JP2600625Y2 - 夜用魚釣仕掛け - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、道糸や目印が見えなく
なる夜間に、魚の良く集まる堤防壁面に沿って釣り餌を
落とし込むことができ、上層や中層、底でのアタリ（魚
信）を暗闇でも視認できる夜用魚釣仕掛けを提供するも
のである。

【０００２】

【従来の技術】従来の堤防壁面に集まる魚を釣る夜釣り
の仕掛けの種類として。 （イ）環付き電気浮子の光を水面に漂わせながらウキの
変化でアタリを視認する電気浮子遊動仕掛け。 （ロ）竿先に発光体を付けたフカセ釣り（脈釣り、コス
リ釣り）。 （ハ）複数個の発光体を釣り糸に固定した釣用仕掛け
（実開平２−３９６７６）

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】（イ）上記の環付き電
気浮子仕掛けを使用して、堤防壁面に集まる魚を釣る目
的のとき、釣り餌を堤防壁面に沿わせて流したり、沈め
るとき、堤防壁面に当たって跳ね返る風や波が環付き電
気浮子や道糸に当たり風や波の抗力を受け、環付き電気
浮子が壁面から離れるため、釣り餌も追動して壁面から
離れてしまう。そのため、釣り竿の竿先で環付き電気浮
子を壁面に引き付けるためには、環付き電気浮子と竿先
の間の道糸を短くして、長い釣り竿を使用しなければな
らず、釣り竿が風に煽られて取扱にくい欠点がある。ま
た、環付き電気浮子が浮子止めに至る途中に、魚が釣り
餌に喰いついたときに、環付き電気浮子がアタリ（魚
信）を示さず、上層や中層でのアタリ（魚信）を視認で
きない欠点がある。 （ロ）発光体を竿先に付け、上層や中層でのアタリ（魚
信）を視認するフカセ釣りの欠点として、魚が釣り餌に
喰いついたとき、警戒心をあたえないように、違和感の
ない極小錘を使用するため、強風時の暗闇では、仕掛け
が風に吹き流されて、釣り餌を堤防壁面に沿わせて落と
し込むことや、釣り餌を交換するときに、釣り餌を即
時、手に取る事が難しい欠点がある。しかも、釣り餌が
堤防壁面の貝に乗っても極小の錘を使用するため竿先に
付けた発光体で視認し判断することは初心者には極めて
難しい欠点がある。また、暗闇の状況では、潮の流れに
沿って釣り餌が流れる方向や、速度を視認する目印がな
いため、潮の流れに同調して釣り餌を流す動作が初心者
にはできない欠点がある。そのため、オモリを重くし
て、手の感覚の釣りにすると、魚が釣り餌を喰わえたと
きに不自然な抵抗があり、釣り餌を吐き出してしまう欠
点がある。その他、釣り餌の近くに発光する目印がな
く、暗闇では、釣り餌を堤防壁面に沿わせて落とし込む
ことや釣り餌を交換するとき、釣り餌を即時、手に取る
事が難しい欠点がある。 （ハ）発光体を複数個、釣り糸に固定した釣用仕掛け
（実開平２−３９６７６）の欠点として、発光体や目印
を６本も道糸に付けると、釣り餌が沈んで行くときに発
光体や目印が抵抗となり、釣り餌が不自然になりやすい
欠点がある。また、発光体の光が３コも海中へ沈んで行
くと、不自然な光に魚が警戒して好釣果を生み出すこと
ができなかった。そのため、発光体の光量や数を減らす
と、弱視者には視認できなくなる欠点がある。しかも、
使い捨ての化学発光体を３本も使用するため、コストが
増大する欠点がある。その他、釣り餌の近くに発光する
目印がなく、暗闇では釣り餌を堤防壁面に沿って落とし
込むことや、釣り餌を即時、手に取る事が難しい欠点が
ある。そのために、発光体を釣り餌の近くに取り付ける
と、黒鯛（チヌ）のような警戒心の強い魚は、不自然な
光に警戒して釣餌を捕食しない欠点がある。更に、上記
の釣用仕掛けは、餌の水中への自然な落下を演出する目
的ため、仕掛けが浮力材からなる複数個の目印と極小錘
で構成されているので、強風により仕掛けが舞い上が
り、堤防壁面に沿って落とし込むことや、釣り餌を手に
取る事が難しい欠点がある。 上記の如く、本考案が解決しようとする課題は、夜間の
堤防壁面に生息する小蟹や小海老を捕食するために集ま
る魚を釣るため、道糸や目印が見えなくなる夜間の強風
時でも堤防壁面に沿わせて釣り餌を落とし込むことがで
き、魚に警戒心をあたえないように仕掛けを流し、上層
や中層、底でのアタリ（魚信）を暗闇でも視認でき、初
心者でも昼間のように仕掛けを扱え、好釣果を生む仕掛
けを目的とする。

【０００４】

【課題が解決するための手段】環付き発光寝浮子（６）
を使用した遊動浮子仕掛けに於いて、環付き発光寝浮子
（６）から竿先（１１）へ至る間の仕掛け糸（５）に、
所要重量の浮子止め錘（７）を設け、かつ同錘（７）に
発光体（８）を竿先（１１）方向直列に着脱可能とした
特徴の夜用魚釣仕掛け。

【０００５】

【作用】環付き発光寝浮子（６）を視認しながら堤防
（１３）壁面に沿って釣り餌（１）を潮流（１４ａ）の
下流方向に落とし込み、本考案の浮子止め錘（７）を潮
流（１４ａ）の上流方向に懸吊することにより、所要重
量の錘（４）の沈行が賦勢となり、環付き発光寝浮子
（６）が潮流（１４ａ）上流方向に潮流（１４ａ）の抗
力や粘性抵抗を受けながらゆっくり推進し、上記浮子止
め錘（７）の重量により竿先（１１）の垂下に懸吊され
た発光体（８）の位置まで上記環付き発光寝浮子（６）
が移動する速度（Ｈ）の変化で上層や中層での魚（１
２）のアタリ（魚信）を視認できる作用がある。また、
強風時、浮子止め錘（７）の発光体（８）を視認しなが
ら堤防（１３）壁面に近接すると、釣り餌（１）を沈め
る錘（４）と浮子止め錘（７）間の張力で環付き発光寝
浮子（６）や釣り餌（１）が堤防（１３）壁面から離れ
ない作用がある。浮子止め錘（７）と竿先（１１）の間
の道糸（１０）が極細な竿先の役目を果たし、浮子止め
錘（７）に設けた発光体（８）の揺動で魚（１２）のア
タリ（魚信）を視認できる作用がある。

【０００６】

【実施例】本考案の第一実施例を図１にもとづいて詳細
すれば、釣り針（２）にハリス（３）約２０Ｃｍ設け、
仕掛け糸（５）約２００Ｃｍを連結し、ハリス（３）と
仕掛け糸（５）の連結部に釣り餌（１）を沈める錘
（４）を挾着し、上記仕掛け糸（５）に約２０Ｃｍの流
線型環付き発光寝浮子（６）を遊嵌し、仕掛け糸（５）
の端に浮子止め錘（７）約１０ｇを挾着し、同所仕掛け
糸（５）の竿先（１１）方向にゴム管（８ａ）を挿入
し、かつ同ゴム管（８ａ）に発光体（８）を差し込み定
着し、道糸（１０）を繋着する輪（９）を仕掛け糸
（５）先端に設ける。本考案を使用するときを図２図３
にもとづいて詳細すれば、本考案の輪（９）に道糸（１
０）を結び釣り竿（１１ａ）と継合し、本考案を釣り竿
（１１ａ）で懸吊すると、釣り餌（１）の所に環付き発
光寝浮子（６）の先端が来るため、釣り餌（１）の位置
を視認しながら堤防（１３）壁面に沿わせて釣り餌
（１）を潮流（１４ａ）の下流方向に落とし込むととも
に浮子止め錘（７）を潮流（１４ａ）の上流方向に懸吊
する。次ぎに、道糸（１０）を張った状態で浮子止め錘
（７）に設けた発光体（８）を視認しながら堤防（１
３）壁面に浮子止め錘（７）を沿わせて釣り餌（１）を
沈めて行く。そして、上層や中層での魚（１２）のアタ
リ（魚信）は環付き発光寝浮子（６）が浮子止め錘
（７）まで移動する速度（Ｈ）が急速に増すことや止ま
ることで釣り人（１５）が判断し、針掛かりさせる。環
付き発光寝浮子（６）が浮子止め錘（７）まで到達した
ら、環付き発光寝浮子（６）が潮流（１４ａ）に合わせ
て浮子止め錘（７）を堤防（１３）壁面に沿わせて連動
すれば、釣り餌（１）が潮流（１４ａ）に同調して自然
体で流れる。本考案は、浮子止め錘（７）と竿先（１
１）の間が極細な竿先の役目を果たし浮子止め錘（７）
の揺動で魚（１２）のアタリ（魚信）を視認し、魚（１
２）を針掛かりさせる。本考案の第二実施例として図４
に示すと、仕掛け糸（５）を遊嵌する中空部を形成する
浮子止め錘（７）の開口部を凸形に形成しゴム管（８
ａ）を挿着し、かつ同ゴム管（８ａ）に発光体（８）を
差し込み定着することにより、浮子止め錘（７）と発光
体（８）を一体化して、魚（１２）のタナ（魚の付く水
深）に応じて、仕掛け糸（５）に浮子止め錘（７）を固
定できるように構成してもよい。

【０００７】

【考案の効果】（イ）夜の強風時でも、釣り餌（１）を
沈める錘（４）と浮子止め錘（７）の間の張力で堤防
（１３）壁面に沿わせて釣り餌（１）を落とし込める効
果がある。 （ロ）水面（１４）から非常に高い堤防（１３）からで
も、浮子止め錘（７）と竿先（１１）の間の道糸（１
０）が風の抵抗が少ない極細な竿先の役目を果すので、
風に煽られない短い硬調の釣り竿（１１ａ）が使える効
果、更に、浮子止め錘（７）が釣り竿（１１ａ）のリー
ルから道糸（１０）を引き出す効果もある。 （ハ）釣り餌（１）が堤防（１３）壁面の貝に乗った場
合、環付き発光寝浮子（６）が浮子止め錘（７）に設け
た発光体（８）まで移動しないことを視認しすること
で、夜でも判断できる効果がある。 （ニ）夜でも、上層や中層での魚（１２）のアタリ（魚
信）を環付き発光寝浮子（６）が浮子止め錘（７）に設
けた発光体（８）まで移動する速度（Ｈ）が変化するこ
とで視認できる効果がある。 （ホ）本考案は発光体や目印が水中に沈まない構成のた
め、釣り餌（１）が沈んで行くときの抵抗が少なく、釣
り餌（１）を沈める錘（４）を違和感の無い小さい錘
（４）を使用でき、魚（１２）の食い込みが良い効果が
ある。 （ヘ）本考案は使い捨て発光体を２本しか使用せず、数
個の使い捨て発光体で構成されている従来の釣用仕掛け
に比べてコストの低減が図れる効果がある。 （ト）釣り餌（１）が水中にあるとき、釣り餌（１）の
近くに発光体（８）がなく、魚（１２）に警戒心をあた
えない効果がある。 （チ）針掛かりした魚（１２）を玉網ですくうとき、環
付き発光寝浮子（６）が魚（１２）の所に来るので、魚
（１２）の浮いた場所が分かり、暗闇でも玉網ですくい
やすい。 以上のように、夜間の堤防壁面に生息する小蟹や小海老
を捕食するために集まる魚を釣るため、道糸や目印が見
えなくなる夜間の強風時でも堤防壁面に沿わせて釣り餌
を落とし込むことができ、魚に警戒心をあたえないよう
仕掛けを流し、上層や中層でのアタリ（魚信）を視認す
ることができる、初心者でも昼間のように仕掛けを取り
扱える重要な多数の効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の第一実施例を示す正面図である。

【図２】本考案の使用例を示す正面図である。

【図３】本考案の使用例を示す正面図である。

【図４】本考案の第二実施例を示す要部断面図である。

【符号の説明】

１…釣り餌 ２…釣り針 ３…ハリス ４…錘 ５…仕掛け糸 ６…環付き発光寝浮子 ７…浮子止め錘 ８…発光体 ８ａ…ゴム管 ９…輪 １０…道糸 １１…竿先 １１ａ…釣り竿 １２…魚 １３…堤防 １４…水面 １４ａ…潮流 １５…釣り人

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 環付き発光寝浮子（６）を使用した遊動
   浮子釣り仕掛けに於いて環付き発光寝浮子（６）から竿
   先（１１）へ至る間の仕掛け糸（５）に、所要重量の浮
   子止め錘（７）を設け、かつ同錘（７）に発光体（８）
   を竿先（１１）方向直列に着脱可能とした特徴の夜用魚
   釣仕掛け。