JP2602609B2 - フィルタプレスの濾布及び該濾布を用いるフィルタプレス - Google Patents

フィルタプレスの濾布及び該濾布を用いるフィルタプレス

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JP2602609B2
JP2602609B2 JP5685393A JP5685393A JP2602609B2 JP 2602609 B2 JP2602609 B2 JP 2602609B2 JP 5685393 A JP5685393 A JP 5685393A JP 5685393 A JP5685393 A JP 5685393A JP 2602609 B2 JP2602609 B2 JP 2602609B2
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晴夫 浜崎
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株式会社栗田機械製作所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フィルタプレスの濾布
及び該濾布を用いるフィルタプレスであって、詳しくは
濾板と濾布との原液孔のシール構造の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、濾板の原液孔に濾布の原液孔を固
定するとき、濾板の原液孔両側に重なる両濾布原液孔上
にそれぞれ挟持部材を当て、このように濾板の両側に配
置された挟持部材間を貫通する孔を設け、この孔にボル
トを通して両挟持部材を濾板に締め付けるように構成し
たものがある(特公平3−34963号公報)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、濾布を
濾板から外すためには上記ボルトを緩める必要があり、
煩雑である。また、このようにして濾布を外した場合に
は挟持部材も濾布に当て直す必要がある。また、挟持部
材は濾布の上に当てるから挟持部材は原液に接して汚れ
がこびりつくことになる。これを防止するためには、濾
布の清掃を行う必要があり、このためにも濾布を濾板か
ら取り外さなければならなかった。従って、本発明の目
的は、上記問題を解決することにあって、濾布を濾板か
ら取り外すときにボルトを緩める必要がなく、濾布と濾
布の原液孔と濾板の原液孔とをシールするための部材も
濾布を交換する毎に濾布に対して位置調整を行う必要が
なく、上記部材も原液により汚れることがないフィルタ
プレスの濾布及び該濾布を用いるフィルタプレスを提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、濾布の原液孔と濾板の原液孔とをシール
するための部材を濾布にあらかじめ固定させておき、濾
板を締め付ける毎に濾板の原液孔と濾布の原液孔とのシ
ールを行わせるように構成する。すなわち、隣接する濾
板間に一対挟み込まれて、濾板締付時に上記濾板の濾過
床に相当する領域の相対する両濾布間に濾室を形成可能
とするフィルタプレスの濾布であって、上記濾板の額縁
に形成されかつその一部に濾板原液孔が貫通形成された
凹部内に濾板締付時に挿入されるとともに、上記濾板の
額縁に形成された原液供給孔に対応して中央に原液孔が
貫通しかつ該原液孔の周縁の一部に該原液孔から上記濾
板の濾過床側に位置する上記濾室に通じる原液通路をへ
こませて形成してなるシール板と、上記シール板の表裏
両周縁を覆いかつ上記シール板の上記原液孔を通してそ
の両側に広げられるとともに、上記シール板の原液通路
側に広がる部分を上記濾布の原液孔の周縁に接合する一
方、反対側の部分を上記濾板の額縁の原液孔の周縁上に
重合して濾板締付時に上記シール板と上記濾板の凹部の
内面との間をシール可能なシール板支持用シートとを備
えてなるように構成する。
【0005】上記構成においては、上記シートは、濾板
締付時に原液を濾布及び濾板の原液孔にそれぞれ供給し
たとき、原液の供給圧力によりシートの一部と濾布の一
部とが上記シール板の原液通路内に入り込む程度の可撓
性を有する材料より構成されるように構成することもで
きる。上記構成においては、上記シール板は、中央部に
上記原液孔を有する大略円環板であって、その原液孔の
周縁の一部より径方向に突出した突出部を形成し、該突
出部に上記原液通路を形成するとともに、上記濾板の凹
部の形状は上記シール板の形状と大略同一であるように
構成することもできる。また、本発明にかかるフィルタ
プレスは、上記濾布を上記濾板間に配置し、上記濾板の
原液供給孔と上記濾布の原液孔とを一致させつつ上記濾
板を締め付ける可動板を備えるように構成することもで
きる。
【0006】
【発明の効果】本発明の構成によれば、濾板の締付及び
締付解除に伴い各濾布を各濾板に対して掛け外しし、そ
れによって、濾布に固定された上記シートで支持された
シール板を濾板の凹部内に嵌合させて濾板締付及び締付
解除と同時に濾布と濾板との間の原液孔部分のシール作
用を行ったり、そのシール作用を解除が行える。また、
濾布の清掃は濾布を濾板に掛けたままでも容易に行え
る。また、シール板はシートにより濾布に固定されてい
るため、シートと濾布との間には原液が入り込む余地は
なく、シール板が汚れることがなく、洗浄する必要もな
い。また、シートは濾布を濾過のために使用する前に濾
布に取り付けられているため、濾布の濾板に対する掛け
外しに不便さを与えることがない。
【0007】
【実施例】以下に、本発明にかかる実施例を図1〜図6
に基づいて詳細に説明する。本実施例にかかるフィルタ
プレスの濾板を備えたフィルタプレスの濾板全体の概略
を図1に示す。図1において、濾板1は額縁2と濾過床
3とから大略構成され、額縁2の四隅にそれぞれ貫通孔
が形成され、そのうち右上角の貫通孔は原液孔5として
利用され、右下角の貫通孔は濾液排出孔4として利用さ
れる。上記原液孔5は以下のような構造よりなる。すな
わち、図2,3,4に示すように、濾布10の原液孔1
0aの周縁にシール板支持用シートとしてのシール用当
て布9を固定し、該当て布9によりシール板7を吊り支
持して、このシール板7が濾板締付時に濾板1の凹部2
a内に嵌合されて原液孔5のシール作用を行うようにし
ている。なお、この濾板1の凹部2aには原液孔2bが
貫通して形成されており、上記濾布10の原液孔10a
に連通可能とする。上記当て布9は、原液孔9aを中央
部に有する大略円筒状の形状を有し、布製のものの他、
プラスチック製のものでもよい。このシール用当て布9
では、特に濾過作用は要求されないため、必ずしも網目
状にする必要はない。この当て布9の一方の円環状周縁
を上記濾布10の原液孔10aの周縁に縫い付けるなど
して固定する。
【0008】上記シール板7は、図5に示すように、中
央部に原液孔7aを有する大略円環板よりなり、その周
縁の一部にくぼんだ原液通路8を延在させてなる。すな
わち、原液孔7aの周縁の一部より径方向に突出した突
出部7bを形成し、該突出部7bに上記原液通路8を形
成する。このシール板7の周縁の表裏両面及び原液通路
8の縁部分の表面及び裏面全体はシール面6として利用
され、このシール面6を上記当て布の円環状周縁で大略
覆うようにしている。シール板7は金属製、木製、プラ
スチック製などある程度の硬さがあるものであれば採用
できる。このシール板7は、その原液孔7a内に濾布1
0に固定された当て布9の一方の円環状周縁を貫通させ
て当て布9の原液孔9aをシール板7の上記原液孔7a
に嵌合すると、図4に示すような組み立て状態、言い換
えれば濾板締付前の状態となる。この状態では、シール
板7と濾板1の凹部2aとの間は全くシールされておら
ず、むしろ隙間が空いたような状態となっている。この
ように、濾板1に濾布10をかけて隣接濾板1,1間に
一対の濾布10,10を挟みこんだ状態で、周知のフィ
ルタプレスの可動板により濾板を親板側に締め付ける
と、図6のような状態となる。この状態では、シール板
7が当て布9を介して濾板1の凹部2aの内面に濾板締
付力により押圧接触されて、シール板7のシール面6と
濾板1の凹部2aの内面との間及び相対するシール板
7,7のシール面6,6間が当て布9によりほぼ完全に
シールされるようになる。また、シール板7が濾板1の
凹部2a内に嵌り込むことにより、シール板7と当て布
9とで形成された原液供給孔5と濾板1の原液孔2bと
が一致し、原液が原液孔2bから原液供給孔5に向けて
図6の矢印のように流れる。また、このとき、原液の供
給圧力により、当て布9の相対する円環状周縁部分がシ
ール板7の原液通路8に押し込まれて、両円環状周縁間
に隙間12が形成され、原液がこの隙間12を通って一
対の濾布10,10間に形成された濾室11内に導かれ
て、所定の濾過を行う。一方、濾過終了後は、締付が解
除されて濾板1,1間において、濾板1より濾布10が
離れた図4のような状態となり、シール板7と濾板1及
びシール板7,7同士のシール作用が解除される。その
後、適宜、濾板1,1間のケーキを濾布10,10から
取り除き、再度濾過可能の待機位置に戻す。
【0009】上記実施例によれば、濾板1,…,1の締
付及び締付解除に伴い各濾布10を各濾板1に対して掛
け外しし、それによって、濾布10に固定された当て布
9で支持されたシール板7を濾板1の凹部2a内に嵌合
させて濾板締付及び締付解除と同時に濾布10と濾板1
との間の原液孔部分のシール作用を行ったり、そのシー
ル作用を解除が行える。また、濾布10の清掃は濾布1
0を濾板1に掛けたままでも容易に行える。また、シー
ル板7は当て布9により濾布10に固定されているた
め、当て布9と濾布10との間には原液が入り込む余地
はなく、シール板7が汚れることがなく、洗浄する必要
もない。また、当て布9は濾布10を濾過のために使用
する前に濾布10に取り付けられているため、濾布10
の濾板1に対する掛け外しに不便さを与えることがな
い。また、シール板7も軽いものであるから当て布9か
ら容易に外れることがない。また、シール板7を大略円
環板であってその原液孔7aの周縁の一部から径方向に
突出した突出部7bを形成するとともに、濾板1の凹部
2の形状を上記シール板7の形状と大略同一にすること
により、原液孔7aの軸回りに濾板1の凹部2内でシー
ル板7が回転することがなく、濾布10などに負荷が作
用することがなくなる。なお、本発明は上記実施例に限
定されるものではなく、その他種々の態様で実施でき
る。例えば、シール用当て布9もシール板7もその形状
は、丸形の他、濾板1の額縁2の位置にあわせて角形に
することもできる。また、濾板1の原液供給孔2aがト
ップフィード式またはボトムフィード式に形成されてあ
っても、上記発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例にかかるフィルタプレスの
濾板全体の概略正面図である。
【図2】 上記濾板に本発明の他の実施例にかかるフィ
ルタプレスの濾布をかけた状態での要部拡大正面図であ
る。
【図3】 図2のIII−III線断面における上記濾
布とシール用当て布とシール板との要部分解図である。
【図4】 図3においてシール板を濾布に組み付けた濾
板締付前の状態における濾布と濾板との関係を示す図で
ある。
【図5】 上記濾板に取り付けられたシール板の拡大正
面図である。
【図6】 上記濾布を備えたフィルタプレスの濾板締付
状態での断面図である。
【符号の説明】 1…濾板、2…額縁、2a…凹部、2b…貫通孔、3…濾
過床、4…濾液排出孔、5…原液孔、6…シール面、7
…シール板、7a…貫通孔、7b…突出部、8…原液通
路、9…シール用当て布、10…濾布、11…濾室、1
2…隙間。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 隣接する濾板(1,1)間に一対挟み込
    まれて、濾板締付時に上記濾板(1)の濾過床(3)に
    相当する領域の相対する両濾布(10,10)間に濾室
    (11)を形成可能とするフィルタプレスの濾布であっ
    て、 上記濾板(1)の額縁(2)に形成されかつその一部に
    濾板の原液孔(2b)が貫通形成された凹部(2a)内
    に濾板締付時に挿入されるとともに、上記濾板(1)の
    額縁(2)に形成された原液孔(2b)に対応して中央
    に原液孔(7a)が貫通しかつ該原液孔(7a)の周縁
    (6)の一部に該原液孔(7a)から上記濾板(1)の
    濾過床(3)側に位置する上記濾室(11)に通じる原
    液通路(8)をへこませて形成してなるシール板(7)
    と、 上記シール板(7)の表裏両周縁(6)を覆いかつ上記
    シール板(7)の上記原液孔(7a)を通してその両側
    に広げられるとともに、上記シール板(7)の原液通路
    側に広がる部分を上記濾布(10)の原液孔(10a)
    の周縁に接合する一方、反対側の部分を上記濾板(1)
    の額縁(2)の原液孔(2b)の周縁上に重合して濾板
    締付時に上記シール板(7)と上記濾板(1)の凹部
    (2a)の内面との間をシール可能なシール板支持用シ
    ート(9)とを備えてなるようにしたことを特徴とする
    フィルタプレスの濾布。
  2. 【請求項2】 上記シート(9)は、濾板締付時に原液
    を濾布(10)及び濾板(1)の原液孔(10a,2
    b)にそれぞれ供給したとき、原液の供給圧力によりシ
    ート(9)の一部と濾布(10)の一部とが上記シール
    板(7)の原液通路(8)内に入り込む程度の可撓性を
    有する材料より構成された請求項1に記載のフィルタプ
    レスの濾布。
  3. 【請求項3】 上記シール板(7)は、中央部に上記原
    液孔(7a)を有する大略円環板であって、その原液孔
    (7a)の周縁の一部より径方向に突出した突出部(7
    b)を形成し、該突出部(7b)に上記原液通路(8)
    を形成するとともに、上記濾板(1)の凹部(2a)の
    形状は上記シール板(7)の形状と大略同一であるよう
    にした請求項1又は2に記載のフィルタプレスの濾布。
  4. 【請求項4】 請求項1にかかる濾布を上記濾板(1)
    間に配置し、上記濾板(1)の原液孔(2b)と上記濾
    布(10)の原液孔(10a)とを一致させつつ上記濾
    板を締め付ける可動板を備えるようにしたフィルタプレ
    ス。
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