JP2601853Y2 - 薄肉プラスチック製計量容器 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、合成洗剤等の粉末物質
の計量用具として適宜使用できる、シート成形により成
形された薄肉プラスチック製計量容器に関するものであ
る。

【０００２】

【従来の技術】一般に、従来市販の粉末洗剤等の粉末物
質には、その使用の便宜を図るために計量用の容器が包
装容器内に粉末洗剤等と共に入れられていたり、あるい
は包装容器の蓋体の裏面または包装容器の外側に取り外
し可能なように仮止めされている。このような粉末洗剤
等の計量容器としては、安価に製造でき、包装容器内に
粉末洗剤が残っている限り破損等せずに使用できるもの
が好ましく、従来より計量容器の素材としてプラスチッ
ク製のものが使用されている。

【０００３】計量容器の素材がプラスチックであると、
このような計量容器は日常的に使用され、そして、使い
捨てされることが多分にあるために、計量容器の廃棄処
理の困難なことが近年の環境問題となっていた。

【０００４】また、計量容器の素材をプラスチック製か
ら紙製に変えることにより上記の問題を解決しようとし
たが、紙製の計量容器ではプラスチック製の計量容器に
比べ耐久性、耐水性等が弱く、計量容器として使用する
ことができなかった。

【０００５】このため、シート成形により計量容器を成
形し、計量容器の側壁等を薄くすることにより、プラス
チックの使用量を軽減させようとした。

【０００６】

【考案が解決しようとする課題】しかしながら、シート
成形により成形した計量容器はプラスチックの使用量を
減らすことはできたが、プラスチックを減らしたために
計量容器の側壁および摘み部の厚さは薄くなり、計量容
器の耐久性が低くなる。そのため、計量容器を数回使用
するだけで、計量部に粉末洗剤等を入れ計量する時に、
計量部の形状が崩れたり、計量部のフランジと摘み部の
結合部が折れたりする問題が生じた。このため、計量容
器の破損等の問題を無くすためには、側壁および摘み部
を厚くしなくては成らず、プラスチックの使用量は従来
の計量容器と変わらないものとなってしまった。

【０００７】本発明は上記問題を解決するためになされ
たもので、側壁および摘み部等の厚さを薄くしても、耐
久性、耐衝撃性、座屈強度等に優れ、プラスチックの使
用量を軽減することを目的とする、薄肉プラスチック製
計量容器を提供するものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに本考案の請求項１に係る考案は、摘み部を計量部の
フランジの一部に設け、該計量部の両側の側面に計量部
底面からフランジまでに少なくとも１本以上補強柱を設
け、前記計量部底面から摘み部にわたる補強リブを設け
た薄肉プラスチック製計量容器において、前記補強リブ
を計量部底面から摘み部の先端近傍まで少なくとも２本
設け、該補強リブの間に前記計量部底面から内側に傾斜
面を有する傾斜補強部材を側面の中央付近まで設け、補
強リブの間に外側に窪んだ補強溝を傾斜補強部材上端か
ら摘み部のほぼ先端まで設けたことを特徴とする薄肉プ
ラスチック製計量容器である。

【０００９】次に本考案の請求項２に係る考案は、摘み
部を計量部のフランジの一部に設け、該計量部の両側の
側面に計量部底面からフランジまでに少なくとも１本以
上補強柱を設け、前記計量部底面から摘み部にわたる補
強リブを設けた薄肉プラスチック製計量容器において、
前記補強リブを計量部底面から摘み部の先端近傍まで少
なくとも２本設け、該補強リブの間に底面から内側に段
形状補強部材を壁面の中央付近まで設け、前記補強リブ
の間に外側に窪んだ補強溝を摘み部の先端近傍から段形
状補強部材上端まで設けたことを特徴とする薄肉プラス
チック製計量容器である。

【００１０】また本考案は、上記請求項１又は請求項２
に係る考案の薄肉プラスチック製計量容器において、前
記摘み部の外周に、前記補強リブに連設して外周リブを
設けたことを特徴とする薄肉プラスチック製計量容器で
ある。

【００１１】

【作用】本考案の薄肉プラスチック製計量容器は、側壁
および摘み部の厚さを薄くすることにより、プラスチッ
クの使用量を軽減することができる。

【００１２】側壁および摘み部に補強郎材を設けている
ので、使用中に計量容器と摘み部のつなぎ部分が折れる
ことはない。

【００１３】

【実施例】 以下、添付図面を参照して本考案を詳しく説
明する。

【００１４】本考案では、ポリプロピレン、ポリスチレ
ン、アモルファスポリエチレンテレフタレート、ポリ塩
化ビニル等シート成形に適したプラスチックが使用され
る。

【００１５】本考案の薄肉プラスチック製計量容器の厚
さは、計量部の大きさによって変化させることができ
る。しかし、容器の強度を高くするために、側壁および
摘み部を厚くすると、従来の容器のプラスチック使用量
とはぼ同量になることより、本願考案の薄肉プラスチッ
ク製計量容器の厚さは、約０．３〜１．０ｍｍの間にす
ることが望ましい。各実施例の成形前のシート厚さはポ
リプロピレンを使用した場合が０．６ｍｍであり、ポリ
ステレンを使用した場合が０．５ｍｍである。

【００１６】本考案の薄肉プラスチック製計量容器は、
真空成形により成形される。

【００１７】本考案の側壁は、周縁に設けられたフラン
ジから底面に向けて、テーパー形状をしている。これ
は、容易に計量容器を積み重ねることができるためであ
る。

【００１８】図１から図４は本考案の薄肉プラスチック
製計量容器の実施例の構成を示す斜視図である。

【００１９】摘み部（４）を計量部（１）のフランジの
一部に設け、計量部（１）の両側の側面の内側に底面か
らフランジまで少なくとも１本以上内側に膨らんでいる
補強柱（２）を設け、計量部（１）の底面から摘み部
（４）にわたって補強リブ（３）を少なくとも２本設け
ることが、本考案の実施例の同一構成である。また、計
量容器を容易に重ね合わせることができるように、計量
部（１）の側面は底面に向けて内側に傾斜している。

【００２０】本考案の薄肉プラスチック製計量容器を、
実施例に従って以下に詳細に説明する。

【００２１】＜第１実施例＞ 図１は本考案の薄肉プラスチック製計量容器の第１実施
例の構成を示す斜視図である。

【００２２】すなわち本実施例の構成は、上記の構成を
含めて２本の補強リブ（３）を計量部（１）の底面から
摘み部（４）の先端近傍まで設け、この２本の補強リブ
（３）の間に計量部（１）の底面から計量部の内側に傾
斜面を有する傾斜補強部材（６）を、摘み部（４）の設
けられている側壁の中央付近まで設け、補強リブ（３）
の間に外側に窪んだ補強溝（５）を傾斜補強部材（６）
上端から摘み部（４）のほぼ先端まで設けた計量容器で
ある。そして、補強溝（５）の底部は下端から上端に向
かって折れ目の無い曲線形状をしている。傾斜補強部材
（６）は、計量部（１）の底面部分では、傾斜補強部材
（６）を挟んでいる補強リブ（３）の幅と略同じ横幅を
持ち、また、補強溝（５）に接する上部まで上記の幅の
まま形成されるか、あるいは、上部を補強溝く５）の幅
と略同じ幅になるように狭められて形成されることもあ
る。

【００２３】本実施例は、上記のような構成にしたこと
により、計量時に計量部（１）に計量物質の重量が掛か
ったとしても、補強リブ（３）、補強溝（５）により、
計量部（１）と摘み部（４）のつなぎ部分が補強されて
いるため、つなぎ部分や摘み部（４）が折れることはな
い。特に補強溝（５）の底面が折れ目の無い曲線形状と
なっているので、より折曲がりしにくくなっている。ま
た、傾斜補強部材（６）は、補強溝（５）を設けたこと
による横方向への折れ曲がりを防止するために設けた部
材であって、この傾斜補強部材（６）を設けることによ
り、横方向に計量物質をすくった時も、計量容器が折れ
曲がったりせず、すくうことができる。

【００２４】＜第２実施例＞ 図２及び図３は本考案の薄肉プラスチック製計塁容器の
第２実施例の構成を示す斜視図である。

【００２５】すなわち本実施例の構成は、上記の構成を
含めて摘み部（４）に設けられている２本の補強リブ
（３）の間に底面を上端から下端に向かって曲線状に成
形し、外側に窪んだ補強溝（５）を、摘み部（４）のほ
ぼ先端から側壁の中央付近まで設け、補強リブ（３）の
間に底面から側面の内側に沿って段形状補強部材（７）
を補強溝（５）の下端に接する位置まで設けた計量容器
である。この段形状補強部材（７）は、図２に示されて
いるように、補強リブ（３）の間の補強溝（５）の幅の
大きさに合わすこともでき、あるいは、図３に示されて
いるように、両側の補強リブ（３）に接する位の幅に合
わすこともできる。

【００２６】本実施例は、上記のような構成にしたこと
により、計量時に計量部（１）に計量物の重量が掛かっ
たとしても、補強リブ（３）、補強溝（５）により計量
部（１）と摘み部（４）のつなぎ部分が補強されている
ため、つなぎ部が折れることはない。特に補強溝（５）
の底面が折れのない曲線形状となっているので折れ曲が
りにくくなっている。また、摘み部（４）に補強リブ
（３）、補強溝（５）を設けたことにより、計量物質の
重量により摘み部（４）が折れることはない。また、段
形状補強部材（７）は、補強溝（５）を設けたことによ
る横方向への折れ曲がりを防止するために設けたもので
あって、この段形状補強部材（７）を設けることによっ
て、横方向に計量物質をすくった場合にも、計量容器は
折れ曲がらずに、すくうことができる。

【００２７】＜第３実施例＞ 図４ は本考案の薄肉プラスチック製計量容器の第３実施
例の構成を示す斜視図である。

【００２８】すなわち本実施例の構成は、第１実施例の
摘み部（４）を細長くし、２本の補強リブ（３）の摘み
部（４）側の先端を摘み部（４）の外周に沿わせて連結
し、外周リブ（１１）とした計量容器である。

【００２９】本実施例は、上記のような構成にしたこと
により、計量時に計量部（１）に計量物の重量が掛かっ
たとしても、補強リブ（３）により補強部（１）と摘み
部（４）のつなぎ部分が補強されているため、つなぎ部
分が折れることはない。また、摘み部（４）が長くなっ
たとしても、外周リブ（１１）が補強リブ（３）に連続
して設けられているので、摘み部（４）が折れ曲げに強
い構造となっている。

【００３０】また、ここでは外周リブを第１実施例を例
にとって説明したが、これに限らず第２実施例の計量容
器にも設けることは可能である。

【００３１】

【考案の効果】以上説明したように、本考案の薄肉プラ
スチック製計量容器は、計量するときに計量物の重量の
掛かる部分を補強しているために、容器が破損すること
なく使用することができる。

【００３２】計量部の側壁および摘み部の厚さを薄くし
たことにより、プラスチックの使用量を軽減することが
できた。また、プラスチックの使用量を軽減したことに
より、計量容器を値段を安価にすることができ、また各
部材を内側、外側が窪ませてあるので、容易に重ね合わ
せることができ、機械により容易に充填できるので作業
効率を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の薄肉プラスチック製計量容器の第１実
施例の構成を示す斜視図。

【図２】本考案の薄肉プラスチック製計量容器の第２実
施例の構成を示す斜視図。

【図３】本考案の薄肉プラスチック製計量容器の第２実
施例の構成を示す斜視図。

【図４】本考案の薄肉プラスチック製計量容器の第３実
施例の構成を示す斜視図。

【符号の説明】

１…計量部 ２…補強柱 ３…補強リブ ４…摘み部
５…補強溝６…傾斜補強部材 ７…段形状補強郭材 １
０…窪み補強部 １１…外周リブ

Claims (3)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】摘み部を計量部のフランジの一部に設け、
   該計量部の両側の側面に計量部底面からフランジまでに
   少なくとも１本以上補強柱を設け、前記計量部底面から
   摘み部にわたる補強リブを設けた薄肉プラスチック製計
   量容器において、前記補強リブを計量部底面から摘み部
   の先端近傍まで少なくとも２本設け、該補強リブの間に
   前記計量部底面から内側に傾斜面を有する傾斜補強部材
   を側面の中央付近まで設け、補強リブの間に外側に窪ん
   だ補強溝を傾斜補強部材上端から摘み部のほぼ先端まで
   設けたことを特徴とする薄肉プラスチック製計量容器。
2. 【請求項２】摘み部を計量部のフランジの一部に設け、
   該計量部の両側の側面に計量部底面からフランジまでに
   少なくとも１本以上補強柱を設け、前記計量部底面から
   摘み部にわたる補強リブを設けた薄肉プラスチック製計
   量容器において、前記補強リブを計量部底面から摘み部
   の先端近傍まで少なくとも２本設け、該補強リブの間に
   底面から内側に段形状補強部材を壁面の中央付近まで設
   け、前記補強リブの間に外側に窪んだ補強溝を摘み部の
   先端近傍から段形状補強部材上端まで設けたことを特徴
   とする薄肉プラスチック製計量容器。
3. 【請求項３】前記摘み部の外周に、前記補強リブに連設
   して外周リブを設けたことを特徴とする請求項１又は請
   求項２記載の薄肉プラスチック製計量容器。