JP2602689B2 - 一酸化炭素と1種又はそれ以上のオレフイン不飽和化合物とのコポリマーからパラジウム触媒残存物を除去する方法 - Google Patents

一酸化炭素と1種又はそれ以上のオレフイン不飽和化合物とのコポリマーからパラジウム触媒残存物を除去する方法

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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08GMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED OTHERWISE THAN BY REACTIONS ONLY INVOLVING UNSATURATED CARBON-TO-CARBON BONDS
    • C08G67/00Macromolecular compounds obtained by reactions forming in the main chain of the macromolecule a linkage containing oxygen or oxygen and carbon, not provided for in groups C08G2/00 - C08G65/00
    • C08G67/02Copolymers of carbon monoxide and aliphatic unsaturated compounds

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、一酸化炭素と1種またはそれ以上のオレフ
イン不飽和化合物とのコポリマーからパラジウム触媒残
存物(remnants)を除去する方法に関する。
一酸化炭素と1種またはそれ以上のオレフイン不飽和
化合物(簡潔のために、後者は「A」として言及され
る。)との高分子量線状ポリマーであつて、モノマーユ
ニツトが交互の順で存在し、それ故一般式CO−(A)
(式中、A′は使用モノマーAから誘導されたモノマ
ーユニツトを表す。)のユニツトからなる該ポリマー
は、パラジウム含有触媒組成物を用いて製造され得る。
上記のポリマーは、優秀な機械的性質、特に非常に高
い強度、剛性及び衝撃抵抗性を有する。触媒としてのパ
ラジウム含有組成物の使用は、比較的高含有率のパラジ
ウム触媒残存物を有するコポリマーを生じるという欠点
がある。コポリマー中にパラジウムが存在すると、一般
的に高融性である該コポリマーの容易な加工性が妨げら
れ、また該コポリマーの熱安定性に悪影響がある。
本発明者は以前の研究において、パラジウムビスホス
フイン触媒の存在下で製造された一酸化炭素と1種又は
それ以上の他のオレフイン不飽和炭化水素とのコポリマ
ーからパラジウム触媒残存物を除去する方法を見出して
おり、しかして該方法は、該コポリマーを有機二座配位
子ホスフイン錯化剤と接触させることからなる。
〔発明の解決点〕
この主題を引き続き研究して、a)以前に見出された
のと同じ方法に他のコポリマーが付され得ること、b)
他の触媒例えばパラジウムアルシン又はパラジウムアミ
ンを用いて製造されたコポリマーに同じ方法が適用可能
であること、及びc)他の錯化剤が用いられ得ること、
を今般見出した。
〔発明の詳述〕
それ故、本発明は、一酸化炭素と1種又はそれ以上の
オレフィン不飽和化合物とのコポリマーからパラジウム
触媒残存物を除去するに際し該コポリマーをパラジウム
に対する錯化剤と接触させることからなるパラジウム触
媒残存物の除去方法であつて、パラジウムビスホスフイ
ン触媒の存在下で製造された一酸化炭素と1種又はそれ
以上のオレフイン不飽和炭化水素とのコポリマーを有機
二座配位子ホスフイン錯化剤と接触させる以外の上記除
去方法に関する。
一酸化炭素と重合され得る適当なオレフイン不飽和化
合物は、専ら炭素と水素からなる化合物、並びに炭素及
び水素に加えて1種又はそれ以上のヘテロ原子を含有す
る化合物である。一酸化炭素と1種又はそれ以上のオレ
フイン不飽和炭化水素とのコポリマーの製造が好まし
い。適当な炭化水素モノマーの例は、エテン及び他のα
−オレフイン例えばプロペン、ブテン−1、ヘキセン−
1及びオクテン−1並びにスチレン及びアルキル置換ス
チレン例えばパラ−メチルスチレン及びパラ−エチルス
チレンである。本発明の方法は、一酸化炭素とエテンと
のコポリマーの処理並びに一酸化炭素とエテン及び他の
オレフイン不飽和炭化水素特にプロペンとのターポリマ
ー(三元共重合体)の製造に特に適する。
当該コポリマーの製造に用いるのに適したパラジウム
含有触媒組成物は、とりわけπ−アリル〔(C6H53P〕
2PdCl及び〔(C6H53P〕4Pdである。
a)パラジウム化合物、b)リン、ヒ素、アンチモン及
び窒素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を
含有する有機化合物及びc)6未満のpKaを有する酸の
アニオン、をベースとしたパラジウム含有触媒組成物の
使用が好ましい。
触媒におけるパラジウム化合物は、好ましくはカルボ
ン酸のパラジウム塩時にパラジウムアセテートである。
好ましい触媒組成物において成分b)として用いられ
得る化合物の例として、次のものが挙げられ得る: 1)トリアリールホスフイン例えばトリフエニルホスフ
イン、トリ(2−メチルフエニル)ホスフイン、トリ
(2−メトキシフエニル)ホスフイン及びトリ(1−ナ
フチル)ホスフイン、 2)一般式 (式中、X及びYは同じ又は異なる有機橋状基を表し、
しかもこれらの基の各々は橋中に3個又は4個の原子を
有しかつこれらの原子のうち少なくとも2個は炭素原子
である。) の化合物例えば2,2′−ビピリジン及び1,10−フエナン
トロリン、 3)1個のリン原子及び1個又はそれ以上の窒素原子
(これらの原子は水素原子に結合していない。)が存在
し、しかも該窒素原子の各々が、橋中に少なくとも1個
の炭素原子を有する有機橋状基を経て該リン原子に結合
している化合物例えば2−シアノエチルジフエニルホス
フイン、トリス(2−シアノエチル)ホスフイン、2−
ピリジルジフエニルホスフイン、ビス(2−ピリジル)
フエニルホスフイン及び3−(ジフエニルホスフイノ)
−N,N−ジメチル−プロピオンアミド、 4)一般式R1R2M1−R−M2R3R4(式中、M1はヒ素又はア
ンチモンであり、M2はM1の原子番号より小さい原子番号
を有しかつヒ素、リン及び窒素からなる群から裏ばれた
元素であり、R1、R2、R3及びR4は極性基で置換されてい
ても置換されていなくてもよい同じ又は異なる炭化水素
基を表し、Rは橋中に2〜4個の原子を有する二価の橋
状基を表す。)の化合物例えば1−(ジフエニルホスフ
イノ)−3−(ジフエニルアルシノ)−プロパン、1−
(ジフエニルホスフイノ)−3−(ジフエニルスチビ
ノ)−プロパン、1−(ジフエニルアルシノ)−3−
(ジメチルアミノ)−プロパン及び1−(ジフエニルホ
スフイノ)−2−(ジフエニルアルシノ)−エタン 5)一般式R1R2M−R−MR3R4(式中、Mはリン、ヒ素及
びアンチモンからなる群から選ばれた元素であり、R1
R2、R3、R4及びRは上記の意味を有する。)の化合物例
えば1,3−ビス(ジフエニルアルシノ)−プロパン、1,3
−ビス(ジフエニルホスフイノ)−プロパン、1,4−ビ
ス(ジフエニルホスフイノ)−ブタン、1,2−ビス(ジ
フエニルホスフイノ)−エタン、1,3−ビス〔ジ(4−
メトキシフエニル)ホスフイノ〕−プロパン、2−メチ
ル−2−(メチルジフエニルホスフイノ)−1,3−ビス
(ジフエニルホスフイノ)−プロパン及びN,N,N′,N′
−テトラキス(ジフエニルホスフイノメチル)エチレン
ジアミン。
触媒組成物において成分b)として用いられる化合物
は、好ましくは一般式(R52P−R6−P(R5(式
中、R5は、リンに対してオルトの位置に少なくとも1個
の極性置換基好ましくはアルコキシ基特にメトキシ基を
有する極性置換アリール基を表し、R6は橋中に3個の炭
素原子を有する二価橋状基を表す。)のビスホスフイン
である。かかる化合物の例は、1,3−ビス〔ジ(2−メ
トキシフエニル)ホスフイノ〕−プロパン、1,3−ビス
〔ジ(2,4−ジメトキシフエニル)ホスフイノ〕−プロ
パン、1,3−ビス〔ジ(2,6−ジメトキシフエニル)ホス
フイノ〕−プロパン及び1,3−ビス〔ジ(2,4,6−トリメ
チルフエニル)ホスフイノ〕−プロパンである。
好ましい触媒組成物において用いられる成分c)は、
好ましくは4未満のpKa(18℃にて水溶液中で測定)を
有する酸のアニオン特に2未満のpKaを有する酸のオニ
オンである。スルホン酸例えばパラ−トルエンスルホン
酸のアニオンあるいはカルボン酸例えばトリフルオロ酢
酸のアニオンが特に好ましい。成分c)は、酸の形態及
び/又は塩の形態で触媒組成物に組み込まれ得る。適当
な塩はとりわけ非貴遷移金属塩例えば銅、ニツケル、ク
ロム、鉄、バナジル、ジルコニウム、ウラニル及びセリ
ウム塩並びに主族金属塩例えばアルミニウム、スズ及び
アンチモン塩である。触媒組成物において成分c)とし
て用いるのに適したハロゲン化物は、スズ及びゲルマニ
ウムのハロゲン化物である。金属塩の代わりに第4級ホ
スホニウム塩例えばメチルトリフエニルホスホニウムパ
ラ−トシレートも、触媒組成物において成分c)として
用いられ得る。
随意に、触媒組成物において成分a)及びb)は、単
一化合物で用いるために結合され得る。かかる化合物の
例は錯体Pd(CH3CN)(O3S−C6H4−CH3であり、
この錯体は塩化パラジウムとパラ−トルエンスルホン酸
の銀塩とを溶媒としてのアセトニトリル中で反応させる
ことにより製造され得る。成分b)及びc)もまた、随
意に単一化合物に結合されて用いられ得る。この目的に
適した化合物は、一般式R7R8P−R9−SO3H(式中、R7
びR8は極性基で置換されていても置換されていなくても
よい同じ又は異なる炭化水素基を表し、R9は橋中に1〜
4個の炭素原子を有する二価の橋状基である。)のスル
ホン酸例えばオルト−(ジフエニルホスフイノ)ベンゼ
ンスルホン酸、2−(ジフエニルホスフイノ)−エタン
スルホン酸及び3−(ジフエニルホスフイノ)−プロパ
ンスルホン酸である。
成分a)、b)及びc)又はそれらの結合物に加え
て、触媒組成物はまた促進剤を含有し得る。適当な促進
剤の例は、過酸化物例えばジ第3級ブチルパーオキシ
ド、脂肪族ニトロ化合物例えば1−ニトロプロパン、有
機ニトライト(亜硝酸エステル)例えばブチルニトライ
ト、芳香族ニトロ化合物例えばニトロベンゼン、4−イ
ソプロピル−ニトロベンゼン、3−クロロ−4−メチル
−ニトロベンゼン、3,4−ジクロロ−ニトロベンゼン、
3−(トリフルオロメチル)−ニトロベンゼン及び4−
メチル−1,3−ジニトロベンゼン、キノン例えば1,4−ベ
ンゾキノン及びテトラメチル−1,4−ベンゾキノン、エ
ーテル例えばテトラヒドロフラン、クラウンエーテル例
えば18クラウン6及び15クラウン5、エステル例えばエ
チレングリコールジアセテート、並びにケトン例えばア
セトンである。好ましい促進剤は1,4−キノンである。
コポリマーの製造は、好ましくは20〜200℃の温度及
び102〜2×104kPaの圧力時に30〜150℃の温度及び2×
103〜104kPaの圧力にて行われる。共重合に用いられる
オレフイン不飽和化合物対一酸化炭素のモル比は、好ま
しくは10:1ないし1:5特に5:1ないし1:5である。
本発明の方法において、パラジウム含有コポリマー
は、パラジウムに対する錯化剤と接触される。コポリマ
ーと錯化剤との接触は、適当にはこのポリマーが不溶で
かつ生成パラジウム錯体が溶解され得るところの有機の
液体中で行われ得る。非常に適当な有機の液体は、低級
アルコール例えばメタノール及びエタノールである。か
くして、得られる生成物は、低減されたパラジウム含有
率及びそれ故一層良好な熱安定性を有するコポリマーで
ある。その上、生成パラジウム錯体が分離され得るとこ
ろのパラジウム含有溶液が得られる。パラジウム錯体を
分解することによりパラジウム回収することが可能であ
り、しかしてこのパラジウムは、重合の際触媒として用
いられるべきパラジウム含有組成物を製造するのに供し
得る。パラジウム含有溶液からのパラジウム錯体の分離
は、非常に適当にはこの溶液をイオン交換体と接触させ
ることにより行われ得る。
本発明の方法においてパラジウム含有コポリマーが接
触される錯化剤の量は、好ましくはコポリマー中に存在
するパラジウム1グラム原子当たり少なくとも0.25モル
である。コポリマー中に存在するパラジウム1グラム原
子当たり少なくとも0.5モル特に少なくとも1モルの錯
化剤を用いることが好ましい。コポリマーと錯化剤との
接触は、好ましくは50〜140℃特に80〜110℃の温度で行
われる。
本発明の方法において適当に用いられ得るパラジウム
に対する好ましい錯化剤は、リン、ヒ素、アンチモン及
び窒素からなる群から選ばれた少なくとも1種の元素を
含有する有機化合物である。可能な触媒成分b)として
上記の1)〜5)で挙げた化合物はすべて原則的にコポ
リマーのパラジウム含有率の低減に錯化剤として適当に
用いられ得、更に、窒素含有化合物例えばトリエチルア
ミン、ナフチルアミン、アニリン、ピリジン、エチレン
ジアミン及びエチレンジアミン四酢酸並びにリン含有化
合物例えばトリフエニルホスフインも本目的にとつて適
合する。本発明の方法において用いられ得るパラジウム
に対する他の錯化剤は、カルボキシレート例えばアセテ
ート、シアン化物、チアシアネート及びアセチルアセト
ネートである。好ましい錯化剤は、トリアリールホスフ
イン例えばトリフエニルホスフイン、トリアルキルアミ
ン例えばトリエチルアミン及び1〜8個の炭素原子を有
するカルボン酸の金属塩又はアンモニウム塩好ましくは
アセテート例えばナトリウムアセテートからなる群から
選ばれる化合物である。
上記に述べたように、共重合は、典型的にはバラジウ
ム含有触媒組成物が溶解され得るがコポリマーは不溶で
あるところの有機の液体中で行われる。非常に適した有
機の液体は、低級アルコール例えばメタノール及びエタ
ノールである。共重合中、ポリマーは有機の液体中の懸
濁液の形態で得られる。所要の共重合度が達成された
後、冷却及び圧力の解散を行うことにより変換は停止さ
れ得る。コポリマーは、過、洗浄及び乾燥を行うこと
により懸濁液から単離され得る。本発明によるコポリマ
ーの更新懸濁液(即ち、かくして製造されたコポリマー
を更に懸濁させた懸濁液)を用いかつこの懸濁液をパラ
ジウムに対する錯化剤と接触させることにより遂行され
得る。しかしながら、所望の共重合度を達成して丁度そ
の時に錯化剤を反応混合物に添加することが好ましく、
しかして該添加により共重合反応は停止する。
かくして、共重合中のパラジウムに対する錯化剤の添
加により、2つの効果即ち共重合の停止及び生成コポリ
マーのパラジウム含有率の低減がもたらされる、という
ことがいわれ得る。
〔実 施 例〕
次の例を用いて、本発明を説明する。
例1 一酸化炭素/エテンのコポリマーが次のようにして製
造された。
250ml容量の電磁かくはん式オートクレーブに、下記
のものからなる触媒溶液を装填した: 150mlのメタノール、 0.1ミリモルのPd(CH3CN)(O3S−C6H4−CH3
び 0.15ミリモルのN,N,N′,N′−テトラキス(ジフエニ
ルホスフイノメチル)エチレンジアミン。
オートクレーブ中に存在する空気を排気した後、オー
トクレーブの内容物を84℃にし、2250kPaの圧力が得ら
れるまでエテンを導入し、その後4500kPaの圧力が得ら
れるまで一酸化炭素を導入した。2.5時間後、室温に冷
却しそし次いで圧力を解放することによつて共重合を停
止させた。生成したコポリマーを別し、メタノールで
洗浄しそして室温にて真空乾燥した。収量は1100ppmwの
パラジウム含有率を有する7.7gのコポリマーであり、こ
れは、触媒中に存在するパラジウムの80%がコポリマー
中に残つたままであつたことを意味する。
例2 一酸化炭素/エテンのコポリマーが次のようにして製
造された。
300ml容量の機械かくはん式オートクレーブに200mlの
メタノールを装填した。5000kPaの圧力が得られるまで
一酸化炭素でオートクレーブを加圧しそして次いで圧力
を解放しかつこの操作を2回繰り返すことにより、オー
トクレーブ中に存在する空気をオートクレーブから除去
した。オートクレーブの内容物を85℃にした後、55バー
ルの圧力が得られるまで一酸化炭素/エテンの1:1混合
物を導入した。次いで、下記のものからなる触媒溶液を
オートクレーブに装填した: 6mlのメタノール、 0.01ミリモルのパラジウムアセテート、 0.01ミリモルの2−メチル−2−(メチルジフェニル
ホスフイノ)−1,3−ビス(ジフエニルホスフイノ)−
プロパン及び 0.01ミリモルのトリフルオロメタンスルホン酸。
一酸化炭素/エテンの1:1混合物を導入することによ
り、圧力を5500kPaに保つた。3時間後、反応混合物を
室温に冷却しそして圧力を解放することによつて共重合
を停止させた。コポリマーを別し、200mlのメタノー
ルで洗浄しそして70℃にて乾燥した。収量は42ppmwのパ
ラジウム含有率を有する18.5gのコポリマーであり、こ
れは、触媒中に存在するパラジウムの81%がコポリマー
中に残つたままであつたことを意味する。
例3 一酸化炭素/エテンのコポリマーが次のようにして製
造された。
250lm容量の機械かくはん式オートクレーブに、下記
のものからなる触媒溶液を装填した: 50mlのメタノール、 0.01ミリモルのパラジウムアセテート、 0.15ミリモルのオルト−(ジフエニルホスフイノ)ベ
ンゼンスルホン酸。
オートクレーブ中に存在する空気を排気した後、2000
kPaの圧力が得られるまでエテンを導入し、その後4000k
Paの圧力が得られるまで一酸化炭素を導入した。次い
で、オートクレーブの内容物を80℃にした。5時間後、
室温に冷却しそして次いで圧力を解放することによつて
共重合を停止させた。生成したコポリマーを別し、メ
タノールで洗浄しそして室温にて乾燥した。収量は1770
ppmwのパラジウム含有率を有する4.5gのコポリマーであ
り、これは、触媒中に存在するパラジウムの75%がコポ
リマー中に残つたままであつたことを意味する。
例4 一酸化炭素/エテン/プロペンのターポリマー(三元
共重合体)が次のようにして製造された。
300ml容量の機械かくはん式オートクレーブに200mlの
メタノールを装填した。オートクレーブを一酸化炭素で
パージすることにより、オートクレーブ中に存在する空
気をオートクレーブから駆逐した。オートクレーブの内
容物を85℃にした後、3000kPaの圧力が得られるまで一
酸化炭素を導入し、その後4000kPaの圧力が得られるま
でプロペンを導入し、そして最後に5600kPaの圧力が得
られるまでエテンを導入した。次いで、下記のものから
なる触媒溶液をオートクレーブに装填した: 4.5mlのメタノール、 1.5mlのトルエン、 0.01ミリモルのパラジウムアセテート、 0.012ミリモルの1,3−ビス〔ジ(2−メトキシフエニ
ル)ホスフイノ〕−プロパン及び0.2ミリモルのトリフ
ルオロ酢酸。
一酸化炭素/エテンの1:1混合物を導入することによ
り、圧力を5600kPaに保つた。4時間後、反応混合物を
室温に冷却しそして圧力を解放することによつて共重合
を停止させた。ターポリマーを別し、200mlのメタノ
ールで洗浄しそして70℃にて乾燥した。収量は24ppmwの
パラジウム含有率を有する29gのターポリマーであり、
これは、触媒中に存在するパラジウムの67%がターポリ
マー中に残つたままであつたことを意味する。
例5 6mlのメタノール中の0.02ミリモルのトリエチルアミ
ンの溶液をオートクレーブ中にポンプ輸送することによ
つて共重合を3時間後に停止させたこと以外は、例2の
コポリマーと実質的に同じようにして一酸化炭素/エテ
ンのコポリマーが製造された。室温に冷却しそして圧力
を解放した後、コポリマーを別し、200mlのメタノー
ルで洗浄しそして70℃にて乾燥した。収量は22ppmwのパ
ラジウム含有率を有する20gのコポリマーであり、これ
は、触媒中に存在するパラジウムの42%がコポリマー中
に残つたままであつたことを意味する。
例6 6mlのメタノール中の0.08ミリモルのトリフエニルホ
スフインの溶液をオートクレーブ中にポンプ輸送するこ
とによつて共重合を3時間後に停止させたこと以外は、
例のターポリマーと実質的に同じようにして一酸化炭素
/エテン/プロペンのターポリマーが製造された。室温
に冷却しそして圧力を解放した後、ターポリマーを別
し、200mlのメタノールで洗浄しそして70℃にて乾燥し
た。収量は10ppmwのパラジウム含有率を有する20gのタ
ーポリマーであり、これは、触媒中に存在するパラジウ
ムの20%がターポリマー中に残つたままであつたことを
意味する。
例7 6mlのメタノール中の0.14ミリモルのトリエチルアミ
ンの溶液をオートクレーブ中にポンプ輸送することによ
つて共重合2.5時間後に停止させたことにおいて相違す
るが、例6のターポリマーと実質的に同じようにして一
酸化炭素/エテン/プロペンのターポリマーが製造され
た。収量は52ppmwのパラジウム含有率を有する8.8gのタ
ーポリマーであり、これは、触媒中に存在するパラジウ
ムの46%がターポリマー中に残つたままであつたことを
意味する。
例8 6mlのメタノール中の7.1mlのナトリウムアセテートの
溶液をオートクレーブ中にポンプ輸送することによつて
共重合を5時間後に停止させたことにおいて相違する
が、例6のターポリマーと実質的に同じようにして一酸
化炭素/エテン/プロペンのターポリマーが製造され
た。収量は17ppmwのパラジウム含有率を有する16.7gの
ターポリマーであり、これは、触媒中に存在するパラジ
ウムの27%がターポリマー中に残つたままであつたこと
を意味する。
例1〜8のうち例5〜8が本発明によるものであり、
例1〜4は比較の目的のために記載されている。
例1〜3及び例5に従つて製造された一酸化炭素/エ
テンのコポリマーは線状の交互構造を有し、それ故式−
CO−(C2H4)−ユニツトからなつていた、ということが
13C−NMR分析によりわかつた。それらのコポリマーは25
7℃の融点を有していた。
例4及び例6〜8に従つて製造された一酸化炭素/エ
テン/プロペンのターポリマーは線状構造を有しかつ式
CO−(C2H4)のユニツト及び式CO−(C3H6)の
ユニツトからなりしかもこれらのユニツトはターポリマ
ー内にランダムに分布していた、ということが13C−NMR
分析によりわかつた。例4及び例6〜8に従つて製造さ
れたターポリマーは、それぞれ225℃、224℃、226℃及
び225℃の融点を有していた。

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一酸化炭素と1種又はそれ以上のオレフイ
    ン不飽和化合物とのコポリマーからパラジウム触媒残存
    物を除去するに際し、該コポリマーをパラジウムに対す
    る錯化剤と接触させることからなるパラジウム触媒残存
    物の除去方法であつて、パラジウムビスホスフイン触媒
    の存在下で製造された一酸化炭素と1種又はそれ以上の
    オレフイン不飽和炭化水素とのコポリマーを錯化剤とし
    ての有機二座配位子ホスフイン又は一酸化炭素と接触さ
    せる以外の上記除去方法。
  2. 【請求項2】コポリマーが一酸化炭素とエテン及び随意
    に他のオレフイン不飽和炭化水素とのコポリマーであ
    る、請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】コポリマーをコポリマー中に存在するパラ
    ジウム1グラム原子当たり少なくとも0.25モルの錯化剤
    と接触させる、請求項1または2記載の方法。
  4. 【請求項4】錯化剤がトリアリールホスフインである、
    請求項1〜3のいずれか1つの項記載の方法。
  5. 【請求項5】錯化剤がトリアルキルアミンである、請求
    項1〜3のいずれか1つの項記載の方法。
  6. 【請求項6】錯化剤が1〜8個の炭素原子を有するカル
    ボン酸の金属塩又はアンモニウム塩である、請求項1〜
    3のいずれか1つの項記載の方法。
  7. 【請求項7】錯化剤がナトリウムアセテートである、請
    求項1〜3のいずれか1つの項記載の方法。
  8. 【請求項8】所望の共重合度を達成した丁度その時に錯
    化剤を共重合反応混合物に添加する、請求項1〜7のい
    ずれか1つの項記載の方法。
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