JP2000017334A - 低鉄損でかつ高磁束密度を有する方向性及び無方向性電磁鋼板の製造方法並びに連続焼鈍設備 - Google Patents

低鉄損でかつ高磁束密度を有する方向性及び無方向性電磁鋼板の製造方法並びに連続焼鈍設備

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JP2000017334A
JP2000017334A JP19034998A JP19034998A JP2000017334A JP 2000017334 A JP2000017334 A JP 2000017334A JP 19034998 A JP19034998 A JP 19034998A JP 19034998 A JP19034998 A JP 19034998A JP 2000017334 A JP2000017334 A JP 2000017334A
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annealing
magnetic field
primary recrystallization
tension
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Michiro Komatsubara
道郎 小松原
Yasuyuki Hayakawa
康之 早川
Mitsumasa Kurosawa
光正 黒沢
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 この発明は、磁場を利用することにより、
低鉄損と高磁束密度を兼ね備えた電磁鋼板を工業的に安
定製造できる新規技術の提案を目的とする。 【解決手段】 重量%でC:0.095 %以下、Si:1.5 〜
7.0 %、Mn:0.03〜2.50%を含有する鋼スラブを熱間圧
延及び冷間圧延し、連続1次再結晶焼鈍及び最終仕上げ
焼鈍する一連の工程によって方向性電磁鋼板を製造する
にあたり、最終冷間圧延前の鋼板を構成する結晶の平均
結晶粒径を10μm以上とし、昇温時における500 ℃以
上の平均昇温速度を4℃/s以上とすること、焼鈍温
度を700 〜900 ℃の範囲内にすること、少なくとも50
0 ℃以上において、1.5 T以上の交流ないし直流の磁場
を0.03秒間以上の間、圧延方向の向きに鋼板に印加する
こと、及び、少なくとも磁場印加時に負荷する鋼板張
力を2.0 kgf /mm2 以下とすることを満足する連続1次
再結晶焼鈍を行うことを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、変圧器や発電機
および電動機の鉄心に利用される方向性及び無方向性電
磁鋼板の製造方法並びに連続焼鈍設備に関するものであ
り、特に、変圧器の小型化に適した高磁束密度電磁鋼板
の鉄損特性を改善する。
【0002】
【従来の技術】Siを含有し、かつ結晶方位が{110 }<0
01> 方位や{100 }<001> 方位に配向した方向性電磁鋼
板は、優れた軟磁気特性を有することから商用周波数域
での各種鉄芯材料として広く用いられている。
【0003】この電磁鋼板の特性としては、一般に50 H
z の周波数で1.7 Tに磁化させたときの損失であるW
17/50 (W/kg)で表わされるところの鉄損が低いこと
が重要であり、実機における特性評価においても、大型
変圧器の鉄芯や巻鉄芯の鉄損はW17/50 の値が低い材料
が優れている結果を得ている。
【0004】ここで、上述の結晶方位の配向を向上させ
た磁束密度の高い方向性電磁鋼板は、変圧器の小型化に
有利なため、近年の省エネルギー志向により年々その使
用量は増加する傾向がある。
【0005】方向性電磁鋼板は、鋼中にインヒビターと
呼ばれる成分を含有させ、鋼スラブを高温に加熱してイ
ンヒビターを鋼中に固溶させた後、熱間圧延を施し、微
細にインヒビターを析出させ、2次再結晶と称される現
象を利用して前述の結晶方位を得る工程によって製造す
る方法が一般的であり、高磁束密度を有する方向性電磁
鋼板においてはインヒビターとして、通常はAlNとMnS
もしくはAlNとMnSeを使用する。
【0006】しかしながら、上記方法は、鋼スラブ中に
インヒビターを微細に析出させるため、高温スラブ加熱
を行わなければならず、これは高コストと高度な温度制
御を必要とする。
【0007】このため、インヒビターを用いない方向性
電磁鋼板についての研究開発も行われている。
【0008】かかる方向性電磁鋼板は、最終仕上げ焼鈍
において2次再結晶現象を利用して結晶の方位を特定の
方位に揃えることにより達成され、その製造技術は、ひ
とえに2次再結晶粒の結晶方位の高度な集積技術に負っ
ている。
【0009】2次再結晶粒の結晶方位を集積させるに
は、1次再結晶集合組織を制御することが重要であり、
具体的には、2次再結晶する結晶方位の粒の1次再結晶
密度を増加させることと、2次再結晶する結晶方位を有
する結晶粒が成長しやすい結晶方位の1次再結晶密度を
増加させることとの双方を満足させることが必要であ
る。
【0010】このような1次再結晶集合組織の制御の方
法としては、従来から1次再結晶焼鈍の昇温速度や焼鈍
雰囲気などの適正化を図る数多くの研究がなされてきた
が、近年、磁場中における再結晶技術を用いて集合組織
を制御する技術が開発されて注目されるようになった。
【0011】すなわち、特開昭61−52318 号公報には、
1次再結晶の初期段階において、400 ℃以上かつ磁気変
態点以下の温度範囲内で50エルステッド以上の交流もし
くは直流磁場を、鋼板の圧延方向に平行に付与し方向性
電磁鋼板の磁束密度および鉄損を向上させる技術が開示
されている。
【0012】しかし、この技術では、高磁束密度を安定
して得ることが困難であり、しばしば磁束密度の劣る方
向性電磁鋼板が製造される場合があったので、工業化に
は至らなかった。
【0013】さらに、特開平5−39526 号公報において
は、上掲公報に開示された技術に加えて、400 〜800 ℃
の昇温における昇温速度を10℃/s以上とする技術及び
1次再結晶焼鈍の回復ないし再結晶の初期段階に鋼板の
圧延方向に磁場を印加する技術が開示されているが、こ
れらの技術においても安定して高磁束密度を得ることが
困難であった。特に、脱炭・1次再結晶焼鈍のための工
業的生産設備として用いられている連続焼鈍設備にこれ
らの技術を適用した場合、大部分の方向性電磁鋼板の製
品で磁束密度が劣る傾向にあった。
【0014】尚、上述したところは、方向性電磁鋼板の
場合の問題点について説明したが、無方向性電磁鋼板の
場合でも同様な問題点があり、即ち、無方向性電磁鋼板
の場合にも、優れた磁気的特性を得る方法として1次再
結晶集合組織の制御を行うことが重要であり、従来の製
造方法では、高磁束密度を安定して得ることが困難であ
るという問題点等があった。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、かかる磁
場を利用し1次再結晶集合組織を制御し、ひいては2次
再結晶を制御し、低鉄損と高磁束密度を兼ね備えた電磁
鋼板を工業的に安定して製造できる新規な技術を提案す
ることを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】この発明は、強磁場下に
おける方向性電磁鋼板の1次再結晶集合組織について、
これまで以上により詳細に検討し、特に、研究室での実
験と工場設備での生産との差異を検討したところ、連続
焼鈍を行う工場設備では、研究室での実験の場合のよう
に磁場のみを印加する状態で焼鈍するのではなく、鋼板
比較的大きな張力が作用した状態で焼鈍されること、
および再結晶時に磁場と張力の双方が鋼板に印加され
た状態で焼鈍する場合では、磁場のみを印加する場合に
比べて優れた磁気特性を得るには好ましくない集合組織
になることを見出した。
【0017】そして、本発明者らは、最終冷間圧延前の
鋼板を構成する結晶の粒径と、連続一次再結晶焼鈍時に
印加する磁場及び鋼板張力の適正化を図り、1次再結晶
集合組織を適正に制御することで、良好な磁気特性が得
られることを見出し、これをもとに、その他多くの工夫
を加えこの発明を完成させるに至ったのである。
【0018】すなわち、第1の発明の方法は、重量%で
C:0.095 %以下、Si:1.5 〜7.0%、Mn:0.03〜3.50
%、必要によりインヒビター成分を含有する鋼スラブを
熱間圧延し、1回もしくは2回以上の冷間圧延で最終板
厚とし、連続1次再結晶焼鈍を施し最終仕上げ焼鈍によ
り磁気特性を得る一連の工程によって方向性電磁鋼板を
製造するにあたり、最終冷間圧延前の鋼板を構成する結
晶の平均結晶粒径を10μm以上とし、下記〜の条件
を満足する連続1次再結晶焼鈍を行うことを特徴とする
ものである。
【0019】記 昇温時における500 ℃以上の平均昇温速度を4℃/s
以上とすること、 焼鈍温度を700 〜900 ℃の範囲内にすること、 少なくとも500 ℃以上において、1.5 T以上の交流な
いし直流の磁場を0.03秒間以上の間、圧延方向の向きに
鋼板に印加すること、及び、 少なくとも磁場印加時に負荷する鋼板張力を2.0 kgf
/mm2 以下とすること
【0020】また、鋼スラブに、S,Se,Al,Sb,Bi,
Cu,Cr,Ni,Sn,Geの中から選択した1種もしくは2種
以上を、重量%でS、Se,Alを各0.010 〜0.035 %、S
b,Biを各0.0005〜0.0800%、Cu,Cr,Ni,SnまたはGe
においては各0.0010〜1.3000重量%を含有させることが
好ましい。
【0021】さらに、最終冷間圧延後から最終仕上げ焼
鈍前までの間、または最終仕上げ焼鈍後に、鋼板表面に
複数の溝を形成させることが好ましい。
【0022】さらにまた、連続1次再結晶焼鈍時の500
〜800 ℃の温度範囲にて、4T以上の交流もしくは直流
磁場を少なくとも0.5 〜25秒間の範囲内で印加し、かつ
鋼板張力を0.01〜1.00 kgf/mm2 の範囲に規制すること
が好ましい。
【0023】加えて、脱炭焼鈍後、2次再結晶開始まで
の間で窒化処理を施して、鋼中のN含有量を50〜250 pp
m の範囲にすることが好ましい。
【0024】また、第2の発明の方法は、重量%でSiを
0.1 〜7.0 %、Mnを0.03〜3.50%を含有し、Cを0.060
%以下、Nを0.004 %以下、Sを0.004 %以下に規制し
た鋼スラブを熱間圧延し、1回もしくは2回以上の冷間
圧延で最終板厚とし、連続1次再結晶焼鈍を施して磁気
特性を得る一連の工程によって無方向性電磁鋼板を製造
するにあたり、最終冷間圧延前の鋼板を構成する結晶の
平均結晶粒径を10μm以上とし、下記〜の条件を満
足する連続1次再結晶焼鈍を行うことを特徴とするもの
である。
【0025】記 昇温時における500 ℃以上の平均昇温速度を4℃/s
以上とすること、 焼鈍温度を700 〜1100℃の範囲内とすること、 少なくとも500 ℃以上において、1.5 T以上の交流な
いし直流の磁場を0.03秒間以上の間、圧延方向の向きに
鋼板に印加すること、及び、 少なくとも磁場印加時に負荷する鋼板張力を2.0 kgf
/mm2 以下とすること
【0026】さらに、連続1次再結晶焼鈍時の500 〜80
0 ℃の温度範囲にて、4T以上の交流もしくは直流磁場
を少なくとも0.5 〜25秒間の範囲内で印加し、かつ鋼板
張力を0.01〜1.00 kgf/mm2 の範囲に規制することが好
ましい。
【0027】さらにまた、第3の発明の連続焼鈍設備
は、鋼板の走行方向に1.5 T以上の磁場を印加する磁場
発生装置と、鋼板張力を低減する張力制御装置とを1次
再結晶温度域に設けることが好ましい。
【0028】尚、この発明でいうところの冷間圧延と
は、鋼の再結晶温度以下の温度で行う圧延をいい、具体
的には温間圧延も含まれる。
【0029】
【発明の実施の形態】次に、この発明を完成するに至っ
た経緯を実験例に基づいて以下で説明する。 ・実験1 C:0.063 wt%、Si:3.34wt%、Mn:0.07wt%、Se:0.
07wt%、Sb:0.025 wt%、B:0.0025wt%、N:0.0065
wt%を含有し、厚さ220 mmのけい素スラブを熱間圧延に
より板厚2.2 mmの熱延板に仕上げた。
【0030】ついで、この熱延板に1020℃で1分間の熱
延板焼鈍を施した後、ミスト水を噴射して急冷し、さら
に、最高板温度240 ℃の温間圧延により0.34mm厚の鋼板
とした。この鋼板から、圧延方向および圧延直角方向に
それぞれ幅30mm、長さ400 mmの寸法に切り出した試料5
を多数採取して研究室実験用の供試材とし、図1に示す
張力と磁場を同時に印加できる研究用焼鈍炉体4内を、
55%のH2 ガス、露点50℃、残部N2 ガスバランスの湿
水素雰囲気にし、この雰囲気中にて、850 ℃で均熱時間
2分間の脱炭・1次再結晶焼鈍を施した。この脱炭・1
次再結晶焼鈍において、昇温時のみ、均熱時のみ、及び
昇温時と均熱時の双方の3条件下で、種々の程度の磁場
及び荷重(鋼板張力)を印加した。
【0031】その後、圧延方向に長く切り出した試料に
ついては、1次再結晶集合組織を調査するとともに、28
0 mmの長さに切断し、10%のTiO2 と2%のとSr(OH)2
を含有するMgOからなる焼鈍分離剤を試料に塗布し最終
仕上げ焼鈍を施した。最終仕上げ焼鈍は、N2 単独の雰
囲気下において30℃/hの昇温速度で840 ℃に昇温しこ
の温度で20時間保持した後、25%N2 ガスと75%H2
スの混合雰囲気で1050℃まで12℃/hの昇温速度で昇温
し、以後H2 ガス単独雰囲気で1200℃まで昇温してこの
温度で5時間保持し、その後冷却した。
【0032】冷却後は未反応分離剤を除去し、コロイグ
ルシリカを含有するリン酸マグネシウムを主成分とする
絶縁張力コーティングを塗布し、800 ℃で焼き付け磁気
特性を測定した。また、圧延直角方向に長い試料につい
ては集合組織を調査するにとどめた。
【0033】圧延方向に長く切り出した上記試料につい
て磁気特性を測定した結果の一部を表1および図2、図
3に示す。
【0034】尚、表1の昇温速度は、脱炭・1次再結晶
焼鈍の昇温時における500 〜850 ℃の温度範囲での昇温
速度を意味し、また、図2では、脱炭・1次再結晶焼鈍
の昇温時において、500 〜850 ℃の温度範囲での昇温速
度を10〜15℃/sとし、この間に8Tの磁場を印加した
場合(図2中で「○」で示す。)と、磁場を印加しない
場合(図2中で「●」で示す。)において、鋼板に負荷
する張力の大きさが磁気特性に及ぼす影響を示し、さら
に、図3では、脱炭・1次再結晶焼鈍の昇温時におい
て、500 〜850 ℃間の昇温速度を10〜15℃/sとし、こ
の間に0.2 kgf /mm2 の張力を鋼板に負荷した場合に、
印加する磁場の強度が磁気特性に及ぼす影響を示した。
ここで、前記張力は、鋼板に負荷する荷重を、その負荷
方向と垂直な方向の鋼板の断面積で割った値とし、前記
張力の変更は前記荷重を変えることにより行った。
【0035】
【表1】
【0036】表1より、磁場のみを印加した場合(条件
記号c)は、磁場も張力も印加しない場合(条件記号
a)に比較して極めて優れた磁気特性が得られているこ
とがわかる。
【0037】これに対し、磁場および強い張力を併せて
適用した場合(条件記号e)では、磁気特性は大幅に劣
化している。
【0038】また、磁場を印加し、かつ適正な張力を負
荷する期間としては、脱炭・1次再結晶焼鈍の昇温時
(少なくとも500 〜850 ℃の温度範囲)であれば、ほぼ
十分であることが表1の条件記号gからわかる。
【0039】さらに、磁場を印加せずに強い張力のみを
負荷する場合(条件記号d)では、磁場も張力も印加し
ない場合(条件記号a)に比較し、逆に磁気特性が劣化
しているが、その劣化の程度は磁場および強い張力を併
せて適用した場合(条件記号e)に比較して軽度であ
る。
【0040】また、前記昇温速度が速く、前記張力が小
さく、磁場の強さが大きい場合(条件記号g)は、極め
て磁気特性が優れているのがわかる。
【0041】加えて、前記昇温速度が速い場合(条件記
号a)は、前記昇温速度が遅い場合(条件記号f)に比
較して磁気特性が良好であり、また、磁場及び張力を適
正範囲であるものの、前記昇温速度が遅い場合(条件記
号b)は、磁場も張力も印加しない場合(条件記号a)
よりも却って磁気特性が劣化することも分かった。
【0042】次に、このような好結果をうるための、磁
場の強度の範囲および規制すべき張力の範囲と磁気特性
との関係について、図2および図3に示した。
【0043】図2より、張力としては2.0 kgf /mm2
下に規制すること、また、図3より、印加すべき磁場の
強度としては1.5 T以上の値とすることによって、優れ
た磁気特性が得られることがわかる。
【0044】そして、上記のような結果を得た理由につ
いて、脱炭・1次再結晶焼鈍板の集合組織を含め、数多
くの調査を行い以下の結論を得た。
【0045】すなわち、第1には、磁場の印加により磁
気特性が変化したのは、脱炭・1次再結晶焼鈍における
回復および再結晶現象が磁場の印加により影響されたた
めであるという点である。
【0046】これについては、従来よりよく知られてい
る現象である。例えば、磁場の印加により回復及び再結
晶が遅れ、また、昇温速度を増加させることによっても
同等の作用、すなわち{111 }<112> の方位を有する結
晶粒の再結晶を遅らせ、結果的に{hk0 }<001> 方位を
有する結晶の再結晶粒を、鋼板の集合組織において優勢
ならしめることであるといれている。
【0047】しかしながら、鋼板に負荷する張力の効果
については明確でない。特に、図2に示されるように、
強磁場が存在しているもとで鋼板に強い張力を負荷する
場合には、磁気特性が極端に劣化する傾向がある。
【0048】このことが、通常、鋼板の炉内走行のため
に、鋼板に張力が必然的に負荷される工業的な連続焼鈍
において、磁気特性の不安定と大幅な劣化をもたらした
原因であった。
【0049】しかしながら、比較的弱い張力を鋼板に負
荷しつつ高磁場を印加した場合には磁気特性の向上が認
められた。
【0050】こうした張力がもたらす作用について、再
結晶集合組織の観点から検討を加えた結果では、再結晶
時に鋼板に圧延方向の高張力を加えると、再結晶の前駆
段階のセルの再配列時に局部的なせん断力が作用し、前
述の{111 }<112> の方位の結晶粒や、{hk0 }<001>
方位の結晶粒の方位が、最大せん断応力方向に回転する
傾向が一般に認められるようになる。
【0051】しかし、ここで高張力に併せて鋼板に強磁
場が印加されると、最大せん断応力の方向に回転した結
晶方位を有する結晶の再結晶がすこぶる優勢となり、そ
の結果、1次再結晶集合組織において{111 }<112> 方
位や{hk0 }<001> 方位の強度が減少し、これより大き
くずれた方位の再結晶集合組織が優勢となる。この結
果、通常の(110) 001 方位から大きくずれた2次再結
晶粒が生成し、磁気特性が大幅に劣化する結果となるこ
とがわかった。
【0052】これに対して、鋼板に比較的弱い張力を負
荷した場合には、<001> 方位の配向性が高まるという結
果を得た。この結果は、磁場と張力が再結晶に協同的に
作用したためであり、従来明確でなかった極めて特殊な
作用によって生じるものである。
【0053】次に、第2には、上述したような磁場を適
用する場合に必要な時間を調査したところ、磁場の程度
にも依存するが、少なくとも0.03秒間以上の印加が必要
であることがわかった。さらに、こうした磁場による作
用は、再結晶時の昇温速度は、遅すぎると十分に発揮さ
れないため、少なくとも500 ℃以上の温度範囲での平均
昇温速度を4℃/s以上とすることが必要であることも
わかった。
【0054】尚、ここでいう平均昇温速度とは、鋼板温
度として500 ℃から再結晶が完全に終了するまでの700
℃までの平均昇温速度をいう。即ち、昇温時における少
なくとも500 ℃以上の温度範囲での平均昇温速度が4℃
/s以上であればよいため、昇温を一定の速度で行う必
要は必ずしもなく、昇温の途中で昇温速度を適宜変更す
ることができる。
【0055】ここで、昇温の途中において再結晶前に30
秒間以内の徐熱または温度保持を行い、その後10℃/s
で急熱する処理は、集合組織の改善効果が極めて大き
く、磁気特性も良好な製品が得られる。
【0056】さらに、第3には、上記のような強磁場の
作用を得るには、最終冷間圧延前の鋼板を構成する結晶
の平均結晶粒径を10μm以上とすることが必要であるこ
とがわかった。
【0057】すなわち、最終冷間圧延前の鋼板を構成す
る結晶の平均結晶粒径が10μm未満である場合、1次再
結晶焼鈍において、再結晶する結晶は、圧延前における
旧結晶粒界の位置から優先的に再結晶する傾向が強くな
り、この場合には強磁場の影響がほとんど認められなく
なるからである。尚、磁場の種類については、直流磁場
の方がより好ましいが、交流磁場でもよい。
【0058】以上の実験と調査をもとに鋭意研究を行っ
た結果としてこの発明を完成したものである。以下に、
この発明に従う方向性電磁鋼板あるいは無方向性電磁鋼
板の製造方法を上記成分組成及び上記製造条件に限定し
た理由を説明する。
【0059】まず、方向性電磁鋼板の製造方法(第1発
明)で成分組成を限定した理由について説明する。
【0060】C:0.095 wt%以下 Cは、α−γ変態による組織調整するためには有効な成
分であるが、C含有量が0.095 wt%を超えると脱炭焼鈍
工程において脱炭不良を招き、磁気特性が劣化する。し
たがって、C含有量は0.095 wt%以下とする。
【0061】Si:1.5 〜7.0 wt% Siは、電気抵抗を増加させ鉄損を低減させるために必須
の成分であり、このためには1.5 wt%以上含有させるこ
とが必要であるが、7.0 wt%を超えて含有させると加工
性が劣化し製品の製造や製品の加工が極めて困難にな
る。したがって、Si含有量は1.5 〜7.0 wt%の範囲とす
る。
【0062】Mn:0.03〜3.50wt% Mnは、Siと同様に電気抵抗を高め、また、製造時の熱間
加工性を向上させるので重要な成分であるため、0.03wt
%以上含有させることが必要であるが、3.50wt%を超え
て含有させるとγ変態を誘起して磁気特性が劣化する。
したがって、Mn含有量は0.03〜3.50wt%の範囲とする。
【0063】上記成分の他に、2次再結晶を誘起させる
ためのインヒビターを必要に応じ鋼中に含有させること
ができる。インヒビター成分としては、S,Se,Al,S
b,Bi,Cu,Cr,Ni,Sn,Ge, Te,P,Pb,Zn,In,P
などがあり、この中で特に、S,Se,Al,Sb,Bi,Cu,
Cr,Ni,Sn,Geの1種もしくは2種以上を選択して用い
るのが好ましく、この場合、鋼スラブに、S,Se,Alを
各0.010 〜0.035 wt%、Sb,Biを各0.0005〜0.0800wt
%、Cu,Cr,Ni,SnまたはGeを各0.0010〜1.3000wt%含
有させることがより好適である。
【0064】また、N含有量が30ppm 未満の場合は、脱
炭焼鈍後、2次再結晶開始までの間で窒化処理を施し
て、鋼中のN含有量を適正化を図ることもできる。この
場合、N含有量は150 〜250 ppm の範囲にするのがより
好適である。
【0065】次に、無方向性電磁鋼板の製造方法(第2
発明)で成分組成を限定した理由について説明する。
【0066】C:0.060 wt%以下 無方向性電磁鋼板においては、C含有量が0.060 wt%を
超えると脱炭・1次再結晶焼鈍工程においてもCの十分
な除去がなされず、願著な磁気特性の劣化を招くため、
その含有量は0.060 wt%以下とする。
【0067】また、C含有量が0.006 wt%以下であれば
脱炭焼鈍をあえて行う必要はなく、1次再結晶のみの工
程としてもよく、この場合には、表面の内部酸化層の生
成を抑制することが可能となるので、磁気特性の更なる
向上効果が得られる。
【0068】Si:1.5 〜7.0 wt% Siは、電気抵抗を増加させ鉄損を低減させるために必須
の成分であり、このためには1.5 wt%以上含有させるこ
とが必要であるが、7.0 wt%を超えて含有させると加工
性が劣化し製品の製造や製品の加工が極めて困難にな
る。したがって、その含有量は1.5 〜7.0 wt%の範囲と
する。
【0069】Mn:0.03〜3.50wt% Mnは、Siと同様に電気抵抗を高め、また、製造時の熱間
加工性を向上させるので重要な成分であるため、0.03wt
%以上含有させることが必要であるが、3.50wt%を超え
て含有させるとγ変態を誘起して磁気特性が劣化する。
したがって、その含有量は0.03〜3.50wt%の範囲とす
る。
【0070】N:0.004 wt%以下 Nは、Cと同様、鋼中に存在して磁気特性を劣化させる
成分であり、かつCと異なり製造の途中での低減が困難
である。この磁気特性の劣化を回避するためには0.004
wt%以下とすることが必要である。
【0071】S:0.004 wt%以下 Sは、鋼中に存在して1次再結晶粒の成長を抑制し鉄損
を劣化させる成分であり、これを回避するためには0.00
4 wt%以下に規制することが必要である。
【0072】さらに、第1及び第2の発明の製造方法で
それぞれ製造条件を限定した理由について説明する。ま
ず、第1及び第2の発明とも、各上記成分に調整された
鋼スラブを、1200℃程度の通常の温度で加熱した後、熱
間圧延に供される。特に第1発明では、鋼スラブ中に、
必要に応じて含有させるインヒビターを固溶させるた
め、通常以上の高温(1350〜1450℃程度)に加熱するの
が好ましい。
【0073】この後、第1及び第2の発明とも、鋼板を
冷間圧延するが、冷間圧延は、熱延板焼鈍後の1回冷間
圧延法、熱延板焼鈍後に中間焼鈍を挟む2回以上の冷間
圧延法または熱延板焼鈍を省略または低温化した中間焼
鈍を挟む2回以上の冷間圧延法のいずれの圧延法によっ
ても行うことができる。
【0074】また、各焼鈍においては必要に応じて焼鈍
後に急冷処理を施すことができる。ここで急冷処理と
は、自然放冷よりも早い冷却速度となるように気体およ
び/または液体を冷却媒として鋼板に吹き付けて鋼板を
冷却させる処理であり、例えばN2 ガスを吹き付けた
り、ミスト水やジェット水を吹き付けて鋼板を冷却させ
る処理のことをいう。
【0075】さらに、第1の発明においては、焼鈍雰囲
気の酸化性を高めて鋼板表層部を脱炭する公知の手段も
有効に作用するため、この手段を用いることができる
が、このときの脱炭量は0.005 〜0.025 wt%の範囲にす
ることがよい。
【0076】かかる脱炭処理によって鋼板表層部のC含
有量が低下し、焼鈍時のγ変態量が低減するため、2次
再結晶の核が生成する板厚表層部のインヒビターの抑制
力が強化され、より好ましい2次再結晶を得ることがで
きる。
【0077】ここで、第1及び第2の発明とも、最終冷
間圧延前の鋼板を構成する結晶の平均結晶粒径を10μm
以上とすることが必須である。
【0078】すなわち、最終冷間圧延前の鋼板を構成す
る結晶の平均結晶粒径が10μm未満であると、1次再結
晶焼鈍において、再結晶する結晶は、圧延前における旧
結晶粒界の位置から優先的に再結晶する傾向が強くな
り、この場合には強磁場の影響がほとんど認められなく
なり、この発明における強磁場による磁気特性向上効果
が得られなくなるからである。
【0079】したがって、第1及び第2の発明とも、最
終冷間圧延前の焼鈍において、温度、時間などを工夫し
て最終冷間圧延前の鋼板を構成する結晶の平均結晶粒径
を10μm以上にすることを必須とする。
【0080】また、冷間圧延の圧下率については、従来
から公知のように、第1の発明においては、最終冷間圧
延の圧下率を80〜95%の範囲又は40〜70%の範囲とする
冷間圧延を採用することができ、第2の発明においては
最終圧延の圧下率を 5〜40%の範囲又は55〜90%の範囲
とする冷間圧延を採用することができる。
【0081】さらに、最終冷間圧延においては、公知の
ように温間圧延やパス間時効を行うことも可能で、これ
によりさらに磁気特性を向上させることも可能である。
なお、最終冷間圧延後に、磁区細分化を図るため、公知
のように鋼板表面に線状の溝を形成することもまた可能
である。
【0082】かかる方法により最終冷間板厚とした鋼板
は、第1発明は、1次再結晶焼鈍を施され、また、第2
発明は、1次再結晶焼鈍を施したのち最終仕上げ焼鈍に
供される。
【0083】第1及び第2の発明は、いずれも上記1次
再結晶焼鈍を以下で説明する条件に従って行うことを主
な特徴とする。まず第1の条件としては、第1及び第2
の発明とも、かかる焼鈍は連続焼鈍で行う。これは、工
業的に鋼板を短時間に大量処理するために必須の技術だ
からである。
【0084】第2の条件としては、1次再結晶焼鈍の温
度を、第1発明では700 〜900 ℃、第2発明では700 〜
1100℃の範囲とすることが必要である。即ち、第1及び
第2の発明とも、700 ℃未満では1次再結晶を十分に生
じさせることができず、また、第1発明では、900 ℃を
超えると1次再結晶粒径が粗大化して良好な2次再結晶
が得られず、磁気特性が劣化するからであり、第2発明
では、1100℃を超えると、結晶粒径が過剰に粗大化し鉄
損が劣化するからである。
【0085】第3の条件としては、第1及び第2の発明
とも、1次再結晶焼鈍の昇温における500 ℃以上700 ℃
までの鋼板の平均昇温速度を4℃/s以上とすることが
必要である。即ち、平均昇温速度が4℃/s未満である
場合、強磁場による1次再結晶集合組織の改善効果が現
れず、良好な磁気特性を得ることができないからであ
る。
【0086】第4の条件としては、1次再結晶焼鈍の少
なくとも昇温過程500 ℃以上において、1.5 T以上の強
磁場を少なくとも0.03秒間、鋼板に対し、圧延方向の向
きに印加することが必要である。即ち、500 ℃以上の温
度にすれば、鋼板は回復・再結晶するようになり、さら
に、強磁場の作用と相まって、1次再結晶集合組織が改
善されて磁気特性の改善効果が現れるからである。ここ
に、このような、磁場の作用は1.5 T以上の大きさで顕
著になり、かつ0.03秒間以上磁場を印加することが必要
である。
【0087】尚、磁場の形態としては、直流磁場でも交
流磁場でもよく、また、磁場の適用は、必ずしも1次再
結晶時のみに限定されるわけではなく、昇温過程におけ
る550 ℃前後から1次再結晶時が開始されるまでを含む
焼鈍範囲であればいずれも有効である。
【0088】そして、第5の条件は、第1及び第2の発
明のいずれにおいても最も留意すべき必須の要件であ
り、具体的には、強磁場の印加時に鋼板に負荷する張力
を2.0kgf /mm2 以下に規制する点にある。
【0089】これは、工業的な連続焼鈍設備において
は、鋼板走行のためある程度の張力を鋼板に負荷せざる
をえないが、少なくとも磁場印加時には張力を2.0 kgf
/mm2以下に低減することが磁気特性の改善効果を得る
上で必要となる。
【0090】即ち、張力が2.0 kgf /mm2 を超えると、
再結晶方位が大きくずれ集合組織の劣化が甚だしく、磁
気特性の劣化を招くからである。さらに、この範囲の中
でも、特に0.1 〜1.0 kgf /mm2 の範囲で張力を負荷す
ることによって極めて良好な磁気特性の製品を得ること
が可能となる。
【0091】さらにまた、第1及び第2の発明とも、か
かる強磁場の作用をさらに有効に発揮させるための手法
として、下記の2種類の方法を採用することができる。
【0092】すなわち、第1は、1次再結晶焼鈍の500
〜800 ℃の温度範囲において、4T以上の直流磁場を少
なくとも0.5 〜25秒間の範囲内で印加し、かつ鋼板に対
し 0.1〜0.5 kgf /mm2 の張力に規制する方法であり、
第2は、1次再結晶焼鈍の昇温過程中、550 ℃以上再結
晶開始までの温度域において、3℃/s以下となる徐熱
または温度保持を30秒間以内で行い、引き続いて10℃/
s以上の急熱処理を4T以上の直流磁場の印加の下でか
つ0.1 〜1.0 kgf /mm2 の張力に規制する方法であり、
これらの方法によって、より有利に強磁場による1次再
結晶集合組織改の善効果を高めることができる。
【0093】1次再結晶焼鈍は、必要に応じて脱炭焼鈍
を兼ねることが可能である。この後、第2発明の場合に
は、必要に応じて鋼板表面に絶縁コーティングを塗布し
製品とする。また、第1発明の場合には、必要に応じ
て、MgOを主成分とする焼鈍分離剤を鋼板表面に塗布し
てから最終仕上げ焼鈍に供されたり、連続焼鈍による最
終仕上げ焼鈍に供され、2次再結晶化し、最終製品に近
い状態にする。
【0094】ここで、焼鈍分離剤に公知のようにAl2O3
や塩化物を配合し、最終仕上げ焼鈍後に一般に形成され
るフォルステライト被膜の形成を抑制し、その後、張力
被膜を形成させることも可能である。かかる張力被膜と
しては、セラミックス被膜、ガラス質被膜、めっきなど
により形成する金属被膜、及びこれらの混合物などによ
るあらゆる公知の被膜を適合することができる。
【0095】また、前述したように、1次再結晶焼鈍後
から2次再結晶開始までの間で鋼中にNを50〜250 ppm
の範囲で含有させる窒化処理を施すことも可能である。
この場合、脱炭焼鈍後、NH3 含有雰囲気中で熱処理をし
たり、窒化物を焼鈍分離剤中に含有させたり、最終仕上
げ焼鈍雰囲気を窒化雰囲気としたりする公知の技術が適
用できる。
【0096】さらに、最終冷間圧延後から最終仕上げ焼
鈍前の間、または最終仕上げ焼鈍後に、鋼板表面に複数
の溝を形成させることにより、公知のような磁区細分化
処理を施すこともできる。
【0097】最終仕上げ焼鈍後は、必要に応じて絶縁コ
ーティングを塗布してから焼き付け、さらに平坦化焼鈍
を施し製品とする。
【0098】加えて、平坦化焼鈍後の鋼板には鉄損の低
減を図るため、公知の磁区細分化処理としてプラズマジ
ェットやレーザー頗射を線状に施したり、突起ロールに
よる線状の凹みを設けたりする処理を施すこともでき
る。
【0099】最後に、第3の発明は、上記連続焼鈍を行
うための設備であり、具体的には、鋼板の走行方向に1.
5 T以上の磁場を印加する磁場発生装置と、鋼板張力を
低減する張力制御装置とを1次再結晶温度域に設けたも
のである。
【0100】ここでいう磁場発生装置とは、例えば、図
4に示すように、走行する鋼板を取り巻く超伝導コイル
1や相対する一対の磁場発生装置など、各種の方法によ
って被処理材(鋼板)9の走行方向11に磁場を印加する
装置を意味するが、少なくとも1.5 T以上の強磁場を鋼
板に印加させることができることが必要である。
【0101】また、磁場発生装置の設置位置について
は、焼鈍炉の炉体の中に設置するタイプであっても、ま
た、炉体の外に設置するタイプであってもよい。さら
に、磁場発生装置の設置位置は、鋼板が1次再結晶する
位置を含んでいれば、焼鈍設備の如何なる位置でも可能
である。
【0102】また、張力制御装置としては、図4に示す
ようなピンチロール10を用いて張力を低減する設備や段
差ロールを用いる設備などがある。さらに、これらの設
備に加えて、磁場の強度や鋼板走行時の張力を制御する
設備を負荷することが好ましいことはいうまでもない。
【0103】尚、この発明の連続焼鈍方法や連続焼鈍設
備は、方向性電磁鋼板の1次再結晶焼鈍のみに限られる
ものでなく、広く鉄鋼製品やAl,Cuなどの非鉄金属製品
の連続焼鈍方法や連続焼鈍設備に適用することも可能で
ある。
【0104】
【実施例】次に、第1及び第2の発明の方法に従って方
向性及び無方向性電磁鋼板を製造し、磁気特性を評価し
たので以下で説明する。 ・実施例1( 第1発明) 表2に示す鋼塊記号A〜Jの成分組成の溶鋼を連続鋳造
で鋳込み厚み250 mmのスラブとし、鋼塊記号A〜Gのス
ラブは1420℃の温度に、記号H〜Jのスラブは1180℃の
温度に加熱した後、スラブの幅を40mm減少させる幅圧下
を行い、さらに厚みを230 mmに減厚した後、熱間圧延を
施した。熱間圧延は、粗圧延で35mm、仕上げ圧延で2.4
mmの厚さにした。このとき、熱間圧延終了温度は 930〜
950 ℃であり、熱間圧延終了後、55〜65℃/sの速度で
ジェット水噴流をかけることにより急冷し、 600〜630
℃の温度で巻取った。
【0105】
【表2】
【0106】その後、記号A〜Cの各コイルは1100℃で
60秒間の均熱と急冷を伴う熱延板焼鈍を、記号D〜Gの
各コイルは1000℃で40秒間の均熱と急冷を伴う熱延板焼
鈍を、記号H〜Jの各コイルは980 ℃で60秒間の均熱と
急冷を伴う熱延板焼鈍を施した。このとき、焼鈍雰囲気
として空燃比0.95で露点45℃の燃焼ガスを用い、鋼板表
層を脱炭焼鈍し、C含有量を記号A〜Cでは0.020 wt
%、記号D〜Gでは0.015 wt%、記号H〜Jでは0.005
wt%低減した。
【0107】次いで、記号A〜Cおよび記号H〜Jのコ
イルは、最高板温度230 ℃の温間圧延により0.34mmの最
終板厚に圧延され、D〜Gのコイルは第1回目の冷間圧
延により1.6 mm厚に圧延した後、1100℃で50秒間の均熱
と急冷を伴う中間焼鈍を施した後、最高板温度220 ℃の
温間圧延により0.22mmの最終板厚に圧延した。このと
き、各コイルの最終冷間圧延前の鋼板の平均結晶粒径を
表3に示すが、いずれも10μmを超えていた。
【0108】さらに、各コイルは、脱脂後、図4に示す
磁場発生装置と張力制御装置を加熱帯に備える連続焼鈍
設備で、850 ℃で2分間の脱炭・1次再結晶焼鈍を施し
たが、各コイルを3分割して、それぞれ磁場を印加しな
い条件a、4.5 Tの直流の強磁場を印加する条件b、及
び4.5 Tの直流の強磁場を印加しかつ走行コイルの張力
を低減する条件cで処理した。ここで、条件a及びbに
おける走行コイルの張力は全長にわたって5.0 〜5.5 kg
f /mm2 とし、また、条件cでは、加熱帯での張力低減
設備の設置範囲内でおいて前記張力を0.5 kgf /mm2
低減した。また、強磁場はコイルの昇温時の550 〜700
℃の温度範囲で印加し、500 ℃以上におけるコイルの昇
温速度は、いずれのコイルも12〜14℃/sの範囲内であ
った。
【0109】さらにまた、記号BおよびEのコイルにつ
いては、連続脱炭・1次再結晶焼鈍後に5%のアンモニ
アと残部N2 雰囲気中での窒化処理によって、鋼中のN
含有量を100 〜120 ppm 増加させた。
【0110】その後、5%のTiO2を含有するMgO を焼鈍
分離剤としてコイル表面に塗布し、N2 単独の雰囲気中
で昇温して850 ℃の温度で保持し、ついで1150℃までは
25%N2 と75%H2 の混合雰囲気中、それ以後はH2
独雰囲気中で昇温し、1200℃で5時間保持する最終仕上
げ焼鈍を施した後、未反応分離剤を除去した。
【0111】そして、これらのコイルは、さらに50%の
コロイダルシリカを含有するリン酸マグネシウムを主成
分とする絶縁コーティングを塗布し800 ℃で焼き付け製
品とした。
【0112】但し、最終板厚0.22mmに圧延した鋼板にお
いては、さらに鋼板表面にプラズマジェットを圧延方向
に5mm間隔で線状に照射し製品とした。各製品より圧延
方向に沿って100 ×400 mmのサイズのSST試験片を切
り出し、1.7 Tの磁束密度における鉄損の値W17/50
よび磁束密度B8 を測定した。これらの値を表3に併せ
て示す。
【0113】
【表3】
【0114】表3に示す測定結果から、適正な強磁場印
加の下で脱炭1次再結晶焼鈍を施した発明例の製品は、
極めて優れた磁気特性を有しているのがわかる。
【0115】・実施例2(第1発明) 表2中の鋼塊記号Eで示される組成の溶鋼を電磁攪拌し
つつ連続鋳造機で鋳込み厚み220 mmのスラブを6本製造
した。鋳込み後の各スラブは誘導加熱炉に装入し、N2
ガス中で1時間で1390℃まで昇温し、その後、粗圧延で
45mmとし、仕上げ圧延で2.0 mmの板厚まで熱間圧延し
た。このとき、熱間圧延終了温度は970 〜990 ℃であっ
た。また、コイル巻取りまでの冷却速度は65℃/sとし
た。さらに、コイルの巻取り温度は550 ℃とした。
【0116】その後、6本のコイルは200 ℃で予熱した
のち、500 ℃まで15秒間で昇温し、さらに15℃/sの昇
温速度で昇温し、それぞれ、1100℃で10, 30, 60秒間保
持、1150℃で5, 20, 40秒間保持した後、ミスト水を噴
射し急冷した。ついで、酸洗しゼンジマー圧延機によっ
てスタンド出側の板温として最高温度が250 ℃となる温
間圧延と、150 〜230 ℃で10〜40分間のパス間時効を行
い、最終板厚0.27mmに圧延した。圧延後、鋼板表面に圧
延方向から85°の方向に延びる深さ20μm、幅150 μm
の溝を、圧延方向への繰り返し間隔5mmで設けた。
【0117】さらにその後、図4の磁場発生装置と張力
制御装置を加熱帯に設置した連続焼鈍設備で、830 ℃、
2分間の脱炭1次再結晶焼鈍を施した。このとき、各コ
イルを2分割し、一方は磁場の印加および張力低減を行
わずに脱炭1次再結晶焼鈍を施し、他方は500 ℃〜630
℃の間で4Tの直流の強磁場を印加し、この間の張力を
通常の3.0 kgf /mm2 から0.15kgf /mm2 に低減した。
【0118】脱炭1次再結晶焼鈍後、7%のTiO2と2%
の硫酸ストロンチウム(SrSO4) と2%のSnO2とを含有す
るMgO を焼鈍分離剤としてコイル表面に塗布し、最終仕
上げ焼鈍を施した。最終仕上げ焼鈍は、昇温速度を35℃
/hとし、昇温時900 ℃まではN2 単独の雰囲気、その
後、1150℃までは30%N2 と70%H2 の混合雰囲気、以
後H2 単独雰囲気で昇温後、1180℃で5時間保持するこ
とにより行い、その後、未反応分離剤を除去した。
【0119】これらのコイルは、さらに60%のコロイダ
ルシリカを含有するリン酸アルミニウムを主成分とする
絶縁コーティングを塗布し800 ℃で焼き付け製品とし
た。
【0120】各製品より圧延方向に沿ってエプスタイン
サイズの試験片を切り出し、800 ℃で3時間の歪取焼鈍
を施した後、1.7 Tの磁束密度における鉄損の値W
17/50 および磁束密度B8 を測定した。これらの測定結
果を表4に示す。
【0121】
【表4】
【0122】表4に示す測定結果から、発明例はいずれ
も優れた磁気特性を有しているのが分かる。
【0123】・実施例3(第2発明) 3.12wt%のSi、1.2 wt%のMn、0.008 wt%のP、0.78wt
%のAl、0.12wt%のCuからなり、不純物として0.003 wt
%のC、0.002 wt%のN、0.001 wt%のO、0.001 wt%
のSからなる無方向性電磁鋼板製造用スラブを1200℃に
加熱し、2.2 mmの板厚に熱間圧延した。その後、1000
℃、60秒間の熱延板焼鈍を施して120 ℃の温間圧延で0.
35mmの最終板厚に圧延した。熱延板焼鈍後の鋼板の平均
結晶粒径は48μmであった。
【0124】この後、鋼板を前後部に2分割し、図4の
磁場発生装置と張力制御装置を加熱帯に設置した連続焼
鈍設備で、1000℃、40秒間の1次再結晶焼鈍を施した。
このとき、鋼板の前部には、磁場の印加および張力低減
を行わずに脱炭1次再結晶焼鈍を施し、鋼板の後部に
は、500 〜800 ℃の温度範囲で5Tの強磁場を印加し、
この温度範囲での張力を通常の3.2 kgf /mm2 から0.15
kgf /mm2 に低減した。また、800 〜1000℃の温度範囲
での焼鈍速度はいずれも14℃/sとした。
【0125】各鋼板は、この後、リン酸アルミニウムを
主成分とする絶縁コーテイングを塗布し300 ℃で焼き付
け製品とした。各製品より圧延方向および圧延直角方向
に沿ってエプスタインサイズの試験片を切り出し、1.5
Tの磁束密度における鉄損の値15/50 および磁束密度B
50を測定した。これらの測定結果を表5に示す。
【0126】
【表5】
【0127】表5の測定結果から、発明例は優れた磁気
特性を有しているのが分かる。
【0128】
【発明の効果】以上詳述したように、第1及び第2発明
の方法に従えば、それぞれ高磁束密度でかつ低鉄槙の優
れた方向性及び無方向性電磁鋼板が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】1次再結晶処理に及ぼす強磁場および張力の作
用を確認するための実験的な設備の概略図である。
【図2】1次再結晶時に負荷する張力に対して磁気特性
の変化を測定した図である。
【図3】1次再結晶焼鈍に印加する磁場の強度に対して
磁気特性の変化を測定した図である。
【図4】連続焼鈍設備に設置するこの発明の磁場発生装
置ならびに張力制御装置の一例を示すための図である。
【符号の説明】
1 超伝導コイル 2 ヒーター 3 チャック 4 炉体 5 試料 6 雰囲気ガス流入口 7 雰囲気ガス排出口 8 荷重 9 被処理材 10 ピンチロール対 11 走行方向
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C22C 38/50 C22C 38/50 (72)発明者 黒沢 光正 岡山県倉敷市水島川崎通1丁目(番地な し) 川崎製鉄株式会社水島製鉄所内 Fターム(参考) 4K033 AA01 AA02 DA01 DA02 FA00 HA03 JA04 KA00 LA01 MA00 PA05 PA09 RA03 RA04 SA05 UA02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量%でC:0.095 %以下、Si:1.5 〜
    7.0 %、Mn:0.03〜3.50%、必要によりインヒビター成
    分を含有する鋼スラブを熱間圧延し、1回もしくは2回
    以上の冷間圧延で最終板厚とし、連続1次再結晶焼鈍を
    施し最終仕上げ焼鈍により磁気特性を得る一連の工程に
    よって方向性電磁鋼板を製造するにあたり、 最終冷間圧延前の鋼板を構成する結晶の平均結晶粒径を
    10μm以上とし、下記〜の条件を満足する連続1次
    再結晶焼鈍を行うことを特徴とする低鉄損でかつ高磁束
    密度を有する方向性電磁鋼板の製造方法。 記 昇温時における500 ℃以上の平均昇温速度を4℃/s
    以上とすること、 焼鈍温度を700 〜900 ℃の範囲内にすること、 少なくとも500 ℃以上において、1.5 T以上の交流な
    いし直流の磁場を0.03秒間以上の間、圧延方向の向きに
    鋼板に印加すること、及び、 少なくとも磁場印加時に負荷する鋼板張力を2.0 kgf
    /mm2 以下とすること
  2. 【請求項2】 鋼スラブに、S,Se,Al,Sb,Bi,Cu,
    Cr,Ni,Sn,Geの中から選択した1種もしくは2種以上
    を、重量%でS、Se,Alを各0.010 〜0.035%、Sb,Bi
    を各0.0005〜0.0800%、Cu,Cr,Ni,SnまたはGeにおい
    ては0.0010〜1.3000重量%を含有させることを特徴と
    する請求項1に記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  3. 【請求項3】 最終冷間圧延後から最終仕上げ焼鈍前ま
    での間、または最終仕上げ焼鈍後に、鋼板表面に複数の
    溝を形成させることを特徴とする請求項1又は2に記載
    の方向性電磁鋼板の製造方法。
  4. 【請求項4】 連続1次再結晶焼鈍時の500 〜800 ℃の
    温度範囲にて、4T以上の交流もしくは直流磁場を少な
    くとも0.5 〜25秒間の範囲内で印加し、かつ鋼板張力を
    0.01〜1.00 kgf/mm2 の範囲に規制することを特徴とす
    る請求項1、2又は3に記載の方向性電磁鋼板の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 脱炭焼鈍後、2次再結晶開始までの間で
    窒化処理を施して、鋼中のN含有量を50〜250 ppm の範
    囲にすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項
    記載の方向性電磁鋼板の製造方法。
  6. 【請求項6】 重量%でSiを0.1 〜7.0 %、Mnを0.03〜
    3.50%を含有し、Cを0.060 %以下、Nを0.004 %以
    下、Sを0.004 %以下に規制した鋼スラブを熱間圧延
    し、1回もしくは2回以上の冷間圧延で最終板厚とし、
    連続1次再結晶焼鈍を施して磁気特性を得る一連の工程
    によって無方向性電磁鋼板を製造するにあたり、 最終冷間圧延前の鋼板を構成する結晶の平均結晶粒径を
    10μm以上とし、下記〜の条件を満足する連続1次
    再結晶焼鈍を行うことを特徴とする低鉄損でかつ高磁束
    密度を有する無方向性電磁鋼板の製造方法。 記 昇温時における500 ℃以上の平均昇温速度を4℃/s
    以上とすること、 焼鈍温度を700 〜1100℃の範囲内とすること、 少なくとも500 ℃以上において、1.5 T以上の交流な
    いし直流の磁場を0.03秒間以上の間、圧延方向の向きに
    鋼板に印加すること、及び、 少なくとも磁場印加時に負荷する鋼板張力を2.0 kgf
    /mm2 以下とすること
  7. 【請求項7】 連続1次再結晶焼鈍時の500 〜800 ℃の
    温度範囲にて、4T以上の交流もしくは直流磁場を少な
    くとも0.5 〜25秒間の範囲内で印加し、かつ鋼板張力を
    0.01〜1.00 kgf/mm2 の範囲に規制することを特徴とす
    る請求項6に記載の無方向性電磁鋼板の製造方法。
  8. 【請求項8】 鋼板の走行方向に1.5 T以上の磁場を印
    加する磁場発生装置と、鋼板張力を低減する張力制御装
    置とを1次再結晶温度域に設けることを特徴とする連続
    焼鈍設備。
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