JP2598863B2 - 液体用計量装置 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は容器の排出孔へ適用でき、かつ所定量で使用
される洗剤、油、化学物質等の主に家庭用の液体の計量
に使用できる液体用計量装置に関する。

計量装置を装備した容器を製造する化学工業に対する
ニーズはそこに含まれる物質の性能を最適にし、かつ一
方で調整された計量により得られるよりも悪い結果に繋
がり他方で環境汚染によるエコロジー問題に繋がる物質
の誤用を回避する必要性に起因する。上記理由から液体
用計量装置は益々頻繁に工業的に使用されている。

既知計量装置は計量される液体内に浸漬されかつ所定
距離に沿って走る球体がその内側で摺動するチャンネル
を有する出口で構成されている。この容器が起立位置か
ら倒立回転して液体排出位置になると、上記球体が排出
孔へ向かって移動してその孔を閉鎖するまで液体は流出
し続ける。この種の装置はDE-C-93250に記載されてい
る。かかる装置から生じる主な欠点は上記球体のストロ
ークが該球体が浸漬する液体の濃度に依存することあ
り、従って上記球体の重量は注ぎ出される液体の濃度に
依って変化する。従って、上記球体を形成する材料を変
化させるか、または上記球体の寸法を変化させる必要が
あり、異なる寸法の計量装置の具体化により生じる自明
の欠点を有する。更に、この型の計量装置は非常に不精
確である。これは閉鎖段階で上記球体の速度が該球体と
接触する液体頭に依存し、従って、この容器から放出す
るときに計量装置により分配される液体量はそれ自体変
化するからである。

DE特許出願第3715617号はねじ山に沿って軸方向へ移
動するディスペンサ装置を有する封鎖キャップを開示し
ているが、ここには該ディスペンサ装置と該キャップと
の間に摺動可能な計量部材が設けられていない。更に、
US特許第1,687,705号は計量室それ自体は摺動すること
なく摺動リング弁が固定された計量室の外面に沿って移
動するディスペンサ装置を開示している。

本願発明者により出願された国際特許出願PCT/EP90/0
2106は実質的に管状の外本体、上記外本体へ挿入された
摺動計量要素、上記外本体の内側に設置された同軸排出
ダクト、および上記外本体の内面と上記排出ダクトの外
面との間に設置された液体用予備計量室から成る計量装
置に関する。予め選択された計量液が上記摺動計量要素
へ達した後に、起立位置から倒立位置への上記容器の回
転によって上記計量要素が外側へ摺動して、上記容器の
内側と上記排出ダクトとの間の連絡を遮断し、他方上記
計量要素内に含まれる液体は外部へ排出されかつ上記容
器内の液体は予備計量室へ侵入する。

この装置は上記欠点を克服するが、構成に若干の困難
性がある。なぜならば、上記３要素、即ち、上記内本
体、外本体、および摺動計量要素に対して、上記外本体
と上記容器のネックとの間にキャップから成る連結要素
を必須要件とするからである。基本的に、上記計量装置
は分離成形して組み立てた４部で構成される。

同一品質を維持しながら製造費を軽減すると言う恒常
的要求が発明者を啓蒙して本発明の液体用計量装置を実
現させた。その主目的は上記特許出願PCT/EP90/02106で
既知の計量の精確性を維持する、と同時に４部ではなく
３部構成のキャップを装備した計量装置の具体化により
その構成を簡素化することにある。それにより材料およ
び組立時間の有益な節減に繋がった。

本発明の他の目標は上記計量装置が上記容器を各回ご
とに完全に直立位置へ上下回転させる必要を伴うことな
く正確に作用させることである。更に、摺動計量要素が
上記計量装置の固定部に達したときに完全な閉鎖を実現
して予かじめ計量された液体が上記容器内に存在する液
体と混合してその使用量を変化させるのを回避すること
にある。

上記目標および後述の説明から理解されるであろう他
の目的はプラスチック材により形成され、容器の排出孔
上に適用できる請求項１により構成された液体用計量装
置を具体化することにより達成される。本発明による閉
鎖容器の上部出口のネックへ取付けることのできるプラ
スチック材による液体用計量装置は、 −２つの環状壁と上記環状壁間を一端部で閉鎖する他の
壁により囲繞されかつ上記容器が起立位置から倒立位置
へ転換されたときに所定の液体使用量を収集できる概ね
環状の予備計量室、 −上記装置の固定部に対して上記容器の垂直軸方向へ移
動できる概ね円筒状の計量要素、上記計量要素は上記容
器が起立位置へ再転換されたときに所定液体使用量を収
集しかつ上記容器が更に倒立位置へ転換されたときにそ
の使用量を排出する、 −上記予備計量室および上記計量要素と同軸の実質的円
筒状の排出ダクト、および −上記排出ダクトを閉鎖するための可動キャップから成
り、 上記予備計量室および上記排出ダクトは上記容器が起
立位置のときに最上部になる上要素を画定し、上記予備
計量室は上記他の壁を介して連結された上記２つの環状
壁間の環状空間として形成され、上記上要素は上記環状
壁により形成された上記排出ダクトの開口部を中央に有
しかつ上記キャップと一体成形されていおり、更に、 上記計量要素を内部に収容でき、上記容器のネックと
結合するための手段を有し、かつ上記計量要素を案内し
て上記中間要素内での上記計量要素の摺動運動を可能に
する長手下方向へ向かって延在する一連のウイングと共
に上要素（10）の外側の環状壁（11）の内面に嵌合する
円筒壁（23）を有する上記上要素へ連結された中間要素
を含み、かつ上記他の壁の外形は円錐台形に形成されて
いることを特徴とする。

上記予備計量室の円筒内壁は上リム壁および上記上リ
ム壁へ向かって収斂する傾斜外壁により構成され、これ
らの壁が上記上要素の一部を構成し、上記予備計量室
は、更に、上記計量要素へ向かって収斂する円錐形壁を
有する上記中間要素の円筒壁の一部を外壁として含むこ
とが望ましい。

上記中間要素と上記上要素との連結は上記上要素の外
壁上に設けた環状突起を上記容器のネック上へ突設でき
る上記中間要素の円筒壁内に設けた相補的形状の環状溝
へ嵌込むことにより、または上記中間要素内に設けた突
出部を上記上要素内に設けた相補的形状の環状溝へ嵌込
むことにより可能である。

上記中間要素のウイングは、上記計量要素の外壁と、
上記容器のネックの内側へ結合される上記中間要素の壁
とによって、上記容器から上記予備計量室へ液体を通過
させる通過ポートを構成する内部空間を形成することが
望ましい。

上記計量要素は、起立位置において、上記予備計量室
へ向かって拡大する円錐形リムを上縁部に有する円筒部
から成り、上記円錐形リムと上記円筒部との連結部に沿
って上記円錐形リムの上部に環状溝を有し、上記環状溝
は、上記容器が倒立位置に転換し上記計量要素が下方へ
摺動して上記装置から液体が排出されるときに、上記排
出ダクトを形成する円筒壁の内端部に沿って形成された
相補的形状のリムと係合することが望ましい。

上記計量要素の環状溝および上記排出ダクト壁のリム
は実質的に三角形断面を有するのが好ましい。

他の特徴および詳細は本発明を実施する好適態様の説
明からより良く理解されるであろう。上記実施態様は例
示であって本発明の範囲を制限するものでない。

図１は本発明の装置のキャップに連結された上要素の
軸測投像図である。

図２は本発明の摺動計量要素の軸測投像図である。

図３は本発明の上要素と共働しかつ摺動計量要素を案
内する中間要素の軸測投像図である。

図４は本発明による上記容器の内側から予備計量室へ
液体の第１使用量が移動する計量要素の第１充填部を示
す断面図である。

図５は本発明による予備計量室から摺動計量要素へ所
定使用量を注入するときの起立位置における計量装置の
断面図を示す。

図６は本発明による摺動計量要素から所定使用量が排
出されかつ容器の内側から予備計量室へ所定使用量が移
動する放出段階を示す断面図である。

図７は図６のVII-VII線による断面を示す。

図面を参照すると、図1,2,3で観察されるように、本
発明の装置は図１に10で示された上要素、図３に20で示
された中間要素、および図２に30で示された摺動計量要
素の実質的に３部のみで形成されている。

更に詳細には、全体が10で示された上記上要素は外側
の環状壁または円筒壁11と円錐台形上壁12で構成され、
その中心に環状壁または円筒壁16により形成された排出
ダクト13を有する。円筒垂直壁11と円錐台形壁12を連結
する板部14は中間要素20のリム21の厚みに合致する凹部
を有する。上要素10と中間要素20との間の結合は、図３
から明らかなような対応する環状溝22上に突起15を係合
することによって行われる。このように、上要素10と中
間要素20とは結合されている。

中間要素20は円筒壁23を上に有し、24で示された小径
のテーパをつけた円筒壁を下に有する。テーパをつけた
円筒壁24は容器41の開口部の内側へ中間要素20を案内す
る。壁24と同軸であってそれよりも外方に他の円筒壁24
1が設けられており、円筒壁241は容器41のネック上に形
成された対応する溝内へ進入しかつ中間要素20と容器41
との間を確実に封止する環状突起242を有する。中間要
素20はねじ山、または上記中間要素と上記容器の適宜壁
とを上記容器の開口部の近傍で接着することによって上
記容器のネックへ固定できる。円筒壁24の内側にはウイ
ング25が等間隔で配設されていて下方へ延在する長手成
形部を有する。上記ウイングは計量要素30をその内側内
へ誘導して自由に摺動させるために実質的にスムーズな
屈曲壁を有する。

長手ウイング25は中間要素20に属する円筒壁24と摺動
計量要素30の円筒外壁31との間に設置されるので、内空
間、即ち、容器41の内側の液体を上要素10と中間要素20
との結合によって制限される予備計量室50へ通過させる
通過ポート27を形成する。更に精確には、上記予備計量
室50は円筒壁16、上リム17、円錐台形壁12、中間要素20
に属する円筒壁23および円錐形面付ジョイント23aによ
って画定される。図４から明らかなように、摺動計量要
素30が円筒要素16のリム18上に当接するときに、室50は
その上部を開放する。上記容器が図５に示されたように
起立位置へ回転した後に、摺動計量要素30は下へ移動し
てウイング25に属する傾斜壁26上に当接し、それにより
上記摺動計量要素の円錐形リム32が通過ポート27を閉鎖
して室50内の予かじめ計量された液体を摺動計量要素30
内の液体用収集空間を構成する空間33へ流通させる。

図６で観察されるように、容器41の続く反転により室
50は液体40で再充填され、かつ摺動計量要素30の室33内
に含まれている液体が排出ダクト13の開口部から外部へ
流出する。

室33内に収集された予め計量された液体と容器41の内
側から計量室50へ流入する液体との混合を避けるため
に、摺動計量要素30は円筒面31と円錐形面32との間の変
化に対応して具体化された環状溝34を有し、この環状溝
34は上要素10に属する排出ダクトの壁16の成形リム18を
受ける。

このようにして、完全な封止が上記摺動計量要素と上
記排出ダクトとの間に形成され、それにより予め選択さ
れた液体と選択されるべき液体との混合を回避する。

上記上要素はプラスチック材により上記上要素と一体
成形されたキャップ19を具備し、これは容器41から液体
を排出しないときに排出ダクト13を閉鎖する。

上述の構成により、本発明の目的、即ち、単に３部材
を組立てることにより構成できる液体用の非常に簡単な
計量装置の具体化が可能になる。

同様に、本発明の計量装置において、上記摺動計量要
素が僅かな摺動により精確な使用量を誘導することによ
って計量された液体と容器内の液体との混同が回避され
る。即ち、上記摺動計量要素が上記排出ダクトに連結さ
れた予備計量室50を開閉し、かつ上記排出ダクト内の液
体が予備計量室内および容器内の液体と接触することを
防止する。

但し、本発明の装置には構成段階において種々の変更
および改変が加えられてよい。しかし、その変更および
改変は続く請求の範囲に特定された本発明の範囲を逸脱
しないものである。

Claims (9)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】閉鎖容器の上部開口部のネックへ取付ける
   ことのできるプラスチック材による液体用計量装置であ
   って、上記装置は、 ２つの環状壁（11,16）と上記２つの環状壁間を一端部
   で閉鎖する壁（12,17）により囲繞されかつ上記容器（4
   1）が起立位置から倒立位置へ転換されたときに所定の
   液体使用量を収集できる概ね環状の予備計量室（50）、 上記装置の固定部に対して上記容器の垂直軸方向へ移動
   できる概ね円筒状の計量要素（30）、上記計量要素は上
   記容器が起立位置へ再転換されたときに所定液体使用量
   を収集しかつ上記容器が更に倒立位置へ転換されたとき
   にその使用量を排出する、 上記予備計量室および上記計量要素と同軸の実質的円筒
   状の排出ダクト（13）、および 上記排出ダクトを閉鎖するための可動キャップ（19）か
   ら成り、 上記予備計量室および上記排出ダクトは上記容器が起立
   位置のときに最上部になる上要素（10）を形成し、上記
   予備計量室は上記壁（12,17）を介して連結された上記
   ２つの環状壁（11,16）間の環状空間として形成され、
   上記上要素は上記環状壁（16）により形成された上記排
   出ダクトを画定する中央開口部を有しかつ上記キャップ
   （19）と一体成形されている、更に、 上記計量要素を内部に収容でき、上記容器のネックと結
   合するための手段を有し、かつ上記計量要素を案内して
   上記中間要素内での上記計量要素の摺動運動を可能にす
   る長手下方向へ向かって延在する一連のウイング（25）
   と共に上要素（10）の外側の環状壁（11）の内面に嵌合
   する円筒壁（23）を有する上記上要素へ連結された中間
   要素（20）を含み、 かつ上記壁（12,17）の外形は円錐台形に成されている
   ことを特徴とする液体用計量装置。
2. 【請求項２】上記予備計量室（50）は円筒内壁（16）を
   有し、円筒内壁（16）は上リム（17）およびこの上リム
   へ向かって収斂する傾斜外壁（12）で形成され、上記壁
   （12,16,17）と外壁（12）は上要素（10）の一部を構成
   し、上記予備計量室は、更に、計量要素（30）へ向かっ
   て収斂する円錐形壁（23a）を有する上記中間要素の円
   筒壁（23）の一部を外壁として含むことを特徴とする、
   請求項１の計量装置。
3. 【請求項３】上記中間要素（20）と上記上要素（10）は
   上要素（10）の下リム上に設けた環状突起（15）を上記
   容器のネック上へ突設される中間要素（20）の円筒壁
   （23）内に設けた相補的形状の環状溝（22）へ嵌込むこ
   とにより連結されているか、または上記中間要素内に設
   けた突起を上記上要素内に設けた相補的環状溝へ嵌込む
   ことにより連結されていることを特徴とする、請求項１
   の計量装置。
4. 【請求項４】上記中間要素（20）のウイング（25）は、
   計量要素（30）の外壁と、上記容器のネックの内側へ結
   合される上記中間要素の壁（24）と共に、上記容器から
   予備計量室（50）へ液体を通過させる通過ポート（27）
   を画定する内部空間を形成することを特徴とする、請求
   項１の計量装置。
5. 【請求項５】上記計量要素（30）は、起立位置におい
   て、上記予備計量室へ向かって拡大する円錐形リム（3
   2）を上縁部に有する円筒部（31）から成り、円錐形リ
   ム（32）と円筒部（31）との連結部に沿って円錐形リム
   （32）の上部に環状溝（34）を有し、環状溝（34）は、
   上記容器が倒立位置に転換し上記計量要素が下方へ摺動
   して上記装置から液体が排出されるときに、上記排出ダ
   クトを形成する円筒壁（16）の内端部に沿って形成され
   た相補的形状のリム（18）と嵌合することを特徴とす
   る、請求項１の計量装置。
6. 【請求項６】上記計量要素の環状溝（34）、および上記
   排出ダクト壁（16）のリム（18）は実質的に三角形断面
   を有することを特徴とする、請求項５の計量装置。
7. 【請求項７】上記装置と上記容器（41）のネックは上記
   容器のネック上に形成された環状溝へ上記中間要素の円
   筒壁（241）上に形成した相補的形状の環状突起（242）
   を嵌込むことにより安定結合されていることを特徴とす
   る、請求項１の計量装置。
8. 【請求項８】上記装置と上記容器のネックはねじ山を介
   して結合されていることを特徴とする、請求項１の計量
   装置。
9. 【請求項９】上記装置と上記容器は上記容器のネック近
   傍において上記容器の適宜壁へ上記中間要素（20）の適
   宜壁を接着することにより結合されていることを特徴と
   する、請求項１の計量装置。