JP2599570B2 - アミノカルボン酸塩の製造方法 - Google Patents

アミノカルボン酸塩の製造方法

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JP2599570B2
JP2599570B2 JP6071910A JP7191094A JP2599570B2 JP 2599570 B2 JP2599570 B2 JP 2599570B2 JP 6071910 A JP6071910 A JP 6071910A JP 7191094 A JP7191094 A JP 7191094A JP 2599570 B2 JP2599570 B2 JP 2599570B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カルボン酸塩の製造に
関し、特に、第一アルコールとアルカリ金属の水酸化物
を銅触媒の存在下で反応させるカルボン酸塩の製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】カルボ
ン酸塩は、多様な用途に使用できる。その塩は、中和す
ることで相当する酸にすることができ、そして、その酸
もまた多くの用途に使用できる。例えば、それ自体を医
薬、農薬及び殺虫剤として使用することができる。この
ようなカルボン酸の多くは商品となり、多量に流通して
いる。
【0003】Goto他の米国特許第4,782,18
3号明細書には、アミノカルボン酸塩の製造方法が開示
されている。この製造方法は、アミノアルコールをアル
カリ金属の水酸化物にラニー銅触媒の存在下で作用させ
るものである。
【0004】WIPOより1992年4月16日付で公
開された特許出願であるWO92/06069号公報に
は、グリシン、イミノジ酢酸及びニトリロトリ酢酸の塩
の製造方法が開示されている。この製造方法は、モノエ
タノールアミン、ジエタノールアミン又はトリエタノー
ルアミンをアルカリ金属の水酸化物とラニー銅触媒の存
在下で接触させるものである。ただし、この製造方法で
は少なくとも一部のラニー銅触媒をその再活性化のため
に蟻酸で還流条件下で処理している。
【0005】技術雑誌『Structure and
Activity of Chromium−Prom
oted Raney Copper Catalys
tfor Carbon Monoxide Oxid
ation』、Laine他共著、Applied C
atalysis44(1−2)、11−22頁に
は、クロム導入したラニー銅触媒を調製し、その一酸化
炭素の酸化反応に対する活性を測定した報告が記載され
ている。ラニー銅触媒の表面積は、その前駆アロイ中の
アルミニウムの含有量に直接関係し、また、クロムの含
有量にも若干ではあるが関係する。
【0006】塊状酸化第一銅及び酸化第二銅が、X線回
折法によりラニー銅触媒中に検出された。含有されるク
ロムによって、酸化第二銅の形成は阻害されるが、酸化
第一銅の形成は阻害されない。この阻害活性は、クロム
含有量の増加にしたがって減少する。
【0007】Fields他の米国特許第4,810,
426号明細書にはN−ホスホノメチルグリシンの製造
方法が開示されている。この製造方法は、N−ホスホノ
メチルエタノールアミン又はそれらの環式内部エステル
化物を、過剰の水性アルカリ及び銅触媒を用いて酸化
し、続いて200℃〜300℃の間の温度で熱処理して
得られた塩を酸により中和することで所望のN−ホスホ
ノメチルグリシンを得るというものである。
【0008】ラニー銅触媒はもちろん、銅触媒を用いて
アルコールをカルボン酸に変換する従来技術の方法でも
満足な結果が得られているが、銅触媒の繰返し使用によ
って触媒活性が減少することが知られていた。
【0009】本発明者は、ラニー銅触媒の活性の寿命を
有意に延長でき、触媒の経済的な使用を可能とし、いか
なるアルコールも相当するカルボン酸に変換できる方法
を見出だし本発明を完成させた。
【0010】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、上記し
た効果以外にもいくつかの効果を有するカルボン酸塩の
製造方法であって、第一アルコールの水溶液をアルカリ
金属の水酸化物と、約50〜約10,000ppmのク
ロム、チタン、ニオブ、タンタル、ジルコニウム、バナ
ジウム、モリブデン、マンガン、タングステン、コバル
ト、ニッケル及びこれらの混合物からなる群から選択さ
れる元素を含有する有効量の銅触媒(ただし、ニッケル
を含有する場合、ニッケルはニッケル−銅合金の形態で
存在する)の存在下で接触させることを特徴とする前記
方法である。
【0011】本発明の方法の出発物質として有用な第一
アルコールは、脂肪族、環式及び芳香族アルコールのい
ずれでも良く、これらは当業者に周知の化合物である。
ただし、該アルコール及び得られるカルボン酸塩は高温
の腐食性溶液中で安定である必要があり、且つアルコー
ルはいくらか水に溶解する必要がある。好適な第一アル
コールは、2〜約20個の炭素原子、好ましくは2〜約
10個の炭素原子を有する脂肪族アルコールである。そ
の理由は、10個以上の炭素原子を有するアルコールを
相当する酸に変換する場合、その炭素原子数が増加する
にしたがって反応が遅くなるからである。アルコールの
脂肪族基の構造は分枝、直鎖及び環式のいずれであって
も良い。また、該アルコールの脂肪族基は、様々な置換
基で置換されていても良いが、その置換基がアルコール
を酸に変換する反応の温度及び圧力においてアルカリ金
属の水酸化物や銅触媒と反応しないことが条件となる。
好適な脂肪族アルコールは、エタノール、プロパノー
ル、ブタノール及びペンタノール等である。
【0012】下記の式
【0013】
【化1】
【0014】で示され、式中nが2〜20であるアミノ
アルコールも本発明の方法の出発物質として有用であ
る。R1 及びR2 が共に水素の場合は、当該アミノアル
コールは、モノエタノールアミンである。R1 又はR2
の一方が−CH2 CH2 OH又は−CH2 COOHで、
且つもう一方が水素の場合は、イミノジ酢酸塩がアミノ
アルコールからの生成物として得られるであろう。R1
及びR2 が共に−CH2 CH2 OH又は−CH2 COO
Hの場合は、ニトリロトリ酢酸がアミノアルコールから
の生成物として得られるであろう。
【0015】上記式において、R1 及び/又はR2 は1
〜6個の炭素原子を有するアルキル基であっても良く、
例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブ
チル、及びイソブチル等である。これらのアミノアルコ
ールから、これらアルキル基を有する相当するアミノ酸
が得られ、該アミノ酸は多くの用途に有用であろう。R
1 又はR2 はホスホノメチル基であっても良い。例え
ば、出発物質がN−ホスホノメチルエタノールアミンで
あれば、得られるアミノ酸はN−ホスホノメチルグリシ
ンとなるであろう。R1 又はR2 の一方がホスホノメチ
ルであり、もう一方が−CH2 CH2 OHであれば、得
られるアミノ酸はN−ホスホノメチルイミノジ酢酸とな
るであろう。そして該化合物は、当業者に周知の任意の
技術でN−ホスホノメチルグリシンに変換することがで
きる。R1 又はR2 の一方がホスホノメチルであり、も
う一方がアルキル基であれば、得られるアミノ酸はN−
アルキル−N−ホスホノメチルグリシンとなるであろ
う。そして、該化合物はN−ホスホノメチルグリシン
に、Miller及びBalthazorの米国特許第
5,068,404号明細書に記載の技術によって変換
できる。
【0016】本発明の銅触媒は、当業者に周知の技術で
調製することができる。例えば、銅塩の水溶液を還元し
て微粒状金属銅を調製し、これをクロム、チタン、ニオ
ブ、タンタル、ジルコニウム、バナジウム、モリブデ
ン、マンガン、タングステン、コバルト、ニッケル及び
これらの混合物からなる群から選択される元素の塩で処
理する技術が挙げられる。これに対して、上記した元素
の塩を還元して水溶液由来の金属銅と共沈殿させる技術
もある。後者の方が好ましい技術である。
【0017】特に好ましい触媒であるラニー銅触媒は、
当業者に周知の技術によって、銅及びアルミニウムを含
有するアロイから調製することができる。続いて、アル
ミニウムをアロイからアルカリ金属の水酸化物の水溶液
を用いて浸出させることで、活性化ラニー銅を得ること
ができる。次いで活性化ラニー銅を、クロム、チタン、
ニオブ、タンタル、ジルコニウム、バナジウム、モリブ
デン、マンガン、タングステン、コバルト、ニッケル及
びこれらの混合物からなる群から選択される元素の硝酸
塩、硫酸塩又は他の塩で処理する。ただし、上記元素を
銅・アルミニウムアロイ中に導入する際は、ラニー銅の
調製中に行うことが好ましい。上記元素の中でも、クロ
ム、モリブデン並びにクロム及びモリブデンの混合物が
好ましい。
【0018】銅に加える元素の量は広範囲に及ぶ。銅中
に添加元素を少なくとも50ppm加えた場合に、アル
コールの酸への変換に良好な結果が得られる。上限とし
ては、銅中に約10,000ppmの添加元素を含有さ
せる。もちろん、ラニー銅にはこのレベル以上の添加元
素を含有させることも可能であるが、アルコールを相当
する酸へ変換する結果には有意な改善が見られなくな
る。元素添加量が約50〜5000ppmである銅触媒
を使用することが好ましい。
【0019】アルコールを相当する酸へ変換するのに使
用する触媒の量の範囲は、約1重量%〜約70重量%で
あり、好ましくは10〜40重量%である。ただし、こ
の数値は出発原料アルコールに基づいて計算したもので
ある。この触媒は、一般に、上記元素を添加していない
銅触媒に比べて遥かに多く反応に繰返し使用できる。
【0020】本発明の方法で使用するアルカリ金属の水
酸化物は、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化
カリウム、水酸化ルビジウム及び水酸化セシウムであ
る。アルカリ金属の水酸化物の使用量は、反応に使用す
るアルコールの水酸基に対して、1.0〜2.0等量の
範囲である。水酸化物はフレーク、パウダー、ペレット
及び水溶液のいずれの形態であっても良い。水酸化物は
入手のしやすさ及び操作性を考慮して、水酸化ナトリウ
ム及び水酸化カリウムが好ましく、水酸化ナトリウムが
特に好ましい。
【0021】本発明の方法における必須の要件とは、ア
ルコールとアルカリ金属の水酸化物を、約50〜約1
0,000ppmの添加元素を含有する銅触媒の存在下
で、約120℃〜220℃、好ましくは約140℃〜約
200℃の温度において、接触させることのみである。
約220℃以上の温度においては、ラニー銅触媒の選択
性が失われ始める。約120℃以下の温度においては、
満足な結果は得られるものの反応が遅くなる。
【0022】圧力は、上記した温度において反応を進行
させるために必要である。しかしながら、反応圧力はで
きるだけ低くする必要があり、そうすることによって反
応速度を速くすることができる。一般的には圧力は、反
応を液相で進行させ得る最小限の圧力よりも大きい必要
があるが、好ましくは5〜約30kg/cm2 、さらに
好ましくは5〜20kg/cm2 の範囲内の圧力であ
る。アルコールの相当する酸の塩への変換は、水素の遊
離と共に進行する。この水素は注意深く反応容器から排
気する必要がある。
【0023】以下、実施例によって本発明をより詳細に
説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0024】
【実施例】
(例1)ここでは、添加元素(クロム)を含有しない銅
触媒を用いて得られる結果を例示する。
【0025】300ml容の攪拌機付ニッケル・オート
クレーブにジエタノールアミン(62.5g、0.59
mol.)、水(60ml)及び50%水酸化ナトリウ
ム水溶液(50g NaOH、1.25mol.)を入
れた。次に、ラニー銅触媒(12.4g)をオートクレ
ーブに加えた。オートクレーブを閉めて加熱し、温度1
60℃、圧力9.5kg/cm2 とした。この間、オー
トクレーブ内の液相を攪拌し続けた。加熱は、水素ガス
の発生が見られなくなるまで、即ち、反応の終了まで続
けた。反応時間を記録し、触媒を連続使用していった。
いずれのケースでも、イミノジ酢酸の収率は約95%で
あった。結果を表1に示す。
【0026】
【表1】
【0027】(例2)ここでは、本発明の、クロムを含
有する銅触媒を使用した実施態様を例示する。
【0028】943ppmのクロムを含有するラニー銅
触媒を25サイクル使用する以外は全て例1の手順を繰
返し、実験を行った。結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】表1及び表2に記載されたデーターを比較
すると、クロム含有ラニー銅触媒を用いた系の反応時間
が、クロムを含有しない系のそれよりも開始約5サイク
ルにおいて長くなっているものの、その後の20サイク
ルでは比較的安定していることが分かる。25サイクル
目での反応時間は8時間であった。通常のラニー銅触媒
を用いた際には、反応時間が8時間まで達するのは、わ
ずか9サイクル目である(表1参照)。
【0031】(例3)ここでは、使用前に硝酸クロムで
処理したラニー銅触媒を使用し、ジエタノールアミンを
イミノジ酢酸のジナトリウム塩に変換する本発明の実施
態様を例示する。
【0032】50mlビーカー中に活性化ラニー銅
(4.13g)、水(10ml)及び硝酸クロム(15
重量%のCr(NO3 3 を0.50g、即ち、銅の総
重量に基づいて4,000ppmのCr)を入れ、該混
合物を15分間放置した。ラニー銅及び上清を160m
l容のニッケル・オートクレーブ中に、ジエタノールア
ミン(21.2g、0.20mol.)、水(10m
l)及び50%水酸化ナトリウム水溶液(19g Na
OH、0.42mol.)と共に移した。オートクレー
ブを閉めて加熱し、温度160℃、圧力9.5kg/c
2 とした。この間、オートクレーブ内の液相を攪拌し
続けた。加熱は、水素ガスの発生が見られなくなるま
で、即ち、反応の終了まで続けた。反応時間を記録し、
触媒はそのままクロムを添加することなく再使用した。
結果を表3に示す。
【0033】
【表3】
【0034】表3のデーターより、反応時間が開始4サ
イクルにおいて短縮され、残りのサイクルでも、そのま
ま2.7〜3.2時間の範囲内で比較的一定しているこ
とが分かる。未処理のラニー銅を触媒として用いた場
合、反応時間が2.7〜3.1時間の範囲に収まるの
は、最初のサイクルのみである。また、それ以降のサイ
クルでは、反応終了に要する時間が、漸次長く(例えば
3.5時間が7時間に)なって行った。
【0035】(例4)ここでは、クロムを含有する銅触
媒を用いたN−2−(ヒドロキシエチル)アミノメチル
ホスホン酸のN−ホスホノメチルグリシンへの変換を例
示する。
【0036】160ml容の攪拌機付ニッケル・オート
クレーブにN−2−(ヒドロキシエチル)アミノメチル
ホスホン酸(16.84g、0.11mol.)、水
(11.3ml)及び45重量%水酸化カリウム(4
8.7g、0.39mol.)並びに943ppmのク
ロムを含有するラニー銅触媒(3.53g)を加えた。
オートクレーブを閉めて加熱し、温度160℃、圧力
9.5kg/cm2 とした。この間、オートクレーブ内
の液相を攪拌し続けた。1.85時間後、水素の発生が
見られなくなった。N−ホスホノメチルグリシンの収率
は、カリウム塩の形態で98.5%であった。
【0037】(例5)ここでは、クロムを含有する銅触
媒を用いたN−ホスホノメチル−2−オキサゾリドンの
N−ホスホノメチルグリシンへの変換を例示する。
【0038】米国特許第4,547,324号明細書中
に記載されている方法で製造したN−ホスホノメチル−
2−オキサゾリドンをN−2(ヒドロキシエチル)アミ
ノメチルホスホン酸の代わりに使用する以外は、全て例
4の手順を繰返し、実験を行った。2時間の加熱後、N
−ホスホノメチルグリシンの収率は、HPLCによる分
析によれば86.2%であった。
【0039】(例6)ここでは、モリブデンを含有する
銅触媒を用いたジエタノールアミンのイミノジ酢酸ジナ
トリウム塩への変換を例示する。
【0040】約500ppmのモリブデンを含有するラ
ニー銅触媒を、12サイクル使用する以外は全て例1の
手順を繰返し、実験を行った。各サイクルの終了時、
2.5%のラニー銅触媒を新しい触媒と交換した。結果
を表4に示す。
【0041】
【表4】
【0042】表4に示される反応時間を表1のそれと比
較すると、モリブデンを含有するラニー銅を用いた場合
の反応は、モリブデンを添加していないラニー銅を用い
た場合よりも速くなっていることが分かる。さらに、反
応選択性に与えるモリブデンの悪影響は、確認されなか
った(即ち、望ましからぬ副生成物のレベルが増加する
ことはなかった。)。
【0043】(例7)約500ppmのクロム及び50
0ppmのモリブデンを含有するラニー銅を用いる以外
は全て例6の手順を繰返し、実験を行った。結果は実質
的に例6と同一であった。
【0044】(例8)ここでは、各々チタン、ジルコニ
ウム、ニオブ、タンタル、バナジウム、マンガン、タン
グステン、コバルト又はニッケルのうちのいずれかを含
有するラニー銅を用い、例2の手順を繰返し、一連の実
験を行った。結果は、いずれの触媒を用いた場合も例2
の結果と比較すると良好ではないが、例1の結果よりは
良好であった。様々な量のバナジウムを含有するラニー
銅触媒を用いて実験を行った結果、ラニー銅中のバナジ
ウムのレベルが約50ppm〜約200ppmの範囲内
である時に最も良い結果が得られた。
【0045】(例9)ここでは、モリブデンを含有する
ラニー銅触媒を用いた3−アミノプロパノールの3−ア
ミノプロピオン酸ナトリウムへの変換を例示する。
【0046】3−アミノプロパノール(49.80g、
0.663mol)、61.20gの、ラニー銅の水中
分散スラリー(総量50ml、12.61gのCu、6
0ppmのMo)、50%(重量/重量)のNaOH
(56.9g、0.711mol)及び25gの脱イオ
ン水からなる混合物を300ml容のParr式ニッケ
ル・リアクターに入れた。該リアクターは攪拌機、背圧
を一定に保つためのガス・レギュレーター、及びIBM
コンピューターに接続されたPorter式水素流量計
を装備するものである。160℃に加熱すると急速な水
素発生(>600cc/min)が確認され、1.5時
間後には発生が停止した。生成混合物をろ過し、NMR
によって分析した結果、3−アミノプロピオン酸ナトリ
ウム及びプロピオン酸ナトリウムがそれぞれ85:15
の割合で生成していることが分かった。
【0047】(例10)ここでは、モリブデンを含有する
銅触媒を用いた芳香族アルコールの相当する酸の塩への
変換を例示する。
【0048】ベンジルアルコール(62.59g、0.
579mol)、61.45gのラニー銅の水中分散ス
ラリー(総量50cc、12.89gのCu、60pp
mのMo)、50%(重量/重量)のNaOH(50.
34g、0.629mol)及び24gの脱イオン水か
らなる混合物を例9に記載したリアクターに入れた。1
60℃に加熱すると緩やかな水素発生(〜50cc/m
in)が確認された。30分後、変換を速めるために温
度を170℃まで上げた。160℃で延べ13時間の反
応の後、水素発生が停止した。反応混合物をろ過し、N
MRで分析した。 1H−及び13C−NMRスペクトルよ
り、生成物が安息香酸ナトリウムであることが確認され
た。生成混合物のアリコートをHClによって酸性と
し、水で再結晶することによって、白色板状結晶が得ら
れた。融点は121−122℃であった(文献値12
2.4℃)。
【0049】(例11)ここでは、モリブデンを含有する
銅触媒を用いたポリオールの相当する酸への変換を例示
する。
【0050】例9に記載したリアクターに、エチレング
リコール(30.27g、0.487mol)、61.
66gのラニー銅の水中分散スラリー(総量50cc、
13.12gの銅、60ppmのMo)、50%(重量
/重量)のNaOH(39.77g、0.497mo
l)及び70gの脱イオン水を入れた。混合物を160
℃に加熱すると急速な水素発生(>600cc/mi
n)が確認された。1.5時間後に水素発生が停止し
た。反応混合物をろ過し、HPLCで分析した結果、生
成物収率が93%であり、該生成物中約90mol%が
ナトリウム グリコレートで、10mol%がナトリウ
ム オキサレートであることが確認された。
【0051】もう一バッチの反応系では、エチレングリ
コール(30.40g、0.490mol)、61.7
6gのラニー銅の水中分散スラリー(総量50cc、1
3.24gの銅)及び45.8%(重量/重量)のKO
H(128.13g、1.05mol)をリアクターに
入れた。反応混合物を160℃に加熱した。水素発生は
当初急速(>600cc/min)であった。約45分
後、水素発生が時間と共に減少し、約30cc/分まで
低下した。160℃を超える温度で20時間反応させた
後、反応を強制的に停止させた。反応混合物をろ過し、
HPLCで分析した結果、生成物中の25mol%がカ
リウム グリコレートで、75mol%がカリウム オ
キサレートであることが確認された。
【0052】(例12)ここでは、モリブテンを含有する
ラニー銅触媒を用いたグリコール酸のナトリウム オキ
サレートへの変換を例示する。
【0053】300ml容の攪拌機付Hastello
y C−276オートクレーブ(Parr Instr
ument Co.)中にジエタノールアミン(62.
44g、0.59mole)、50%水酸化ナトリウム
水溶液(99.90g、1.24mol)、グリコール
酸(1.35g、17.75mmol)及び60ppm
のモリブテンを含有するラニー銅(12.49g、0.
20mol)を入れた。全重量が256.00gとなる
ように水を加え、オートクレーブを閉じた。オートクレ
ーブ内部を窒素ガスでパージし、圧力を9.49kg/
cm2 、温度を160℃とした。この間にも攪拌は続け
た。放出ガス流量が3.5ml/minとなった所で反
応を停止した(5.8時間)。オートクレーブを80℃
まで冷却し内容物をろ過し、水洗した。分析の結果、所
望の生成物(即ち、イミノジ酢酸ジナトリウム)に加え
て、反応混合物中には、更に、ナトリウムジグリコレー
ト(2.27mole%)及びジナトリウムオキサレー
ト(1.38mole%)が含有されていることが分か
った。ただし、これらの数値は使用したジエタノールア
ミンのモル数に基づいて計算した。以上のデーターによ
れば、この反応条件においては30%のグリコール酸が
ジナトリウムオキサレートに変換されることになる。
【0054】(例13)ここではシンナミルアルコールの
酸への変換を例示する。
【0055】300ml容のニッケル・オートクレーブ
中にシンナミルアルコール(50.0g、0.373m
ol)、水酸化ナトリウム(34.59g、0.432
mol)、約70ppmのモリブデンを含有するラニー
銅(12.81gの銅を48.6gの水に懸濁した)及
び水(75g)を入れた。オートクレーブを閉じ、内部
を窒素ガスでパージした。加圧下に170℃まで加熱
し、約18時間加熱した。反応生成物をろ過し、第一ろ
液をジエチルエーテルで抽出した。水相を酸性にし、エ
ーテルで抽出した。酸性及び塩基性の抽出物をエバポレ
ートし、分析した。反応生成物は69%が3−フェニル
プロピオネート、25%が3−フェニルプロパノール及
び8%がベンゾエートであり、収率は96%であった。
【0056】以上、本発明をその特定具体例によってで
きるだけ詳細に記載したが、これは単なる例示にすぎな
いと解釈されたい。なぜならば、これら記載に基づいた
置換態様及び置換操作は、当業者に自明であるからであ
る。例えば、ここに記載されていないカルボン酸も、対
応するアルコールを、本発明の技術による、添加元素を
含有する銅触媒を用いて変換することによって製造でき
るからである。従って、ここに記載された発明の思想の
範囲から離れることなく変形は容易に行えるであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07C 59/06 2115−4H C07C 59/06 227/06 9450−4H 227/06 229/08 9450−4H 229/08 229/16 9450−4H 229/16 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カルボン酸塩の製造方法であって、第一
    アルコールの水溶液をアルカリ金属の水酸化物と、50
    〜10,000ppmのクロム、チタン、ニオブ、タン
    タル、ジルコニウム、バナジウム、モリブデン、マンガ
    ン、タングステン、コバルト、ニッケル及びこれらの混
    合物からなる群から選択される元素を含有する有効量の
    銅触媒の存在下で、接触させることからなる前記方法。
    ただし、前記銅触媒がニッケルを含有する場合、該ニッ
    ケルはニッケル−銅合金の形態で存在する。
  2. 【請求項2】 銅触媒がラニー銅である請求項1の方
    法。
  3. 【請求項3】 銅触媒が、50〜5,000ppmのク
    ロムを含有する請求項1又は2の方法。
  4. 【請求項4】 銅触媒が、50〜5,000ppmのモ
    リブデンを含有する請求項1又は2の方法。
  5. 【請求項5】 ラニー銅触媒が、50〜5,000pp
    mのクロム及び50〜5,000ppmのモリブデンを
    含有する請求項2の方法。
  6. 【請求項6】 アルコールが芳香族アルコールである請
    求項1の方法。
  7. 【請求項7】 アルコールがベンジルアルコールである
    請求項6の方法。
  8. 【請求項8】 アルコールが、2〜20個の炭素原子を
    有する脂肪族アルコールである請求項1の方法。
  9. 【請求項9】 アルコールが、2〜10個の炭素原子を
    有する請求項8の方法。
  10. 【請求項10】 アルコールがポリオールである請求項
    1の方法。
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