JP2600819B2 - 電気湯沸し器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は一般家庭で使用される電気湯沸し器に関する
ものである。

従来の技術 従来のこの種の電気湯沸し器は、ボデーと、このボデ
ーの上端部に設置された注口と、前記ボデー内に位置し
て注口に垂下支持され、かつ水を収容する容器とを備
え、前記ボデーと容器間に、容器内の液体を外部に吐出
させる吐出管と、透明な水位管をそれぞれ配設し、前記
吐出管は下端を容器の底部に容器内と連通するように配
設した防水金具に接続し、かつ水位管の下端は容器の下
部に容器内と連通するように配設した防水金具に接続
し、さらに水位管の上端は容器の上部に容器内と連通す
るように配設した防水金具に接続するとともに、その一
部を吐出管の上端とともに、逆止弁を内蔵した逆止弁部
の下面に接続し、そして前記水位管は吐出弁部と連通す
る湯の取出し口に近接して設けていた。

発明が解決しようとする課題 上記従来の構成では、容器内と連通するように配設し
た防水金具を、吐出管用が１個で、かつ水位管用が２個
の合計３個使っているため、これらが水漏れ等の不良の
原因となり、かつコスト的にも高くつくものであった。
また水位管が湯の取出し口に近接しているため、取出し
口カバーの表示板が邪魔をして水位の満水表示ができな
いという問題点を有していた。

そしてまた水位管は上端の一部を吐出管の上端ととも
に、逆止弁を内蔵した逆止弁部の下面に接続しているた
め、湯を大量に勢いよく取出した場合、逆止弁が開閉を
繰り返す、いわゆるノッキングを起こすという問題点を
有していた。さらに水位管中の低い湯が吐出管より取出
した湯の中に混じるため、取出された湯温が低くなると
いう問題点を有するとともに、水位管は細いため、水位
が見えにくいという問題点も有していた。

本発明はこのような問題点のうち、特に水位管が見や
すい電気湯沸かし器を提供することを目的とするもので
ある。

課題を解決するための手段 上記課題を解決するために本発明は、容器内の水位を
表示する水位管と、ボデーの前記水位管に臨む位置に設
けた表示窓とを有し、前記水位管の断面を、表示窓の方
向へ肉厚となる偏肉形状に構成した電気湯沸し器とす
る。

作用 上記構成によれば、水位管の断面を、表示窓の方向へ
肉厚となる偏肉形状に構成しているため、水位表示が非
常に見やすくなるものである。

実 施 例 以下、本発明の一実施例を第１図および第２図にもと
づいて説明する。図において、１は表面に印刷処理を施
した薄い鋼板により円筒形状に構成されたボデーで、こ
のボデー１の上端部には樹脂で構成されたリング状の注
口２を設置し、かつこの注口２の内周フランジ部2aには
水３を収容する有底筒状の容器４の上端外周フランジ部
4aを載置して、容器４をボデー１内に垂下支持してい
る。また前記容器４の底部５の一部には、底部５を貫通
して容器４内と連通し、かつ耐熱性を有するゴムパッキ
ング６で上端が気密保持された小径の防水金具７を下方
に向けて設けている。また前記ボデー１と容器２間に
は、容器２内の液体を外部に吐出させる太い吐出管８と
細い透明な水位管９をそれぞれ配設している。そして前
記防水金具７の下端はゴム製の接続パイプ10を介して断
面Ｔ字状の連結パイプ11に接続されている。また前記断
面Ｔ字状の連結パイプ11には前記吐出管８の下端がゴム
製の接続パイプ12を介して接続されるとともに、前記水
位管９の下端がゴム製の接続パイプ13を介して接続され
ている。

前記吐出管８の上端は逆止弁14を内蔵した逆止弁部15
の下面にゴム製の接続パイプ16を介して接続され、かつ
水位管９の上端は前記逆止弁部15の側面に連通するよう
にゴム製の接続パイプ17を介して接続されている。

18は逆止弁部15からの湯の出口に連結した湯の取出し
口である。19は前記水位管９と対応するようにボデー１
に設けられた透明な表示窓で、この表示窓19を通して水
位管９内の水位を確認するものである。またこの表示窓
19は水位管９が湯の取出し口18より離れた位置となって
いるため、これに対応して湯の取出し口18から離れた位
置に設けているものである。20は水３の満水位で、この
満水位20はエアポンプを内蔵した蓋部21の最下部よりＡ
なる距離に設定され、水３が沸騰した時、飛び散った湯
が蓋部21より出ないようになっている。22は取出し口18
をカバーする表示板である。

上記構成から明らかなように本発明の一実施例におい
ては、容器４の底部５に設けた１個の防水金具７に吐出
管８と水位管９を接続しているため、従来のように３個
の防水金具に吐出管と水位管を接続していたものに比
べ、水漏れ等の不良原因も少なくなり、かつコストの低
減がはかれるものである。また湯の取出し口18より水位
管９を離しているため、表示板22等に邪魔されることな
く、水位は満水まで充分に表示ができるものである。

さらに水位管９の上端は逆止弁部15の側面に連通させ
ているため、吐出管８のようにその上端を逆止弁部15の
下面に接続したものに比べ、湯を大量に勢いよく取出し
た場合においても、逆止弁14が開閉の振動を繰り返すノ
ッキングは起こらないものである。

第３図〜第５図は本発明の他の実施例を示したもの
で、第３図においては、水位管９の下端に位置するゴム
製の接続パイプ13中に、直径約1mm程度の小径の通水孔2
3aを有する制水リング23を設けている。

また第４図においては、水位管９の上端に位置するゴ
ム製の接続パイプ17中に、直径約0.5mm程度の小径の通
気孔24aを制水リング24を設けている。

さらに第５図においては、水位管９の下端に位置する
ゴム製の接続パイプ13中に直径約1mm程度の小径の通水
孔23aを有する制水リング23を設けるとともに、水位管
９の上端に位置するゴム製の接続パイプ17中に直径約0.
5mm程度の小径の通気孔24aを有する制水リング24を設け
ているものである。

上記第３図〜第５図で示したような構成とすれば、蓋
体21内のエアポンプを作動させて容器４内の湯を取出す
場合、水位管９内の比較的ぬるい湯は制水リング23,24
の存在により、取出し口18から出る湯には少ししか混じ
らないため、取出した湯温の低下が抑えられる。

第６図および第７図は本発明の電気湯沸し器における
水位管の他の実施例を示したもので、第６図において
は、水位管9aの断面を、ボデー１の表示窓19の方向へ厚
肉となる凸レンズ状の偏肉形状に構成しており、この構
成においては、凸レンズの作用により、細い水位管9aで
も幅広く水位を表示することができるため、その水位は
見やすくなるものである。

また第７図においては、水位管9bの断面を、ボデー１
の表示窓19に沿って偏平となる偏平リング形状に構成し
ており、この構成においては、水位管9bの断面積を小さ
くしてもその水位を見やすくなるものである。

発明の効果 上記実施例の説明から明らかなように本発明によれ
ば、水位管の断面を、表示窓の方向へ肉厚となる変肉形
状に構成しているため、実質的に水位管の断面積が小さ
い場合でも、水位表示が非常に見やすくなるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例を示す電気湯沸し器の破断正
面図、第２図は同電気湯沸し器の破断側面図、第３図〜
第５図は本発明の他の実施例を示す電気湯沸し器の破断
正面図、第６図および第７図は同電気湯沸し器における
水位管の他の実施例を示す断面図である。 １……ボデー、２……注口、４……容器、７……防水金
具、８……吐出管、9,9a,9b……水位管、13……接続パ
イプ、14……逆止弁、15……逆止弁部、17……接続パイ
プ、18……取出し口、19……表示窓、23,24……制水リ
ング、23a,24a……通水孔。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 浜 慶樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 実開 昭57−90547（ＪＰ，Ｕ)

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】容器内の水位を表示する水位管と、ボデー
   の前記水位管に臨む位置に設けた表示窓とを有し、前記
   水位管の断面を、表示窓の方向へ肉厚となる偏肉形状に
   構成した電気湯沸し器。