JP2603390B2 - 細胞情報解析装置 - Google Patents

細胞情報解析装置

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JP2603390B2
JP2603390B2 JP34117991A JP34117991A JP2603390B2 JP 2603390 B2 JP2603390 B2 JP 2603390B2 JP 34117991 A JP34117991 A JP 34117991A JP 34117991 A JP34117991 A JP 34117991A JP 2603390 B2 JP2603390 B2 JP 2603390B2
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  • Investigating Or Analysing Materials By The Use Of Chemical Reactions (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光分解にて生体内分子
や毒素等の生理活性物質を生成させ、これによって起こ
る内部の生体反応を観察することで細胞内部あるいは細
胞間の各種情報を取得する細胞情報解析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】細胞は外界からの刺激にさらされると、
それに対する応答(例えばある種類のホルモンの生産と
放出)を行うために、その内部で多くの種類の化学反応
や変化をおこす。したがって、ある刺激を細胞に与えた
ときに、細胞内部あるいは細胞間でどのような反応や変
化がおきるかという細胞情報を測定・解析することは病
気の解明や治療薬の開発を行う上で非常に重要なことが
らである。
【0003】ここで、細胞内部でおこる反応や変化に
は、細胞内に存在するいろいろな種類の生理活性物質が
かかわりあっている。これらの生理活性物質の例として
は、その濃度が変化することにより、他の反応をひきお
こすもの(カルシウムイオンやサイクリックAMPな
ど)がある。これらの生理活性物質はそれ単独で作用し
ているのではなく、一連の反応系のなかで働いている。
すなわち、細胞の中には複雑に入り組んだ反応の体系が
あり、各種の生理活性物質の濃度の増減などが相互に関
連をもっておこっている。また、細胞は直径10−50
ミクロンの構造物であるが、その内部は均一な反応系で
はなく、微小(1ミクロン以下)なドメインの集合体で
あり、ある生理活性物質の濃度が細胞内のどの局所領域
で増減するかにより全体の反応が影響を受けると考えら
れている。
【0004】したがって、ある刺激が細胞に与えられた
ときに、細胞の内部でどのような一連の反応がおこり、
その結果として、細胞の応答がおこなわれるかを明らか
にするためには、細胞の中に存在する生理活性物質のな
かから任意の2種類以上のものを選択し、「生理活性物
質Aが細胞内のある特定の微小領域に生じたときに、そ
れに引き続いて生理活性物質Bの濃度に変化があらわれ
るか否か」を測定して、生理活性物質Aと生理活性物質
Bの関係を明確にすること、さらに生理活性物質の組み
合わせの種類をさまざまに変えて同様の実験を行い、そ
れらを総合して、細胞内での反応の見取り図すなわち細
胞内部での情報の流れを明らかにする必要がある。
【0005】現在までに、いろいろな種類の生理活性物
質の細胞内での濃度変化を測定する蛍光試薬が開発され
ている。カルシウムイオン濃度を測定するための蛍光試
薬Fura−2がその代表例である。これは、この蛍光
試薬を細胞内部に取り込ませ、特定波長における蛍光強
度を光学顕微鏡(図10参照)下で測定するものであ
る。一方、特定波長の光が照射されると光分解をおこ
し、特定の生理活性物質を生成する光分解試薬が開発さ
れている。この光分解試薬を細胞内に取り込ませ、光学
顕微鏡下で光分解させることか行われている。光分解に
おいて、細胞内の局所領域(直径1ミクロン程度)に生
理活性物質を生成させるときには、光源としてレーザー
を使用している。上述した2種類の試薬(「生理活性物
質の濃度を測定するための蛍光試薬」と「光分解試
薬」)を同時に使用することにより、細胞内の局所領域
に生理活性物質Aを光照射により生成させ、その後の生
理活性物質Bの濃度変化を測定することが可能となり、
これらの実験が行われはじめている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前述の実験に
おいて使用する光分解試薬および蛍光試薬の種類は多種
類にのぼり、それぞれ最適波長が異なる。したがって、
さまざまな組み合わせの試薬を使用しようとすると、レ
ーザーの波長を変える必要があるが、これをレーザー光
源を用いて行おうとすると、様々な波長のレーザー光源
を設ける必要があり、装置の肥大化を招いてしまう。ま
た、レーザー発振器のメンテナンスは厄介なものであ
り、その労力は大きいものになる。
【0007】そこで、本願発明の課題は、同一の光源を
用いて分解作用光及び励起光を選択的に取り出すことが
できるようにすることである。
【0008】請求項1記載の細胞情報解析装置は、光源
と、この光源からの光を濾波して細胞、光分解試薬及び
蛍光試薬を含む試料中の前記光分解試薬を分解する波長
の光である分解作用光及び前記試料中の蛍光試薬を励起
する波長の光である励起光を交互に取り出し、前記分解
作用光を前記試料中の光分解試薬に照射するとともに前
記励起光を前記蛍光試薬に照射する光照射装置と、前記
蛍光試薬からの蛍光による細胞の拡大像を結像する蛍光
顕微鏡と、この蛍光顕微鏡により結像された拡大像の蛍
光の時間的強度変化をモニタする観察装置と、この観察
装置により得られたデータの解析を行なう解析装置とを
備えたことを特徴とする。
【0009】また、請求項2記載の細胞情報解析装置
は、請求項1記載の細胞情報解析装置の前記光照射装置
が、さらに、前記光源の光から取り出す光が前記分解作
用光であるか前記励起光であるかに応じて前記試料中の
光分解試薬へ照射する前記分解作用光の光スポットの形
状若しくは面積を変えるとともに、前記試薬中の蛍光試
薬へ照射する前記励起光の光スポットの形状若しくは面
積を変える光スポット調節装置を備えることを特徴とす
る。
【0010】また、請求項3記載の細胞情報解析装置
は、請求項2記載の細胞情報解析装置の前記光スポット
調節装置を、前記光照射装置が前記分解作用光を取り出
す際に、前記光スポット形状を小さくすると共に、前記
光照射装置が前記励起光を取り出す際に、前記光スポッ
ト形状を大きくするものであり、前記光源を、前記光照
射装置が前記分解作用光を取り出す際に、その出力する
光強度を強めると共に、前記光照射装置が前記励起光を
取り出す際に、その出力する光強度を弱めるものとした
ことを特徴とする。
【0011】また、請求項4記載の細胞情報解析装置
は、請求項1、2又は3記載の細胞情報解析装置の前記
光照射装置が、前記分解作用光を取り出す第1のフィル
タ及び前記励起光を取り出す第2のフィルタを有すると
共に、これらのフィルタを切り替えるフィルタ切替装置
を備え、前記分解作用光又は前記励起光を前記光源の光
から交互に取り出すものであることを特徴とする。
【0012】更に、請求項5記載の細胞情報解析装置
は、請求項1、2又は3記載の細胞情報解析装置の前記
光照射装置が、前記分解作用光を取り出す第1のフィル
タが設けられた第1の光路及び前記励起光を取り出す第
2のフィルタが設けられた第2の光路を有すると共に、
これらの光路を切り替える光路切替装置を備え、前記分
解作用光又は前記励起光を前記光源の光から交互に取り
出すものであることを特徴とする。
【0013】
【作用】本発明の細胞情報解析装置では、光源の光は様
々な波長の光を有し、この光から光照射装置により分解
作用光又は励起光が選択的に取り出され、これらの光が
試料に照射される。分解作用光が試料に照射されると、
この分解作用光により照射された部分の光分解試薬が光
分解する。光分解試薬及び蛍光試薬を適当に選んでおく
と、光分解試薬は光分解によって生理活性物質を生成
し、試料内部で生化学的反応,変化を起こす。この反応
に伴う、例えばイオン濃度の変化は蛍光試薬でモニタさ
れる。試料の拡大像を得ることにより分解作用光が照射
された部分にこの現象が現れる。この現象について、そ
の様子を観察し、或いは各種の測定をすることで細胞の
各種情報が解析される。ここで、光分解試薬及び蛍光試
薬を代えた場合、分解作用光又は励起光はそれらに応じ
た異なったものにする必要があるが、本発明の細胞情報
解析装置では、光源から取り出す光の波長を変えるだけ
でよく、同一の光源を用い得ることができる。
【0014】また、光スポット形状を可変とする場合、
分解作用光を試料に照射される部分は小さくし得るた
め、光によって受ける試料のダメージが小さくなる。
【0015】さらに、任意に光スポット形状を変えられ
るため、研究の目的に応じて、任意の面積、形状の部位
への照射が可能となる。
【0016】また、光照射装置が取り出す光に対し、光
スポット形状と光源の光強度とを連動させた場合、分解
作用光は、微少部分に強く照射される。このため、測定
対象となる微少部分に、生理活性物質が充分に生成し、
また、励起光は、光スポット形状を大きくすることによ
って光強度が弱るので試料のダメージも小さい。しか
も、微小部分を中心とした広い領域への生成した生理活
性物質の作用,効果を観察することができる。
【0017】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照して説明する。
図1には、本実施例の細胞情報解析装置の構成が示され
ている。
【0018】この細胞情報解析装置の光源には、放電管
(キセノンランプ)150が用いられ、紫外光から可視
光まで全域にわたり発光スペクトルを有している。この
装置は、試料中の光分解試薬(例えばcaged試薬)
を分解する波長λ1の光と、試料中の蛍光試薬を励起す
る波長λ2の光とを放電管150の光から選択的に取り
出すことで、様々な組み合わせの光分解性試薬及び蛍光
試薬に容易に対応し得るようにし、また、ある程度の広
さの領域に均一な光照射をし得るなどの工夫がなされて
いる。まず、この装置の構成に付いて説明する。
【0019】この装置の光学回路は、試料面110から
の蛍光により試料の拡大像を形成する蛍光顕微鏡と、放
電管150からの光を試料面110に照射する光照射装
置とで構成される。蛍光顕微鏡は、対物レンズ160,
ダイクロイックミラー162,カットフィルタ181で
構成される。対物レンズ160は結像面180に試料の
拡大像を結像するもので、ダイクロイックミラー16
2,カットフィルタ181は、対物レンズ160を透過
した光のうち波長λ1,λ2の光をカットし蛍光を透過
する。ダイクロイックミラー162は波長λ1,λ2の
光を反射し結像面180の鏡像を結像面170に形成す
る。光照射装置は、集光レンズ171,光照射系ユニッ
ト(バンドパスフィルタ172a,アパーチャ174
a),励起光学系ユニット(バンドパスフィルタ172
b,アパーチャ174b)で構成される。バンドパスフ
ィルタ172a,172bは、放電管150からの光を
濾波し、それぞれ波長λ1,λ2近傍の光を透過するも
ので、集光レンズ171の光軸上にいずれか一方が位置
するよう摺動可能に配置されている。アパーチャ174
a,174bは、結像面170上に配置され、結像面1
70上の位置及びその形状が可変になっている。また、
それぞれバンドパスフィルタ172a,172bに対し
摺動可能でかつ連動し、図示せぬ制御装置で駆動制御さ
れている。これらアパーチャ174a,174bは波長
λ1,λ2の光のうち所定の位置及び形状を持つものを
通過させる。ただし、バンドパスフィルタ172bは、
アパーチャ174aよりも大きな形状を取ることがで
き、試料中の細胞全体に波長λ2の光を照射し得るよう
になっている。
【0020】照明駆動装置120は、試料に波長λ2の
光を照射する場合、放電管150を常時微少電流で連続
点灯させておき、試料に波長λ1の光を照射する時、過
大電流を流して非常に高輝度にパルス点灯させるもので
ある。図2の構成を有し、放電管150の連続点灯用の
直流定電流電源120a,放電用トリガ電源120b,
パルス電流源120cなどからなる。直流定電流電源1
20a,パルス電流源120cは、いずれもその電流値
は可変であり、連続点灯時及びパルス点灯時の光強度を
制御できるようになっている。この照明駆動装置120
の操作を簡単に説明するとつぎのようになる。始めに放
電管150を点灯させる時はスイッチ120dを開けて
おき放電用トリガ電源120bにて直流点灯させる。そ
して、スイッチ120dを閉じ、試料に波長λ1の光を
照射する時、外部入力T1にトリガ信号を与えてパルス
電流源120cから放電管150に過大電流を流してパ
ルス点灯させる。外部入力T1へのトリガ信号は図示せ
ぬ制御装置から出力され、バンドパスフィルタ172
a,172bと連動している。この制御タイミングにつ
いては後述する。
【0021】観察装置140は、結像面180上に配置
された2次元光検出器(CCDイメージセンサなど)で
試料の蛍光イメージを取得し、若しくは顕微測光装置に
て試料(細胞)の特定領域の蛍光計測を行い、蛍光の時
間的強度変化をモニタする。解析装置130は、観察装
置140で得られたデータの解析を行う。
【0022】つぎに、図1の細胞情報解析装置を用いた
試料の観察,解析の手順及びこの装置の動作について説
明する。
【0023】試料の観察,解析の手順はその一例として
図3のフローで示される。まず、始めに試料の準備及び
装置の準備を行う(図3(a))。試料は、マイクロイ
ンジェクション法,燐酸カルシウム法などの良く知られ
た方法にて細胞内に光分解性試薬及び蛍光試薬を取り込
ませることで作成される(図4(a))。ここで、光分
解試薬はある波長λ1の光を照射することにより、光分
解して細胞内で働く生理活性物質A’を生じるものであ
り、蛍光試薬は波長λ2の光励起によってで蛍光を発
し、細胞内の特定の反応や状態をモニタするためのもの
である。例えば、細胞内のカルシウムイオンを計測した
い場合、代表的な試薬としてFURA−2,Fluo3
が用いられる。これら試薬に対して適当な光強度,バン
ドパスフィルタ172a,172b及びカットフィルタ
181などをセットするなど装置のパラメータを決定
し、放電管150を点灯させる。
【0024】つぎに、顕微鏡装置にて試料中の細胞のう
ち目的とするものを検索する(図3(b))。目的とす
る細胞がきまると、アパーチャ174aの形状及び位置
をセットするなど光照射の準備をする(図3(c))。
そして、放電管150をパルス点灯させ、波長λ1の光
を照射する。このとき、この細胞情報解析装置は集光レ
ンズ171の光軸上に光照射系ユニットが位置する状態
(図5)になっていて、波長λ1の光が細胞の微小領域
(直径数μm程度)に短い時間過大な光量でスポット照
射される(図4(b))。バンドパスフィルタ172a
で波長λ1の光のみをこの微小領域(光照射領域)に照
射するようになっているため、細胞に余分な光ダメージ
を与えることなく光分解性試薬を効率良く光分解してい
る。
【0025】また、アパーチャ174aは結像面170
に設けられており、アパーチャ174aを通過した光は
対物レンズ160で試料面上に縮小投影されるので、光
照射領域の形状及び位置は、試料の細胞の拡大像に対応
したものになっていて、アパーチャ174aの形状及び
位置できまる。アパーチャ174aは結像面170上を
動かし得るため、試料の細胞の拡大像に対応させて顕微
鏡視野内の任意の位置及び形状で照射し得る。さらに、
放電管150からの光は、コヒーレントではないので、
干渉縞などを生じる事なく光照射領域に均一に照射され
ている。
【0026】波長λ1の光を照射した後(図3(e))
は、細胞情報解析装置は集光レンズ171の光軸上に励
起光学系ユニットが位置する状態(図6)になり、放電
管150は弱い電流で連続点灯され、試料に光強度が均
一で弱い波長λ2の光が照射される。試料の光照射領域
には生理活性物質A’が生じており、分子レベルでの特
性の変化が現れる。蛍光試薬からは、波長λ2の光で蛍
光が発生するが、この蛍光をモニターすることにより、
このときの細胞の様子が観察装置140にて観察される
(図3(f),図4(c))。このとき、励起光学系ユ
ニット(バンドパスフィルタ172b,アパーチャ17
4b)により、波長λ1の光の場合と同様、波長λ2の
光は限られた必要な領域へ照射されるため、試料に余分
な光ダメージがなく、顕微鏡視野内の任意の位置及び形
状で細胞の様子が観察し得る。さらに、放電管150か
らの光はコヒーレントではないので、均一なものになっ
ている。
【0027】同じ細胞を連続して観測するならば、図3
(c)からの操作を繰り返し、他の細胞を観測するなら
ば、図3(d)からの操作を繰り返す(図3(g),
(h))。観察をこれでおえるならば解析装置130に
てデータの解析を行う(図3(i))。集光レンズ17
1の光軸上に光照射系ユニットが位置する状態(図5)
と、細胞情報解析装置は集光レンズ171の光軸上に励
起光学系ユニットが位置する状態(図6)との間の状態
遷移は図7のタイミングチャートで表される。この図に
おいて、(a)は図2のパルス電流源120cの外部入
力T1へのトリガ信号、(b)はパルス電流源120c
から放電管150への電流、(c)は光照射系ユニット
の駆動信号、(d)は励起光学系ユニットの駆動信号、
(e)は試料面110への波長λ1の光強度、(f)は
試料面110への波長λ2の光強度即ち蛍光観察時の励
起光の強さである。
【0028】図中t1〜t2は、集光レンズ171の光
軸上に励起光学系ユニットが位置しており、外部入力T
1へのトリガ信号で光照射系ユニットへの切り替わりが
開始する。この切り替わる動作は機械的なものであるか
ら時間的な遅れがある。このおくれを1msとすると、
外部入力T1へのトリガ信号から1ms後(t3)にパ
ルス電流源120cは(b)に示したパルス電流を流
す。このパルス電流は0.1〜1ms(可変)の時間流
されて(t4)、励起光学系ユニットに切り替わる(t
5)。図中(e)の斜線部の面積は波長λ1の光によっ
て試料に与えられるエネルギーに相当する。斜線部の台
形部分は放電管150の連続光がオフセットとなってあ
らわれており、これはユニット切り替え動作の立上がり
時間に由来する。
【0029】このように、この細胞情報解析装置では、
光分解で生理活性物質A′を生じる光分解試薬、または
蛍光試薬などの選択に応じて、バンドパスフィルタ17
2a,172b及びカットフィルタ181など装置のパ
ラメータを所定の値にセットすることで、光エネルギ
ー,波長,光を照射する領域などをきめることができ
る。また、所定の領域に光を集中させることにより効率
良く光分解試薬の光分解、蛍光試薬の励起などが行え、
連続して観測もできるため細胞内の情報解析を能率的に
行うことができる。さらに、光源が広い発光分布を持つ
ため、装置全体が簡単に構成されている。
【0030】この装置の第2実施例として、光照射装置
の部分を図8に示すような波長λ1の光と波長λ2の光
とが異なった光路となる構成も可能である。
【0031】図8の装置では、波長λ1の光と波長λ2
の光を着脱式全反射鏡192,194を光路中に同時に
挿入又は離脱することによって切り替える。また、光遮
断機(シャッタ)198が設けられており、切り替え時
に一時的に光を遮断する。この切り替えのタイミングチ
ャートが図9に示される。この図において、(a)は図
2のパルス電流源120cの外部入力T1へのトリガ信
号、(b)はパルス電流源120cから放電管150へ
の電流、(c)は着脱式全反射鏡192,194の駆動
信号、(d)は光遮断機198の駆動信号、(e)は試
料面110への波長λ1の光強度、(f)は試料面11
0への波長λ2の光強度である。ここで、着脱式全反射
鏡192,194の着脱の遅延時間を1msとし、それ
らの駆動信号がハイの時、全反射鏡192,194が挿
入され、ローの時、離脱されている。また、光遮断機1
98の駆動信号がハイの時、光遮断機198は開、ロー
の時、閉になっている。
【0032】このように、光遮断機198を設けること
で図7(e)で見られたような光源からの連続光がオフ
セットとなってあらわれないようにしている。これによ
ってむやみに微弱な連続光が試料に照射されないように
なっている。また、波長λ1の光を照射する際に光源の
パルス点灯に合わせて光遮断機198を開閉動作させる
ことにより、波長λ1の光の照射時間をより厳密に一定
にすることを可能にしている。この図では光源からの光
を光ファイバー199で導いており、光学回路を小型に
し、放電管からの熱などの影響を受けにくくしている。
さらに、アパーチャ174a,174bが固定されてい
るため、光が照射される領域のブレがなく、安定したも
のになる。
【0033】本発明は前述の実施例に限らず様々な変形
が可能である。
【0034】例えば、試料に注入する試薬を光分解試薬
及び蛍光試薬の2種類とした場合を示したが、2種に限
定されるわけでなく、数種類の試薬を注入するようにし
ても良い。また、図1において、図8と同じように光遮
断機198を設けても良い。さらに、光源からの光を図
8と同じように光ファイバーで導くようにしても良い。
【0035】
【発明の効果】本発明の細胞情報解析装置によれば、様
々な波長の光を有する光源の光から特定波長の分解作用
光又は励起光を選択的に取り出す、という構成をとって
いるため、特定波長の分解作用光又は励起光の波長をか
えても同一の光源を用い得ることができ、光源の構成が
簡単なものにすることができる。
【0036】また、光スポット形状を可変とする場合、
研究の目的に応じた光スポット形状が得られるので、ス
ポット形状、大きさ等、大きな自由度を持って、任意の
部位で光分解作用光により、生成した生理活性物質の作
用を、追跡観察できる。すなわち、光スポット形状の別
限なしに光分解作用光照射直後からの作用経時変化を観
察できる。
【0037】光照射装置が取り出す光に対し、光スポッ
ト形状と光源の光強度とを連動させた場合、分解作用光
は、微少部分に強く照射される。このため、測定対象と
なる微少部分に、生理活性物質が充分に生成し、また、
励起光は、光スポット形状を大きくすることによって光
強度が弱るので試料のダメージも小さい。しかも、微小
部分を中心とした広い領域への生成した生理活性物質の
作用,効果を観察することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の細胞情報解析装置の構成図。
【図2】照明駆動装置の構成図。
【図3】試料の観察,解析の手順のフロー図。
【図4】試料中の細胞の様子を示す図。
【図5】集光レンズの光軸上に光照射系ユニットが位置
する状態を示す図。
【図6】集光レンズの光軸上に励起光学系ユニットが位
置する状態を示す図。
【図7】図5及び図6の状態遷移のタイミングチャー
ト。
【図8】光学回路のほかの構成図。
【図9】図8の構成でのタイミングチャート。
【図10】従来例の構成図。
【符号の説明】
110…試料面,120…照明駆動装置,150…放電
管,160…対物レンズ,162…ダイクロイックミラ
ー,170…結像面,171…集光レンズ,172a…
バンドパスフィルタ,172b…バンドパスフィルタ,
174a…アパーチャ,174b…アパーチャ,180
…結像面,181…カットフィルタ。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光源と、 この光源からの光を濾波して細胞、光分解試薬及び蛍光
    試薬を含む試料中の前記光分解試薬を分解する波長の光
    である分解作用光及び前記試料中の蛍光試薬を励起する
    波長の光である励起光を交互に取り出し、前記分解作用
    光を前記試料中の光分解試薬に照射するとともに前記励
    起光を前記蛍光試薬に照射する光照射装置と、 前記蛍光試薬からの蛍光による細胞の拡大像を結像する
    蛍光顕微鏡と、 この蛍光顕微鏡により結像された拡大像の蛍光の時間的
    強度変化をモニタする観察装置と、 この観察装置により得られたデータの解析を行なう解析
    装置と、 を備えたことを特徴とする細胞情報解析装置。
  2. 【請求項2】 前記光照射装置は、さらに、前記光源の
    光から取り出す光が前記分解作用光であるか前記励起光
    であるかに応じて前記試料中の光分解試薬へ照射する前
    記分解作用光の光スポットの形状若しくは面積を変える
    とともに、前記試薬中の蛍光試薬へ照射する前記励起光
    の光スポットの形状若しくは面積を変える光スポット調
    節装置を備えることを特徴とする請求項1記載の細胞情
    報解析装置。
  3. 【請求項3】 前記光スポット調節装置は、前記光照射
    装置が前記分解作用光を取り出す際に、前記光スポット
    形状を小さくすると共に、前記光照射装置が前記励起光
    を取り出す際に、前記光スポット形状を大きくするもの
    であり、 前記光源は、前記光照射装置が前記分解作用光を取り出
    す際に、その出力する光強度を強めると共に、前記光照
    射装置が前記励起光を取り出す際に、その出力する光強
    度を弱めるものであることを特徴とする請求項2記載の
    細胞情報解析装置。
  4. 【請求項4】 前記光照射装置は、前記分解作用光を取
    り出す第1のフィルタ及び前記励起光を取り出す第2の
    フィルタを有すると共に、これらのフィルタを切り替え
    るフィルタ切替装置を備え、前記分解作用光又は前記励
    起光を前記光源の光から交互に取り出すものであること
    を特徴とする請求項1、2又は3記載の細胞情報解析装
    置。
  5. 【請求項5】 前記光照射装置は、前記分解作用光を取
    り出す第1のフィルタが設けられた第1の光路及び前記
    励起光を取り出す第2のフィルタが設けられた第2の光
    路を有すると共に、これらの光路を切り替える光路切替
    装置を備え、前記分解作用光又は前記励起光を前記光源
    の光から交互に取り出すものであることを特徴とする
    求項1、2又は3記載の細胞情報解析装置。
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