JP2603849B2 - 結像光学系のピントズレ補正方法 - Google Patents

結像光学系のピントズレ補正方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] この発明は、結像光学系の温度変化によるピントズレ
を補正する方法に関し、より詳細には、広い波長域に亘
って十分な性能を必要とするカラースキャナー等や、焦
点距離の長い高性能レンズ等の結像光学系におけるピン
トズレ補正方法に関するものである。
[背景技術及び発明が解決しようとする課題] この種の結像光学系においては、色収差を最小限に抑
えるために分散の少ない低分散ガラス、例えばFk
01(「株式会社オハラ」の商品名)を硝材としたレンズ
を構成に含ませることが多い。
しかしながら、低分散ガラスは、他の一般的なガラス
と異なり温度変化に対する屈折率の変化率(dn/dt)が
負の値をとる傾向にあり、これが後述するように温度変
化に対して著しい焦点距離変動を生ずる原因となってい
る。
低分散ガラスのレンズで発生した大きな焦点距離変動
は、他のレンズの倍率に応じて結像光学系全体としての
大きな焦点距離誤差、すなわちピントズレとして現われ
るため、これに起因して光学系の結像性能が大幅に低下
するという問題がある。
[発明の目的] この発明は、上述したような低分散ガラスを硝材とす
るレンズを使用した場合に特有の問題点に鑑みてなされ
たものであり、温度変化に対する結像光学系のピントズ
レを十分に補正することができるピントズレ補正方法の
提供を目的とする。
[課題を解決するための手段] 結像光学系の温度変化によるピントズレ、すなわち焦
点距離変動Δfは、屈折率の変化による変動Δfnと線膨
張による変動Δflとの2つの和として考えることができ
る。ここで、光学系中の第iレンズに注目すると、基準
温度からの温度変化Δtに対する各焦点距離変動Δfni,
Δfliは、 となる。但し、上式中、 である。
線膨張率は硝材を問わず常に正であるため、焦点距離
fi>0となる正レンズの場、式よりΔt>0であれば
Δfliは常に正となり、Δt<0であればΔfliは常に負
となる。また、一般に屈折率ni>1であるため、正レン
ズの場合、式よりΔt>0であればΔfniは屈折率の
変化率が正である通常の硝材からなる場合には負、変化
率が負である低分散ガラスを硝材とする場合には正とな
り、Δt<0であればこの逆となる。
従って、通常の硝材からなる正レンズの場合、Δfli
とΔfniとが互いに逆符号となるため、温度変化に基づ
く焦点距離変動Δfiはレンズ自身でキャンセルされる傾
向にある。このことは、負レンズについても同様であ
る。
一方、低分散ガラスからなるレンズの場合には、正レ
ンズ、負レンズを問わずΔfliとΔfniとが同符号となっ
てしまい、結果として温度変化に基づく焦点距離変動Δ
fiが大きくなる傾向にある。
また、第iレンズで発生した焦点距離変動Δfiは、第
iレンズより像側のレンズ系によって拡大または縮小さ
れる。ここで、第iレンズから像側への横倍率をmi、第
i+1レンズから像側への横倍率をmi+1とすると最終的
に像側で現われるピントズレΔεは下記式で近似す
ることができる。
Δε=(mi+1−mi・(Δfli+Δfni) … また、この式中のΔfli+Δfni、すなわちΔfiは、
式から、以下の式の通りとなる。
従って、N枚のレンズから構成される結像光学系の全
系を考慮すると、温度変化によるピントズレは各レンズ
のピントズレの総和となり、 として表わすことができる。
この発明に係るピントズレ補正方法は、上述した光学
系全体として発生する温度変化に基づくピントズレΔε
を、レンズと受光素子との相対距離を変化させることに
よって補正しようとするものであり、そのためにレンズ
と受光素子との間に温度変化によって伸縮する補正部材
を設け、しかもこの補正部材の熱膨張率をほぼピントズ
レを補正し得るような値に設定している。
また、請求項2はアクリル程度の線膨張係数を持ち、
光学系の後側主点から像面までの距離f(1−m)とほ
ぼ同じ長さの補正部材の使用を前提として光学系の温度
変化によるピントズレΣ(Ki・Ti)の範囲を決定するも
のである。
この不等式において、上限を上回る場合にはアクリル
より1桁大きな線膨張係数を持つ補正部材が必要となる
が、これでは微妙な調整が困難となる。反対に加減を下
回る場合には補正の必要が無い。
[実施例] 以下、この発明を図面に基づいて説明する。第1図は
この発明を適用した装置の第1実施例を示したものであ
り、ここでは温度変化に対するピントズレ率Δεが正の
光学系、すなわち正レンズに(dn/dt)が負となる低分
散ガラスを用いた結像光学系を例として示している。
図中符号1は結像光学系を構成するレンズ群であり、
受光素子2を支持する基板3に対して2本の補正部材4
を介して取り付けられている。このような構成とするこ
とにより、温度変化に応じてレンズ群1を受光素子2に
対して進退させることができる。
レンズ群1は12ページの第1表に示した通りL1〜L6の
6枚構成であり、焦点距離fによって判断できるよう
に、第1、第2、第5、第6レンズが正レンズ、第3、
第4レンズが負レンズである。また、4枚の正レンズの
内第2、第5レンズL2,L5が低分散ガラス、具体的には
前述したFk01を硝材とするレンズである。
なお、第1表中のrは各面の曲率半径、dは光軸上の
面間距離、nは基準温度20゜Cにおけるd線(波長587.
56nm)に対する屈折率、νdはアッベ数、miは基準温度
20゜Cにおける各レンズから受光素子側への横倍率、m
i+1は次のレンズから受光素子側への横倍率である。
なお、上記の結像光学系全体のe線(546nm)におけ
る焦点距離f0は70mm、使用倍率m0は−0.224倍である。
このレンズ群1の温度特性は3第2表に示した通りで
あり、温度変化に基づく屈折率の変化率は、L2,L5が負
で残りのレンズは正であり、線膨張係数はいずれのレン
ズも正である。従って、第1、第3、第4、第6レンズ
では温度変化1゜Cに対する屈折率変化によるピントズ
レ係数Δεn/dt(単位:μm)と、線膨張によるピント
ズレ係数Δεl/dtとは異符号となって互いにキャンセル
し合うため、結果として生ずる単位温度変化に対応する
ピントズレΔε/dtは比較的小さい値をとる。
また、第2、第5レンズでは、Δεn/dtとΔεl/dtと
が同符号となるため、ピントズレΔε/dtは他のレンズ
と比較してかなり大きな値をとる。この例では、光学系
全体で生ずるピントズレの87%は第2、第5レンズで生
じている。
一方、補正部材4は、この例では長さLのアクリルを
用いている。アクリルの単位長さ当りの線膨張係数は、 で表わすことができ、このLを適当な値に設定すること
により、ピントズレΔεをほぼキャンセルすることがで
きる。
第3表は、上述した結像光学系の基準温度20゜Cから
の温度変化に対する焦点距離変動Δf(単位:μm)
と、この焦点距離変動に基づき近軸光線の追跡を行なっ
て求めたピントズレΔPと、近似式 Δf(1−m0の値と、式より求めたΔεと、L=
80mmとしたときの補正部材の線膨張ΔLとを示したもの
である。
この第3表からも理解できる通り、Δε≒ΔLとして
焦点距離変動に基づくピントズレをほぼ補正することが
できる。
第2図は、この発明を適用した装置の第2実施例を示
したものであり、ここではΔεが負となる光学系、すな
わち負レンズに(dn/dt)が負となる低分散ガラスを用
いた結像光学系を例として示している。
この例では、レンズ群5が線膨張の小さい基板6に固
定され、受光素子2が補正部材7を介して基板6に取り
付けられている。このような構成とすれば、温度変化に
応じて受光素子2がレンズに対して進退し、上述と同様
の原理によりピストンズレの補正を行なうことができ
る。
[発明の効果] 以上、説明してきたようにこの発明の方法によれば、
温度変化に対する焦点距離変動の大きい低分散ガラス製
のレンズを使用した光学系においても、この焦点距離変
動に基づくピントズレを補正して光学系の結像精度を高
く維持することができる。
【図面の簡単な説明】 第1図はこの発明に係るピントズレ補正方法を適用した
結像光学装置の第1実施例を示す説明図、第2図は同じ
く第2実施例を示す説明図である。 1,5……レンズ群(結像光学系) 2……受光素子 4,7……補正部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−250316(JP,A) 特開 昭58−7109(JP,A) 特開 昭56−113109(JP,A) 実開 昭58−1908(JP,U)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】温度変化に対する屈折率の変化率(dn/d
    t)が負であるレンズを少なくとも含む結像光学系と、
    該結像光学系によって形成される像を検出する受光素子
    との間に、温度変化に基づく線膨張により前記受光素子
    と前記結像光学系との相対距離を変化させる補正部材を
    設け、温度変化に対する補正部材全体の線膨張率(dL/d
    t)を、 N:結像光学系全系の構成レンズ枚数 fi:第iレンズの焦点距離 mi:第iレンズから像側の横倍率 mi+1:第i+1レンズから像側の横倍率 ni:第iレンズの基準温度における屈折率 ni:第iレンズの基準温度における屈折率の範囲とした
    ことを特徴とする結像光学系のピントズレ補正方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 m:基準温度における結像光学系全系の横倍率 f:基準温度における結像光学系全系の焦点距離を満たす
    ことを特徴とする結像光学系のピントズレ補正方法。
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