施例においては、不織布
を使用する以外の例を含んで記載しているが、これらの
例は参考のため記載しているにすぎなく、本願の特許請
求の範囲を構成するものではない。
詳しく説明すると次のようである。先ず、エチレンガス
が植物の成長及び老化作用を起こすというのは前述した
通りである。従って、冷蔵庫内に保管中の野菜又は果物
から発生するエチレンガスを除去すれば食品の新鮮度維
持が延長されることは当然な事実である。又、一般にパ
ラジウムはエチレンに対して酸化促進剤として作用する
と知られている。即ち、パラジウムはC2 H4 +1/2 O
2 →CH3 COHの反応式にあって触媒として作用す
る。従って、前記したようなパラジウムの性質を用い、
これを冷蔵庫に適用することにより、冷蔵庫に貯蔵され
た青果物から発生するエチレンガスを除去するようにす
る。このための本発明の実施例によると、パラジウムを
一つのフィルター形態に形成してこれ冷蔵庫の冷蔵室ま
たは野菜箱に入れる。そして、パラジウムフィルターは
冷蔵室と野菜箱にそれぞれ別に設置するか両側にともに
設置し得る。又、このようなパラジウムフィルターは色
々な形態に変形して使用し得、図2に示すように、パラ
ジウムを空気透過性の優れる不織布3に含めてエチレン
ガスを除去するようにする。
ース4に入れて野菜箱2内の上部側に設置したものを示
すもので、受納ケース4の表面には空気の循環のための
複数の空気通路4aを形成し、この受納ケース4はフッ
ク5のような固定手段により着脱するようにする。従っ
て、開閉可能な受納ケース4内にパラジウム不織布3を
内蔵し、これを野菜箱2内に形成されたフック5により
結合することにより、パラジウム不織布3が野菜箱2内
に保管された青果物から発生するエチレンガスを空気の
自然対流現象により除去して青果物の新鮮度を長時間維
持する。この時、パラジウム不織布3を内蔵する受納ケ
ース4と、該受納ケース4を野菜箱2の内側に着脱可能
に結合されるようにするフック5の固定手段は本実施例
に限定されなく色々な形態に変形し得る。又、前記した
ようにパラジウム不織布のみを受納ケース内に入れな
く、色々な形態のパラジウムフィルターを装着すること
もできる。
うなパラジウムを含むフィルターを通ずる自然対流現象
によりエチレンガスを除去しなく、強制的な冷蔵庫内の
空気循環によりエチレンガスの除去効率を高めるように
し得る。これは、図3に示すように、空気の循環のため
に吸入口10aと排出口10bが形成されているケース
10の内部にモーター11により回転するファン12を
設置し、該ファン12の前方又は後方側にパラジウムフ
ィルター20を設置することにより、ファン12の強制
的な空気の流れにより冷蔵庫内の空気が吸入口10aを
通じて吸入されてパラジウムフィルター20を通過して
エチレンガスが除去されて排出口10bを通じて排出さ
れる。図3に示すように、ケース10を冷蔵室又は野菜
箱内部にそれぞれ別に設置してエチレンガスを除去する
か、図4に示すように、ケース10を野菜箱2の上方に
設置し、ケース10の吸入口側と排出口側に冷蔵室と野
菜箱へ通ずるそれぞれの通孔15を形成して、矢印の流
れのように一つのケース10を通じて冷蔵室と野菜箱へ
の複合的な空気流れが成りながら冷蔵室と野菜箱に残存
するエチレンガスをパラジウムフィルター20を通じて
除去するようにする。この時、パラジウムフィルター2
0は前述したようなパラジウム不織布のように形成し得
るが、パラジウムフィルターを蜂の巣形態に形成してエ
チレン除去能力を向上させることもできる。そして、パ
ラジウム媒介体は前述したような形態に限定されなく、
色々な形態に変形し得ることは勿論である。例えば、パ
ラジウムだけでパラジウムフィルターを形成しなく活性
炭で蜂の巣形状のフィルター模型を形成し、その表面に
パラジウムを被覆することにより活性炭がパラジウムの
触媒作用を助ける助触媒の役目を果して脱臭機能をもっ
と活性化させる。又、強制循環を行うケース内に単にパ
ラジウムフィルターだけを設置しなく悪臭を除去するオ
ゾン装置又は活性炭とともに複合設置してエチレンガス
とともに冷蔵庫の色々な匂い成分を同時に除去すること
もできる。このために、図5に示すように、流動通路3
0の内部にパラジウムフィルター20とともに、オゾン
を発生させる高圧電極31と発生されたオゾンを再び酸
素に変換させるオゾン分解触媒32を設置する。従っ
て、モーター11によるファン12の回転により、ケー
ス30を通じて矢印のような空気の強制的な循環がなる
ことにより空気中に含まれた匂い分子は高圧電極31か
ら発生されたオゾンにより酸化されて匂いが除去され
る。この時、高圧電極31は図示せず電源に連結された
高圧トランスにより高圧を発生する。続いて、高圧電極
31により匂い分子が酸化されてから残ったオゾンはオ
ゾン分解触媒32により再び酸素に変換され、パラジウ
ムフィルター20を通じながらエチレンガスが分解され
て冷蔵庫内に残存する匂い成分とエチレンガスが除去さ
れる。
に設置し得、パラジウムフィルター20も高圧電極31
の前方に設置して先ずエチレンガスを除去することもで
きる。このようなケース30は前述した実施例と同様に
冷蔵室又は野菜箱にそれぞれ設置し得、又、図4に示す
ように、冷蔵室と野菜箱との兼用形態に設置し得る。こ
のような実施例でエチレンガスの除去状態を測定した結
果、図6のような性能曲線が得られた。このグラフをよ
り詳しく説明すると、本発明の装置を作動する前の冷蔵
庫内のエチレンガス濃度が500ppmの状態で本発明
の装置を作動させた結果、50分が過ぎた後400pp
mに減少され、100分が過ぎた後には200ppmに
急に減少され、以後徐々に減少されて19時間が過ぎた
後にはエチレンガスがめったに検出されなかった。
のため高圧電極又はオゾン分解触媒を使用しなく、活性
炭をパラジウムフィルターとともに使用する。この実施
例は、図7に示すように、既に説明したようにモーター
11により回転するファン12により冷蔵庫内の空気を
強制循環させケース40の内部にパラジウムフィルター
20に並んで活性炭41を設置したものである。この
時、流動通路40は前述した実施例と同様に冷蔵室又は
野菜箱にそれぞれ別に設置し得、冷蔵室と野菜箱との兼
用形態として図7に示すように複数の通孔42を有する
ケース40を野菜箱2の上部に設置することもできる。
従って、この実施例の構成による活性炭41とパラジウ
ムフィルター20とにより冷蔵庫内の悪臭、浮遊微生物
及びエチレンガスが除去される。ここで、エチレンガス
が除去される現状を化学式で表すと次のようである。 C2 H4 +H2 O+pdCL2 →CH3 CHO+pd+2HCL …(1) pd+2HCL+1/2 O2 −活性炭→pdCL2 +H2 O …(2) (1)+(2)すると、 C2 H4 +1/2 O2 −pd+活性炭→CH3 CHO …(3) 又、浮遊微生物の殺菌は金属イオンによる殺菌力と活性
酸素による殺菌力により行われる。前記金属イオンによ
る殺菌は金属成分中の塩化パラジウムがパラジウムイオ
ン化され、該パラジウムイオンは微生物の細胞膜に到達
して前記細胞膜の構成成分を構成するSHラジカルを破
壊させることにより微生物の新陳代謝が麻痺される。
は活性炭が多くの表面積を持っているので、この表面に
露出されている炭素分子は酸素分子と結合して活性酸素
を生成し、この活性酸素は微生物の細胞内に浸透して細
胞膜、酸素等の蛋白質SHラジカルを破壊することによ
り微生物のエネルギー代謝を不可能にすることにより行
われる。ここで、密閉容器にほうれん草、葱、キャベ
ツ、大根、胡瓜、メロン、梨、葡萄等を入れた後、実施
例の装置を有する冷蔵庫と一般的な冷蔵庫にそれぞれ保
管しながら貯蔵時間につれてエチレンガス量を測定し
た。前記エチレンガス量の測定はガスクロマトグラフ
(gas chromatograph)を使用し、そ
の結果は下記の表1に記載する。
力を試験するために冷蔵室(平均温度3℃)内に100
1の実験箱を両分し、一様な空気循環を起こすための送
風ファンを下部に設置した後、前記実験箱内に実験菌を
それぞれ接種する。前記実験菌として黴と細菌を使用
し、黴は素子形態に11×103 個/ml、細菌はスプ
レーで10×103 個/ml粉霧接種し送風ファンを1
0分間オンした後、寒天紙を実験箱内に入れた後10分
間稼動中の空中浮遊菌を得て初期菌数とし、時間経過別
(3時間、6時間、・・・、20時間)空中浮遊菌数を
採取して30℃で72時間培養した後菌数を測定して、
その結果は下記の表2に記載する。表2で殺菌率は初期
と時間経過後の菌数を百分率として求めた。
蔵庫の野菜箱内の野菜が発生するエチレンガスを、少な
くとも表面にパラジウムの存在する不織布を用いて除去
するので、野菜箱内の空気の流通を格別疎外しない安価
な構造でありながら、パラジウムへの接触面積を拡大し
得、エチレンガスを効率的に除去できることになる。
図である。
である。
ある。
示すグラフである。
る。
通路、10…ケース、10a…吸入口、10b…排出
口、11…モーター、12…ファン、15…通孔、20
…フィルター、30…流動通路、31…高圧電極、32
…オゾン分解触媒、40…ケース、41…活性炭、42
…通孔。
Claims (7)
- 【請求項1】 冷蔵庫の野菜箱内に、少なくとも表面に
パラジウムが存在する空気透過性の優れた不織布を配す
ることによって、野菜箱内で発生したエチレンガスを除
去することを特徴とする冷蔵庫の青果物新鮮度維持装
置。 - 【請求項2】 少なくとも表面にパラジウムが存在する
不織布は、空気循環通路が形成されたケースに内装され
ていることを特徴とする請求項1記載の装置。 - 【請求項3】 ケースは、野菜箱内に着脱自在に配置さ
れることを特徴とする請求項2記載の装置。 - 【請求項4】 冷蔵庫の野菜箱の外側に、少なくとも表
面にパラジウムが存在する空気透過性の優れた不織布を
配し、野菜箱内の空気をこの不織布に対し強制的に循環
することによって、野菜箱内で発生したエチレンガスを
除去することを特徴とする冷蔵庫の青果物新鮮度維持装
置。 - 【請求項5】 少なくとも表面にパラジウムが存在する
空気透過性の優れた不織布は、空気循環通路の形成され
たケースに内装されていることを特徴とする請求項4記
載の装置。 - 【請求項6】 ケースは、野菜箱の外側上部に配置され
たことを特徴とする請求項4記載の装置。 - 【請求項7】 ケースは、内部に悪臭を吸着できる活性
炭を更に有することを特徴とする請求項5又は6記載の
装置。
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