JP2601635C - - Google Patents

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JP2601635C
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Japan
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mold
melt
product
molding
cycle time
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ベクトン・ディッキンソン・アンド・カンパニー
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【発明の詳細な説明】 【産業上の利用分野】 本発明は、プラスチックの成形に関し、更に詳しくはシンジオタクチックポリ
プロピレンおよびその成形方法に関する。 【従来の技術】 成形は、溶融または可塑化された高分子物質を金型へ押し込み、ここで金型の
キャビティを複製する形状を有する固体状態で除去されるまでこれを保持する方
法である。方法は、三つの基本的操作からなる:(1) 加圧下に金型キャビティへ
プラスチックが流れ込む点までその温度を上げ、(2) 加熱を除き加圧を維持する
間、プラスチックを金型中で固化させ(通常、保持時間と言われる)、そして(3)
金型を開放して金型の形状に永久的に凍結したプラスチックを突出する。成形操
作の生産性は、プラスチックの溶融速度、射出および突出の速度および金型にお
いて製品を冷却し固化するのに必要な保持時間による。すなわち、成形技術にお
いて、サイクル時間は型締め時間から型締め時間までの成形プレスの一つの完全
な操作に必要な時間として定義される。殆どの成形操作において、サイクル時間
の大部分は保持時間であり、これは一般にサイクル時間の80 %までを占め、95 %
ほどの高率になることもある。 ポリプロピレン(PP)は、食品包装工業用の容器およびフィルムのような製品の
ための成形および突出操作において長いこと使用されてきており、三つの形態で
存在することが知られている。アイソタクチックポリプロピレン(IPP)において
、メチル基はポリマー鎖を通る仮想平面の同じ側に連続するモノマー単位の第三
炭素原子に接続している。シンジオタクチックポリプロピレン(SPP)は、ポリマ
ー鎖の側に交互に接続するメチル基を有する。アタクチックポリプロピレン(A PP)はポリマー鎖に関しランダムに接続するメチル基を有する。APP は低融点の
実質的に蝋状物質であり、一方SPP およびIPP は結晶質でありより高い融点であ
る。 PPの通常の成形および突出する銘柄品はすべて殆どアイソタクチックであり、
チーグラー・ナッタ重合触媒を用いて合成される。特定の重合触媒および条件に
応じて、これらの生成物は別の形状のモノマー単位の制限された量を含む。 長年の間、様々な程度のシンジオタクチック純度で知られているとはいえ、SP
P は最近まで実験室的興味だけであった。シンジオ特異的メタローセン触媒を用
いた方法により作られる並外れて高いシンジオタクチック純度の新規結晶性SPP
が、米国特許第 4,892,851号においてエウェン(Ewen)らにより開示されており、
これは参考としてここに編入される。生成物はIPP より融点が高くそして結晶化
熱が低いと記載されている。 ヨーロッパ特許出願第428,972 号は、エウェンらのSPP で作られたシートの透
明性を向上する方法を開示している。 1993 年4 月30日に出願された係属出願第08/054,476号には、サイクル時間の
非常に低下したシンジオタクチックポリプロピレン組成物が開示されている。 【発明の概略】 溶融物を約27 - 77 ℃の加工温度で金型に維持する場合、純粋なSPP の溶融物
の結晶化速度を予想外に促進することにより非常に高い生産性の成形方法が得ら
れる。この開示において、加工温度は金型における溶融物の温度である。成形を
この加工温度の範囲内で行う場合、サイクル時間は、それより低いかまたはより
高い加工温度で純粋なSPP を成形するサイクル時間より5 倍まで短縮される。 本発明の方法により成形された製品は、優れた引張強度、弾性率および耐衝撃
性を有し、とりわけ透明性に優れ、そして別の透明剤を添加することなくまたは
成形後の加工作業を行うことなく使用するのに十分透明である。 【発明の構成および効果】 本発明は多くの異なった形態の実施態様により満足される一方、ここでの開示
は本発明の原則の例示として考えるべきもので本発明を説明しそして記載した実
施態様に制限することを意図するものではないことを理解しつつ、本発明の好ま
しい実施態様をここで詳細に記載する。発明の範囲は特許請求の範囲およびそれ らの均等物により決められるであろう。 本発明はいずれかのサイズまたは形状の製品へSPP を成形する方法を意図する
ものである。好ましい製品は内部を透視できることが要求される医療製品である
。最も好ましい製品は約2 mm以下の壁厚を有し、たとえば採血管、遠心分離管、
培養びん、注射器ストッパーおよびバレル等である。 成形品において、IPP 組成物を冷却金型へ射出し、固化工程を促進するために
射出後溶融物を急冷することは一般的である。純粋なSPP の溶融物は冷却金型へ
射出されると、非常にゆっくり結晶化し、突出する前に長い保持時間が必要とな
ることがわかっている。すなわち、前記の米国特許第4,892,851 号のSPP から加
工温度40°F(4.4℃)で約2 mm厚さのプラークを成形するためには少なくとも16
5 秒のサイクル時間が必要である。通常の核剤、たとえばソルビトールはこの成
形サイクル時間を短縮しない。さらに、これらの通常の条件下でのSPP の成形は
困難でそして成形されたプラークは満足すべき透明度とはいえ不均一で表面が波
打っている。冷却および結晶化後、金型へプラークが粘着し突出を困難にする。 本発明の方法によれば、SPP は特定の温度範囲内で成形される。好ましくは、
SPP をその融点以上に加熱し、そして溶融物の流れを起こすのに十分なノズル温
度と圧力のいずれかの組合せにて溶融物をノズルを介して金型へ射出した。好ま
しくは、溶融物はノズル温度 200℃以上、最も好ましくは約 220−250℃以上で
ある。約 1-50、好ましくは約 3- 30g/分の溶融物流量が射出に対して使用され
る。 金型へポリマー溶融物を射出する前に、金型を所望の加工温度に達するのに十
分な成形温度までに調節するのが好ましい。成形装置における循環液体の温度に
より決定されるので、金型の温度は還流損失を考慮して加工温度より若干高めに
するのが有利である。次いで、結晶化が生じるまで溶融物を加工温度に保つ。次
いで金型を開け、製品を取り除く。当業者は、所望の加工温度を達成するであろ
うノズル温度、金型温度、圧力および流量の様々な組合せを簡単に判断するであ
ろう。 約27〜77℃の加工温度によりサイクル時間が150 秒未満で曇り度38 %未満とな
ることがわかっている。好ましい加工温度は 49 〜77℃の間で、ここでサイクル 時間50秒未満で曇り度約31 %未満が達成される。最も好ましくは、加工温度は49
〜70℃で、サイクル時間39秒以下および曇り度26 %未満である。 成形されるSPP はさらにポリオレフィン技術で公知の通常の添加剤のいずれか
、たとえば放射線安定剤、充填剤、着色剤、帯電防止剤、湿潤剤および核剤等の
有効量を含んでもよいが、ただし所望の物理的特性、透明度および成形適性に悪
影響を与えないという条件である。SPP 組成物に含まれるこれら添加剤の好適な
量の決定は、ポリマーおよび成形技術で熟練した者の範囲内である。 物理的特性、透明度および成形サイクル時間について本発明のサンプルの試験
は、成形された1 および2 mm段付きプラークにおいて行われた。透明度は通常の
曇り度パーセントとして表され、ASTM D-1003により測定される。サイクル時間
は実施例2 で記載されているように2 mmの段付きプラークにおいて測定される。 以下の実施例により本発明をさらに記載するが、本発明を限定するものと考え
るべきではない。 【実施例】 実験 A.SPP成形材料:融点125 ℃のSPP(エクソン);立体障害アミン安定剤チヌビン(
TINUVIN)(商標名)622(チバ・ガイギー)0.08重量 %;ステアリン酸ナトリウム
0.08 %。 B.成形装置- アドバンテージ(ADVANTAGE)(商標名)冷却機(アドバンテージ エ
ンジニアリング社、インディアナ州 グリーンウッド)と組み合わせたアルバー
グオールラウンダー(ALLROUNDER)(商標名)170-90-200 射出成形機。 実施例1 成形の一般的方法 1 mmおよび2 mmの段付きプラーク金型を、以下の表に示す溶融加工温度を与え
るのに十分な成形温度になるまでアドバンテージ(商標名)冷却機で平衡化した
。SPP 成形材料を溶融し、ノズル温度約 219-249℃および流量 5.0 g/ 分にてノ
ズルを介して金型へ射出した。ポリマー溶融物を溶融物の結晶化が生ずるまで加
工温度で金型に保持した。成形された段付きブラークを突出しサイクル時間およ
び曇り度を測定した。 実施例2 サイクル時間の測定 サイクル時間は射出および突出の間の時間間隔として測定された。突出は結晶
化製品が粘着することなく金型キャビティから簡単に外れる時間として記録され
た。本発明の実施例3-20 実施例1 の一般的手法により、表I の以下のブラークを成形し、これらのサイ
クル時間および曇り度を測定した。 【表1】 前記実施例から明らかなように上昇前の中程度の加工温度でサイクル時間が最
小になり、そしてこれらの好ましい加工温度にて曇り度が比較例21-29 で見られ
る最低値より若干高いだけである。 実施例21-29(比較例) 【表2】 前記比較例21-26 は、低加工温度で成形されるSPP に対する高いサイクル時間
であるがしかし優れた曇り度を示す。比較例27-29 は高い加工温度で成形された
SPP が高いサイクル時間と高い曇り度を有することを示す。 表1 の本発明実施例3-20と表2 の比較例21-29 のデータを図1 および図2 にお
いてグラフで示す。図中、プロットA,BおよびC はそれぞれ約 219,238 および
249 ℃で得られる結果を示す。 実施例30(比較例) 立体障害フェノール抗酸化剤を含むIPP(ハイモント プロファックス(HimonPr
oFax)6329,市販銘柄)、メルトフロー12を以下に示す加工温度で実施例1 の手法
により成形し、そしてサイクル時間を測定した。 加工温度(℃) サイクル時間(秒) 4.4 18.4 26.6 24.6 48.8 36.6 71.1 240 データを図3 においてグラフに示す。IPP は、SPP で高いサイクル時間を与え
る低い加工温度にて成形されると低いサイクル時間をもたらし、そしてIPP サイ
クル時間が本発明の49-77℃の好ましい加工温度範囲で急激に上昇することがわ
かる。
【図面の簡単な説明】 【図1】 SPPについての成形加工温度に対する各々サイクル時間および曇り度のプロッ
トである。 【図2】 SPPについての成形加工温度に対する各々サイクル時間および曇り度のプロッ
トである。 【図3】 市販IPP 組成物についての成形加工温度に対するサイクル時間のプロットであ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】 以下の工程: a) シンジオタクチックポリプロピレンの溶融物を、前記溶融物が27℃〜77℃の
    加工温度で金型に維持されるのに十分な温度に維持された金型へ射出し; b) 前記溶融物をこれが前記金型の形状を有する製品へ結晶化するまで前記加工
    温度で保持し; c) 前記金型から前記製品を突出し、その際 加工工程(a)および(b)は150秒以下のサイクル時間で完了しそして前記製品は38
    %以下の曇り度を有する ことからなる、厚さ2mm以下のシンジオタクチックポリプロピレン製品の成形方
    法。 【請求項2】 前記溶融物は前記金型へ射出されたとき少なくとも200 ℃の温
    度である請求項1 の方法。 【請求項3】 前記溶融物はポリマー添加剤を含む請求項1 の方法。 【請求項4】 前記添加剤が放射線安定剤、充填剤、着色剤、帯電防止剤、湿
    潤剤および核剤からなる群から選択される請求項3 の方法。 【請求項5】 以下の工程: a) シンジオタクチックポリプロピレンの溶融物を、前記溶融物が49℃〜77℃の
    加工温度で金型に維持されるのに十分な温度に維持された金型へ射出し; b) 前記溶融物をこれが前記金型の形状を有する製品へ結晶化するまで前記加工
    温度で保持し; c) 前記金型から前記製品を突出し、その際 加工工程(a)および(b)は50秒以下のサイクル時間で完了しそして前記製品は31 %
    以下の曇り度を有する ことからなる、厚さ2mm以下のシンジオタクチックポリプロピレン製品の成形方
    法。 【請求項6】 以下の工程: a) シンジオタクチックポリプロピレンの溶融物を、前記溶融物が49℃〜70℃の
    加工温度で金型に維持されるのに十分な温度に維持された金型へ射出し; b) 前記溶融物をこれが前記金型の形状を有する製品へ結晶化するまで前記加工
    温度で保持し; c) 前記金型から前記製品を突出し、その際 加工工程(a)および(b)は39秒以下のサイクル時間で完了しそして前記製品は26 %
    以下の曇り度を有する ことからなる、厚さ2mm以下のシンジオタクチックポリプロピレン製品の成形方
    法。

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