JP2598950B2 - 光学活性(r)4‐ヒドロキシ‐5‐テトラデシン酸メチルの製造方法 - Google Patents
光学活性(r)4‐ヒドロキシ‐5‐テトラデシン酸メチルの製造方法Info
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Description
ラデシン酸メチルの製造方法に関し、その目的は害虫マ
メコガネの性フェロモンである(R,Z)−5−(1−デ
セニル)オキサシクロペンタンを得るための合成中間体
である光学活性(R)4−ヒドロキシ−5−テトラデシ
ン酸メチルの製造方法の提供にある。
1)は、次式に示す構造を持つ。
学活性体である(R)体は(R,Z)−5−(1−デセニ
ル)オキサシクロペンタン−2−オン(次式3)を得る
ための重要な合成中間体である。
5−テトラデシン酸メチルを加水分解、閉環させてラク
トン(式2)とした後、これを半還元することによって
(R,Z)−5−(1−デセニル)オキサシクロペンタン
−2−オン(式3)を得ることができる。
クロペンタン−2−オン(式3)は、米国において大き
な被害を与えているマメコガネ(通称Japanese beetle,
学名Popillia japonica)の性フェロモンであって従
来、マメコガネの大量誘引殺虫に用いられている。
イズ、アズキ、エンドウ等のマメ類やブドウなどの葉を
食する害虫である。
メリカで果樹、農作物に多大の被害を与えている。
−(1−デセニル)オキサシクロペンタン−2−オン
(式3)の重要な合成中間体である、光学活性4−ヒド
ロキシ−5−テトラデシン酸メチルの製造方法として
は、従来4−オキソ−5−テトラデシン酸メチルを種々
の光学活性還元剤により不斉還元する方法が知られてい
る。
c)センダ法等である。
3). しかし、これらの方法は、以下に示すような欠点を有
している。
はいずれもボラン系の不斉還元剤を用いているがこの不
斉源が反応中に消費されるため製法としてはコスト的に
高いものになり大量生産に適さない。
0℃という低温を必要とし、大量生産法に移行時に大き
な問題となりやはり適さない。
方法が挙げられる。この方法は4−オキソ−5−テトラ
デシン酸メチルを(R,3S)−(+)−4−ジメチルアミ
ノ−1,2−ジフェニル−3−メチル−2−ブタノールと
一般式MXH4(但し、MはLi又はNaを示し、XはAl又はB
を示す)とからなる還元剤により不斉還元することを特
徴とする4−ヒドロキシ−5−テトラデシン酸メチルの
製造方法である。しかしこの方法においても上記センダ
法と同様、反応時に−100℃という低温を必要とし、大
量生産法に移行時に大きな問題となりやはり適さない。
を避け、−60〜−70℃程度(ドライアイス・アセトン)
の温度で不斉還元を行なおうとする試みもあるが、この
試案法では光学純度が大幅に低下した合成物しか得られ
ず好ましくない。
ると−60〜−70℃で光学純度が50%e.e.程度の目的合成
物を得ることができる。しかし、テトラヒドロフランは
水溶性であるため後処理が困難である、即ち目的合成物
は水相に入って収率が低下し易く、高収率が得にくいと
いう別の問題が生じる。
シ−5−テトラデシン酸メチルの製造において、光学純
度が高く、しかも比較的高い温度で製造でき、更に後処
理が容易で高収率が得やすく、即ち大量生産に適した製
法を創出せんとした。
チルを出発物質とし、この出発物質を(2S,3R)−
(+)−4−ジメチルアミノ−1,2−ジフェニル−3−
メチル−2−ブタノールと水素化リチウムアルミニウム
により不斉還元する際、エチルエーテル/テトラヒドロ
フランが5/1〜1/9の混合比をもつエチルエーテル系混合
溶媒を用いることを特徴とする光学活性(R)4−ヒド
ロキシ−5−テトラデシン酸メチルの製造方法を提供す
ることにより、−20〜−60℃という比較的高温で、即ち
大量生産に適した温度で、テトラヒドロフランと同程度
以上即ち50%e.e.以上の光学純度の光学活性(R)4−
ヒドロキシ−5−テトラデシン酸メチルを得ること及び
後処理を容易にすることに成功し、この発明に至ったも
のである。
テトラデシン酸メチルの製造方法を以下詳細に説明す
る。
素化リチウムアルミニウムを調製し、この不斉還元剤に
次の溶媒を加える。
/テトラヒドロフランを5/1〜1/9の比率で混合した混合
液が望ましい。さらに、エチルエーテル/テトラヒドロ
フランを5/1〜1/の比率で混合した混合液を使用した場
合、60〜80%e.e.と著しく高い光学純度の光学活性
(R)4−ヒドロキシ−5−テトラデシン酸メチルを得
ることが出来るため、さらに望ましい。
媒として使用すると、エチルエーテル及びテトラヒドロ
フランを単独で使用した場合と比較し、光学純度が高い
光学活性(R)4−ヒドロキシ−5−テトラデシン酸メ
チルを得られる傾向がある。しかし、テトラヒドロフラ
ンが1に対しエチルエーテルの使用量が5を超えるとテ
トラヒドロフランを単独で使用した場合よりも低い光学
純度の目的合成物しか得られず好ましくない。またエチ
ルエーテル1に対しテトラヒドロキシフランの使用量が
9を超えると、後処理の際、高収率が得にくくなるので
好ましくない。
系に加えてもよいし、予め混合して同時に反応系に加え
てもよい。
のこの発明における使用量としては、この後に反応系に
加える4−オキソ−5−テトラデシン酸メチルに対して
0.8〜2当量、より好ましくは1.0〜1.2当量となる様に
用いるのが好ましい。
い(2S,3R)−(+)−4−ジメチルアミノ−1,2−ジフ
ェニル−3−メチル−2−ブタノールも多量必要となり
コスト的に高くなり工業的製法として望ましくなく、逆
に0.8当量より少ないと十分に反応が進行しないため、
結局いずれの場合も好ましくないからである。
ミノ−1,2−ジフェニル−3−メチル−2−ブタノール
を加える。
元剤である水素化リチウムアルミニウムに対して1〜2.
5当量、より好ましくは1.5〜2.0当量用いるのが好まし
い。
用いるとコスト的に高くなり反応性もおち、また、逆に
1当量未満とするとエステル部分も還元され、結局いず
れの場合も好ましくないからである。
するのが好ましい。
る。
メチルを加える。
〜−60℃とするのが望ましい。
60〜−70℃(冷媒をドライアイス−アセトンペーストま
たはドライアイス−メタノールペーストを用いて)以下
にするのは生産技術的に難しく、更にコスト的にも非常
に高くなり工業的生産に適さず、また、逆に0℃以上で
は反応生成物の光学純度が大きく低下し、いずれの場合
も好ましくない。
い、これを凝縮し、蒸留することにより光学活性(R)
−4−ヒドロキシ−5−テトラデシン酸メチルを単離す
ることができる。
ヒドロキシ−5−テトラデシン酸メチルを得ることがで
きる。
ロキシ−5−テトラデシン酸メチルの製造方法は、4−
オキソ−5−テトラデシン酸メチルを出発物質とし、こ
の出発物質を(2S,3R)−(+)−4−ジメチルアミノ
−1,2−ジフェニル−3−メチル−2−ブタノールを水
素化リチウムアルミニウムにより不斉還元する際、エチ
ルエーテル/テトラヒドロフランが5/1〜1/9の混合比を
もつエチルエーテル系混合溶媒を用いることを特徴とす
る光学活性4−ヒドロキシ−5−テトラデシン酸メチル
の製造方法であるから、比較的高温で処理でき従って大
量生産に適し、後処理も容易な製法であるという効果を
奏する。
効果をより一層明確にする。
ラン2+エチルエーテル3)に懸濁し、−20℃にて
(2S,3R)−(+)−4−ジメチルアミノ−1,2−ジフェ
ニル−3−メチル−2−ブタノール2.25kgをエチルエー
テル4にとかして滴下した。
ラデシン酸メチル1kgをエチルエーテル1にとかして
滴下した。
止した。
水洗、乾燥した後、濃縮し、1kgの(R)−4−ヒドロ
キシ−5−テトラデシン酸メチルを得た。
Cl30.75mlにとかして、NMRにより測定することにより70
%e.e.であることがわかった。
1表の如く変化した以外は実施例1と全く同様に処理し
た光学活性(R)−4−ヒドロキシ−5−テトラデシン
酸メチルの光学純度を第1表に併せて記す。
溶性のため生成物が水層に入り、収率が低下するため、
高収率を得るのが大変困難であった。
活性(R)4−ヒドロキシ−5−テトラデシン酸メチル
の製造方法によると比較的高温域で、即ち大量生産に適
した温度でテトラヒドロフランと同程度以上即ち50%e.
e.以上という高い光学純度の目的物質を得ることができ
且つ後処理の際に高収率を得るのが容易である優れた方
法であることが判る。
Claims (1)
- 【請求項1】4−オキソ−5−テトラデシン酸メチルを
出発物質とし、この出発物質を(2S,3R)−(+)−4
−ジメチルアミノ−1,2−ジフェニル−3−メチル−2
−ブタノールと水素化リチウムアルミニウムにより不斉
還元する際、エチルエーテル/テトラヒドロフランが5/
1〜1/9の混合比をもつエチルエーテル系混合溶媒を用い
ることを特徴とする光学活性(R)4−ヒドロキシ−5
−テトラデシン酸メチルの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63053191A JP2598950B2 (ja) | 1988-03-07 | 1988-03-07 | 光学活性(r)4‐ヒドロキシ‐5‐テトラデシン酸メチルの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP63053191A JP2598950B2 (ja) | 1988-03-07 | 1988-03-07 | 光学活性(r)4‐ヒドロキシ‐5‐テトラデシン酸メチルの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH01226855A JPH01226855A (ja) | 1989-09-11 |
JP2598950B2 true JP2598950B2 (ja) | 1997-04-09 |
Family
ID=12935983
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP63053191A Expired - Lifetime JP2598950B2 (ja) | 1988-03-07 | 1988-03-07 | 光学活性(r)4‐ヒドロキシ‐5‐テトラデシン酸メチルの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2598950B2 (ja) |
Family Cites Families (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS59157055A (ja) * | 1983-02-28 | 1984-09-06 | Nitto Electric Ind Co Ltd | 4−ヒドロキシ−5−テトラデシン酸メチルの製造方法 |
-
1988
- 1988-03-07 JP JP63053191A patent/JP2598950B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH01226855A (ja) | 1989-09-11 |
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