JP2600863B2 - 高圧用半導体式圧力センサの取付け構造 - Google Patents

高圧用半導体式圧力センサの取付け構造

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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、圧力検出素子として半導体圧力検出素子を
使用した半導体式圧力センサの取付け構造に関するもの
であり、特に、500kgf/cm2以上の高圧下にて用いるのに
都合の良いものである。
〔従来の技術〕
被検出圧力に応じた電気信号を発生する圧力センサと
して、従来から種々の検出原理のものが知られている
が、近年に至りシリコン基板にピエゾ抵抗素子を形成し
てなる、いわゆる半導体圧力検出素子が広く使用される
ようになってきた。
ところで、この半導体圧力検出素子を用いた圧力セン
サには、この素子の劣化に伴う問題点を除くため、シリ
コーンオイル等の適当な液体中に検出素子を封入した状
態で使用する、いわゆる液封型圧力センサとして構成さ
れたものが知られており、その一例を第4図に示す。
この第4図において、100はその一端の凹部101内に台
座102および半導体圧力検出素子103を有するハウジング
であり、その凹部101内にはシリコーンオイル等の封入
液104が充填しており、又、これをハウジング100に対し
て溶接等により固着したシールダイヤフラム105により
気密に封止している。そして、検出素子103からリード1
06を介して取り出される電気信号を外部に導くために、
凹部101内にはハーメチック端子107の一端が導出してい
る。このハーメチック端子107は、ハウジング100内を貫
通してガラス108によりハーメチックシールされてお
り、その他端を回路基板109側の非受圧部に導出してい
る。そして、このように構成された圧力センサを取付け
部材110に対してネジ111により取付ける。この場合、図
中矢印で示すような方向から作用する被検出圧力媒体の
圧力はゴム製のO−リング112でシールされる。
こうして作られた圧力センサは、シールダイヤフラム
105及び封入液104を介して、検出素子103が被測定圧力
を受け、それに応じた電気信号をハーメチック端子107
に発生し、圧力センサとして動作することになる。
又、この液封型圧力センサによれば、検出素子103の
検出面がシリコーンオイル等の安定な液体によって封じ
込められているため、被測定圧力がもたらす液体等によ
る劣化の恐れがなく、耐環境性に富み、高い信頼性を与
えることができる。
〔発明が解決しようとする課題〕
ところで、このような構成の圧力センサにおいては、
センサ全体としては被検出圧力媒体から受ける圧力は、
そのシール部分であるO−リング112の径で決まり、こ
の径が大きくなる程、受ける圧力は高くなる。第4図の
構成では、ネジ111が形成される位置がO−リング112に
よるシール部分よりも被検出圧力媒体側にあるので、O
−リング112の径は必然的にネジ111の径よりも大きくせ
ざるを得なかった。そして、このようにO−リング112
の径が制限されるので、被検出圧力として500kgf/cm2
上の高圧用として使用しようとする場合には受ける圧力
がかなり高い値となり、ネジ111部分における機械的強
度の信頼性が低下するという問題がある。
そして、従来の圧力センサにおいては、上述のような
問題点に対して何ら対策が取られておらず、従って、従
来では信頼性が高い500kgf/cm2以上の高圧用の半導体式
圧力センサは存在していなかった。
近年、車両用等において油(あるいは燃料)等の圧力
を測定する必要が生じており、高圧用の半導体式圧力セ
ンサへの要求が高まっている。そこで本発明は、このよ
うな要求に応えるべくなされたものであり、特に500kgf
/cm2以上もの高圧を測定するのに適した新規な半導体式
圧力センサの構造及び取付け部との取付け構造を提供す
ることにより、ネジ部における信頼性を高め、シリコー
ンオイル等の封入液が漏れることがない信頼性の高い高
圧用半導体式圧力センサを実現するものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するために、本発明の高圧用半導体式
圧力センサの取付け構造は、 A.取付け用雄ネジ部が形成された第1部分と、該第1部
分の径より小さい径にて形成され突出した第2部分と、
前記第1部分及び第2部分を連結する肩部とを有し、前
記第2部分内に凹部を形成するハウジング、 前記凹部内に前記ハウジングと絶縁して取付けられ、
被検出圧力に応じた電気信号を発生する半導体圧力検出
素子、 前記ハウジングの前記第1部分及び前記第2部分を貫
通してハーメチックシールされ、その一端を前記凹部内
に導出すると共に、他端を非受圧部に導出し、さらに前
記半導体圧力検出素子に電気接続され前記電気信号を伝
達する端子、 前記半導体圧力検出素子の劣化を防ぐ為に、前記凹部
内に封入される絶縁性の封入液、 前記凹部を気密に塞ぐように前記第2部分に密着固定
された金属製のダイヤフラムを有し、 500kgf/cm2以上の前記被検出圧力を検出する高圧用半
導体式圧力センサと、 B.該高圧用半導体式圧力センサを取付ける為の前記取付
け用雄ネジ部に対する雌ネジ部が形成された第3部分
と、該第3部分の径より小さくかつ前記第2部分の径よ
り大きい径にて形成され、前記雌ネジ部が前記取付け用
雄ネジ部にセットされた状態で前記端子周辺の前記第2
部分に被検出圧力媒体の圧縮力が作用するよう前記第2
部分と所定の間隔を保つと共に、前記ダイヤフラムと前
記第2部分との接続部分が前記被検出圧力媒体にさらさ
れるように形成された第4部分と、前記第3部分及び第
4部分に連結して形成され前記第3部分より前記被検出
圧力媒体側に位置する段差部とを有する取付け部材と、 C.前記圧力センサの前記肩部と前記段差部との間に介在
し、前記被検出圧力媒体をシールする金属製のリングと を備えたことを特徴とする。
〔作用〕
上記のように構成された本発明によると、被検出圧力
媒体のシール部分は、雌ネジ部の第3部分の径より小さ
くハウジングの第2部分の径より大きい径にて形成され
た段差部と、圧力センサの肩部との間に介在する金属製
のリングにて設定されるので、その径をネジ部の径より
小さくすることができ、圧力センサ全体として受ける圧
力を低下させることができる。
又、第2部分を貫通する部分における端子は、第2部
分と取付け部材の第4部分との間に存在する被検出圧力
媒体から加わる圧力によって、端子の周辺のハウジング
が端子の方に向けて圧縮されるように作用するので、ハ
ーメチックシール部分におけるシール性が向上する。
又、ダイヤフラムと第2部分との接続部分が被検出圧
力媒体にさらされるので、この接続部分には被検出圧力
媒体からの均等な圧縮力がかかるようになり、封入液の
確実な封止がなされる。
〔実施例〕
以下、本発明を図面に示す実施例を用いて説明する。
第1図(a)は本発明の第1実施例の高圧用半導体式圧
力センサの取付け構造を示す断面図を表しており、第1
図(b)は第1図(a)において金属ダイヤフラム1bお
よび穴あき円板1gを除いた構成の平面図を表している。
図において、3はその一端の凹部3a内にセンサ感圧部1
を有し、他端部が開口する断面円形の内部空間2を形成
する容器状のハウジングであり、そのハウジング3の内
部空間2には回路基板4が収納される。又、カバー部材
5とかしめ等により結合固定されている。センサ感圧部
1は、圧力室1aと、圧力室1aの開口部を覆って溶接等に
より接合された金属ダイヤフラム1bと、圧力室1a内に固
定された絶縁性を有する台座1cに接着され、一主面に図
示しない拡散等による半導体歪ゲージを形成すると共
に、他主面にダイヤフラムを形成するための凹部を形成
した半導体圧力検出素子1dとを有し、圧力室1aには、半
導体圧力検出素子1dの劣化を防ぐために、封入液である
絶縁性を有するシリコーンオイル1eが封入されている。
また、ハウジング3にはハウジング3を貫通してガラス
製絶縁シール6を介して電気的伝達手段であるリード
(端子)7が保持され、リード7の一端は凹部3a内に導
出しており、半導体圧力検出素子1dとワイヤ1fによりワ
イヤボンディングされ、接続されている。リード7の他
端は非受圧部である内部空間2に突出し、回路基板4に
ハンダ付けにより固定されている。又、穴あき円板1gは
金属ダイヤフラム1bとあわせて全周溶接される。尚、ハ
ウジング3は雄ネジ部8が形成された第1部分3bと、こ
の第1部分3bの径より小さい径にて形成され第1部分3b
より突出した第2部分3c及びこれら第1部分3b、第2部
分3cを連結する肩部3dとを有した構成であり、そして、
各種高圧機器、油圧機器等において、ネジ部8により取
付け部品50に螺合可能となっている。取付け部材50は雄
ネジ部8に対する雌ネジ部50aが形成された第3部分
と、この第3部分50aの径より小さくかつ第2部分3cの
径より大きい径にて形成され、雌ネジ部50aが雄ネジ部
8にセットされた状態でリード7周辺の第2部分3cに被
検出圧力媒体Pの圧縮力が作用するよう第2部分3cと所
定の間隔を保つと共に、金属ダイヤフラム1bと第2部分
3cとの接続部分が被検出圧力媒体Pにさらされるように
形成された第4部分50cと、第3部分50a及び第4部分50
cに連結して形成された段差部50bとを有している。尚、
この段差部50bは圧力センサを取付けた状態にて第3部
分50aよりも被検出圧力媒体P側に位置している。メタ
ルC−リング9は、弾力性を有する金属性の部材からな
り、第2図の拡大図に示すように断面がC形状をなして
いる。そして、このメタルC−リング9は段差部50bと
肩部3dとの間に介在しており、被検出圧力に対するシー
ルを行っている。
回路基板4にはリード線10がハンダ付けにより保持さ
れ、回路基板4は水分、チリ等の汚染から保護するため
に、その周囲でシリコーンゲル11がポッティングされて
いる。カバー部材5は一端がハウジング3の内部空間2
内に挿入され、ハウジング3の端部12がカバー部材5の
端部外側面にかしめにより締結されることにより、カバ
ー部材5とハウジング3とは固定されている。また、カ
バー部材5には樹脂製被膜13によって覆われたリード線
14がエポキシ樹脂15によってポッティングされており、
その一端はリード線10とハンダ付けにより固定されてい
る。
鋼等より成る球形の鋼球バルブ16は、シリコーンオイ
ル1eを封入するためのもので、ネジ17によって圧接固定
されており、ネジ17の鋼球バルブ16と接する面と反対の
面は、ダイヤフラム1bと同様に圧力媒体と接している。
上記のように構成された第1実施例によれば、メタル
C−リング9にてシールされる部分は雄ネジ部8の径よ
り小さくなっているので、従来、ネジ部の径より大きな
径にてシール部を形成していた技術に対して、圧力セン
サ全体が受ける圧力を低くすることができ、その分、ネ
ジの機械的強度の信頼性を高めることができる。又、圧
力センサ全体が受ける圧力を低くするために、雄ネジ部
8よりもメタルC−リング9を圧力媒体P側に配置する
と、リード7の一端には高圧が与えられたシリコーンオ
イル1eが作用し、他端は非受圧部である内部空間2側に
導出しているので、第5図に示すようにハーメチックシ
ールを行う絶縁シール6の周辺の第2部分3cは外に押し
広げられ、延いてはシリコーンオイル1eが絶縁シール6
の界面を伝って漏れてしまい、センサの特性を悪化させ
てしまう可能性がでてくるが、本実施例によると、第2
部分3cを貫通する部分におけるリード7は、第2部分3c
と取付け部材50との間に存在する被検出圧力媒体Pから
も圧力が加わり、図中に矢印で示したようにリード7周
辺の第2部分3cがリード7の方に向けて圧縮されるよう
に作用するので、この部分の絶縁シール6が第5図にて
示したように分離することがなく、シール性が向上す
る。
次に、本発明の第2実施例を第3図の断面図を用いて
説明する。尚、第3図は第1図(a)に示される構造に
対して、取付け部材50内に取付けた部分のみを部分的に
拡大して示した図であり、本実施例において他の構成要
素は上記第1実施例のものと同様のものが適用できる。
本実施例においては、上記第1実施例のようにハウジ
ング3の雄ネジ部8が形成された部分から突出した径の
小さい部分は有することがなく、又、メタルC−リング
9によるシール部分はハウジング3の先端の部分と段差
部50bとの間に介在する構成であり、第1実施例のよう
に被検出圧力が第2部分3cをリード7の方に向けて圧縮
するという作用はないが、その代わりにハウジング3の
凹部3a内に、リード7を囲うように環状の溝20を形成し
ており、この溝部20にもシリコーンオイル1eを封入する
構成にしている。これにより、本実施例によると、溝部
20内のシリコーンオイル1eにも圧力が同様に作用するこ
とになり、この圧力を受けたシリコーンオイル1eが、シ
リコーンオイル1eと絶縁シール6との間に存在するハウ
ジング3の部分21をリード7の方に向けて圧縮するよう
に作用し、シール性を向上することができる。尚、本実
施例においてもシール部の径をネジ部の径より小さくす
ることによる効果は上記第1実施例と同様である。
以上、本発明を上記第1、第2実施例を用いて説明し
たが、本発明はそれらに限定されることなく、その主旨
を逸脱しない限り、例えば以下に示すように種々変形可
能である。
(1)被検出圧力として500kgf/cm2以上の圧力を検出す
る場合、シール部材としてはゴム製のO−リングでは不
充分であるので、金属製のC−リングあるいはO−リン
グを使うのが望ましいが、その場合には、例えばステン
レスに銅メッキを施したもの、インコネル、ハステロイ
等を使用できる。
(2)上記実施例ではシリコーンオイル1eを封入した
後、シールする手段として、剛球バルブ16およびネジ17
を使用しているが、これらの手段をなくし、特開昭61−
22222号公報に示されるように、金属ダイヤフラムを固
定する手段の塑性変形によりシールしても良い。
(3)絶縁性の封入液としては、シリコーンオイルの他
に、フロロシリコーン等の液でも良い。
〔発明の効果〕
以上述べたように、本発明によると、圧力センサ全体
として受ける圧力を低下させることがで、取付け部材と
の取付け部分におけるネジ強度の信頼性を向上すること
ができ、さらに、ハーメチック部分におけるシール性を
向上させることができ、さらにまた、ダイヤフラムの密
着固定部分における確実な液封止を行うことができると
いった、総合的に信頼性の高い高圧用半導体式圧力セン
サの取付けが実現できる。
【図面の簡単な説明】
第1図(a)は本発明の第1実施例の断面図、第1図
(b)は第1実施例の平面図、第2図はメタルO−リン
グの斜視図、第3図は本発明の第2実施例の部分断面
図、第4図は従来技術の断面図、第5図は従来技術の問
題点を説明するためのハーメチックシール部分における
断面図である。 1……センサ感圧部,1b……金属ダイヤフラム,1d……半
導体圧力検出素子,1e……シリコーンオイル,3……ハウ
ジング,3a……凹部,3b……第1部分,3c……第2部分,3d
……肩部,6……絶縁シール,7……リード,8……雄ネジ
部,9……メタルC−リング,20……溝部,50……取付け部
材,50a……雌ネジ部,50b……段差部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭60−171429(JP,A) 特開 昭57−114068(JP,A) 実開 昭59−135654(JP,U)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】A.取付け用雄ネジ部が形成された第1部分
    と、該第1部分の径より小さい径にて形成され突出した
    第2部分と、前記第1部分及び第2部分を連結する肩部
    とを有し、前記第2部分内に凹部を形成するハウジン
    グ、 前記凹部内に前記ハウジングと絶縁して取付けられ、被
    検出圧力に応じた電気信号を発生する半導体圧力検出素
    子、 前記ハウジングの前記第1部分及び前記第2部分を貫通
    してハーメチックシールされ、その一端を前記凹部内に
    導出すると共に、他端を非受圧部に導出し、さらに前記
    半導体圧力検出素子に電気接続され前記電気信号を伝達
    する端子、 前記半導体圧力検出素子の劣化を防ぐ為に、前記凹部内
    に封入される絶縁性の封入液、 前記凹部を気密に塞ぐように前記第2部分に密着固定さ
    れた金属製のダイヤフラムを有し、 500kgf/cm2以上の前記被検出圧力を検出する高圧用半導
    体式圧力センサと、 B.該高圧用半導体式圧力センサを取付ける為の前記取付
    け用雄ネジ部に対する雌ネジ部が形成された第3部分
    と、該第3部分の径より小さくかつ前記第2部分の径よ
    り大きい径にて形成され、前記雌ネジ部が前記取付け用
    雄ネジ部にセットされた状態で前記端子周辺の前記第2
    部分に被検出圧力媒体の圧縮力が作用するよう前記第2
    部分と所定の間隔を保つと共に、前記ダイヤフラムと前
    記第2部分との接続部分が前記被検出圧力媒体にさらさ
    れるように形成された第4部分と、前記第3部分及び第
    4部分に連結して形成され前記第3部分より前記被圧力
    媒体側に位置する段差部とを有する取付け部材と、 C.前記圧力センサの前記肩部と前記段差部との間に介在
    し、前記被検出圧力媒体をシールする金属製のリングと を備えた高圧用半導体式圧力センサの取付け構造。
JP63295269A 1988-03-29 1988-11-22 高圧用半導体式圧力センサの取付け構造 Expired - Lifetime JP2600863B2 (ja)

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