JP2599739B2 - 磁気特性の優れた一方向性電磁綱板の製造方法 - Google Patents

磁気特性の優れた一方向性電磁綱板の製造方法

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JP2599739B2 JP62330268A JP33026887A JP2599739B2 JP 2599739 B2 JP2599739 B2 JP 2599739B2 JP 62330268 A JP62330268 A JP 62330268A JP 33026887 A JP33026887 A JP 33026887A JP 2599739 B2 JP2599739 B2 JP 2599739B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) この発明は、磁気特性の優れた一方向性電磁鋼板の製
造方法に関し、とくにゴス方位2次再結晶粒の核発生か
らその成長過程を効果的に制御することによって2次粒
の細粒化を図り、もって磁気特性の有利な改善を実現し
ようとするものである。
(従来の技術) 周知のように一方向性けい素鋼板は、主として変圧
器、その他の電気機器の鉄心として利用されているもの
であり、このような一方向性けい素鋼板には、圧延方向
の磁気特性が優れていること、すなわち磁気特性(励磁
特性)としてB10値(磁場の強さ1000A/mのとき発生する
圧延方向の磁束密度)で代表される磁束密度が高く、し
かもW17/50値(磁束密度1.7T、周波数50Hzで磁化した
ときの鉄損)で代表される鉄損が低いことが要求され
る。
上述のような一方向性けい素鋼板の磁気特性を向上さ
せるには、鋼板中の2次細結晶粒の<001>軸を圧延方
向に高度に揃える必要がある。このためには一般に、Mn
S,MnSeなどの微細析出物に加えて、特公昭51−13469号
公報に開示されているように少量のSbを、また特公昭54
−32412号公報に開示されているようにAs,Bi,PbおよびS
nを、さらには特公昭57−14737号公報に開示されている
ように少量のMoなどを複合添加するとともに、好適な1
次再結晶集合組織形成のために熱間圧延、冷間圧延の各
処理条件を適切に組合わせることにより、最近では、板
厚:0.30mmで磁束密度B10値が1.90Tを超える高磁束密度
でかつ鉄損W17/50値が1.05W/kg以下の一方向性けい素
鋼板が製造されるようになった。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、実際の工業的規模での製造においては
依然として次のような問題を残していた。
すなわち、製品のB10値を改善するために製品の2次
再結晶粒の<001>軸を圧延方向に高度に揃えると、必
然的に2次粒が粗大となってB10値の改善にみあう鉄損
改善が得られない。そこで特公昭58−5968号公報におい
てレーザー等を用いた歪の導入による鉄損改善法が提案
されたが、この方法では、得られた鉄損改善効果が特に
巻き鉄心で必要となる歪取り焼鈍によって消失するとい
う欠点があった。
一方、かかる歪取り焼鈍でも損失しないように鉄損を
改善すべく、2次粒を微細化すると、B10値が劣化し、
やはり2次粒微細化にみあう鉄損の改善が得られないと
ころに問題を残していた。
この発明は、上述の問題を有利に解決するもので、B
10値の高い素材を安定して得るとともに、とくにゴス方
位2次再結晶粒の核発生からその成長過程を効果的に制
御することによって好適に制御された微細2次粒とする
ことにより、歪取り焼鈍でも劣化しない優れた磁気特性
を有する一方向性電磁鋼板の有利な製造方法を提案する
ことを目的とする。
(問題点を解決するための手段) 成品の2次再結晶粒の<001>軸を圧延方向に高度に
揃えるためには、2次再結晶前の鋼板は結晶組織、集合
組織、インヒビターなどを適正な状態に整えておく必要
があり、これらを整えるため、素材成分から始まって製
鋼・熱延・冷延、熱処理と複雑で多岐にわたる各処理条
件を厳密に制御する必要があることは前述したとおりで
ある。
しかしながら実際の工業的規模での製造においては、
上記の総合的な適正条件から外れやすく、わずかでも外
れたものは<001>軸の圧延方向への配向性が悪なって
いたわけであるが、この問題に対して発明者らは、<00
1>軸の配向性を決定づける2次再結晶現象についてそ
の基本である2次再結晶核の生成と成長とに着目して研
究を行った。
その結果、2次再結晶前の鋼板の素材特性すなわち結
晶組織、集合組織、インヒビターなどの素材特性が、製
造工程条件の現実における変動あるいは簡略化により従
来の総合的な適正条件から多少外れたとしても、良好な
磁性が安定して得られることが判明している材料を2次
粒の核として溶接することにより、2次粒が安定しては
得られない材料においても、良好な核から好適方位の2
次粒が安定して得られ、その結果優れた磁気特性が発現
することの知見を得た。
すなわち、たとえ2次粒が安定しては得られない鋼板
であっても、2次粒の核形成材料として、ゴス方位集積
度が高い材料を溶接した上で、仕上げ焼鈍を施すと、ま
ず最初に、核形成材料中にゴス方位の2次粒が生成し、
ついでこの2次粒を核としてゴス方位粒がその方位を変
えずに鋼板の方へ成長して行く結果、鋼板全体にわたっ
てゴス方位集積度が高い材料とできることが究明された
のである。
また2次粒の成長速度について検討を重ねた結果、粒
界又は転位歪の導入により粒界移動の駆動力が増加し、
その結果2次粒の成長速度が大幅に増加することが判明
した。
この発明は上記の知見に立脚するものである。
すなわちこの発明の要旨構成は次のとおりである。
(1)含けい素鋼スラブを、熱間圧延し、ついで少なく
とも1回の焼鈍と冷間圧延を施したのち、最終仕上げ焼
鈍を施すことによって一方向性電磁鋼板を製造するに当
り、最終仕上げ、焼鈍前において、 鋼板に局所歪を付与する工程と、 鋼板の縁部に、2次再結晶核の形成材料を溶接する工
程 とを有することを特徴とする磁気特性の優れた一方向性
電磁鋼板の製造方法。
以下、この発明を由来するに至った基本的実験結果に
基づき、この発明を具体的に説明する。
C:0.065wt%(以下単に%で示す)、Si:3.25%、Mn:0.0
75%、S:0.002%、Al:0.020%、Mo:0.012%およびN:0.0
090%を含有する鋼スラブを、1350℃で2時間加熱後、
熱間圧延して板幅100mmで2.3mm厚とした。ついで1050℃
で1分間焼鈍し、ミスト中で水冷した。次に鋼板表面の
スケールを除去し、平坦化圧延後、鉱物油とグラファイ
トを混合した液体を鋼板全面に塗布したのち、出力600W
の炭酸ガスレーザーのビーム径を0.3mmφに絞って圧延
方向と直角方向に3mm間隔で板厚を貫通するレーザー照
射を行った。この時、鋼板の板幅方向半分に、遮蔽板を
設置し、圧延方向と直角方向でレーザービームを半分遮
蔽した。
一方C:0.053%,Si:3.00%,Mn:0.080%,S:0.020%,Al:
0.026%およびN:0.0070%を含有する鋼スラブを、1350
℃で2時間加熱後、熱間圧延して2.3mm厚としたのち、1
050℃で1分間焼鈍し、ミスト中で水冷して得た鋼板
を、上記鋼板の遮蔽板を設置した側の鋼板端部に遮蔽板
を除去して溶接し、塗布液を除去した後、冷間圧延を施
して板厚0.30mmの冷延板に仕上げた。次に湿水素中で82
0℃、5分間の脱炭焼鈍を施したのち、焼鈍分離剤を塗
布してから、圧延方向にR=500mmの曲率の湾曲を付与
して、1200℃で15時間の仕上げ焼鈍を施した。
さらにその後りん酸塩を主体とした絶縁コーティング
を施したのち、800℃で3時間の歪取り焼鈍を実施し
た。
なお、上記の実験において、第1の鋼板の板幅方向半
分に遮蔽板を設置して、歪を導入した領域と歪を導入し
ない領域とに分け、かつ歪を導入しない領域に第2の鋼
板(核形成材料)を溶接した理由は、同一の条件下で2
次再結晶焼鈍を行った場合における、歪の導入域と非導
入域での2次再結晶状態ひいては磁気特性の違いを比較
検討するためである。
この時の磁気特性結果は、レーザービームを遮蔽した
領域に対応するものが、B10=1.951(T)、W17/50
1.12w/kgであったのに対し、レーザービームを照射した
領域に対応するものは、B10=1.950(T)、W17/50
1.03w/kgと大幅に改善されていた。
この理由は、レーザービーム照射領域の溶解,浸炭お
よび急冷効果によって、圧延による歪の導入が増進され
る結果、1次粒の組織やインヒビター状態が変化し、レ
ーザービームを照射した領域と非照射領域とで2次再結
晶粒の成長速度に差ができるため、これらの境界領域に
新たに2次粒界が形成され、その結果レーザービーム遮
へい領域に比べて2次粒が微細化されたためであると考
えられる。
粗大2次粒の微細化方法に関しては、2次粒成長阻止
領域の形成による方法が特開昭50−137819号公報に提案
されているが、この方法は単に2次再結晶粒の成長を阻
止する領域を導入するものにすぎず、鋼板内の局所領域
に2次粒の成長速度差を生じさせ、この速度差の生じる
境界領域に粒界を導入することによって2次粒の微細化
を図るこの発明とは根本的に異なるものである。
このようにこの発明は、2次粒界による鉄損の改善で
あるので、特公昭58−5968号公報に開示されたレーザー
照射による鉄損改善のように歪取り焼鈍によってその改
善効果が消滅することなどなく、従ってとくに巻き鉄心
材料として優れた効果を発揮する。
まずこの発明の出発素材については、従来公知の一方
向性電磁鋼板の成分たとえば、C:0.002〜1.0%,Si:0.1
〜7.0%およびMn:0.002〜0.15%を含有する他、インヒ
ビター形成成分として、S:0.005〜0.5%,Se:0.005〜0.0
5%,Te:0.003〜0.03%,Sb:0.005〜0.05%,Bi:0.005〜0.
05%,Sn:0.01〜0.5%,Cu:0.01〜0.3%,Mo:0.005〜0.05
%,B:0.0003〜0.0040%,N:0.001〜0.01%,Al:0.005〜0.
05%,Ti:0.001〜0.05%,V:0.001〜0.05%およびNb:0.00
1〜0.05%のうちから選んだ少なくとも一種を含有する
素材いずれもが有利に適合する。
これらの素材は従来公知の製鋼法、たとえば転炉、電
気炉で製鋼され、さらに造塊−分塊法、連続鋳造法、ま
たはロール急冷法などによってスラブ、シートバーある
いは直接薄鋼板としたのち、必要に応じて熱間圧延、温
間又は冷間圧延によって含けい素鋼板とする。ついで必
要に応じて均一化焼鈍、さらには中間焼鈍を含む1回以
上の圧延により最終板厚に仕上げる。これら均一化焼鈍
および中間焼鈍は圧延後の結晶組織を均質化する再結晶
処理を目的としていて、通常は800〜1200℃で30秒〜10
分間保持して行う。また仕上げ厚は0.50mm以下とする
が、2次再結晶が不安定となる0.23mm以下の薄仕上げ厚
においてこの発明は特に有効である。
次に湿水素中で700〜900℃、1〜15分間程度の焼鈍を
施して鋼中Cを除去するとともに、次の焼鈍時にゴス方
位の2次再結晶粒を発達させるのに有利な1次再結晶集
合組織を形成させる。
しかるのち800〜1000℃、1〜50時間程度の2次再結
晶焼鈍についで850〜1250℃,5〜50時間程度の純化焼鈍
からなる最終仕上げ焼鈍を施すわけであるが、この発明
では、上記の最終仕上げ焼鈍前において、 鋼板に局所歪を付与する工程と、 鋼板の縁部に、2次再結晶核の形成材料を溶接する工
程 とを組み込むのである。
ここに局所歪の付与手段として考えられる第1は、冷
間圧延途中で鋼板を局所的に加熱して部分的に歪を解決
することにより、蓄積歪を少なくして2次結晶前の1次
粒径を部分的に大きく、即ち粒界の歪量を少くする方法
である。また考えられる手段の第2は、上述の工程とは
逆に前述の基本実験の場合のように、焼鈍(最終仕上げ
焼鈍を除く)前のいずれかの段階において鋼板を局所的
に浸炭することにより部分的に歪を導入し、蓄積歪を多
くして結果的に2次結晶前の1次粒径を部分的に小さ
く、即ち粒界歪を大きくする方法である。さらに考えら
れる手段の第3は、上述第2の手段とは逆に脱炭焼鈍前
のいずれかの段階において鋼板を局所的に脱炭すること
により部分的に歪を解放し、蓄積歪を少くして結果的に
2次再結晶前の1次粒径を部分的に大きく、即ち粒界歪
を少くする方法である。またさらに考えられる工程の第
4は、2次再結晶前の鋼板に機械的手法などにより直接
歪を導入する方法である。
以上、第1,第2,第3および第4の手段において、歪解
放,浸炭,脱炭,歪導入の方法ならびに時期、量,形態
については特に規定しないが、いずれの工程において
も、2次再結晶時に2次粒の潜伏期間にはあまり影響を
与えないが成長速度には大きな変化を与える範囲内にお
いて適宜変えることが好ましい。
また2次再結晶核の形成材料の溶接については、溶接
時期は上述したとおり最終仕上げ焼鈍前までのいずれの
段階においても実施可能である。また溶接方法は従来公
知のガス、通電、レーザー、プラズマおよび電子ビーム
などいかなる方法も可能であり、溶接のし方についても
突き合わせおよび重ね合わせなどいずれもが適合する。
また溶接する2次再結晶核形成材料としては、ゴス方
位集度の高い単結晶体および多結晶体のいずれもが適合
する。このうち多結晶体の好適材料としては、 C:0.025〜0.050%,Si:0.1〜4.0%,Mn:0.05〜0.07
%,S:0.015〜0.025%, C:0.025〜0.060%,Si:0.1〜4.0%,Mn:0.05〜0.07
%,Se:0.015〜0.040%,Sb:0.020〜0.060%,Mo:0.010〜
0.025%, C:0.050〜0.090%,Si:2.5〜4.0%,Mn:0.05〜0.10
%,S:0.015〜0.025%又はSe:0.015〜0.040%,Al:0.015
〜0.040%,N:0.050〜0.100%, をそれぞれ含有し、残部はFeおよび不可避的不純物より
なるけい素鋼スラブを、1250℃以上の温度に加熱後、80
0℃以上の温度で熱間圧延を施して得た熱延板等があ
り、さらにその形状は板状、線状などなんでもよい。
また溶接される材料としては、N化物又はS,Se,TeのM
n化合物の微細分散相を少くとも1種比較的多量に含有
させることにより正常粒成長をできるだけ抑えるととも
に1次粒のゴス成分ができるだけ少くなるように強圧下
圧延あるいは圧延前に脱Cしたものなどが適合し、とく
に2次再結晶時に、2次粒は成長するが発生はしないも
のである方が、この発明を一層効果的に適用し得る。
なお2次再結晶焼鈍時に、2次再結晶粒と1次再結晶
粒との境界における温度勾配が1℃/cm以上の温度傾斜
焼鈍を施すことにより、さらに最終仕上げ焼鈍後の鋼板
表面を鏡面状態としたのちCVD法やPVD法などのドライプ
レーティングによって金属の窒化物、炭化物および酸化
物のうち少くとも一種より主として成る極薄被膜を鋼板
表面に強固に被成することにより、一段と磁性が向上す
る。
(実施例) 実施例1 C:0.075%,Si:3.30%,Mn:0.075%,S:0.025%,Al:0.03
0%およびN:0.0085%を含有し、残部はFeおよび不可避
的不純物よりなるけい素鋼スラブに、熱間圧延を施して
板厚1.8mmの熱延板とし、次に1120℃で2分間焼鈍後、
ミスト中で急冷したものをA素材とした。またC:0.100
%,Si:3.45%,Mn:0.20%,S:0.003%,Al:0.0.25%および
N:0.0090%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物よ
りなるけい素鋼スラブを、熱間圧延して2.3mmの熱延板
としたのち、冷間圧延により板厚1.8mmに圧延した。次
にプラズマアークにより圧延方向の直角方向に3mm間隔
で板厚を貫通するプラズマ照射を行って1次再結晶させ
たものをB素材とした。
B素材の端部にA,B各々の素材の圧延方向、圧延面を
一致させて、A素材を突合せ、接合部にグラファイト粉
と鉱物油の混合物を塗布したのち、レーザー溶接してC
素材とした。ついでB,C素材に冷延を施して板厚0.23mm
の冷延板に仕上げた。
次に湿水素中で840℃、10分間の脱炭を施し、MgO焼鈍
分離剤を塗布,乾燥させた後、圧延方向にR=500mmの
曲率の湾曲を付与して15℃/hの速度で昇温し、1200℃,2
0時間の純化焼鈍を行った。さらにりん酸塩を主体とし
た絶縁コーティングを施したのち、800℃で3時間の歪
取り焼鈍を実施した。
この時の磁気特性は、局所歪の導入のみで核形成材料
であるA素材が溶接されていないB素材がB10=1.520
(T)であったのに対し、この発明に従い、局所歪を導
入しかつ核形成材料であるA素材が溶接したC素材はB
10=1.945(T)、W17/50=0.81(W/kg)と大幅に改善
されていた。
なお、核形成材料であるA素材はB10=1.948(T)、
17/50=0.90(W/kg)であった。
実施例2 実施例1のB素材の熱延板を酸洗して表面の酸化スケ
ールを除去した。次に鉱物油とグラファイトを混合した
液体を鋼板表面に塗布し、圧延方向に5mm間隔で圧延方
向と直角方向に板厚を貫通する条件で直径が1mmのレー
ザービームを照射を施したものをD素材とした。
ついでD素材の端部に、実施例1のA素材を、A,D各
々の圧延方向,圧延面を一致させて突き合せ、接合部に
グラファイト粉と鉱物油の混合物を塗布したのち、レー
ザー溶接してE素材とした。このE素材に冷間圧延を施
して板厚0.23mmの冷延板に仕上げた。その後実施例1と
同様の処理を施した。この時のE素材の磁気特性は、 B10=1.950(T),W17/50=0.80(w/kg) であり、大幅な磁性の改善が達成された。
実施例3 実施例1のB素材の熱延板を酸洗により表面スケール
を除去した後、鋼板面に厚さ2μmの銅めっきを施し
た。次に圧延方向に5mm間隔で圧延方向と直角方向に銅
めっき層のみが蒸発する条件で直径が2mmのレーザービ
ームを照射し、840℃で10分間湿水素中で脱炭後、残余
の銅めっきを除去したものをF素材とした。このF素材
の端部に実施例1のA素材をA,Fそれぞれの素材の圧延
方向,圧延面を一致させて突き合せ、接合部にグラファ
イト粉と鉱物油の混合物を塗布した後、レーザー溶接し
G素材とした。G素材に冷延を施して板厚0.23mmの冷延
板に仕上げた。次に湿水素中で840℃、10分間の脱炭を
施し、MgO焼鈍分離剤を塗布,乾燥後、圧延方向にR=5
00mmの曲率で湾曲を付与して15℃/hの速度で昇温し、12
00℃で20時間の純化焼鈍を行った。さらにりん酸塩を主
体とした絶縁コーティングを施したのち、800℃で3時
間の歪取り焼鈍を実施した。この時のG素材の磁気特性
は、 B10=1.933(T),W17/50=0.86(w/kg) であり大幅な磁性の改善が達成できた。
実施例4 C 0.045%,Si 3.25%,Mn 0.065%,Mo 0.012%,Se 0.0
19%およびSb 0.025%を含有し、残部はFeおよび不可避
的不純物よりなるけい素鋼スラブを、2.3mm厚に熱間圧
延して得た熱延板をH素材とし、実施例1のA素材熱延
板の端部にA,Hそれぞれの素材の圧延方向を一致させて
H素材を突き合せ、接合部にグラファイト粉と鉱物油の
混合物を塗布した後、レーザー溶接いた。この溶接材に
900℃で3分間の均一化焼鈍を施し、ついで第1回目の
冷間圧延を施して0.60mmの中間板厚としてから、950℃
で3分間の中間焼鈍を施した後、第2回目の冷延を施し
て板厚0.23mmの冷延板に仕上げた。次に湿水素中で850
℃、5分間の脱炭を施したのち、突起付ロールで、圧延
方向に6mm間隔で幅3mmの圧延方向に交差するような帯状
の歪を1%,A素材の圧延方向に対して半分のみに導入し
た。
次にMgO焼鈍分離剤を塗布,乾燥後、圧延方向にR=5
00mmの曲率の湾曲を付与して、850℃で30時間の2次再
結晶焼鈍を施した後、20℃/hの速度で昇温し、1200℃で
20時間の純化焼鈍を行った。さらにりん酸塩を主体とし
た絶縁コーティングを施したのち、800℃で3時間の歪
取り焼鈍を実施した。この時のA素材の磁気特性は歪を
導入しない領域に対応するものが、B10=1.925(T),W
17/50=0.88(w/kg)であったのに対し、歪を導入した
領域に対応するものはB10=1.925(T),W17/50=0.84
(w/kg)であり、大幅な特性の改善が達成されていた。
(発明の効果) かくしてこの発明によれば、2次再結晶前の鋼板に、
歪導入量の多い領域と少ない領域とを区画形成すること
によって2次再結晶粒の成長速度に人為的な差を与える
ことにより、2次粒界の増加すなわち2次粒の細分化ひ
いては磁気特性とくに歪取り焼鈍でも劣化しない鉄損の
低減化を実現することができ、さらには省エネルギーに
も大きく貢献するものである。

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】含けい素鋼スラブを、熱間圧延し、ついで
    少なくとも1回の焼鈍と冷間圧延を施したのち、最終仕
    上げ焼鈍を施すことによって一方向性電磁鋼板を製造す
    るに当り、最終仕上げ焼鈍前において、 鋼板に局所歪を付与する工程と、 鋼板の縁部に、2次再結晶核の形成材料を溶接する工程 とを有することを特徴とする磁気特性の優れた一方向性
    電磁鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】局所歪の付与が、冷間圧延の途中で鋼板を
    部分的に加熱するものである特許請求の範囲第1項記載
    の方法。
  3. 【請求項3】局所歪の付与が、焼鈍前のいずれかの工程
    で鋼板に部分的に浸炭するものである特許請求の範囲第
    1項記載の方法。
  4. 【請求項4】局所歪の付与が、焼鈍前のいずれかの工程
    で鋼板を部分的に脱炭するものである特許請求の範囲第
    1項記載の方法。
  5. 【請求項5】局所歪の付与が、最終仕上げ焼鈍直前に機
    械的手法により鋼板に直接歪を導入するものである特許
    請求の範囲第1項記載の方法。
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