JP2602010B2 - 欠失した非感染性植物ウイルスゲノムまたはdnaの維持及び増殖のための方法及び再生された植物細胞,植物カルスまたは植物組織 - Google Patents

欠失した非感染性植物ウイルスゲノムまたはdnaの維持及び増殖のための方法及び再生された植物細胞,植物カルスまたは植物組織

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JP2602010B2 JP59164168A JP16416884A JP2602010B2 JP 2602010 B2 JP2602010 B2 JP 2602010B2 JP 59164168 A JP59164168 A JP 59164168A JP 16416884 A JP16416884 A JP 16416884A JP 2602010 B2 JP2602010 B2 JP 2602010B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は植物材料を増殖するとき、欠失した非感染性
植物ウイルスゲノムまたはDNAを維持及び増殖するため
の方法に関するものである。
新規なまたは改良された性質を有する植物材料は、植
物遺伝子材料の中に新規な遺伝の情報を入れたとき、ベ
クターとして遺伝子操作されたウィルスを使用すること
によって生産できる。
世界人口の急激な増加により、有用な植物の遺伝子の
改良は生物学研究の主要な焦点である。一方では、食
料、エネルギー及び原材料の代替再生可能源に対する研
究がある。例えば、新しい植物種、とくに病原菌(例え
ば植物病原昆虫、真菌、細菌、ビールスなど)、環境の
影響または位置の条件(例えば熱暑、寒冷、風、土壌条
件、湿気、乾燥など)に対する抵抗が増加したような有
用な性質を有するまたは葉、種子、塊茎、根、柄などで
の保存または貯蔵物質の形成が増加したハイブイッド
(hybrid)種である。他方、有用なバイオマス(biomas
s)に対す必要性の増大に加えて、製薬的に許容しうる
植物起源の有効成分及びその誘導体、例えばアルカロイ
ド、ステロイドなどに対しての必要性も増加している。
そして天然原料からの収量が低いため、それらは代替方
法たとえば遺伝子操作された植物種からの抽出によりし
だいに入手可能になってきている。
したがって、多数の植物種を選択的に操作することの
実務上の可能性に対する関心が増している。
この目的を達成するための1つの手段は、分離された
植物細胞に対する異種遺伝子の転移、遺伝子材料の複製
及び表現(expression)、並びに最初の細胞から細胞分
裂により形成された全ての娘細胞中の生殖及び維持であ
る。このような娘細胞は単細胞、組織培養物または完全
な植物の形態で存在してもよい。
分裂する植物細胞はウィルスの浸潤を妨げそしてウィ
ルスの生育性及び増加能力を部分的にまたは完全に抑制
する傾向を有する。
例えば、花キャベツモザイクウィルス(CaWV)は植物
の分化された細胞中で増殖し、そして全ての他の分化さ
れた細胞に感染することができるが、生長の中枢または
分裂組織例えば分裂する細胞は感染されないことは公知
である。従ってウィルスを含まない植物は分裂組織培養
物を通じてウィルスに感染された植物から再生されるこ
とができる。
従って新しい遺伝情報のための仲介物としてウィルス
を使用すると、そのウィルスが増殖する植物材料を浸潤
しないかまたはその中で死んでしまうであろうから、遺
伝的に変換された植物材料に導かれないであろうし、ま
た花キャベツモザイクウィルスを通じて増殖する植物細
胞の中に入れた遺伝材料は植物細胞の遺伝的材料の中に
吸収されないかまたは複製されないであろうことが期待
された。
しかし、ベクターとしてウィルスを使用して遺伝子植
物材料を変えるため、及び最初の植物材料の遺伝上同一
の子孫を生産するためには、自己複製するため及び新し
い寄主細胞を浸潤するための能力を失わせることなくウ
ィルスを培養することが必要である。
驚くべきことに、本発明者らは植物材料を分裂即ち増
殖する際に欠失した非感染性植物ウイルスゲノムまたは
DNAを培養すること、及び欠失した非感染性植物ウイル
スゲノムまたはDNAを植物ゲノムの中に入れることが可
能であることをここに見い出したものである。
従って、本発明は欠失した非感染性植物ウイルスゲノ
ムまたはDNAを含有する分離された植物原形質体、細胞
または組織を適当な培地で培養することよりなる、植物
材料を増殖する際の欠失した非感染性植物ウイルスゲノ
ムまたはDNAの維持及び増殖のための方法に関するもの
である。本発明方法はまた完全な植物を培養及び再生す
ることを包含する。そのようにして得られるある種の植
物は別のウィルスの感染に対して耐性がある(低構成交
叉)。
本発明の範囲内で、通常の自然条件下では生存が不可
能で、そして高度の再現性をもち、挿入した遺伝情報に
関して実質的に制限をもたないので、ウィルスまたはそ
れらのゲノムを含有する植物が疾病の症状を示さないよ
うな、全く感染性のないウィルス(欠陥ウィルス)を使
用することもできる。従って、欠陥ウィルス(defectiv
evivuses)は遺伝情報のためのベクターとして特に有利
に使用できる。さらに、欠陥ウィルスまたはそれらのゲ
ノムを含有する原形質体、細胞または組織から、植物病
原性ウィルスに耐性を有する完全な植物を再生すること
ができる。
感染されたカルス(calli)の細胞中のウィルス性DNA
の記録密度は非常に大きく、大部分は制限がないようで
ある。ウィルス性DNAはカプシッドにより包み込まれて
いない遊離の形態でここに存在する。
本発明の範囲内で、下記定義を適用する。
ウィルスゲノム: 最初のDNA 最初のRNA 1つの複製 cDNA の形態の1つのウィルスの遺伝情報 ウィルスゲノムの派生物: 欠失 突然変異体 新しい組み合せ 別の遺伝材料との組み合せ 原形質体: 細胞培養物または完全な植物に再生するための能力を有
する、細胞壁のない分離された植物 細胞 細胞培養物: 未分化状態の細胞の増殖する塊。
本発明方法のための適当な最初の植物材料は特に分離
された原形質体、好ましくは農芸的に栽培植物の原形質
体である。この意味において適当な培養植物は特にイネ
科、ナス科、キク科及びジュウジバナ科並びにマメ目の
植物である。
前記の群の具体例は例えばイネ科:小麦、ライ麦、大
麦、オート麦、稲、とうもろこし、モロコシ及びさとう
きび;ナス科:じゃがいも、トマト及びタバコ;キク
科:ひまわり、レタス(チシャ)、エンデビィ〔endiv
y;シコリウムエンディビア(Cichorium endivia)〕及
びカモミレ(カミツレ);ジュゥジバナ科:種々のキャ
ベツ及びビートの種々のもの並びに油及び薬味植物;及
びマメ目:大豆、ハウチワマメ、ルセルネ(lucerne
s)、えんどう豆、豆及び落花生である。
例えばアブラナ、かぶ、黒からしな、白からしな、並
びにキャベツ及びビートの種々のものからなるアブラナ
属の中では、特にブラシカラパ(Brassica rapa)、例
えばブラシカ ラパシーブイ シャスト ライト(Bras
sica rapa CV Jast Right)が特に選んで記載すべきも
のである。
本発明方法の好ましい具体例は欠失した非感染性植物
ウイルスゲノムまたはDNAを含有する単離された植物原
形質体、細胞または組織を培養することよりなる。
本発明方法の別の好ましい具体例によると、単離され
た植物原形質体、細胞または組織は欠失した非感染性植
物ウイルスゲノムまたはDNAを含有し、その欠失した非
感染性植物ウイルスゲノムまたはDNAは該原形質体、細
胞または組織の植物ゲノム中に入れられた遺伝材料を含
有している。そのウィルスは特にDNAウィルス、好まし
くはカリモウィルス(caulimoviruse)、最も好ましく
は花キャベツモザイクウィルスである。
注目に値にするウィルスゲノムは原始のウィルス性DN
A及びウィルス性RNAのDNA複製である。ウィルスゲノム
は遺伝子操作することができる。例えば、ウィルスゲノ
ムはそれらの病原性に限定されることができ、または挿
入された異質の遺伝子材料を含有することもできる。植
物由来の異種の遺伝子材料を挿入されたウィルスゲノム
を含有する植物体原形質体、細胞及び組織、好ましくは
ウィルスゲノムを含有する植物原形質体、細胞または組
織のものとは異なるゲノムを含む植物材料、即ち遺伝的
に異質の植物が遺伝子材料の受容体及び供給体として働
いている、単離された植物体原形質体、細胞及び組織を
培養するのが一般的に便利である。
入れられた異質の遺伝材料のための適当な担体は特に
DNAウィルス、好ましくはカウリモウィルス(caulimovi
ruses)、そしてそれらの中で最も好ましくは花キャベ
ツモザイクウィルスである。
本発明方法の特に好ましい具体例は、ゲノムがブラシ
カ ラパ(Brassica rapa)の原形質体、細胞または組
織のゲノムとは異なる植物体の異種遺伝材料を挿入した
花キャベツモザイクウィルスのゲノムを含有するブラシ
カ ラパ〔Brassica rapa:例えばBrassica rapa CV Jus
t Right〕の分離された植物原形質体、細胞または組織
を培養することよりなる。
単離された原形質体、細胞または組織の培養は公知方
法または公知方法に類似な方法により行うことができ
る。
単離される細胞及び組織のための適当な出発材料を構
成する単離された植物原形質体は植物の任意の部分、例
えば葉、茎、花、根、花粉または種子から得ることがで
きる。葉の原形質体を使用するのが好ましい。単離され
た原形質体はまたは細胞培養物から得ることもできる。
原形質体を単離する方法は例えばガムバルグ・オー・エ
ルとベッター・エル・アール著プラント テイシュ カ
ルチャー メンド・1975年・11ないし21頁〔Gamborg.O.
L.and Wetter,L.R.Plant Tissue Culture Methods,197
5,11−21〕に見い出すことができる。
植物材料の生成及び培養は下記の詳細に従って行なう
ことが便利であるが、これにより本発明がいかなる限定
をされるものでもない。
植物器官は−もし出発材料がすでに細菌した細胞培養
物から成るのでないならば−例えばエタノール、HgCl,C
a(OCl)または市販の漂白剤により処理することによ
って細菌し、次に細菌した水の中で注意深く洗わなけれ
ばならない。全てのその後の操作は完全に無菌の条件下
に行なわなければならない。細菌は使用する道具及び溶
液に対しても必要である。
組織集合体の細胞壁の破壊は酵素により、例えば微生
物培養液として市販されており、そして濃度範囲0.00
01ないし5%で使用されるセルラーゼ、ヘキセルラーゼ
またはペクチナーゼを使用することによって行なう(本
明細書において、特に言及しない場合は、パーセントは
重量による。)。
単離及びその後の培養の間に、植物細胞の膨圧圧力は
単離倍地及び培養倍地のより高い浸透圧により等しくさ
れなければならない。これは例えばマンニトール、ソル
ビトール、スクロース、グルコース、CaCl2または他の
中性塩イオンのような浸透活性物質を単独で、またはこ
れら相互及び/または単一の倍地と組み合わせて使用す
ることによって行なわれる。単離倍地及び培養倍地の浸
透圧は200ないし1000mOs/kgH2Oの範囲が好都合である
(Os=重量モル濃度=浸透活性粒子のモル/溶媒のk
g)。
酵素混合物は通常pH5.2ないし8.0の範囲、好ましくは
pH5.4に調節する。
便宜的に細かい部分に切断された組織(葉を使用する
ときは、表皮を除去することもできる。)の培養は一般
的な温度範囲5゜なしい40℃、通常24℃で行なう。培養
時間は酵素の濃度、培養温度、組織のタイプ及び組織の
分化の状態に依存する。培養時間は通常20分ないし数日
である。
培養後、原形質体は未消化の組織を除去するために培
養された材料をメッシュサイズ25ないし280μmのふる
いをとおして分離して、そして遠心分離することにより
濃縮される。原形質体が沈渣するかまたは浮子(floa
t)となるかはそれら自体の浮揚性比重、及び培養及び
洗浄溶液の密度による。その沈殿するかまたは浮く原形
質体は、浸透的な安定化された洗浄培養媒体(例えば糖
アルコール、糖または中性塩の溶液単独または溶液相互
及び/または培地との組み合せ;pH範囲5.4ないし6.5)
の中でそれらを懸濁及び遠心分離することによって繰り
返して洗い、引き続き培地中に取り出す。その後の培養
における重要な因子は原形質体の個体群密度、例えば培
地のミリリットル当りの原形質体の数である。その個体
群密度は有利には1ないし1×106/mlの範囲であり、最
適条件範囲は2×104/mlないし6×104/mlである。
培養の方法は容量範囲1μないし20μの液滴また
は懸濁する液滴によって、ペトリ皿中に薄い層として液
体培地中で培養することから凝固培地(寒天、アガロー
ス)中、または凝固培地と液体培地の組み合せ中で培養
することまで変化することができる。培養はペトリ皿、
マルチチトレ プレート(multititre plates)、コン
テナー、三角フラスコ、微小毛管(micro−capillarie
s)まはは被覆されたまたは被覆されていないプラスチ
ックまたはガラスであってもよい組織培養フラスコ中で
行なうことができる。
培養は通常温度範囲7゜ないし42℃、好ましくは24゜
ないし27℃6の範囲で行うことができる。温度は一定に
保つことも引き続いて変化させることもできる。
培養している間の光の条件は常に暗い状態から500な
いし5000Luxの範囲で常に明るい状態及び明/暗期間を
交互にする状態まで変化させてもよい。明/暗を交互に
連続するのが好ましい。
個々の成分または成分の群が異なっている広い範囲の
培地がすでに入手できる。しかし、全ての培地の組成は
下記の原則は従っている:それらは約10mg/ないし数
百mg/の濃度範囲の無機イオン群(いわゆる巨大要
素、例えば硝酸塩、燐酸塩、硫酸塩、カリウム、マグネ
シウム、鉄)、最大限で数mg/の別の無機イオン群
(いわゆる微量要素、例えばコバルト、亜鉛、銅、マグ
ネシウム)、及びいくつかのビタミン(例えばイノシト
ール、葉酸、チアミン)、スクロースまたはグルコース
のような炭素及びエネルギーの源、及び0.01ないし10mg
/の濃度範囲のオウキシン類及びシトキニン類から得
られる天然または合成植物ホルモンの形態の生長調節剤
を含有する。培地はさらに糖アルコール(例えばマンニ
トール)または糖(例えばグルコース)または塩イオン
(例えばCaCl2)を加えることによって浸透的に安定化
し、pH値5.6ないし6.5に調製する。
一般に使用される培地のさらに詳しい記載は例えばコ
ブリッツ・ハー著、メトー、ディシュアスペクテ デル
ツェルー ウント、ゲベーベ チュヒトング バイ
グラミニエン ウンター ベゾンデラー ベリュックズ
ィッヒティグング デル ゲトライデ、クルトールプラ
ンツェ(Methodisch Aspekte der Zell−und Gewebez
chtung bei Gramineen unter besontderer Bercksich
tfgung der Getreide、Kulturpflanze)XXII,1974,93な
いし157頁に見い出すことができる。
培養(culturing and incubation)条件例えば倍地の
温度及び周囲の温度、湿度、光の強さ及びその照射時
間、倍地の再補給若しくは再生またはそれらの組成の変
化は例えば原形質体の性質、欠失した非感染性植物ウイ
ルスゲノムまたはDNAのタイプ、植物材料及び/または
ウィルスゲノムの生長及び分裂の速度、残屑の量及び他
の要因のような個々の条件に適合されることができる。
単離された植物原形質体、細胞まは組織の培養は適当
な倍地、通常は凝固倍地中で行なわれる。
アガロースをゲル化剤として使用すると、著しく上首
尾である。栄養素培養基中のアガロース含量は通常0.4
ないし4%である。
アガロースは寒天の構成要素の1つである。市販品と
して利用できる寒天は主に中性アガロースと多数の結合
された側基を有するイオン性アガロペクチンの混合物よ
り構成されている。市販のアガロースは寒天から慣用の
商業生産的方法により得られる。通常側鎖の数はそのま
まであり、例えばゲル生成、融点及びゲル化温度のよう
な物理化学的性質を決定する。
低温で溶融及びル化するアガロースは例えば引き続い
てアガロース分子中にヒドロキシエチル基を導入するこ
とによって得ることができる。この方法で改質されたア
ガロースは本明細書を通じてLTM(低融)アガロースと
称する。
適当なアガロース製剤の例は下記のタイプである:シ
ープラク(Sea Plaque)LMT,LMP、タイプVII,HGT,HGTP,
LE標準LMTまたはシープレプ(Sea−Prep)。
欠失した非感染性植物ウイルスゲノムまたはDNAを含
有する原形質体、細胞または組織は種々の方法で倍地中
に入れることができる。例えば、その操作は欠失した非
感染性植物ウイルスゲノムまたはDNAを含有する原形質
体、細胞または組織を液体の、すでにゲル化剤を含有
し、冷やすと凝固する暖かい倍地の中に入れることがあ
ってもよい。しかし、ゲル化剤の入っていない液体倍地
中の欠失した非感染性植物ウイルスゲノムまたはDNAを
含有する原形質体、細胞または組織の懸濁液にゲル化剤
の入った液体倍地の別の部分を加え、そして完全に混合
した後その倍地を凝固するのが有利である。
欠失した非感染性植物ウイルスゲノムまたはDNAを含
有する原形質体、細胞または組織を含有する凝固された
倍地を液体倍地で取り囲むことによって特に良好な結果
が得られる。従って、例えば凝固された倍地を、深皿及
びプレート例えばバクテリアまたは酵母菌細胞を培養す
るためにも使用されるペトリ皿に取った後、その倍地が
凝固した後に切片に切断することができ、そしてその切
片は溶液倍地、好ましくは栄養素溶液に移される。液体
倍地または栄養素溶液に対する切片の容量割合は有利に
は1:20ないし1:100の範囲である。例えばジャイレ−ト
リ−振盪機で振盪することにより切片を含有する液体倍
地をかき混ぜるのが賢明である。凝固された倍地の分割
は通常倍地が固まってすぐかまたは固まってから4週間
内、好ましくは倍地が固まってから3ないし8日の間に
行なう。
切片は大きさ及び形状において均等にするのが好まし
い。それらは不規則または好ましくは規則的な構造例え
ば円錐体、立方体、角柱、平円盤及び球であってもよ
い。切片は一般に平均直径または断面径2ないし100m
m、好ましくは2ないし10mmを有する。
本発明方法の範囲内で、分離される前にウィルス感染
された原形質体、細胞及び組織または分離の前にまだウ
ィルスを含まず後に人工的にウィルスで感染された原形
質体、細胞及び組織の双方を使用することができる。
本発明方法はまた適当な倍地中にその突然変異体また
はそれらの派生物を含有する単離された植物原形質体、
細胞または組織を培養することによるウィルス突然変異
体の維持及び増殖をも包含する。ウィルスの突然変異体
は通常の自然条件下では生存できないもの、特に植物ウ
ィルスの突然変異体であってもよい。
原形質体、細胞または組織は原始のウィルス性DNAま
たは通常の自然条件下で生存できないようなウィルスの
突然変異体のRNAのDNA複数を含有することができ、また
はそのようなDNAウィルスの相当する突然変異体を含有
してもよく、特にこれらのDNAウィルスの代表的なもの
はカリモウィルス(Caulimoviruses)特に花キャベツモ
ザイクウィルスである。
本発明の範囲内には、もし欠失した非感染性植物ウイ
ルスゲノムまたはDNAを含有する植物細胞、植物組織ま
たは完全な植物がこれらの欠失した非感染性植物ウイル
スゲノムまたはDNAを含有する単離された植物原形質
体、特に栽培植物の原形質体から生産されたならば、そ
れを再生することも含まれる。
この関係において適当な培養される植物は特にイネ
科、ナス科、キク科及びジュウジバナ科並びにマメ目の
植物である。特に記載すべきジュウジバナ科の植物はア
ブラナ属のものであり、この関係においては好ましくは
ブラシカラパ(Brassica rapa)、例えばBrassica rapa
CV Jast Rightである。
ウィルスは特に植物ウィルスである。
再生された植物細胞、植物組織または完全な植物例え
ば原始のウィルス性DNA、ウィルス性RNAのDNA複製また
はDNAウィルス、特にカリモウィルス(Caulimoviruse
s)及び、最も特に花キャベツモザイクウィルスを含む
ことができる。花キャベツモザイクウィルスを含有する
ブラシカ ラパ(Brassica rapa)の再生された植物細
胞または組織は特に記載されるべきである。
さらに、再生された植物細胞または組織は植物細胞ま
たは組織のゲノムの中に入れられた遺伝材料を運ぶ欠失
した非感染性植物ウイルスゲノムまたはDNAを含有する
ことができ;またはそれらは遺伝子操作された欠失した
非感染性植物ウイルスゲノムまたはDNA例えばそれらの
病原性に限定されるかまたは好ましくは、植物のゲノム
が欠失した非感染性植物ウイルスゲノムまたはDNAを含
有する植物細胞または組織のゲノムと異なる植物に由来
する入れられた異質の遺伝子材料を含有するものを含有
することができる。従って再生された植物細胞または組
織は例えば入れられた異質の遺伝材料、特に植物のゲノ
ムが花キャベツモザイクウィルスを含有する植物細胞ま
たは組織のゲノムと異なる植物からの材料と一緒に花キ
ャベツモザイクウィルスのゲノムを含有することができ
る。
花キャベツモザイクウィルスを含有する植物は、本発
明においては、特にブラシカ ラパ(Brassica rap
a)、例えばブラシカ ラパ シーブイ ジャスト ラ
イト(Brassica rapa CV Jast Right)である。
本発明はまた欠失した非感染性植物ウイルスゲノムま
たはDNAを含み、培養による欠失した非感染性植物ウイ
ルスゲノムまたはDNA(雌雄生殖または植物生殖による
生産されてよいそれらの子孫を含む。)を含有する原形
質体から生産された再生された植物にも関するものであ
る。
別の見方をすれば、本発明は欠失した非感染性植物ウ
イルスゲノムまたはDNAを含む植物細胞または組織を該
欠失した非感染性植物ウイルスゲノムまたはDNAを含有
する分離された植物原形質体から生産及び培養するため
のアガロースの使用方法に関するものである。
本発明はさらにウィルス性のガラス器具内で生産され
た突然変異体の生殖にも関するものである。そのような
突然変異体は分離された植物原形質体を遺伝子操作され
たウィルスまたはウィルスゲノムで感染し、その感染さ
れた原形質体を適当な倍地、好ましくはアガロース−凝
固された倍地中で、植物を形成するために十分分化する
まで培養することによって増殖する。
本発明の別の目的は遺伝子操作された欠失した非感染
性植物ウイルスゲノムまたはDNAを使用して上記のよう
に増殖されたウィルス性のガラス器具内で生産された突
然変異体の原形質体変態系における使用方法に関するも
のである。
原形質体から形成された細胞培養物中のウィルス生産
は例えば2つの異なる方法で検出できる: a)細胞培養DNAを放射性の著しいウィルス性DNAと交雑
することによる、または b)健康な植物を細胞培養抽出物で再感染することによ
る。
原形質体の単離方法及びウィルス生産の検出方法は公
知である。しかし、個好の条件に従って方法を変えるの
が賢明である。
単離された原形質体の生産を下記に、より詳細に記載
する。次の実施例は原形質体及び細胞の増殖並びにウィ
ルス生産の検出に関するものである。
ブラシカ ラパ植物(かぶ)を温室内で栽培し、5−
葉期にウィルス学で慣用される方法の1つ(ウィルス懸
濁液を、カーボランダム粉末で機械的に傷つけることに
よって、葉の表面にすりつける。)により花キャベツモ
ザイクウィルスで感染する。浸透的に感染された植物を
下記条件下にさらに培養するために生長室に移す:明/
暗で12/12時間周期、光度5000Lux〔シルバニア(SILVAN
IA)昼光螢光管〕、昼の温度27℃及び夜の温度20℃、一
定の相対湿度70%、土/砂/芝生混合物の入った鉢中で
生成する植物を植物肥料濃厚物、例えばグリーンジット
(Greenzit )肥料溶液で1日2回の処理。原形質体は
下記のように人工的に感染された植物の12cm長の葉から
慣例的に分離される:その葉は水道水で洗い、0.5%の
次亜塩素酸カルシウム溶液で3分間殺菌し、次に殺菌し
た作業台で無菌条件下に殺菌した脱イオン水中で5回注
意深く洗う。その葉面を2cm幅のストリップに分割し、
それを重ねて非常に鋭いカミソリの刃で1mm幅の横断面
に切断する。その葉の横断したものを下記組成の浸透的
に安定な酵素溶液に移し、減圧−浸潤する:1%セルロー
ルオノズカ(ONOZUKA)R10+0.1%ペクチナーゼマケロ
ジメ(MACEROZYME)R10〔双方ともヤクルト製薬株式会
社(Yakult Pharmaceutical Industry Co.Ltd.)日本、
西宮、シンギカン町8−21〕をマンニトール0.45モル
(3容量)とCaCl20.17モル(1容量)の混合物に溶解
し、0.1モルのKOHでPHを5.4に調節する。酵素溶液の浸
透圧は約510mOs/KgH2Oである。組織のほとんどはその切
片を12℃で16時間培養することによって、分離された原
形質体に変える。その原形質体懸濁液は100μmの鋼製
の篩を通して過した残骸を取り除き、殺菌した遠心分
離管に移し、そして750gで10分間沈澱させる。その沈澱
された原形質体を殺菌したオスモティキューム〔osmoti
cum;0.175モルのCaCl2+0.5MES緩衝剤(MESは2−(N
−モルホリノ)エタンスルホン酸;シグマNO.M−825
0)、PH5.7;510mOs/KgH2Oに調製されている。〕に再懸
濁し、約500gで沈降すること及び、オスモティキューム
(osmoticum)中に再懸濁することにより3回洗う。次
にその原形質体を実施例1に記載する培地中に再懸濁
し、個体群密度8×104/mlに調整する。
実施例1 ブラシカ ラパ(Brassica rapa)の原形質体の培養 培地: カオ・ケー・エヌ(Kao,K.N.)著(1977),モレック
・ゲン・ゲネット(Molec.gen.Genet.)150,225ないし2
30頁及びコブリッツ・ケーとコブリッツ・ディー(Kobl
itz,K.and Koblitz,D.)著,(1982),プラント セル
レポート(Plant Cell Reports)1,147ないし150頁に
よる改良培地。
PH(KOH)5.8;520mOs/KsH2O; 全て溶解され、そして二酸化珪素処理による2回蒸留
−蒸留水(quartz double−disilled water)にて1000m
lに調製される。
培養法 上記培地中の原形体質の懸濁液2.5ml部を直径6cmのプ
ラスチックペトリ皿の中にピペットで入れ、さらに濃度
3%の溶けたシー プレーク アガロース(Sea Plaque
agarose,海水コロイド)を含有する同量の培地と混合
する。アガロース(agarose)を含有する培地の温度は
混合の前に40℃を決して越えてはいけない。この処理の
後に、原形質体はアガロース(agarose)1.5%を含有す
る固形培地中に個体群密度4×104/mlで存在する。原形
質体懸濁液を凝固した後、ゲル層を分け、直径10cmの無
菌のプラスチック容器中の上記液体塩地30mlに移しそし
て約40rpm及び24℃で連続的暗所にて旋回撹拌器で培養
する。3日ないし4日の一定期間をおいて、その液体培
地を同一の組成の新鮮な培地と交換する。14日間培養し
たのち、培地の浸透圧を、3週間以上培地中のグルコー
スの水準を順次減少させることにより250mOs/KgH2Oにま
で下げる。この処理によって、原形質体の40%までが肉
眼で見ることのできる細胞コロニーになった。
実施例2 ブラシカ ラパ(Brassica rapa)の細胞コロニーの
培養 培地: ニトスク・ジェー・ピーとニトスク・シー(Nitsch,
J.P.and Nitsch.C)著(1969)、サイエンス(Scienc
e)163,85−7による改良培地 PH(KOH)5.8 1気圧で20分間圧熱滅菌する。
培養法: 直径1mm以上になった実施例1で得た細胞コロニーを
上記の固定寒天培地の表面に移植し、さらに常時暗くし
て24℃で培養する。
20回以上の実験において、全く感染されていないブラ
シカ ラパ(Brassica rapa)植物及び花キャベツモザ
イクウィルスで感染されたブラシカ ラパ植物から得た
原形質体を、上記の方法で細胞培養に再生した。
実施例3: 細胞培養DNAを放射能性標識した花キャベツモザイク
ウィルスDNAと交雑することによるウィルス増殖の検
出。
DNA交雑のための水溶液: プロティナーゼ(Merck 24568): プロティナーゼK0.1mg/ml 0.1%アジドナトリウム 0.1%硫酸ドデシルナトリウム(=SDS) アルカリ溶液: 0.5MNaOH 1.5MNaCl 中性塩溶液: 3MNaCl 0.5Mトリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン 緩衝剤(=トリス−HCl−緩衝剤), PH7.0 方法 a) 実施例2の個々の細胞コロニーを各々2−メトキ
シエタノール1ml中で室温で5時間培養する; b) 2−メトキシエタノールを注意深く吸引除去し、
細胞コロニーを液体窒素中で凍らせる; c) 凍らせた細胞コロニーをエッペンドルフ管中で均
質に粉末化する; d) その粉末材料を水200μ中に懸濁して完全に混
合する; e) その試料をエッペンドルフ遠心分離機中で2分間
遠心分離する; f) その澄んだ上澄をDNA交雑のために使用する。
交雑: g) 上澄50μ部〔参照、上記f)〕をBRL点交雑シ
ステム〔BRL dot hybridisation;Bethesda Reserch Lab
oratories BRL NO.1050MM)の過室の中に入れるが、
そのフィルターは予め湿らせ、そして少し減圧する(水
流減圧); h) 水200μを加えそして試料を過する; i) 上記プロティナーゼK溶液150μを各々の室に
入れ、その系をプラスチックフィルムで包装し、一晩培
養する; j) プロティナーゼ溶液を吸引除去し、上記アルカリ
溶液150μで置き代えそしてその試料をさらに15分間
培養する; k) アルカリ溶液を吸引除去し、そして上記中性溶液
150μで置き代え、そして試料をさらに15分間培養す
る; l) その中性塩溶液を除去した後、フィルターを塩化
ナトリウム/クエン酸ナトリウム緩衝液(=SSC;H2O1
当りNaCl17.5g及びクエン酸ナトリウム8.8g:PHはNaOHで
7に調整する。)150μで5分間で2回洗う; m) SSCを除去した後、フィルターを80℃で2時間熱
する;そして n) 引き続き放射活性のCaMV DNAで交雑する; o) フィルター上の放射能はフィルムに暴露すること
によって視覚的に取らえられた; p) CaMVまたはCaMV DNAを含有する細胞培養からの抽
出物を放射性標識したCaMV DNAとフィルター上で交雑
し、現像されたフィルム上に黒点を呈する。BRL交雑点
システム(hybrid dot system)の個々の室に対応する
フィルム上の黒点の存在または不存在から、試験した細
胞コロニーのどれがCaMVまたはCaMV DNAを含有している
か検出することができる。
実施例4 細胞培養抽出物で健康な植物を再感染することによる
ウィルス増殖の検出 a) 実施例2の個々の細胞コロニーを各々2−メトキ
シエタノール1ml中で室温で5時間培養する; b) 2−メトキシエタノールを注意深く吸引除去し、
細胞コロニーを液体窒素中で凍らせる; c) 凍らせた細胞コロニーをエッペンドルフ管中で均
質に粉末化する; d) その均質化した試料を水200μ中に懸濁して完
全に混合する; e) その試料をエッペンドルフ遠心分離機中で2分間
遠心分離する; f) その澄んだ上澄を再感染検出のために使用する。
再感染: 完全に殺菌した条件下で上澄(参照上記f))をカル
ボランダムと一緒に、健康なブラシカ ラパ(Brassica
rapa)植物の葉の上側にすりつける。その植物を3な
いし4週間別のウイルスが感染しないように保ち、次に
ウィルスの症状(モザイクの症状、葉の葉状の透明度)
の発生を調べる。カルボランダムで処理した対照植物を
接種した植物と同一の条件下に保つ。健康な植物の葉に
上澄をすりつけた後にウィルスの症状が発生するかしな
いかは、その上澄が得られた細胞培養中に目に見えるCa
MV粒子が存在するかしないかの証拠となるものである。
上記試験の結果は多量のウィルスが、ウィルスに感染
された植物の原形質体から再生された細胞培養物の約5
%中に、形成されたことを示した。
実施例5 植物組織中の細胞コロニーのためのベクターとして非
感染性ウィルスの突然変異体を使用。
CaMV DNAを含有するブラシカ ラパ(Brassica rap
a)の異なるカルス分枝系(Callus clones)から取り出
した汁液試料を、健康なブラシカ ラパ(Brassica rap
a)植物の葉の上面にすりつける。その植物を3ないし
4週間別のウィルスが感染する可能性がないように保
ち、次にウィルスの症状の発生を検査する。
コロニーの50%が感染性であり、これらの分枝系の汁
液で処理した植物はCaMV感染の通常の症状を示す。これ
らの植物のウィルス性DNAは感染のために使用される汁
脂試料のウィルス性DNAと全く同じ制限様式を有する。
コロニーの30%は非感染性であり、DNAの分析はウィ
ルスゲノムが欠失していることを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヒデアキ シンシ スイス国,4102 ビニンゲン,ホーレー ホルツベーグ 61 (72)発明者 イーザベル ロゼオ フランス国,68200 ミユルハウス,リ ユー フランクリン 69 (72)発明者 トーマス ホーン スイス国,4103 ボトミンゲン タルマ ツトベーグ 11 (72)発明者 インゴ ポトリクス スイス国,4312 マグデン,イム スチ グラー 54

Claims (18)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】植物材料を増殖する際に欠失した非感染性
    植物ウイルスゲノムまたはDNAを維持または増殖するた
    めの方法であって; 植物原形質体、細胞または組織の培養で常用される適当
    な栄養素培地中で、欠失した非感染性植物ウイルスゲノ
    ムまたはDNAを含有する増殖している単離した植物原形
    質体、単個植物細胞または植物組織を培養することより
    なる方法。
  2. 【請求項2】欠失した非感染性植物ウイルスゲノムまた
    はDNAを含有する単離した植物原形質体、細胞または組
    織を、 (a)液体培養地中で; (b)適当な体積の液滴または懸濁液滴を介して; (c)凝固培地中で;または (d)凝固及び液体培地の組み合わせの中で、 培養することからなる特許請求の範囲第1項記載の方
    法。
  3. 【請求項3】欠失した非感染性植物ウイルスゲノムまた
    はDNAを含有する単離した植物原形質体、細胞または組
    織を、適当な液体栄養素培地中に入れ、該培地をアガロ
    ースで凝固し、固定化後のアガロースで凝固した栄養素
    培地を切断し、そして切片を、植物原形質体、細胞また
    は組織の培養で常用される適当な栄養素溶液中に移すこ
    とからなる特許請求の範囲第2項記載の方法。
  4. 【請求項4】欠失した非感染性植物ウイルスゲノムまた
    はDNAを含有する単離した植物原理質体を培養すること
    からなる特許請求の範囲第1項記載の方法。
  5. 【請求項5】単離した植物原形質体から、欠失した非感
    染性植物ウイルスゲノムを含有する植物細胞または植物
    カルスを再生することからなる特許請求の範囲第4項記
    載の方法。
  6. 【請求項6】欠失した非感染性植物ウイルスゲノムまた
    はDNAを既に含有している単離した植物原形質体、細胞
    または組織を使用することからなる特許請求の範囲第1
    項記載の方法。
  7. 【請求項7】人工的に導入された欠失した非感染性植物
    ウイルスゲノムまたはDNAを含有する単離した植物原形
    質体、細胞または組織を使用することからなる特許請求
    の範囲第1項記載の方法。
  8. 【請求項8】欠失した非感染性植物ウイルスゲノムまた
    はDNAが使用され、その欠失は欠損、突然変異、組換え
    または外来遺伝子材料との組み合せに由来する特許請求
    の範囲第1項記載の方法。
  9. 【請求項9】欠失した非感染性植物ウイルスゲノムまた
    はDNAが遺伝子操作された外来遺伝子材料を含有してい
    る特許請求の範囲第1項記載の方法。
  10. 【請求項10】外来遺伝子材料が、欠失したウイルスゲ
    ノムまたはDNAを含有する植物材料のゲノムに関して異
    なる起源である特許請求の範囲第9項記載の方法。
  11. 【請求項11】上記の単離した原形質体、細胞または組
    織が栽培植物からのものである特許請求の範囲第1項記
    載の方法。
  12. 【請求項12】欠失した非感染性植物ウイルスゲノムま
    たはDNAを含有する単離した植物原形質体、細胞または
    組織が、葉、茎、花、根、花粉と種子からなる群から選
    択された植物の適当な部分から誘導されている特許請求
    の範囲第1項記載の方法。
  13. 【請求項13】それら自身のDNA中に、欠失した非感染
    性植物ウイルスゲノムまたはDNAを安定に組み込んで含
    有している、単離した植物原形質体、細胞または組織
    を、培養することからなる特許請求の範囲第1項記載の
    方法。
  14. 【請求項14】欠失した非感染性植物ウイルスゲノムま
    たはDNAが、植物DNAウイルスを起源とする特許請求の範
    囲第1項記載の方法。
  15. 【請求項15】欠失した非感染性植物ウイルスゲノムま
    たはDNAが、ウイルスRNAのDNA複写物である特許請求の
    範囲第1項記載の方法。
  16. 【請求項16】欠失した非感染性植物ウイルスゲノムま
    たはDNAを含有しそして欠失した非感染性植物ウイルス
    ゲノムまたはDNAを含有する単離した植物原形質体から
    誘導された、再生された植物細胞、植物カルスまたは植
    物組織。
  17. 【請求項17】欠失した非感染性植物ウイルスゲノムま
    たはDNAが植物ゲノム中に安定に組み込まれている、特
    許請求の範囲第16項記載の再生された植物細胞、植物カ
    ルスまたは植物組織。
  18. 【請求項18】欠失した非感染性植物ウイルスゲノムま
    たはDNAが、遺伝子操作された外来遺伝子材料を含有し
    ている特許請求の範囲第16項または第17項に記載の植物
    細胞、植物カルスまたは植物組織。
JP59164168A 1983-08-04 1984-08-04 欠失した非感染性植物ウイルスゲノムまたはdnaの維持及び増殖のための方法及び再生された植物細胞,植物カルスまたは植物組織 Expired - Lifetime JP2602010B2 (ja)

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