JP2602564Y2 - ハンドルの取付装置 - Google Patents

ハンドルの取付装置

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JP2602564Y2
JP2602564Y2 JP1993052124U JP5212493U JP2602564Y2 JP 2602564 Y2 JP2602564 Y2 JP 2602564Y2 JP 1993052124 U JP1993052124 U JP 1993052124U JP 5212493 U JP5212493 U JP 5212493U JP 2602564 Y2 JP2602564 Y2 JP 2602564Y2
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信行 光宗
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アイワ株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、携帯用のテープレコー
ダやビデオデッキ等に適用して好適なハンドルの取付装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】携帯用のテープレコーダやビデオデッキ
等の電気製品に、着脱式のハンドルが用いられることが
ある。図3は、携帯式のビデオデッキDに取付けられた
着脱式のハンドル10の一例を示す。このハンドル10
は、長尺な掴み部11と、掴み部11の両端から下方に
延びる一対の取付アーム12とを有する。そして取付ア
ーム12の先端がビデオデッキDにネジ13で取付けら
れている。
【0003】図4は従来のハンドル10の取付装置を示
す。ハンドル10の取付アーム12の先端には貫通孔1
6が形成されている。またネジ13は、大径のノブ17
とこれに同軸に設けられたネジ部18とからなり、この
ネジ部18が貫通孔16に挿入されている。そしてネジ
部18の先端には波形ワッシャ19が嵌め込まれてい
る。
【0004】一方、ビデオデッキDのキャビネット14
にはネジ孔15が形成されている。そして波形ワッシャ
19を取付アーム12とキャビネット14とで挟むよう
にして、ネジ部18をネジ孔15に螺入することによ
り、ハンドル10がビデオデッキDに取り付けられてい
る。なお図4ではビデオデッキDの右側のみを示した
が、ビデオデッキDの左側にも同様に取付アーム12が
取付けられている。
【0005】この取付装置で、波形ワッシャ19を使用
しているのは、ハンドル10とビデオデッキDとの間の
摩擦係数を高めて、ハンドル10がネジ13を中心にし
て回動する時に、適宜な抵抗が生じるようにするためで
ある。こうすることによって、ハンドル10を回動させ
るにはかなりのトルクが必要となるため、例えば、ハン
ドル10を掴んで一旦持上げたビデオデッキDを床に置
いてハンドル10から手を離しても、ハンドル10が不
用意に動かないようになっている。
【0006】従って、ハンドル10が回動してビデオデ
ッキDや床面にぶつかることが防止され、ハンドル10
を立てておけば再度ハンドル10を掴むのも容易にな
る。またビデオデッキDを運ぶ時にも、ハンドル10と
ビデオデッキDが一体的になり、ビデオデッキDがぐら
つかないので、ハンドル10を掴む腕に余計な力が加わ
らない。さらにビデオデッキDを寝かせて置いて、その
片側を持上げて支持するスタンドとして、ハンドル10
を用いることも可能になる。
【0007】このようにハンドル10とビデオデッキD
の間の摩擦係数を高めるため、波形ワッシャ19の代り
に、キャビネット14の取付アーム12との対向面に板
バネなどを一体的に設けることもある。
【0008】また、図5はハンドル10の取付装置の他
の例を示す。ここでは貫通孔16に軸受け用のブッシュ
29が嵌め込まれている。このブッシュ29の両方の端
部29a,29bの外径は中間部29cの外径よりも大
きく、中間部29cが取付アーム12に挿入されてい
る。これにより、ブッシュ29を貫通孔16に嵌め込ん
だとき、ブッシュ29が脱落しないようになっている。
【0009】
【考案が解決しようとする課題】ところで、図4に示す
ハンドルの取付装置においては、ネジ13の締結力によ
ってハンドル10とビデオデッキDとの摩擦力が決まる
ため、ネジ13の締め加減でハンドル10が取り扱いや
すくなったり、場合によっては取り扱いにくくなったり
するという問題があった。
【0010】またこの取付装置では、ネジ13を締め付
け過ぎると取付アーム12とノブ17との摩擦力が大き
くなって、ハンドル10を回動させた時に、ネジ13が
取付アーム12に従動して回転し、ネジ13が緩んでし
まうことがある。さらにネジ13の締付力が適性でも、
繰り返してハンドル10を回動させたときには、徐々に
ネジ13が緩んでしまうことがあった。
【0011】その一方、図5に示す取付装置において
は、ブッシュ29を貫通孔16に嵌め込む時、ブッシュ
29がその軸線方向に移動しやすいように、貫通孔16
はブッシュ29の中央部29cよりも大きな径になって
いる。従って、ブッシュ29の外周面と貫通孔16の内
周面との摩擦係数は低く、ハンドル10を繰り返し回動
させても、図4の取付装置のようにネジ13が緩んでし
まうようなことはないが、ハンドル10が容易に回転し
てしまう。
【0012】すなわち、従来はハンドル10を取り扱い
やすくするために、使用者がその都度ネジ13の締め加
減を微調整しなければならない上に、場合によってはネ
ジ13が緩んで外れてしまうという問題があった。
【0013】そこで本考案は、上述したような課題を解
決したものであって、ハンドルを取り扱いやすく、しか
も確実に取付けることが可能なハンドルの取付装置を提
供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
め、本考案では、本体に回動可能に取付けられるハンド
ルの取付装置において、上記ハンドルの貫通孔に配され
た円筒状の軸受ブッシュと、この軸受ブッシュに挿入さ
れ、上記本体に螺入される有頭ネジ部材とを有し、上記
有頭ネジ部材の本体への螺入により上記軸受ブッシュを
本体に固定するとともに、上記有頭ネジ部材を締め付け
ることにより上記軸受ブッシュに対して上記ハンドルが
所定の回転トルクで回転可能なように調節可能なことを
特徴とするものである。
【0015】
【作用】図1に示すように、ハンドル10の取付アーム
12の端部には貫通孔16が形成されている。貫通孔1
6には軸受け用のブッシュ19が所定の回転トルクで回
転可能に圧入されている。このブッシュ19にはネジ1
3が挿入されて、ネジ13の端部のネジ部18が、ビデ
オデッキDのキャビネット14に螺合されている。
【0016】これによりネジ13のノブ17とキャビネ
ット14とでブッシュ19が挟持されて、ハンドル10
がビデオデッキDに取付けられている。この取付装置で
は、貫通孔16にブッシュ19を圧入するので、ハンド
ル10とブッシュ19との間の摩擦力は一定の力で保た
れ、ネジ13とブッシュ19とビデオデッキDとが、ネ
ジ13の締付力による大きな摩擦力で一体化される。こ
のようにネジ13とブッシュ19とビデオデッキDを一
体化するには、ある程度以上ネジ13を締めるだけでよ
いので、ネジ13の締め加減を微調整する必要がなく、
ハンドル10の取付が容易になる。
【0017】ここでハンドル10とブッシュ19間の摩
擦力は、ブッシュ19とノブ17及びブッシュ19とキ
ャビネット14の摩擦力よりも小さいため、ハンドル1
0が回動してもブッシュ19が回動せず、従ってネジ1
3が緩むことが防止される。
【0018】またネジ13の中央には第一の円柱部23
と第二の円柱部24が設けられており、これらの間には
凹溝25が形成されている。またブッシュ19内には凹
溝25に係止される一対の突起26が設けられている。
このためハンドル10をビデオデッキDから外したとき
でも、ネジ13がブッシュ19から抜けてハンドル10
から脱落しないようになされている。
【0019】
【実施例】以下、本考案に係るハンドルの取付装置の一
実施例について、図面を参照して詳細に説明する。なお
上述と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付し
てその説明を省略する。
【0020】さて図1及び図2に示すように、取付アー
ム12の端部は薄肉に形成され、ここに円形で平坦な座
部21が形成されている。この座部21には、ネジ13
のノブ17が収められる。
【0021】取付アーム12の端部の取付孔である貫通
孔16の上下には、一対の縦長のスリット20が取付ア
ーム12に形成されている。また貫通孔16には軸受け
用の円筒状のブッシュ19の胴部19aが所定の回転ト
ルクで回転可能に圧入されている。この胴部19aの外
端部には、頭部19bが一体的に設けられている。
【0022】スリット20があるため、貫通孔16は半
径方向に大きな力を受けると僅かに広がるようになって
いる。ここで胴部19aは貫通孔16の直径とほぼ同一
の外径を有するが、貫通孔16が広がることによって、
胴部19aを貫通孔16に圧入することが可能である。
【0023】また、このようにスリット20のために貫
通孔16が広がるので、貫通孔16や胴部19aの直径
に若干の寸法誤差があっても、これに拘わりなく、胴部
19aが貫通孔16内で、あるトルクで回動可能になっ
ている。
【0024】図1に示すように、ブッシュ19の頭部1
9bは座部21に当接しており、胴部19aは貫通孔1
6を貫通し、胴部19aの左端部が取付アーム12から
突出している。このブッシュ19内には、頭部19b側
からネジ13が挿入されている。このネジ13は、円盤
状のノブ17から順に第一の円柱部23、凹溝25、第
二の円柱部24、及びネジ部18とが同軸上に連なって
いるものである。
【0025】第二の円柱部24はネジ部18の外径より
も大きな径を有しており、ブッシュ19内部に配されて
いる。一方、ブッシュ19の内周面の凹溝25と隣接す
る位置には、微小な突起26が一対、対称(図2)に形
成されている。図1に示すように、突起26の間隔は第
二の円柱部24の直径より僅かに小さくなされている。
【0026】このためネジ13をブッシュ19に挿入す
る時には、突起26が第二の円柱部24の左側のテーパ
面24aに当接するが、突起26が僅かに弾性変形する
ので、強制的にネジ13をブッシュ19に押込めば、突
起26が第二の円柱部24を越えて凹溝25に入り込
む。
【0027】この後は、突起26が第二の円柱部24の
右側のテーパ面24bに引っ掛かるようになり、このた
め上述と逆に、強制的にネジ13をブッシュ19に対し
て右方に引っ張らない限り、ネジ13がブッシュ19か
ら抜け出して脱落しないようになっている。これによっ
てハンドル10をビデオデッキDから外した後にハンド
ル10を振ったりしても、ネジ13の紛失を防止するこ
とができる。
【0028】そして、ネジ13のネジ部18がキャビネ
ット14のネジ孔15に強く螺合されることによって、
ネジ13のノブ17とキャビネット14とでブッシュ1
9が摩擦によりしっかりと挟持されて一体化し、これに
よってブッシュ19が圧入された取付アーム12がビデ
オデッキDに取付けられている。
【0029】ここでネジ13のノブ17はブッシュ19
の頭部19bに緊密に当接し、取付アーム12とは間隔
があいている。またキャビネット14はブッシュ19の
胴部19aの端部に緊密に当接し、これもハンドル10
とは間隔があいている。つまりノブ17とキャビネット
14が両方ともハンドル10には直接接触しないように
なっている。
【0030】なお図1は取付アーム12がビデオデッキ
Dの右側に取付けられた構造を示すが、ビデオデッキD
の左側にも同様に取付アーム12が取付けられており、
従来と同様に図3のようにハンドル10を掴んでビデオ
デッキDを携帯できるようになっている。
【0031】本実施例においては、ハンドル10が回動
する時には、取付アーム12の端部の貫通孔16の内周
面と、ブッシュ19の胴部19aの外周面とに、ブッシ
ュ19を圧入したために発生した摩擦力が作用してこれ
が回動時の抵抗力となる。すなわち上述のブッシュ19
を回動するのに必要な所定の回転トルクが、ハンドル1
0がブッシュ19の回りを回動する時の抵抗力になる。
【0032】こうすることによって、例えば図3に示す
ように、ビデオデッキDを床に立ててハンドル10から
手を離しても、ハンドル10が倒れないようになってい
る。従って、ハンドル10がビデオデッキDにぶつかる
ことが防止され、また再度ハンドル10を掴むのも容易
になっている。さらにビデオデッキDを運ぶ時にも、ビ
デオデッキDがぐらつかないので、これを掴む腕に余計
な力が加わらない。あるいは、ビデオデッキDを寝かせ
て置いて、その片側を持上げて支持するスタンドとし
て、ハンドル10を用いた場合、振動が加わってもその
ままの状態を維持することも可能である。
【0033】ハンドル10とブッシュ19との間の摩擦
力は、ブッシュ19の頭部19bとノブ17の摩擦力、
及びブッシュ19の胴部19aとキャビネット14との
摩擦力よりも小さくなるように設定される。つまりブッ
シュ19は、ノブ17及びキャビネット14との間に固
定され動かないようになっている。従って、キャビネッ
ト14、ブッシュ19、及びネジ13が一体的になり、
取付アーム12がブッシュ19の外周面を滑って回動す
ることになる。これによって、取付アーム12の回動動
作はネジ13にもキャビネット14にも伝わらず、ハン
ドル10の回動によってネジ13が緩むことはない。
【0034】また上述のように、ノブ17とキャビネッ
ト14とでブッシュ19をしっかりと挟持することによ
って、ブッシュ19と貫通孔16との摩擦力をそのまま
ハンドル10の回動時の抵抗力として利用するようにな
っているから、この抵抗力の設定は、非常に容易に行う
ことができる。また、この抵抗力はネジ13の締付具合
にはほとんど影響されないので、不特定の使用者が自由
に利用することができる。
【0035】さて上述の実施例においては、ネジ13の
ネジ部18に隣接して第二の円柱部24を設けている。
このためネジ13を締め付ける時に、万一ノブ17を回
し過ぎても、必ず第二の円柱部24がキャビネット14
に当接して、ネジ13がそれ以上奥(図1における左
方)に進まないようになっている。
【0036】これは、ネジ13を締め過ぎてブッシュ1
9が半径方向に膨張して、ハンドル10が回転不能にな
るのを防止しているのである。つまりネジ13の締付力
がある程度以上になると、ブッシュ19が半径方向に膨
張して、ブッシュ19と取付アーム12の貫通孔16と
の摩擦力が所定の回転トルクを越えてしまう。
【0037】しかし、このようにネジ13が進む限度を
設定したことによって、あまりにもブッシュ19が膨張
し過ぎて、ブッシュ19と取付アーム12が一体的に緊
密化することが防止されている。従ってハンドル10が
回転することができなくなったり、回転してもネジ13
が同時に回転して緩んでしまったりすることがない。さ
らにネジ部18及びネジ孔15のネジ山を破壊すること
も防止されている。
【0038】
【考案の効果】以上説明したように、本考案のハンドル
の取付装置は、本体に回動可能に取付けられるハンドル
の取付装置において、ハンドルの取付孔に円筒状の軸受
ブッシュを所定の回転トルクで回転するように圧入し、
軸受ブッシュを本体に固定して、ハンドルを取付けるよ
うにしたものである。
【0039】従って、本考案によれば、ハンドルに形成
された貫通孔の内周面と軸受ブッシュの外周面との摩擦
力がハンドルを回動させるときの抵抗力になるので、有
頭ネジ部材を締め付けることにより、抵抗力の設定、す
なわち回転トルクの設定が容易で、かつ、ハンドルが容
易に回転することを防止できる。更に、軸受ブッシュが
回転しないので、有頭ネジ部材も回転せず、ハンドル回
転時の有頭ネジ部材の緩みを防止できるなどの効果があ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係る実施例のハンドルの取付装置を示
す側断面図である。
【図2】図1のII−II線矢視図であって、実施例に用い
られるハンドル10の取付アーム12の側面図である。
【図3】ビデオデッキDに取付けられた一般的なハンド
ル10全体を示す正面図である。
【図4】従来のハンドル10の取付装置の一例を示す側
断面図である。
【図5】従来のハンドル10の取付装置の他の例を示す
側断面図である。
【符号の説明】
D ビデオデッキ 10 ハンドル 12 取付アーム 13 ネジ 14 キャビネット 15 ネジ孔 16 貫通孔 19 ブッシュ 25 凹溝 26 突起

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本体に回動可能に取付けられるハンドル
    の取付装置において、 上記ハンドルの貫通孔に配された円筒状の軸受ブッシュ
    と、 この軸受ブッシュに挿入され、上記本体に螺入される有
    頭ネジ部材とを有し、 上記有頭ネジ部材の本体への螺入により上記軸受ブッシ
    ュを本体に固定するとともに、上記有頭ネジ部材を締め
    付けることにより上記軸受ブッシュに対して上記ハンド
    ルが所定の回転トルクで回転可能なように調節可能なこ
    とを特徴とするハンドルの取付装置。
JP1993052124U 1993-09-27 1993-09-27 ハンドルの取付装置 Expired - Fee Related JP2602564Y2 (ja)

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