JP2599369B2 - 成形に適するドープおよびその製造方法 - Google Patents

成形に適するドープおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は基本的にアルカリに溶解したセルロースとゲ
スト成分としてポリペプチド、食用多糖類、および、そ
れらを主成分とする生体構成物を均一に溶解混合したア
ルカリドープに関する。このアルカリドープは食品分
野、農業関連分野への展開が可能である。
〔従来の技術〕
従来、ポリペプチド、食用多糖類、および、それらを
主成分とする生体構成物のフィルム化や繊維化に関係す
る研究に多くの努力が払われたにもかかわらず、殆どの
ものが工業的には不成功に終わっている。その最大の理
由は原料が高価であるのに成形品にする迄の歩留まりが
悪いこと、および、機械的強度のあるものが得られにく
い点にある。僅かに、成功した例を上げると、ポリペプ
チドでは、コラーゲンがケーシングフィルムとしてソー
セージ包装分野で、また、大豆蛋白が湯葉として食され
ているに過ぎない。また、大豆分離蛋白は繊維状蛋白と
して、各種魚肉、畜肉加工品の中に添加されている。し
かし、これらも未だ機械強度の点で満足ゆくものではな
く、十分な弾性や強伸度が発現しているとは言い難いの
が現状である。
一方、食用多糖類では、プルランがフィルムとして種
々の用途開発がなされつつあり、デンプンは周知の如く
薬包装用オブラートの名称で市販されているが、これら
のみから機械的強度の高い成形品をつくるのは困難とさ
れていた。例えば、オブラートフィルムは不均一で強度
も弱く、わずかな湿気の存在だけでも形態を維持でき
ず、可食性包装材としての機能を十分に発揮していると
は言い難い。
そこで、これらの欠点の一部を改良する目的と、その
ダイエタリー性に着目してセルロース繊維や粉末を上記
ポリペプチドや食用多糖類に混合する試みがなされてい
る。例えば、特開昭51−70873には、セルロース粒体と
蛋白質を特殊な方法で混合する例が上げられている。ま
た、特開昭48−39670には、チュウインガムベースとし
て、グルテンとセルロース粒体を混合する例が記載され
ている。周知の如く、セルロースは再生繊維やセロハン
等として、極めて寸法安定性がよく、充分な機械的強度
を備えた成形品の原材料となっている。しかし、セルロ
ース微粉末や微細繊維を単に上記ポリペプチドや食用多
糖類の食品に添加しただけでは、到底、機械的強度の飛
躍的改善は望むべきもなく、更に、セルロース微粉末や
微細繊維を余り高含量で用いると、本質的にセルロース
の持つ固体構造を維持しているため、食感的に違和感を
与え、場合によっては、苦味を与えたり、口中に残存し
てしまう欠点がある。
他方、セルロースを用いて、上記ポリペプチドや食用
多糖類等の食品体の機械的強度の飛躍的改善は望む場
合、セルロースを一度、溶解して所望の物質を混合して
後、再生させる方法をとることが考えられる。直接、上
記の目的のために行われたものではないが、特開昭51−
55355には、安価な再生セルロースフィルムを得る目的
で、セルロースの銅アンモニア溶液やビスコース溶液に
変性デンプンを加える方法が開示されている。しかしな
がら、これらの方法で得られた最終成形体中には銅イオ
ンや二硫化炭素に由来する副生成物などの毒性物の混入
が避けられず、食品分野への展開は出来ない。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上述のことからわかるように、本発明者らは、上記ポ
リペプチドや食用多糖類等の持つ欠点、即ち、1)脆弱
で機械的強度が低い、2)原料費が高いという欠点をセ
ルロースの利用によって解消し、/また、セルロースの
欠点、即ち、食した時の違和感や口中への残存性等をポ
リペプチドや食用多糖類等との分子状に近い混合化によ
って解決すべく研究の結果、本発明の完成に至った。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明者らは上記の方向で鋭意検討を重ねた結果、特
開昭60−42401、60−42438及び特開昭61−130353に開示
したように、苛性ソーダ等単純な水溶液に可溶なセルロ
ースの溶解液を用い、この溶液にゲスト成分として、ポ
リペプチド、食用多糖類や生体構成物を混合溶解、また
は、混合分散したドープから、毒性も全くなく、セルロ
ース分率が高くても食して、違和感もなく、口中にも残
存せず、且つ機械的強度に優れた成形品を得ることを見
いだした。
すなわち、本発明は、溶解しているセルロース100重
量部に対し50重量部以下の未溶解セルロース分が膨潤分
散しているアルカリ溶液中に、ゲスト成分としてポリペ
プチド及び/又は食用多糖類および/又は、それらを主
成分とする生体構成物を直接、又は、アルカリ水溶液に
溶解分散して、混合したドープであって、該ドープ中
で、全ゲスト成分の40重量%以上が該ドープ中に溶解し
ており、溶解しているセルロースと溶解しているゲスト
成分とが均一分散しており、かつ溶解しているセルロー
スと全ゲスト成分の重量比が1:99〜99:1であることを特
徴とする成形に適するドープを提供する。
上記のドープは、押出機を用いて、直接、酸を含む凝
固浴に押出して、凝固と中和を同時に行うか、水浴に先
ず押出して、凝固液、酸を含む凝固浴を通過せしめるこ
とによって繊維状、フィルム状成形品とすることがで
き、また、上記ドープを直接凝固、中和浴に投入し攪拌
することによって粉末状、微細繊維状成形品とすること
ができる。
更に本発明を詳述すると、本発明に用いる好適なセル
ロースとは、そのCP/MAS 13C−NMR測定から規定されるC
3位と6位における分子内水素結合の程度Hb(3+6)
が60%以下である天然セルロースまたはC3位における分
子内水素結合性の程度Hb(3)が30%以下である再生セ
ルロースであって、後で、定義する溶解度が67%以上の
ものを言う。更に、好適には、分子内水素結合の程度Hb
(3+6)が0〜48%である天然セルロースまたはC3位
における分子内水素結合性の程度Hb(3)が0〜15%で
ある再生セルロースで溶解度が100%に近いものを言
う。これは、セルロースとゲスト成分としてのポリペプ
チド、食用多糖類及び/又は生体構成物との分子分散に
近い混合を保証し、得られる成形品のより高い機械強度
の実現を可能にする。勿論、本発明のドープ及びそれか
ら得られる成形品の中には、始めから未溶解のセルロー
スの存在も許されるため上記以外のセルロースの一部使
用は差し支えない。しかし、未溶解セルロース分が上記
のドープ中に溶解しているセルロース分の50%重量を越
すと該ドープから機械的強度を保持した成形品は得られ
ない。
本明細書に言う13C−NMRの測定方法、上記分率Hb(3
+6)及びHb(3)の評価法を以下に述べる。パルス−
フーリエ変換型NMRスペクトロメーターをもちい、いわ
ゆる、CP/MAS(クロス−ポーラリゼーションマジック角
回転)法による固体高分解能13C−NMRスペクトルを測定
する。試料はテフロン製サンプルチューブに詰込み、コ
ンタクトタイムは2ミリセコンド前後、サンプル回転数
は3000ヘルツ以上とする。サンプルは風乾状態、または
湿潤状態で測定する。各ピークの化学シフトは、上記と
同一条件で測定したアダマンテンのメチルピークを29.5
ppmとして定めた。測定温度は室温から60℃の間で行っ
た。パルス積算は500回以上とした。第1図(A)に本
発明に使用する天然セルロース及び再生セルロースのそ
れぞれC1〜C6カーボンピーク、及びC4カーボン領域の13
C−NMRスペクトルを示す。先に規定したHb(3+6)及
びHb(3)は、CSカーボンピークとC6カーボンピーク及
びC4カーボンピークの図の斜線を施していない部分(低
磁場側)の分率で通常そのスペクトルの積分曲線から求
めることが出きる。図を参考に説明すると、天然セルロ
ースに適用されるHb(3+6)は図中の面積分(a+
c)/(b+d)x100(%)で、再生セルロースに適用
されるHb(3)は図中の面積分a/bx100(%)である。
Hb(3+6)が60%以下である天然セルロースまたは
C3位における分子内水素結合性の程度Hb(3)が30%以
下である再生セルロースは、木材パルス、綿、麻等の天
然セルロースを酸加水分解によって重合度を調製したも
の、それらを機械的に粉砕したり、爆砕処理したり、も
しくは高温下に押出機処理したもの、酸素溶液で処理し
たもの、さらに、いわゆる再生セルロース、つまり一度
何らかの溶媒に溶解後、中和再生もしくは非溶媒中で凝
固するか、または、易揮発性溶媒成分を蒸散凝固し、再
生したセルロース等が挙げられる。
特に、本明細書に言う、アルカリに対する溶解度の高
い、より好ましいセルロースとは、Hb(3+6)が0〜
48%である天然セルロースまたはC3位における分子内水
素結合性の程度Hb(3)が0〜15%である再生セルロー
スであり、先に示した製造法のうちとくに、あとに規定
する重合度を700以下に調整した木材パルプ、綿、麻等
の天然セルロースを水素結合解裂剤の存在下に、高温、
高圧状態から爆砕処理、もしくは押出機処理したもの、
酵素溶液で処理したもの、さらに、いわゆる再生セルロ
ース、つまり一度何らかの溶媒に溶解後、中和再生もし
くは非溶媒中で凝固するか、または、易揮発性溶媒成分
を蒸散凝固し、再生したセルロース等が挙げられる。こ
の種の再生セルロースのうち、極めて高いアルカリ可溶
性を示すという観点からすると、セルロースを銅アンモ
ニア溶液に溶解後、アンモニア成分を蒸発し、固化した
ものを酸溶液で中和、再生したものが挙げられる。上述
の水素結合解裂剤とは、水、アルカリ水溶液、酸水溶
液、塩水溶液、セルロースの溶媒群等を言う。
本明細書に言う、溶解度とは、セルロースを5重量%
の濃度で9.1重量%の水酸化ナトリウムに5℃にて溶解
したときの未溶解分を7,000回転/分で遠心分離後、中
和、再生し秤量した値と始めの仕込量から計算して決定
したものである。
重合度については、特に、限定的ではないがHb(3+
6)が0〜48%である天然セルロースまたはC3位におけ
る分子内水素結合性の程度Hb(3)が0〜15%である再
生セルロースは、その製造法からみて、1200以上のもの
を得るのは難しい。最終成形物に高い機械的強度を望む
場合はアルカリに溶解するセルロースの重合度が100以
上であればよい。100未満ではセルロースの利用による
補強効果は全く期待できない。ここで、本明細書に言う
重合度とは以下の方法で決定したものである。
ただし、重合度はカドキセン溶液中の粘度から決定し
た粘度平均重合度を用いた。その方法を詳述すると、試
薬特級のエチレンジアミン900gを、蒸留水2414gに、混
合液を0℃に保ちながら徐々に加え、さらに試薬特級の
酸化カドミウム318gを混合液で0℃に保ち撹はんしなが
ら、2〜3時間かけて徐々に混合し、−15℃で一昼夜静
置し、この上澄み液950mlにエチレンジアミン60ml、蒸
留水155ml、カセイソーダ14gを加え、カドキセン原液と
する。秤量したセルロースを6℃以下に保ちながら、カ
ドキセン原液に溶解し、カドキセン原液と同体積の蒸留
水で希釈し、その濃度をc(g/dl)とする。水の落下秒
数約80〜120秒(20℃)のウベローデ型粘度計で測定し
た、25℃におけるセルロース/カドキセン溶液の落下秒
数をt、2倍希釈したカドキセン溶液の落下秒数をt0
し、 で定義される固有粘度を、ブラウン・ウイキストレェー
ム(Brown,Wikstrm)の粘度式(Euro.Polym.J.,,1
(1966)記載)〔η〕=3.85×102Mv0.76に代入して得
た粘度平均分子量Mvを、162で割って粘度平均重合度と
した。固有粘度の決定に当たって、粘度の濃度依存性に
関する経験則を用いて、濃度一点での落下秒数の値か
ら、以下の二次方程式の解として求めても良い。
ck〔η〕+〔η〕−v=0 ただし、 v=(t/t0−1)/c k=0.08361v+0.2061 本発明に使用するゲスト成分の内、ポリペプチドとし
ては、種々の方法で精製した大豆蛋白、カゼイン、アル
ブミン、グロブリン、ゼラチンなど、又は、それらのN
a,Ca,K塩が使用される。これらのポリペプチド類は部分
的に加水分解されたものでもよい。これらのはいずれも
稀アルカリ水溶液に完全溶解、または、大部分が溶解す
るものである。特に、これらの内で稀アルカリ水溶液に
完全溶解するものが、前記、セルロース溶液との混合に
おいても、また、得られる成形品の機械的性質の向上の
ためには望ましい。
本発明に使用する食用多糖類としては、アラビヤガ
ム、アラビアガラクタン、アルギン酸、ガディガム、カ
ラギーナン、カラヤガム、寒天、ザンタンガム、グアー
ガム、コンニャク粉、タマリンド、クラガム、トラカン
トガム、ファーセレラン、プルラン、ペクチン、キチ
ン、ローカストビーンガム、キシラン、マンナン、各種
デンプン(コーンスターチ、馬鈴薯デンプン、甘藷デン
プン、小麦デンプン、米デンプン、高アミロース含有澱
粉等の生デンプン及び、これらのデンプンをα化処理す
ることにより得られたα化デンプン、酢酸等により架橋
された架橋デンプン、デンプングルコール酸ナトリウム
やデンプンのリン酸エステル及びその塩等のエステル化
またはエーテル化デンプン、グラフト化されたグラフト
デンプン等のいわゆる化工デンプン類)又は塩を形成す
る多糖類にあってはそれらのNa,K,Ca塩である。これら
の内、キチンを除く殆どすべての食用多糖類は水、また
は、稀アルカリ水溶性に完全に溶解する為、これらを用
いたセルロースとの混合体成分物の機械的特性は特にす
ぐれる。
また、本発明に利用する生体構成物とは、植物、動物
又は微生物由来のポリペプチド、多糖類の両者または一
方を含有する生体構成体であって、水を除く、全固形分
中に占める両者の合計の割合が50%以上のものが好適に
利用される。植物由来の構成体の代表的な例は、油かす
類、穀類、豆類、植物茎葉類、藻類、果実、塊根類であ
り、その具体的には、脱脂大豆、大豆油脂、きな粉、あ
まに油粕、綿実油粕、落花生油粕、サフラワー粕、ゴマ
油粕、ひまわり油粕、小麦、大麦、豆、大豆(生脂大
豆)等が上げられる。動物由来の構成体としては、魚
粉、フッシュリリュブル、肉粉、肉骨粉、分解毛、分解
皮、フェザーミール、脱脂粉乳、魚肉、畜肉(牛肉、豚
肉、羊肉等)、臓器、卵構成物(卵黄、卵白)、オキア
ミ、乳構成物等が上げられる。微生物由来の構成体が酵
母、バクテリア、カビ類である。これらは蛋白質および
/又は多糖類を主成分とするが、脂質、核酸類、リグニ
ン類、無機塩類などの所謂、夾雑物を含むがセルロース
溶液との混合には全く支障がないばかりか、かえって、
可紡性や曳糸性を向上するとか、紡糸された糸先の適度
な融着を与えるなどの利点を示す場合もある。
このセルロース/ポリペプチド、食用多糖類及び/又
は生体構造物混合体中のゲスト成分は単一のものである
必要はない。本発明のドープ中に含まれる未溶解ゲスト
成分の割合は、全ゲスト成分の60%以下であることが必
要である。60%より大であると強度低下をおこすのみな
らず、食感上においても異和感を感じる。
本発明の骨子は、セルロースとゲスト成分との分子分
散に近い混合状態に基ずく機械的性質の向上と機能性の
発現にあるため、セルロースとこれらゲスト成分の混合
比率は、アルカリに溶解しているセルロースと溶解して
いるゲスト成分の混合比率によって規定される。即ち、
この混合比率は、最終成形品の目的と製造上の特性を併
せて考慮する必要がある。前述した食品分野への展開、
例えば、可食性フィルムや加工食品(Fabricated Foo
d)の分野への適用、また、菌体により適度に自然資化
する性質が要求される分野への展開を考えるなら、ゲス
ト成分としてのポリペプチド、食用多糖類及び/又は生
体構成物は上記セルロース/ポリペプチド、食用多糖類
及び/又は生体構成物混合物中に40重量%以上含有され
ることが好ましく、特に、それ自体違和感なく可食でき
かつ、口中に残存することのないセルロースとゲスト成
分の混合比は50:50〜1:90重量比である。一般にポリペ
プチド、食用多糖類及び/又は生体構成物とセルロース
粉末や微細繊維を固体同志混合したものでは、セルロー
ス分が10%以上になると、とても食わせるものではな
く、口中に残存し或る種の苦みを与えてしまうことを考
えると、本発明の混合体の卓抜性が理解できよう。更に
セルロースによる補強効果を考えると、混合体中のゲス
ト成分の混合比率は99重量%以下でなければならない。
セルロース分が1重量%未満では、高い重合度のセルロ
ースを用いても成形品の機械的強度は殆ど改善されな
い。好適には、セルロース分は5重量%以上である。他
方、本ドープからセルロースを主体とする成形品の製造
が可能であり、そのセルロース成形品、例えば、繊維に
新しい風合い付与するという場合には、ポリペプチド、
食用多糖類及び/又は生体構成物は1重量%程度含有さ
れればよい。従って、セルロースとポリペプチド、食用
多糖類及び/又は生体構成物との混合比としては1:99〜
99:1が必要用件となる。つまり、セルロース分が99重量
%より大であると、ゲスト成分の特性を成形体に付与す
ることはできない。
本発明のドープ中に存在するアルカリに溶解したセル
ロースの重量濃度の上限は限定的ではなく、アルカリに
溶解したセルロースの重合度や混合ドープの粘度やその
他の性状により適宜選択できる。とくに、重合度が100
のものではセルロース濃度は20重量%まで高めることが
できる。しかし、ドープ中にアルカリに溶解したセルロ
ース分子がすくなくとも0.2重量%含有されていないと
繊維やフィルム化が困難となる。
本発明において、「溶解しているセルロースと溶解し
ているゲスト成分とが均一分散している」とは次のよう
な状態を示す。
混合したドープを5,000回転/分にて、30分遠心分離
し、上ずみを400メッシュの鋼を通し、さらに不溶物を
濾過する。次に、この中の固形分にセルロース分とゲス
ト成分との両者が所定量含有されていることをトータル
窒素量の測定、ヨードデンプン反応による測定、セルラ
ーゼ処理によるセルロースの定量法などの公知の測定法
により確認する。上記の確認を合格した状態を均一分散
したと定義する。
本発明の混合体のアルカリドープは以下のようにして
製造できる。本発明に用いるドープを製造するにあたっ
ては、1)あらかじめ本発明に規定したセルロースを特
定濃度のアルカリ水溶液に完全溶解、又は部分溶解し、
これにゲスト成分を粉末状、固体状で供給し、混合溶解
または、混合分散したり、2)両者を別途適当なアルカ
リ性水溶液に溶解後、混合する手法をとることができ
る。
前者の場合(第一の方法)、セルロースの溶解に当た
っては、使用するアルカリは、2.0〜2.5規定(以下、N
と略す)程度の水溶液としてセルロースの溶解に使用す
る。この場合、溶解に際する温度は10℃〜−10℃の範囲
で行う必要がある。然らざる場合は、アルカリに溶解し
たセルロースの溶解が完全に遂行できないか、溶解が完
全でもすぐにゲル化してしまい、後の混合工程や紡糸工
程に適さない。一度、溶解したセルロース溶液はセルロ
ースの濃度に応じて、水で稀釈することが可能で、この
溶液をゲスト成分の混合溶解または、混合分散に用いる
こともできる。後者の場合(第二の方法)、アルカリに
溶解したセルロースは上記の方法で溶解する。
ポリペプチド、食用多糖類及び/又は生体構成物等の
ゲスト成分も基本的にはアルカリ金属の水酸化物に溶解
させるが、この際、50℃位まで加熱して溶解してもよ
い。ポリペプチド、食用多糖類及び/又は生体構成物の
溶解においてもアルカリ金属の水酸化物を用いることが
望ましい。アルカリの濃度は0.5〜3.0Nを用いる。アル
カリ水溶液のアルカリ濃度の上限は限定的ではないが、
ポリペプチドの場合は余り高濃度のアルカリ水溶液を用
いると主鎖の分解が生じやすくなるのでアルカリに溶解
したセルロースの溶解に用いるアルカリ水溶液濃度を上
限とするのが好ましい。但し、本発明者らはポリペプチ
ド溶液中にセルロースが溶解して存在するとポリペプチ
ドのアルカリによる分解が著しく遅延されることを見出
しており、本発明の重要な作用効果の一つとなってい
る。0.5N未満のアルカリ水溶液ではゲスト成分の充分な
溶解性を得ることはできない。両液混合法においては、
セルロースとゲスト成分としてのポリペプチド、食用多
糖類及び/又は生体構成物の両者のアルカリ溶液のアル
カリ濃度は同一である必要はなく、混合の状態、ゲル化
の進行等を考慮して適宜行える。
本発明のドープを得るために使うアルカリ系溶媒の具
体例としては、ナトリウム、リチウムのようなアルカリ
金属の水酸化物の水溶液が挙げられる。特に、これらの
アルカリ金属の水酸化物は、最終的に得られる成形品の
用途が医薬や食品分野である場合、安全性の観点からも
好ましく、この点が本発明の大きな利点の一つになって
いる。
これらドープから、あとで示す方法で混合体の成形品
を製造すると、溶解しているセルロース分は一般にセル
ロースII型の結晶系を持つものに再生されて、セルロー
スとゲスト成分からなる混合体の機械強度の発現が行わ
れる。この点においては、前述のドープの製造にあたっ
てはセルロースは、完全に溶解していることが、得られ
る成形品の機械的強度の点では好ましい。この場合は、
分子内水素結合の程度Hb(3+6)が0〜48%の天然セ
ルロース及びHb(3)が0〜15%の再生セルロースで、
かつそのアルカリに対する溶解度が殆ど100%のものを
用いる。しかし、場合によっては、もともと溶解してい
ない微細繊維状のセルロースが混合体中に存在すること
が好ましいこともある。このような場合には、本明細書
に規定するアルカリに溶解したセルロース以外のセルロ
ースをセルロースとゲスト成分からなるアルカリドープ
中に占めるアルカリに溶解したセルロース100重量部に
対して50重量部を上限として膨潤分散せしめることを特
徴とするドープも上記混合体の成形のために用いること
ができる。この元から溶解していないセルロース分が上
記の50重量部を越えると、最終成形品の機械強度は保証
されない。このために用いるセルロースとしては、具体
的には、分子内水素結合の程度Hb(3+6)が49〜60%
の天然セルロース及びHb(3)が15〜30%の再生セルロ
ースで、かつそのアルカリに対する溶解度が67〜90%の
ものを用いる。このセルロースの場合では未溶解のセル
ロース分が先に規定した上限内に収まるように混合量を
調整する必要がある。また、かかるドープのもう一つの
製造法の例は先に記した分子内水素結合の程度Hb(3+
6)が0〜48%の天然セルロース及びHb(3)が0〜15
%の再生セルロースを用いて調製したアルカリ溶液、又
は、それとゲスト成分を混合溶解したアルカリドープに
2規定未満のアルカリ水溶液に膨潤分散せしめたセルロ
ース分散液を混合することによって製造できる。2規定
未満、好ましくは1.5規定未満のアルカリ水溶液は殆ど
すべてのセルロースを単に膨潤分散するだけである。
今まで記したセルロースとゲスト成分からなるアルカ
リドープには、必要に応じて第三物質、例えば、ジオー
ル、ポリオール、油脂、調味料、色素、香料、等を添加
することも可能である。
本発明のドープからつくられる成形品は、上述のドー
プを通常の押出機を用いて、直接、酸性浴または、塩を
含む酸性浴に吐出し、凝固、中和を同時に行いながら成
形しその後、水洗し、必要なら乾燥することによって得
られる(以後、「aの方法」と略す)。
また、もう一つの方法は上述のドープを通常の押出機
を用いて、先ず、水中または、中性塩水溶液に吐出し、
凝固した後、酸を含む第二の凝固浴中を通過せしめ、中
和後、水洗し、必要なら乾燥することによって得られる
(以後、「bの方法」と略す)。
上記aおよびbの方法において、凝固、中和、乾燥工
程のいずれかで1.1〜1.6倍の延伸をすると機械強度の改
良された繊維状物、フィルム等の成形品を与える。
他方、粉末や粉粒体を製造する場合には、凝固また
は、中和工程で吐出されたドープを単に、攪拌するだけ
でも目的のものを得る。
本発明のセルロースとゲスト成分としてのポリペプチ
ド、食用多糖類及び/又は生体構成物からなる混合体中
には10〜1200部の水分を含有することが多い。特に、数
百重量部の水分の含有は本発明の混合体を二次的に、例
えば食品添加用途、人工肉製造用途等に用いる際、他成
分との混合の容易性を保証するものであると同時に、本
発明の混合体が湿式法によって得られるために水分の乾
燥といったエネルギー消費工程を省略する意味もある。
本製造法の凝固、中和工程において用いられる酸とし
ては、硝酸、硫酸、塩酸、酢酸等があり、これらは水や
有機溶媒に溶解して用いる。酸類の濃度は限定的ではな
く経済的な見地から適宜選択すればよい。ただ、酸の濃
度が高いとゲスト成分、とくに、ポリペプチドの凝固、
中和浴中への過度の流失を防止できる。
前記中和工程で用いられる塩としては、硝酸、硫酸、
塩酸、酢酸等のアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩水
溶液が好適用いられる。これらの塩類は、前述の酸類と
混合、併用して用いてもよい。塩類の凝固浴中の濃度は
0〜飽和濃度迄である。有機溶媒としては、アルコール
類、ケトン類、アミド類、スルフォキシド類、等が好適
に用いられるが、経済的な観点からは、アルコール類が
好ましい。アルコール類を用いた場合は、ポリペプチ
ド、食用多糖類及び/又は生体構成物の凝固浴中への流
失を防止できるし、また、得られる混合体中のセルロー
ス部分の分子内水素結合性を著しく弱めることが可能で
混合体の可食性と湿潤時の加工性の向上にとってより好
ましい。凝固浴の温度は用いる浴組成液の氷点以上80℃
以下である。80℃以上では混合体の熱分解が起こる。凝
固浴の浴温は限定的ではないが、低温ほど強度の高いセ
ルロース/ポリペプチド、食用多糖類及び/又は生体構
成物混合体を得られる場合が多い。最終成形品は水洗
後、そのまま細断し、最終用途品を製造する工程に投入
することが可能である。本発明に用いるセルロース/ポ
リペプチド、食用多糖類及び/又は生体構成物混合体の
製造法ではセルロース/ポリペプチド、食用多糖類及び
/又は生体構成物混合体の乾燥重量100部に対し水分は1
0〜1200部含有するものを製造するのが一般的である。
上記/aの方法で得たセルロースとポリペプチド、食用
多糖類及び/又は生体構成物混合体の特徴はセルロース
とデンプン混合系を例にとると混合体を繊維状、フィル
ム状にしたとき、湿潤状態で16%以上、最大で40%程度
の伸度を示すことであり、これは混合体を構成する分子
の分子内水素結合性が極度に弱いことによる。このこと
は、aの方法で得られる混合体の13C−NMRスペクトルか
らも明らかである。即ち、混合体の水分率のいかんによ
らず、セルロース、デンプン分子を構成するD−グルコ
ース単位のC4カーボンピーク領域(90.0〜78.8ppm)に
出現する大略二つのエンベロップのうち低磁場側(シャ
ープなピーク成分で、概略85.5ppmより低磁場側)の分
率が8〜50%と低く本質的に分子内水素結合性が少ない
ことを示しており、このことが、該混合体が、湿潤時に
水分を良く保持する能力をもち、その混合体が繊維また
は、フィルムの場合は湿潤時の加工性の優れたものであ
ることを暗示している。更に、本発明のaの方法でも先
に述べたようにセルロースとポリペプチド、食用多糖類
及び/又は生体構成物の均一混合フィルムも製造できる
が、その場合は、たとえば、セルロースIIとデンプンの
1:1混合系を例にとると得られたフィルムを自然乾燥
し、後に示す重水素化IR法で規定される非アクセシブル
含量(重水素化されない水酸基部分の分率)が32〜34%
で、しかも、本明細書によって規制される実験法で到達
する平衡重水素化時の水酸基に基ずくIR吸収領域のうち
分子内水素結合に基ずく3430cmのピークの光学密度と33
60cmのピークの光学密度の比(Hb)が1.2倍以下であり
分子内水素結合の発達も低いものである。本発明のセル
ロースとゲスト成分からなる混合体の構造を示すパラメ
ーターとして用いた重水素化IR法の実験法および非アク
セシブル分率の評価法を以下に示す。装置の概略を第2
図に示す。厚さ10〜30μmに調整したセルロース/ポリ
ペプチド、食用多糖類及び/又は生体構成物混合フィル
ムを重水素化セル(6)にセットする。セル(6)は水
分の除去、並び重水の吸収を防止するために70℃にセッ
トする。10分間放置して余分な水分を除去した後、ブラ
ンク(重水素化する前の混合フィルム)のIRスペクトル
を測定する。次に、ボンベ(1)から乾燥用シリカゲル
(2)を通して得た25℃の乾燥Nガスを流量1000ml/min
の割で送り((3)は流量計である)、25℃にセットさ
れた重水(20cc)を重水バブリング容器に入れ、N2ガス
でバブリングした上、重水を重水素化セル内に導入して
試料台(5)上のサンプルを重水素化する。この条件で
120分間重水素化して、IRスペクトルをIRスペクトル装
置で測定する。
先ず、第3図に示すように、3600cmと3000cmのスペク
トルに接するベースラインを引き、3430cmと3360cmに対
応する垂線とベースラインとの交点の透過率を各々波数
の入射光の強度10として採用した。また、3430cmと3360
cmの透過光の強度Iとして、各波数の垂線とスペクトル
との交点の透過率を用いた。得られたI0およびIより光
学密度を算出し、その比をとってHbを求めた。
また、非アクセシブル分率はJ.MANN,H.J.MARRINAN等
によってTrans.Faraday Soc.,52,492(1956)に提案さ
れた方法によって算出した。
上記bの方法で得たセルロースとポリペプチド、食用
多糖類及び/又は生体構成混合体の特徴はセルロースと
デンプンの混合体を例にとると混合体の水分率のいかん
によらず、その混合体の13C−NMRスペクトルにおいて、
セルロース、ポリペプチド、食用多糖類及び/又は生体
構成物分子を構成するD−グルコース単位のC4カーボン
ピーク領域(90.0〜78.8ppm)に出現する大略二つのエ
ンベロップのうち低磁場側(シャープなピーク成分で、
既略85.5ppmより低磁場側)の分率が45〜65%のもので
本質的に、分子内水素結合性が高く、その混合体が繊維
または、フィルムの場合は乾燥、湿潤時ともより高度な
機械特性をもつものである。更に、本発明ではセルロー
スとポリペプチド、食用多糖類及び/又は生体構成物の
均一混合フィルムも後に述べる方法で製造できるが、そ
の場合は、セルロースIIとデンプンの1:1混合系を例に
とると得られたフィルムを自然乾燥し、後に示す重水素
化IR法で規定される非アクセシブル含量(重水素化され
ない水酸基部分の分率)が44〜47%でしかも、本明細書
によって規定される実験法で到達する平衡重水素化時の
水酸基に基づくIR吸収領域のうち分子内水素結合に基ず
く3430cmのピークの光学密度が3360cmのピークの光学密
度の比(Hb)が1.2倍以上であり分子内水素結合が発達
したものである。非アクセシブルな部分が分子内水素結
合を示すことは、高い構造規則性の一つの尺度であり、
高度な機械特性の保持を保証する。
a及びbの方法で得た混合体繊維やフィルムの機械的
性質をより向上させる目的で、より配向度の高まった混
合体にする事も可能である。このため、凝固浴中で延伸
したり、水洗前後に熱ローラー等で延伸することも可能
である。この時の温度は40〜200℃である。40℃以下で
は延伸効果があまりなく、また、200℃以上では最終製
品の変質を招く恐れがある。延伸度は1.2倍程度で充分
な強度向上がみられる。構成高分子を配向させると天然
コラーゲン膜程度の強度が得られるため、たとえば、ソ
ーセージケーシング用途に用いることができる。
発明の効果 本発明のドープから得られる成形品は、従来ポリペプ
チドや食用多糖類等の持つ欠点、すなわち、脆弱で機械
的強度が低い、原料費が高いという欠点がセルロースの
利用によって解消し、また、食したときの異和感や口中
への残存性等の欠点をポリペプチドや食用多糖類との分
子状に近い混合化によって解決されている。
本発明のドープから得られら成形品は、その形状が、
繊維状、フィルム状、球状、粉末状、粒状など多岐にわ
たり、また、成形品の構成物も多岐にわたるため広範な
用途に利用できる。たとえば、食品関係では、繊維状物
は、カマボコ、魚肉ソーセージ、カニ缶詰等の魚肉加工
品への添加材、補強材として、また、ソーセージ、コン
ビーフ、ハム等の蓄肉加工品の添加材、補強材として使
用できる。更に、繊維状物はそれを何らかの方法で束
ね、味付して、人工肉や、天然肉との混合肉としても使
用できる。フィルム状、シート状成形品は、ケーシン
グ、可食調理用フィルム等の食品用、食用フィルムへの
展開や、球状、粒状成形品は人工イクラ等の魚卵代替品
にも利用され得る。粉状、粒状成形品は食品添加剤とし
て食品の乳化、賦形の役割を果たし、アイスクリーム、
カマボコ、麺類、ギョウザ、シューマイの皮など多岐に
わたる用途展開が可能である。本発明のドープから得ら
れる成形品は前にも記したように、セルロース分を多量
に含有しても違和感なく食することができる上、セルロ
ースを持つ整腸効果をも有効に発揮させることができる
ため、前述の食品以外にも、医薬錠剤関係への展開が可
能である。
また、フィルム状、シート状成形品は、菌体により、
自然に資化される物も製造可能なので、一定期間後に自
然崩壊する農業用フィルムとしての応用が期待できる。
更に、本発明のドープから得られる成形品は、生体適
合性の高い成分からなっているので、人工腎臓、人工血
管、人工皮膚等の医療材料としての適正も兼備えている
他、カプセル素材、絆創膏基礎布等への使用も図れる。
また、成形品は薄膜化も可能で、かつ、ポリペプチド等
を含有しているため、特殊な成分の分離用膜としての生
化学分野への応用も可能である。
また、成形品はゲスト成分の含有が少なければ、天然
の風合をもつ医療用繊維としても好適に利用される。
実施例 以下、本発明を実施例によって説明するが、これらに
限定されるものではない。
実施例1 アラスカパルスを水分率100%に調整し、30kg/cm2、2
0秒の条件で爆砕処理し、重合度400のセルロースを得
た。
2.5Nの水酸化ナトリウムを溶媒として、このセルロー
スの4.5%溶液を作成した。
次に、表1に示すポリペプチドを、1.0Nの水酸化ナト
リウム溶液に、20重量%の濃度で溶解した。
両液をセルロースとポリペプチドの重量比が1:1とな
るように混合し、脱泡の後に、ガラス板上に流延し、さ
らに、CaCl2 14g/dl、pHを2に調整をした凝固浴中に2
分間浸漬し、凝固させた。
水洗の後に、常温にて自然乾燥したところ、いずれも
均質なフィルムを得ることができた。
これらフィルムの引張強度は次のようになった。
比較例1 重合度1,200のアラスカパルプを2.5Nの水酸化ナトリ
ウム溶液に4.5%の濃度で分散させた。(この場合溶解
せすに白濁している。) 次に、実施例1に示した、ポリペプチドを1.0Nの水酸
化ナトリウム溶液に20重量%の濃度で溶解した。
各々の溶液を、セルロースとポリペプチドの重量比が
1:1となるように混合し、実施例1と同様な方法で製膜
を試みた。
いずれも凝固はしたものの、ボロボロで強度を測定す
ることは不可能であった。
実施例2 アラスカパルスを水分率100%になる様に調整し、30k
g/cm2、30秒の条件で爆砕処理し、重合度350のセルロー
スを得た。
2.5Nの水酸化ナトリウム水溶液に、このセルロースを
5%となるように溶解し、この溶液に水を加え、1.5Nの
水酸化ナトリウム水溶液にセルロースが3%溶解した水
溶液を作成した。
このセルロース溶液に、大豆分離タンパク(フジプロ
R・フジピュリナプロテイン株式会社製)をセルロー
ス:大豆分離タンパク(=2:8、W/W)となる様に加え均
一に溶解・分散させた。
この混合ドープを脱泡の後に、0.25mmφ、孔数150の
ノズルから、硫酸14g/dl、硫酸ナトリウム26g/dlを有す
る凝固浴中に吐出し、捲き取り速度10m/minで捲き取
り、十分に水洗し、繊維状の成型品を得た。
得られた繊維は好ましい弾力性を示すすぐれた可食性
の成型品であった。
この成型品を試食したところ、非常に口あたりの好ま
しいものであった。
比較例2 アラスカパルス(重合度1200)を摩砕して得たセルロ
ースを1.5Nの水酸化ナトリウム溶液に3%の濃度で加え
分散させた。
このセルロース溶液に、大豆分離タンパクを実施例2
と同様な方法で加え、同様な方法で紡糸を試みた。
得られた成品は、ポロポロとして、非常に脆いもので
あった。
試食したところ、セルロースが口にのこり、好ましい
ものではなかった。
実施例3 アラスカパルプを水分率100%に調整し、30kg/cm2、2
0秒の条件で爆砕処理し、重合度400のセルロースを得
た。
このセルロースを2.5Nの水酸化ナトリウム水溶液に4.
5重量%に溶解した。
次に、下記多糖類を1.5Nの水酸化ナトリウム水溶液に
10重量%の濃度で溶解した。
両溶解液を、セルロースと多糖類の重量比が1:1とな
るように混合し、脱泡後、ガラス板上に流延した。
この板を、CaCl2 14g/dl、pHを2に調整した水溶液に
2分間浸漬し、つづけて、水浸漬し、常温で、自然乾燥
したところ、均質なフィルムを得た。
このフィルムの引張強度は次のようになった。
尚、Wetの強度は、引張試験機に資料をかぶせ5分放
置後、引張試験を実施した。結果を表2に示す。
比較例3−1 アラスカパルプ(重合度1200)を2.5Nの水酸化ナトリ
ウム溶液に4.5%の濃度で分散させた。(この場合溶解
せずに白濁している。) 次に、実施例3の表2に示した多糖類を実施例3と同
様な方法で、セルロースと多糖類の重量比が1:1となる
様に混合し、実施例3と同様な方法で製膜を試みたが、
いずれも、凝固はしたもののポロポロで強度を測定する
ことは不可能であった。
実施例4 アミロースを用いて、実施例3と同様な方法で、ただ
し、アミロースとセルロースの混合比を7:3として混合
ドープを得た。
脱泡の後に、0.25mmφ、孔数150のノズルから、硫酸1
4g/dl、硫酸ナトリウム26g/dlの凝固浴中に吐出し、捲
き取り速度10m/minで捲きとり、十分に水洗し、繊維状
の成型品を得た。
この成型品を試食したところ、非常に口あたりの好ま
しいものであった。
比較例4−1 アラスカパルス(重合度1200)を摩砕して得たセルロ
ースを4.5%の濃度で2.5Nの水酸化ナトリウムに分散さ
せた。
このセルロース溶液と実施例3に用いたアミロース溶
液を用いて、実施例4と同様な方法で紡糸を試みた。得
られた成型品は非常にもろいものであった。
比較例4−2 アルギン酸ナトリウム、プルランを水に10重量%溶解
し、キャスティング後、乾燥してフィルムを得た。
このフィルムを実施例3の方法でWetの強度の測定を
試みたが、水に接触するとフィルムが破れ測定すること
は不可能であった。
実施例5 アラスカパルプを水分率100%に調整し、30kg/cm2、2
0秒の条件で爆砕処理し、重合度400のセルロースを得
た。
このセルロースを2.5Nの水酸化ナトリウム水溶液に4.
5重量%の濃度で溶解した。
次に、下記表3に示す生体構造物を1.5Nの水酸化ナト
リウム溶液に、固型分含量が20重量%となる様に溶解・
分散させた。
両液をセルロースと生体構造物の重量比が1:1となる
様に混合し、脱泡の後に、ガラス板上に流延し、さら
に、CaCl2 14g/dl、pHを2に調整した凝固液に2分浸漬
し、凝固させた。水洗の後、常温にて自然乾燥したとこ
ろ、いずれも均質なフィルムを得た。
このフィルムの引張強度は次のようになった。
比較例5 重合度1200のアラスカパルスを2.5Nの水酸化ナトリウ
ム溶液に、4.5%の濃度で分散させた。(この場合、溶
解せずに、白濁している。) 次に、実施例1の表1に示した、生体構成物を実施例
1と同様な方法で、セルロースと生体構造物の重量比が
1:1となる様に混合し、実施例1と同様な方法で製膜を
試みたが、いずれも凝固せずに製膜は不可能であった。
実施例6 アラスカパルプを水分率100%になる様に調整し、30k
g/cm2、30秒の条件で爆砕処理し、重合度350のセルロー
スを得た。
このセルロースを2.5Nの水酸化ナトリウム水溶液に3.
0重量%の濃度に溶解した。次に、この溶液に、全脂大
豆粉(エヌアイプロテンNIP−D:月設工業(株製)を、
セルロース:全脂大豆粉(=3:7、W/W)になるように混
合し、5℃に於て、乳化分散させた。
このドープを脱泡の後に、0.25mmφ、孔数50のノズル
から、硫酸14g/d、硫酸ナトリウム26g/dlを有する凝固
浴中に吐出し、捲き取り速度11m/minで巻き取り十分に
水洗し、繊維状の成型品を得た。
得られた繊維は、天然の肉に近い好ましい弾力性を示
しすぐれた可食性成型品であった。
比較例6 エヌアイプロテンNIP−Dを10%の濃度で2.5Nの水酸
化ナトリウムに乳化分散させた。
脱泡の後、実施例2と同様な方法で紡糸を試みたが、
凝固性が悪く、紡糸することは、不可能であった。
実施例7 アラスカパルプ(重合度1200)を6Nの硫酸を用い、60
℃で120分加水分解して、重合度410のセルロースを得
た。このセルロースを水分率80%に調整し、さらにスク
リュー径80mmφ、L/D=8の二軸のエクストルーダー
(末広鉄工所製)を用いて、回転数120rpm、150℃の条
件で3回処理し、重合度370のセルロースを得た。
2.5Nの水酸化ナトリウム溶液を溶媒として、このセル
ロースの5重量%溶液を作成した。
別に、牛肉のミンチを2.5Nの水酸化ナトリウムに溶解
・分散させた。
各々の溶液をセルロース:牛肉(固型分)(=2/8、W
/W)になるように混合し、脱泡の後に、0.25mmφ、孔数
150のノズルから、硫酸14g/dl硫酸ナトリウム26g/dlを
含有する凝固浴中に吐出し、捲き取り速度10m/分で巻き
とり十分に水洗し、繊維状の成型品を得た。
得られた成型品を、試食したところ非常に口あたりの
好ましいものであった。
比較例7 アラスカパルプ(重合度1200)を摩砕して得たセルロ
ースを5重量%の濃度で2.5Nの濃度で分散させた。
このセルロース溶液を用いて、実施例3と、同様な方
法で繊維状の成型品を得た。
得られた成型品は非常にもろいものであり、しかも、
試食したところセルロースが口にのこり好ましものでは
なかった。
実施例8 実施例1のセルロース4.5重量%になるようにとかし
た2.5N水酸化ナトリウム溶液にアラスカパルプを、セル
ロースに対し45%に当る重量を分散させた。
次に、馬レイ薯デンプンを、2.5N NaOH水溶液に10重
量%の濃度で溶解した。
全セルロース量とデンプン量が等量となるように両液
を混合し、脱泡後、ガラス板上に流延した。
この板を、H2SO4 14g/dl、Na2SO4 24g/dlに調整した
水溶液に2分間浸漬しつつ、ついで水浸漬し常温で、自
然乾燥したところ均質なフィルムを得た。
このフィルムの引張強度は240kg/cm2であった。食感
は、比較例4−1のものはセルロース感がはっきりし、
噛み切れないのに比較し、少しセルロース感はあるもの
の、そしゃく可能であった。
実施例9 アラスカパルプを水分率100%に調整し、15kg/cm2、3
50秒の条件で爆砕処理し、重合度300のセルロースを得
た。
2Nの水酸化ナトリウム水溶液を溶媒として、このセル
ロースの3.5%溶液を作製した。
次に該セルロースドープに後述する澱粉を粉末状で供
給し濃度5%となるように混合溶解した。
該混合ドープを脱泡の後に、0.25mmφ、孔数3000のノ
ズルから硫酸濃度12g/dlの凝固浴中に吐出し、2.5m/min
の速度で捲き取り、十分に水洗して、繊維状の成型品を
得た。
ここで用いた澱粉は、コンスターチ、馬鈴薯デンプ
ン、甘藷デンプン、小麦デンプン、米デンプンであり、
いずれの澱粉を用いたドープも、良好な紡糸状態であっ
た。
また、これらの成型品を試食したところ、いずれも非
常に口あたりの好ましいものであった。
【図面の簡単な説明】
第1図(A)は、天然セルロースのC1〜C6カーボンピー
ク領域の固体CP/MAS13C−NMRスペクトルを示す。このセ
ルロースのHb(3+6)は45%であった。 第1図(B)は、再生セルロースのC4カーボンピーク領
域の固体CP/MAS13C−NMRスペクトルを示す。図中(a)
〜(d)は、それぞれHb(3)違いのセルロースでその
値は(a)から順に、44%、38%、21%、13%、であっ
た。本文明細書中に記載の算出式においてa,cは各々C4,
C6カーボンピークの図中斜線を施していない部分(低磁
場側)の分率で通常そのスペクトルの積分曲線から求め
ることができる。一方、b,dはおのおの、C4,C6カーボン
ピークの高磁場側の分率と低磁場側の分率と加算した値
である。 第2図には、重水素化IR法の装置の模式図を示してい
る。図中、(1)はボンベ、(2)はシリカゲル、
(3)は流量計、(4)は重水バブリング容器、(5)
は試料台、(6)は重水素化セル、(7)は赤外本体で
ある。 第3図には、平衡重水素化時の3430cm-1のピークの光学
密度と3360cm-1の光学密度の比(Hb)を算出するための
重水素化后(平衡)の赤外吸収スペクトルを示す。実際
のHbの計算は下式により求められる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 D01F 8/02 D01F 8/02

Claims (30)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】溶解しているセルロース100重量部に対し5
    0重量部以下の未溶解セルロース分が膨潤分散している
    アルカリ溶液中に、ゲスト成分としてポリペプチド及び
    /又は食用多糖類および/又は、それらを主成分とする
    生体構成物を直接、又は、アルカリ水溶液に溶解分散し
    て、混合したドープであって、該ドープ中で、全ゲスト
    成分の40重量%以上が該ドープ中に溶解しており、溶解
    しているセルロースと溶解しているゲスト成分とが均一
    分散しており、かつ溶解しているセルロースと全ゲスト
    成分の重量比が1:99〜99:1であることを特徴とする成形
    に適するドープ。
  2. 【請求項2】使用されるセルロースが、そのCP/MAS 13C
    −NMR測定から規定されるC3位とC6位における分子内水
    素結合の程度Hb(3+6)が60%以下である天然セルロ
    ースまたはC3位における分子内水素結合の程度Hb(3)
    が30%以下である再生セルロースで、かつ、そのアルカ
    リに対する溶解度が67%〜100重量%である特許請求の
    範囲第1項記載のドープ。
  3. 【請求項3】使用されるセルロースが、そのCP/MAS 13C
    −NMR測定から規定されるC3位とC6位における分子内水
    素結合の程度Hb(3+6)が0〜48%である天然セルロ
    ースまたはC3位における分子内水素結合の程度Hb(3)
    が0〜15%である再生セルロースで、実質的に未溶解セ
    ルロース分が殆ど存在しないものである特許請求の範囲
    第1項記載のドープ。
  4. 【請求項4】溶解しているセルロース分が全ドープ重量
    の0.2〜15重量%である特許請求の範囲第1,2または3項
    記載のドープ。
  5. 【請求項5】セルロースの重合度が100〜1200である特
    許請求の範囲第1項から第4項までのいずれかに記載の
    ドープ。
  6. 【請求項6】アルカリがアルカリ金属の水酸化物である
    特許請求の範囲第1,2または3項記載のドープ。
  7. 【請求項7】アルカリが水酸化ナトリウムおよび/また
    は水酸化リチウムである特許請求の範囲第1,2または3
    項記載のドープ。
  8. 【請求項8】ポリペプチドが天然蛋白質、その部分加水
    分解物またはそれらのNa,KもしくはCa塩である特許請求
    の範囲第1,2または3項記載のドープ。
  9. 【請求項9】食用多糖類が、アラビヤガム、アラビアガ
    ラクタン、アルギン酸、ガディガム、カラギーナン、カ
    ラヤガム、寒天、ザンタンガム、グアーガム、コンニャ
    ク粉、タマリンド、クラガム、トラカントガム、ファー
    セレラン、プルラン、ペクチン、キチン、ローカストビ
    ーンガム、キシラン、マンナン、各種デンプン又は、こ
    れら食用多糖類のうち塩形成性を有するもののNa,Kもし
    くはCa塩である特許請求の範囲第1,2または3項記載の
    ドープ。
  10. 【請求項10】生体構造物が植物、動物又は微生物由来
    の蛋白質および/又は多糖類を主成分とする構成体であ
    る特許請求の範囲第1,2または3項記載のドープ。
  11. 【請求項11】植物由来の構成体が油かす類、穀類、豆
    類、植物茎葉類、藻類および/または塊根類である特許
    請求の範囲第10項記載のドープ。
  12. 【請求項12】動物由来の構成体が魚肉、畜肉、臓器、
    卵構成物または乳構成物である特許請求の範囲第10項記
    載のドープ。
  13. 【請求項13】微生物由来の構成体が酵母、バクテリア
    またはカビ類である特許請求の範囲第10項記載のドー
    プ。
  14. 【請求項14】2〜2.5規定のアルカリ水溶液を用いて1
    0℃〜−10℃でセルロースを少なくとも部分的に溶解し
    て、溶解しているセルロース100重量部に対し50重量部
    以下の未溶解セルロース分が膨潤分散しているアルカリ
    溶液を調製し、この溶液にゲスト成分としてポリペプチ
    ド及び/又は食用多糖類および/又は、それらを主成分
    とする生体構成物を直接投与して混合撹拌するか、又
    は、該ゲスト成分を予め所定のアリカリ水溶液に溶解し
    た溶液を調製しこれと前記セルロース溶液と混合撹拌す
    ることによって、 ドープ中に全ゲスト成分の40重量%以上が溶解してお
    り、溶解しているセルロースと溶解しているゲスト成分
    とが均一分散しており、かつ溶解しているセルロースと
    全ゲスト成分の重量比が1:99〜99:1であるドープとする
    ことを特徴とする成形に適するドープの製造方法。
  15. 【請求項15】セルロースを2〜2.5規定のアルカリ水
    溶液に溶解した後、溶解しているセルロースが相分離を
    起こさない程度に水または希薄アルカリ水溶液を加える
    ことによって、セルロースが少なくとも部分的に溶解し
    ている溶液を調製する特許請求の範囲第14項記載の製造
    方法。
  16. 【請求項16】セルロースを2〜2.5規定のアルカリ水
    溶液に溶解した後、溶解しているセルロースが相分離を
    起こす程度に(但し、溶解しているセルロース100重量
    部に対する未溶解セルロース分の量は50重量部以下であ
    る)水または希薄アルカリ水溶液を加えることによっ
    て、セルロースが少なくとも部分的に溶解している溶液
    を調製する特許請求の範囲第14項記載の製造方法。
  17. 【請求項17】使用するセルロースが、そのCP/MAS 13C
    −NMR測定から規定されるC3位とC6位における分子内水
    素結合の程度Hb(3+6)が60%以下である天然セルロ
    ースまたはC3位における分子内水素結合の程度Hb(3)
    が30%以下である再生セルロースで、かつ、そのアルカ
    リに対する溶解度が67〜100重量%である特許請求の範
    囲第14,15または16項記載の製造方法。
  18. 【請求項18】使用するセルロースが、そのCP/MAS 13C
    −NMR測定から規定されるC3位とC6位における分子内水
    素結合の程度Hb(3+6)が0〜48%である天然セルロ
    ースまたはC3位における分子内水素結合の程度Hb(3)
    が0〜15%である再生セルロースで、実質的に未溶解セ
    ルロース分が殆ど存在しないものである特許請求の範囲
    第14,15または16項記載の製造方法。
  19. 【請求項19】アルカリがアルカリ金属の水酸化物であ
    る特許請求の範囲第14項から第18項までのいずれかに記
    載の製造方法。
  20. 【請求項20】アルカリおよびアルカリ金属水酸化物が
    水酸化ナトリウムおよび/または水酸化カリウムである
    特許請求の範囲第14項から第18項までのいずれかに記載
    の製造方法。
  21. 【請求項21】セルロースの重合度が100〜1200である
    特許請求の範囲第14項から第19項までのいずれかに記載
    の製造方法。
  22. 【請求項22】ゲスト成分と混合するセルロースのアル
    カリ溶液中のアルカリの濃度が0.5規定以上2.5規定未満
    である特許請求の範囲第15または16項記載の製造方法。
  23. 【請求項23】ゲスト成分と混合するセルロースのアル
    カリ溶液中のセルロース濃度が0.5〜15重量%である特
    許請求の範囲第14項から第22項までのいずれかに記載の
    製造方法。
  24. 【請求項24】ポリペプチドが天然蛋白質、その部分加
    水分解物またはそれらのNa,KもしくはCa塩である特許請
    求の範囲第14項から第23項までのいずれかに記載の製造
    方法。
  25. 【請求項25】食用多糖類が、アラビヤガム、アラビア
    ガラクタン、アルギン酸、ガディガム、カラギーナン、
    カラヤガム、寒天、ザンタンガム、グアーガム、コンニ
    ャク粉、タマリンド、クラガム、トラカントガム、ファ
    ーセレラン、プルラン、ペクチン、キチン、ローカスト
    ビーンガム、キシラン、マンナン、各種デンプン又は、
    これら食用多糖類のうち塩形成性を有するもののNa,Kも
    しくはCa塩である特許請求の範囲第14項から第23項まで
    のいずれかに記載の製造方法。
  26. 【請求項26】生体構成物が植物、動物又は微生物由来
    の蛋白質および/又は多糖類を主成分とする構成体であ
    る特許請求の範囲第14項から第23項までのいずれかに記
    載の製造方法。
  27. 【請求項27】植物由来の構成体が油かす類、穀類、豆
    類、植物茎葉類、藻類および/または塊根類である特許
    請求の範囲第26項記載の製造方法。
  28. 【請求項28】動物由来の構成体が魚肉、畜肉、臓器、
    卵構成物または乳構成物である特許請求の範囲第26項記
    載の製造方法。
  29. 【請求項29】微生物由来の構成体が酵母、バクテリア
    またはカビ類である特許請求の範囲第26項記載の製造方
    法。
  30. 【請求項30】アルカリ金属水酸化物の2〜2.5規定水
    溶液を用いて10℃〜−10℃でセルロースを少なくとも部
    分的に溶解して、溶解しているセルロース100重量部に
    対し50重量部以下の未溶解セルロース分が膨潤分散して
    いるアルカリ溶液を調製し、この溶液にゲスト成分とし
    てポリペプチド及び/又は食用多糖類および/又は、そ
    れらを主成分とする生体構成物を直接投与して混合撹拌
    するか、又は、該ゲスト成分を予め所定のアルカリ水溶
    液に溶解した溶液を調製しこれと前記セルロース溶液と
    混合撹拌してドープを調製し、さらに、このドープに実
    質的にすべてのセルロースを溶解しない2規定未満のア
    ルカリ水溶液に膨潤分散せしめたセルロース分散液を混
    合することによって、 ドープ中に全ゲスト成分の40重量%以上が溶解してお
    り、溶解しているセルロースと溶解しているゲスト成分
    とが均一にしており、かつ溶解しているセルロースと全
    ゲスト成分の重量比が1:99〜99:1であるドープとするこ
    とを特徴とする成形に適するドープの製造方法。
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