JPS627837B2 - - Google Patents

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JPS627837B2
JPS627837B2 JP58191378A JP19137883A JPS627837B2 JP S627837 B2 JPS627837 B2 JP S627837B2 JP 58191378 A JP58191378 A JP 58191378A JP 19137883 A JP19137883 A JP 19137883A JP S627837 B2 JPS627837 B2 JP S627837B2
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JP
Japan
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laser light
living cells
laser
light source
cell
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Application number
JP58191378A
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English (en)
Other versions
JPS6083583A (ja
Inventor
Keiko Kasuya
Mikiro Tsukagoshi
Yoshio Nomya
Yoji Igawa
Shunichi Kurata
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
Original Assignee
RIKEN Institute of Physical and Chemical Research
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Publication date
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Priority to EP19840112218 priority patent/EP0137504B1/en
Priority to DE8484112218T priority patent/DE3483934D1/de
Priority to CA 465446 priority patent/CA1284302C/en
Publication of JPS6083583A publication Critical patent/JPS6083583A/ja
Publication of JPS627837B2 publication Critical patent/JPS627837B2/ja
Granted legal-status Critical Current

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  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
  • Immobilizing And Processing Of Enzymes And Microorganisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は生細胞レーザー穿孔装置、更に詳細に
は動植物の生細胞にレーザー光を投射して、生細
胞の細胞壁又は細胞膜に穿孔を開け、これを通し
てDNA等の物質を細胞又は細胞核に取り込ませ
る生細胞レーザー穿孔装置に関する。
(従来技術) 近年、動植物の生細胞に異種細胞の遺伝子移入
技術が確立しつつある。生物の形質を決定する多
くの遺伝子がどのような遺伝情報を有しているか
を解明するためには、この遺伝子移入技術を用い
て、細胞に特定の遺伝子を移入し、この移入され
た細胞の形質の変化を観察するのが、最も効果的
な方法である。例えば、癌化した細胞Aのどの遺
伝子が発癌の遺伝情報を担つているかを知るため
には、癌化した細胞AからDNAを抽出し、これ
を断片化した後正常細胞Bに移入し、その正常細
胞Bが癌化すれば、移入した断片に発癌遺伝子が
含まれていることが判る。即ち、遺伝子移入技術
は癌の原因と考えられる発癌遺伝子を検索するう
えでも、極めて重要な手段となつている。
ところで、遺伝子移入を行なう具体的な方法と
しては、リン酸カルシウムでDNAを沈澱させ食
作用を通じて細胞内へ移入する方法と、特開昭58
―76091号に開示されるように光学顕微鏡下で細
い針を使い、細胞に小さな穴をあけてDNAを注
入する方法とが用いられている。しかしながら前
者の方法を使用すると、高い濃度のリン酸カルシ
ウムで細胞を処理するので正常細胞の損傷を伴な
うとともに、DNAを移入できる確率は高々一万
分の一程度の低率であるという問題がある。また
後者の方法では熱練と多大の労力を要し、やはり
一定時間に多量の細胞にDNAを移入することに
は限度がある。多数の細胞にDNAを同一条件で
すみやかに移入できることが望まれるが、発現効
率の極めて小さな遺伝子も存在するので、短時間
に多数の細胞を処理しうることが特に望まれる。
また、上記従来の遺伝子移入技術では、堅固な
細胞壁を有する植物細胞には、遺伝子を移入する
ことができなかつた。
(発明の目的) 従つて、本発明の目的はDNA等の物質を短時
間に極めて多数の生細胞に同一条件ですみやかに
移入することのできる装置を提供することにあ
る。
また、本発明の別の目的は各種の動植物の生細
胞に特殊な処理を加えることなく、穿孔を開ける
ことのできる装置を提供することにある。
(発明の構成) 上記目的を達成するために本発明者が鋭意研究
を行なつたところ、生細胞にレーザー光を投射す
ると、その投射された細胞の表面状態が改変して
DNA等の物質を取込める状態(以下、この状態
を説明の便宜上仮に「穿孔」とし、かつこの状態
を形成することを「穿孔を開ける」と言うことに
する)になることを見い出した。本発明はかかる
知見に基づくものである。
即ち、本発明の第1のレーザー穿孔装置は、 レーザー光源、 このレーザー光源から発せられたレーザー光を
生細胞へ投射する光学系、及び、 前記の生細胞の状態を監視するモニターを備え
ることを特徴とする。
また、本発明の第2のレーザー穿孔装置は、レ
ーザー光源、 このレーザー光源から発せられたレーザー光を
生細胞へ投射する光学系、 前記の生細胞の状態を監視するモニター、 このモニター上の生細胞の位置を決定する位置
決定手段、 この位置決定手段からの始動信号に応答してレ
ーザー光源からのレーザー光の放出を制御するレ
ーザー光制御手段、及び 前記の位置決定手段からの位置信号に応答して
レーザー光を指定位置に投射するよう前記のレー
ザー光の投射位置を制御する投射位置制御手段、 を備えることを特徴とする。
更に、本発明の第3のレーザー穿孔装置は、レ
ーザー光源、 このレーザー光源から発せられたレーザー光を
生細胞へ投射する光学系、 前記の生細胞の状態を監視するモニター、 このモニター上の生細胞の位置をする決定する
位置決定手段、 この位置決定手段からの位置信号に応答して指
定位置を記憶する記憶装置、及びこの記憶装置か
らの位置情報を読出してレーザー光を指定位置に
投射するよう前記のレーザー光の投射位置を制御
する投射位置制御手段 を備えることを特徴とする。
即ち、本発明の本質的な特徴はレーザー光を生
細胞に投射することにより、先に定義された意味
での「穿孔」を開けるようにしたことにある。
なお、本発明において生細胞の状態を監視する
モニターとは、TVカメラ等のように、生細胞の
映像をとらえられるものの外に、分光手段等の、
生細胞の物性的な特性をとらえるものをも含むも
のとする。
(発明の効果) 本発明においては、本質的にレーザー光を用い
たことにより得られる種々の効果を得ることがで
きる。即ち、レーザー光は偏向手段等により安易
にその投射位置を高速かつ精密に制御することが
できるとともに、瞬時にして穿孔を開けることが
できるので、一定時間内に極めて多数の生細胞に
穿孔を開けることができる。さらに、レーザー光
はいくつかの特異な性質を有しているので生細胞
のオペレーシヨンには極めて有利である。即ち、
レーザー光は指向性が大変優れており、これを顕
微鏡に導入すると、その限界分解能まで小さな焦
点を結ばせることができるので、細胞の照射面積
を広い範囲で調整することができる。こうして生
細胞に修復可能で且つ物質の透過性の高い最適な
大きさの「穿孔」を開けることができる。また、
レーザー光の波長を細胞壁や生体膜の光学的特性
(吸収率、吸収スペクトル特性)に最も適した波
長に選ぶこともでき、一層効率よく「穿孔」を開
けることが可能となる。さらに、レーザー光とし
てパルスレーザーを使用し、そのパルス幅を調整
すれば体積の小さな細胞の温度を高めることな
く、即ち細胞を生かしたままで「穿孔」を開ける
ことが極めて容易である。また、レーザー光の使
用は電気制御系又はTVモニターとの連携を容易
にし、穿孔作業の迅速かつ精確な制御を可能とす
る。さらに、レーザー光はその強度を電気的に広
範囲に制御しうることや、細胞内への焦点の深さ
を自由に光学的に調整することもできる。
このように、本発明はレーザー光を用いたこと
により、生細胞に修復可能な穿孔を極めて高い効
率で開けることができる。
また、堅固な細胞壁を有する植物細胞に対して
も細胞壁を取り除かなくても、遺伝子を移入する
ことが本発明によると可能となる。
従つて、細胞内への遺伝子の移入に本発明を用
いることにより、いろいろな有用物質の細胞内生
産(例えばヒトの有用物質(インシユリン等)を
生細胞内で合成)、家畜や農産物の品種改良のた
めの遺伝子移入(交配しない異属間植物での遺伝
子の置換;受精を経由しない増殖での優良遺伝子
の導入)を実現することができる。
(実施例) 以下、本発明を添付図面を用いて説明する。
第1図は本発明のレーザー穿孔装置の一実施例
を示す概略図である。
YAGレーザー等の穿孔用レーザー光源1から
発せられた長波長1060nmの穿孔用レーザー光2
はKDP等からなる倍周器3により紫外線領域の
穿孔用レーザー光(波長335nmまたは265nm)に
変換されたのち、シヤツタードライバ4により制
御されるシヤツター5を通過して、ビーム整形器
6によりレーザー光2のビームの形状が調整され
たのち反射鏡7により顕微鏡をかねた集光装置8
方向へ向けられる。他方、He―Neレーザー等の
参照用レーザー光源9からは可視光波長領域の参
照用レーザー光(例えば、波長633nm)10が発
せられ、ビーム整形器11によりこの参照用レー
ザー光10のビームの形状が調整されたのち反射
鏡12により集光装置8方向へ向けられ、穿孔用
レーザー光2と重ね合わされて、集光装置8内へ
導入される。集光装置8に導入された穿孔用レー
ザー光2および参照用レーザー光10は光偏向手
段13を通過したのち集光レンズ8′により集光
されステージ14上に載置された試料ホルダー1
5内にDNA等の物質を含有する溶液とともに存
在する生細胞に投射される。生細胞に穿孔用レー
ザー光2が照射されると、この生細胞の穿孔用レ
ーザー光2が投射された部分には周囲のDNA等
の物質を内部に取り込める状態に改変する。即
ち、本明細書でいう「穿孔」が開けられることに
なる。試料ホルダー15の背面からはランプ16
により照明が得られ、試料ホルダー15を通過し
た光が集光レンズ8′を逆に通過して集光装置2
の上部に取り付けられたTVカメラ17により試
料ホルダー15内に投入された生細胞の位置分布
のイメージがとらえられ、これがモニターTV1
8上に可視像として再現される。試料ホルダー1
5を載置するステージ14は2次元的に駆動でき
るいわゆるX―Yステージである、このステージ
14はステージ位置制御装置19から発生された
パルス数に応じて所定の角度だけ回転するパルス
モータ20により精密に駆動される。なおシヤツ
ター5はシヤツタードライバー4によりその開閉
が制御され、レーザー光2の通過を制御する。こ
のように構成されたレーザー生細胞穿孔装置にお
いては、生細胞への穿孔は例えば次のようにして
行なわれる。試料ホルダー15中の生細胞の分布
状態を、ステージ14を移動しつつモニターTV
18により観察し、生細胞の分布している領域を
選択し、次にシヤツター5を開放してレーザー光
2を試料ホルダー15に連続的に投射するととも
に、ステージ14を移動すると、試料ホルダー1
5中の生細胞に穿孔が開けられる。このように生
細胞に穿孔が開けられると、周囲の溶液中に存在
するDNA等の物質が、この穿孔を通して生細胞
内に取り込まれる。この後穿孔は数秒以内に修復
され、特定の遺伝子情報を有する生細胞が形成さ
れる。本実施例においては装置が極めて簡易であ
るにもかかわらず、試料ホルダー15中の細胞の
分布密度が高く、一種類のみの細胞しか存在しな
い場合は、有効な手段である。なお、光偏向手段
13はレーザー光2および10を2次元的に偏向
するものであり、例えば第2図に示されるよう
に、2つのガルバノミラーメーター13′,1
3″の組み合わせからなるものが使用される。こ
の光偏向手段13を2次元走査制御手段38によ
りレーザー光10を2次元的に走査し、その時得
られる反射光、発光、散乱光を集光装置8を介し
てTVカメラ17あるいはスチルカメラによりと
らえると、細胞の細部にわたる映像をとらえるこ
とができることを本発明者は見い出したが、この
レーザー10を走査することによつて得られた細
胞(ヒトの赤血球)の顕微鏡写真を第3図に示
す。第3図において、中央部の白線に囲まれた部
分が可視光レーザー10を走査することにより得
られたものであり、その他の部分、即ちランプ1
6により得られた通常の顕微鏡写真では得られな
い内部構造を観察することができる。このように
レーザー光を走査することにより得られる反射
光、発光、散乱光をとらえると試料のより詳細な
映像を観察できることの理由は必ずしも明らかで
はないが、レーザー光を使用したことにより、極
めて小さな焦点が集光レンズにより形成され、あ
る特定の焦点面のみからの画像情報が得られたも
のであると考えることができる。上述のレーザー
光の走査による生細胞の状態の監視を本発明にお
いて併用すると生細胞に穿孔を開けた際の内部構
造の変化等を観察することができるので極めて有
効である。
第4図は本発明のレーザー穿孔装置の別の実施
例を示す概略図である。
本実施例は細管20中を生細胞を通過させ、こ
の際穿孔用レーザー光源21により生細胞に穿孔
を開けるようにしたものである。即ち生細胞を含
有した懸濁液22は、生理食塩水等の保護液23
とともに細管20を透過するが、この際まずプロ
ーズ用レーザー光源24と検出器25によつて生
細胞の通過が検出され、この検出の際に検出器2
5から発せられる検出信号がCPU(中央処理ユ
ニツト)26に入力される。しかる後このCPU
26により制御されることにより所定のタイミン
グで穿孔用レーザー光源21からレーザー光が発
せられて、集光レンズ31等からなる光学系を通
過したのち生細胞にレーザー光が投射されて生細
胞に穿孔が開けられる。懸濁液22あるいは保護
液23内にDNA等の物質を含有せしめておけ
ば、この物質が生細胞中に取り込まれるようにな
ることは言うまでもない。本実施例によると毎秒
1000個程度の生細胞に穿孔を開けることができる
という極めて高速な処理が可能となる。なお、検
出器25としてプローブ用レーザー光源24か
ら、発せられたレーザー光を生細胞を投射した際
に生じる散乱光の散乱角を検出しうるものにすれ
ば、生細胞の大きさを検出することができ、これ
によつて生細胞の種類を特定することができる。
(生細胞の大きさと生細胞の種類とはほぼ一対一
に対応することが知られている。)このようにす
ると、複数の種類の生細胞が顕濁液22中に含有
されていても特定の生細胞のみに穿孔を開けるこ
とができる。また、穿孔用レーザー光源21から
のレーザー光の放出の制御も、レーザー光源21
自体を制御するのではなく、レーザー光源21と
細管20との間にシヤツターを設けこれを制御す
るようにしてもよいことは言うまでもない。
第5図は本発明のレーザー穿孔装置の更に別の
実施例を示す概略図である。
本実施例は生細胞を液滴とともに落下させ、こ
の落下の際に生細胞にレーザー光により穿孔を開
けるようにしたものである。
生細胞を含有した懸濁液22及び生理食塩水等
の保護液23はそれぞれ空気ポンプ27,27′
により加圧されることにより、ノズル28へ移送
される。ノズル28へ移送された懸濁液22と保
護液23からなる生細胞を含有した混合液は、圧
電素子等からなる超音波ノズル振動子29によ
り、下方へ液滴30となつて落下する。この際ま
ずプローブ用レーザー光源24と検出器25によ
つて液滴30中の生細胞の通過が検出され、この
検出の際に検出器25から発せられる検出信号が
CPU26に入力され、しかる後にこのCPU26
により制御されることにより所定のタイミングで
穿孔用レーザー光源21からレーザー光が発せら
れて、集光レンズ31等からなる光学系を通過し
たのち、生細胞にレーザー光が投射され生細胞に
穿孔が開けられる。
本実施例においては、生細胞が液滴となつて落
下するので、液滴に予め電荷を与えておき、図示
されるように、電極32,32′により液滴の落
下通路に電界を形成し、この電界を制御するよう
にすれば、各液滴を分類して集めることができ
る。即ち、生細胞の種類あるいは穿孔が開けられ
たか開けられなかつたかによつて生細胞を液留3
3,33′等に分類して集めることができる。な
お、DNA等の細胞に取り込まれる物質は懸濁液
22、保護液23あるいは液留33,33′内に
存在せしめておけば、穿孔が開けられた生細胞に
取り込まれることになる。また、穿孔用レーザー
光源21からのレーザー光の放出の制御も、レー
ザー光源2自体を制御するのではなく、レーザー
光源21と液滴30との間にシヤツターを設けこ
れを制御するようにしてもよいこと、およびレー
ザー光の放出を全く制御することなく連続的に放
出するようにしてもよいことは上述と同様であ
る。
第6図は本発明のレーザー穿孔装置の更に別の
実施例を示す概略図である。
本実施例においては、モニターTV18上の生
細胞の位置を指示することによりこの指示された
生細胞の位置を決定するライトペン34と、ライ
トペン34がモニターTV18上を指示すること
によりライトペン34の指示位置に対応するレー
ザースポツトの位置を決定するスポツト位置算出
手段35が備えられており、この位置決定手段に
より決定された指定位置にレーザー光を投射する
ように、集光装置8内の光偏向手段13を制御す
るスポツト位置制御装置36が設けられている。
このスポツト位置制御装置36は、位置決定手段
により決定された座標位置を表わす位置信号が入
力されると、レーザー光の投射が前記決定された
位置で行なわれるように光偏向手段13を駆動す
る。このように構成された装置を使用して生細胞
にDNA等が取り込まれるように穿孔を開けるた
めには、試料ホールダー15内の生細胞の分布を
モニターTV18でモニターし、モニターTV18
上に映し出された所望の生細胞の特定の位置をラ
イトペン34で指示する。このライトペン34の
指示が行なわれると、指示した位置がスポツト位
置算出手段35により算出される。この算出され
た位置は位置信号となつてスポツト位置算出手段
35から出力され、スポツト位置制御装置36に
入力される。スポツト位置制御装置36は入力さ
れた位置信号に応答してレーザー光2,10がラ
イトペン34により指定された指定位置に投射す
るよう光偏光手段13を制御駆動する。また、ラ
イトペンの指示が行なわれると、この指示の始動
を示す始動信号が位置決定手段からほぼ同時に発
せられ、シヤツタードライバー4に入力し、所定
の期間だけ、シヤツター5が開放される。従つて
所定のパルス数のレーザー光2がライトペン34
より指示された位置へ投射される。穿孔を開けら
れた生細胞が周囲のDNA等の物質を取り込んだ
後、穿孔が修復して物質の移入が完了されるのは
前述のとおりである。
本実施例においては、所望の生細胞の特定の位
置に確実に穿孔を開けることができるという極め
て優れた利点を得ることができる。
なお、本実施例においてはレーザー光の投射位
置を制御するのに光偏向手段13をスポツト位置
制御装置36により制御駆動するようにしたが、
ステージ14をステージ位置制御装置19により
制御駆動するようにしてもよいことは言うまでも
ない。
第7図は本発明の穿孔装置の更に別の実施例を
示す概略図である。
本実施例は、以下の様に装置が作動するように
構成されている。即ち、ライトペン34により予
じめモニターTV18上に映し出された全てのあ
るいは複数の所望の生細胞の特定の位置を指示し
た後、これら指示したことによつてスポツト位置
算出手段35により算出された各位置は、デジタ
ル化された位置信号とされ、CPU40を介してメ
モリー41に記憶される。一旦メモリー41に記
憶された位置信号は、一づつ読み出されてCPU
40等を介してスポツト位置制御装置36に入力
される。位置信号が入力されたスポツト位置制御
装置36は前記実施例と同様にして光偏向手段1
3を制御駆動する。また、これとほぼ同時に
CPU40からはシヤツタードライバー4を駆動
する駆動信号が発せられ、所定の期間だけシヤツ
ター5が開放され、レーザー光2の投射が行なわ
れる。従つて、予めライトペン34により指示さ
れた複数の指定位置にレーザー光2が順次投射さ
れる。このように構成されていると、モニター上
の生細胞の位置を決定する作業を一括して行なう
ことができるので極めて効率よくかつ高速に多数
の細胞に穿孔を開けることができる。なお、TV
カメラ17から得られるビデオ信号の信号強度か
ら生細胞が存在するか否かを判断することができ
るので、この機能をスポツト位置検出器35に含
ませれば穿孔作業を完全に自動化することができ
る。即ち、TVカメラ17からのビデオ信号をス
ポツト位置検出器35により解析し、これによつ
て生細胞の位置を順次決定し、この決定された位
置の情報を有する位置信号をメモリー41に流入
し、これを指定位置として記憶させることも可能
である。この場合生細胞を認識する手段としてパ
ターン認識手段を使用することが可能である。
上記説明においてはモニターとしてTVカメラ
を使用した場合について説明したが、第7図に示
されるように分光器42、光子計数器43、多チ
ヤンネル分折器44からなる分折手段をモニター
として使用することができる。即ち、試料の特定
のポジシヨンにおける分光特性を観察することに
より、前記ポジシヨンに生細胞が位置するか、あ
るいはさらに核が位置するかを判定することがで
きる。このような分折手段をモニターとして使用
する場合においても上述のように種々のレーザー
穿孔装置を構成することが可能となる。
上述のある実施例においては、穿孔用レーザー
光源と参照用レーザー光源の2つのレーザー光源
が使用されたが、穿孔用レーザー光として可視光
領域で連続発光のものが使用される場合は、レー
ザー光のスポツト位置がTVモニターにより確認
することができるので参照用レーザー光源は必ず
しも必要でない。また、穿孔用レーザー光の放出
を制御するシヤツターも機械的なものでなくても
よく、従来公知の光スイツチを使用することがで
きる。さらに、本発明においては、パルスレーザ
ーの代わりにCWレーザーを用いても、単位時間
および単位面積当りの照射エネルギーを調整する
ことにより同様の効果を上げることができる。
最後に、本発明を用いて実際に細胞内に物質が
取り込まれたことを示す実験結果を記述する。
まず、オスボーンメンデルラツトの腎臓の細胞
由来の媒養細胞NRKを大腸菌由来の遺伝子
(Xanthine―guanine phosphoribosyl―tran―
sferase)を取込まないと生存できない状態に処
理し、このように処理したNRKを前記の遺伝子
を含む媒質(DMEMに10%牛胎児血精を加えた
もの)に加えた。このようにして作成された試料
を第1図に示されるレーザー穿孔装置の試料ホル
ダーに装填した。試料ホルダーの器壁の一部は穿
孔用レーザー光2に対して充分な透過性をもつ材
質でつくられ、この部分に細胞を固着(懸垂)さ
せた。次いで、穿孔用レーザー光源であるYAG
レーザーから発射される波長1060nmのレーザー
光を倍周器により波長335nmの紫外線領域のレー
ザー光に変換し、集光装置に導入し、パルス幅10
ナノ秒のレーザーパルス毎秒10パルスの繰返し率
で前記媒質中で器壁に懸垂している生細胞に照射
した。その結果を第8図に示す。第8図の左半部
はレーザー光が照射された部分であり、右半部は
レーザー光が照射されなかつた部分である。
レーザー光を照射された生細胞は遺伝子を取込
み生存しているのに対し、レーザー光を照射され
なかつた生細胞はすべて死滅した。
生細胞は穿孔された直後に修復してしまう。こ
のためTVモニターでは穿孔状態を確認できても
写真撮影は困難であるので生細胞ではないがヒト
の血球を染色し、これにレーザ光を照射して穿孔
した状態第9図に示す。この図は生細胞に穿孔し
た直後の状態と同じ様相を示し、本発明の装置に
より細胞の特定個所を選択して穿孔することがで
きることを示している。
【図面の簡単な説明】
第1図、第2図、第4図、第5図、第6図およ
び第7図は本発明のレーザー穿孔装置の概略図、
第3図は、細胞上をレーザー光により走査した際
に得られる細胞の顕微鏡写真、第8図は本発明の
装置により遺伝子を移入した生細胞の形態を示す
顕微鏡写真、第9図は穿孔を開けた細胞(ヒトの
血球)を示す顕微鏡写真である。 1,21……穿孔用レーザー光源、2……穿孔
用レーザー光、3……倍周器、4……シヤツター
ドライバ、5……シヤツター、6,11……ビー
ム整形器、7,12……反射鏡、8……集光装
置、9……参照用レーザー光源、10……参照用
レーザー光、13……光偏向手段、13′,1
3″……ガルバノメーターミラー、14……ステ
ージ、15……試料ホルダー、16……ランプ、
17……TVカメラ、18……モニターTV、19
……ステージ位置制御装置、20……細管、22
……懸濁液、23……保護液、24……プローブ
用レーザー光源、25……検出器、26……
CPU、27,27′……空気ポンプ、28……ノ
ズル、29……超音波ノズル振動子、30……液
滴、31……集光レンズ、32,32′……電
極、33,33′……液留、34……ライトペ
ン、35……スポツト位置算出手段、36……ス
ポツト位置制御装置、40……CPU、41……
メモリー、42……分光器、43……光子計数
器、44……多チヤンネル分折器。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 レーザー光源、 このレーザー光源から発せられたレーザー光を
    生細胞へ投射する光学系、及び 前記の生細胞の状態を監視するモニターを備え
    ることを特徴とする生細胞レーザー穿孔装置。 2 前記のモニターが、前記生細胞上に2次元的
    にレーザー光を走査する走査手段を含むことを特
    徴とする特許請求の範囲第1項記載の生細胞レー
    ザー穿孔装置。 3 レーザー光源、 このレーザー光源から発せられたレーザー光を
    生細胞へ投射する光学系、 前記の生細胞の状態を監視するモニター、 このモニター上の生細胞の位置を決定する位置
    決定手段、 この位置決定手段からの始動信号に応答してレ
    ーザー光源からのレーザー光の放出を制御するレ
    ーザー光制御手段、及び 前記の位置決定手段からの位置信号に応答して
    レーザー光を指定位置に投射するよう前記のレー
    ザー光の投射位置を制御する投射位置制御手段、 を備えることを特徴とする生細胞レーザー穿孔
    装置。 4 レーザー光源、 このレーザー光源から発せられたレーザー光を
    生細胞へ投射する光学系、 前記の生細胞の状態を監視するモニター、 このモニター上の生細胞の位置を決定する位置
    決定手段、 この位置決定手段からの位置信号に応答して指
    定位置を記憶する記憶装置、及びこの記憶装置か
    らの位置情報を読出してレーザー光を指定位置に
    投射するよう前記のレーザー光の投射位置を制御
    する投射位置制御手段、 を備えることを特徴とする生細胞レーザー穿孔
    装置。
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