JP2598829B2 - 電波吸収材 - Google Patents

電波吸収材

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、電波吸収材に関する。さらに詳しくは、半
導電性短繊維を用いた電波吸収材の改良に関するもの
で、VHF、UHF、SHF、マイクロ波、レーダ波、準ミリ波
およびミリ波等の電波を安定的に広帯域かつ高効率に吸
収や減衰させる電波吸収材に関する。
[従来の技術] 従来より、半導電性短繊維を用いた電波吸収材が研究
され、特に最近では特開昭62−123799号公報や特開昭62
−213089号公報に導電性チタン酸カリウムウイスカを用
いた電波吸収材が提案されている。
しかしながら、これらに開示された電波吸収材は、単
純な針状の導電性チタン酸カリウムウイスカ等を、樹
脂、塗料、ゴム等のマトリックス中に分散した電波吸収
材であった。
[発明が解決しようとする課題] しかるに、上記した従来の電波吸収材においては、マ
トリックス中に分散するときに、単純な針状ウイスカが
配向して電波吸収特性に異方性が生じたり、沈殿して均
一な材質が得られず、電波吸収特性のバラツキとなって
現われる問題点があった。本発明は、これらの欠点を改
良し、電波吸収特性に異方性がなく、均一で安定した電
波吸収特性を有する電波吸収材を提供することを目的と
するものである。
[課題を解決するための手段] 本発明者らは上記課題に対して鋭意研究の結果、以下
の手段により課題を解決するに至った。
すなわち、本発明は、テトラポット状酸化亜鉛ウイス
カに、アスペクト比(繊維長さ/繊維径)が10〜10,000
で、繊維径が0.1〜100μmであり、比抵抗が10-2〜105
Ω−cmの半導電性短繊維を混合した電波吸収材である。
また、本発明は半導電性短繊維100重量部に対し、テ
トラポット状酸化亜鉛ウイスカの混合割合が1〜1,000
重量部である上記電波吸収材である。
また、本発明は半導電性短繊維が導電性チタン酸カリ
ウムウイスカないしは炭素繊維である上記電波吸収材で
ある。
さらに、本発明はテトラポット状酸化亜鉛ウイスカの
アスペクト比が3〜100で、該ウイスカの基部の繊維径
が0.1〜14μmである上記電波吸収材である。
また、本発明は、テトラポット状酸化亜鉛ウイスカ
に、アスペクト比が10〜10,000で、繊維径が0.1〜100μ
m、比抵抗が10-2〜105Ω−cmの半導電性短繊維を混合
し、該混合物を保持材により保持、または保持材中に混
入ないし分散されてなる電波吸収材である。
[作用] 本発明において、第1図に示される如く、3次元のテ
トラポット形状の酸化亜鉛ウイスカ1,1′と半導電性短
繊維2,2′との混合物と適宜の保持材3からなる電波吸
収材は、半導電性短繊維2,2′が無秩序な方向を向き、
沈殿も防止されるため、異方性が無く均一な電波吸収材
が得られる。
しかも、半導電性短繊維とテトラポット形状の酸化亜
鉛ウイスカの双方が高い電波吸収性の素材であるため、
電波吸収特性の面で極めて効果的な組み合わせとなる。
[実施例] 本発明を実施例を用いて具体的に説明するが、本発明
は以下の実施例に限定されるものではない。
本発明では、電波吸収材においてテトラポット状酸化
亜鉛(以下、ZnOと略記する)ウイスカを用いる。このZ
nOウイスカは表面に酸化皮膜を有する粒径0.1〜300μ
m、好ましくは1〜200μm、より好ましくは10〜150μ
mの金属亜鉛粉末を酸素濃度数%以下の酸素を含む雰囲
気下で700〜1100℃、好ましくは800〜1050℃、より好ま
しくは900〜1000℃で焼成時間10秒以上、好ましくは30
秒〜1時間、より好ましくは1分〜30分間加熱処理して
生成することができる。得られたテトラポット状ZnOウ
イスカは、みかけの嵩比重0.02〜0.3を有し、70wt%以
上の高収率で極めて量産的である。第2図及び第3図は
その電子顕微鏡写真で生成品の一例を示す。これによる
と、前記の形状的、寸法的特徴が明確に認められる(テ
トラポット構造)。
テトラポット状のZnOウイスカは、第2図ないし第3
図を参照すればその形状は明白であるが、核部と該核部
から異なる4軸方向に伸びた針状結晶部とからなる形状
を有する。核部とは4軸方向に伸びた針状結晶の各軸が
集合した中心部分であり、基部とは各針状結晶部分の核
部に連結する部分を言う。
ところで、テトラポット状ZnOウイスカの針状結晶部
が3軸あるいは2軸、さらには1軸のものが混入する場
合があるが、これは元来4軸の結晶の一部が折損したも
のである。また、ゴム、樹脂、セラミック、ガラス等に
このテトラポットZnOウイスカを混入する場合には充分
配慮しないと混合時や成形時にテトラポット構造がくず
れて、単純な針状ウイスカに変化する場合が多い。
このテトラポットZnOウイスカのX線回折図をとる
と、通常、すべてZnOのピークを示し、また、電子線回
折の結果も、転移、格子欠陥の少ない単結晶性を示し
た。また、不純物の含有量も少なく原子吸光分析の結
果、ZnOが99.98%であったが、必ずしもこれのみに限定
されるものではない。
次に、本発明で用いるテトラポット状ZnOウイスカ
は、その針状結晶部の基部の繊維径(以下、基部の繊維
径と略す。)が0.1μm以上で、アスペクト比(針状結
晶部の長さ/基部の繊維径)が3以上であることが望ま
しい。それより小さいと、3次元テトラポット形状の持
つ効果が薄くなり、これを混合して電波吸収特性の異方
性等を解消する効果が少なくなるため好ましくない。
また、本発明で用いるテトラポット状ZnOウイスカ
は、その基部の繊維径が14μm以下で、アスペクト比が
100以下であることが望ましい。これより大きいと、他
の半導電性短繊維との混合時にテトラポット形状が分解
するものが増えるため好ましくなく、あるいは、この種
の大きなテトラポット状ZnOウイスカの量産性が低いた
め、実用的でなく、好ましくない。
次に、テトラポット状ZnOウイスカの針状結晶部の基
部の径で先端部の径を除した値は、0.8以下がZnOウイス
カの電波吸収特性から望ましく、好ましくは0.5以下、
さらに好ましくは0.1以下が望ましい。
本発明で用いるZnOウイスカの抵抗値範囲は(0.2mm厚
の)圧粉状態(5kg/cm2、50VDC)で10〜108Ω−cmの範
囲が可能であり、用途により使い分けるが、電波吸収特
性からは102〜106Ω−cmが好ましく、さらに生産コスト
を考慮に入れると、103〜105Ω−cmが特に有効である。
本発明に用いるZnOウイスカの抵抗値は、ウイスカ製
造時の焼成条件や、還元焼成処理、あるいは、他の元素
(例えば、Al,Li,Cuなど)を適切な方法でドープするこ
とにより変えることもできる。
また、本発明で用いる半導電性短繊維とは、圧粉(5k
g/cm2)状態で10-2〜105Ω−cmの比抵抗を持つ短繊維
で、各種のウイスカや炭素繊維、さらにはセラミック繊
維あるいは金属繊維が用いられる。
また、このウイスカには、例えば、導電性チタン酸カ
リウムウイスカ、炭化ケイ素ウイスカ、針状酸化亜鉛ウ
イスカ、酸化錫ウイスカ、硫化カドミウムウイスカ、炭
素ウイスカ等が用いられるが、特に導電性チタン酸カリ
ウムウイスカ(大塚化学社製品名:デントールBK−200,
BK−300,WK200,WK300等)が実用的で好ましい。さら
に、この半導電性短繊維として、ガラス繊維やセラミッ
ク繊維ないしはウイスカの表面に、カーボンや酸化錫
(アンチモンドープ)をコートした短繊維を用いること
もできる。
次に、半導電性短繊維の比抵抗は、10-2〜105Ω−cm
が好ましいが、10-2−cm未満では電波の反射性が大きく
なるため好ましくなく、また、105Ω−cmより大きいと
電波吸収特性が低下し同じく好ましくない。電波吸収性
の面からは特に、10-1〜103Ω−cmの範囲が好ましく、
より好ましくは100〜102Ω−cmである。
次に、半導電性短繊維の繊維径は0.1〜100μmが好ま
しい。0.1μm未満では均一混合時に、折れや切断が発
生するため好ましくなく、100μmを越えると、これも
混合時に、沈殿や偏析が生じ、均一な混合が難しくなる
ため好ましくない。また、これらの短繊維のアスペクト
比は、10〜10,000が好ましい。アスペクト比が10未満で
は電波吸収特性が低下するため好ましくなく、一方、1
0,000を越えるとウール状態が強くなるためテトラポッ
ト状ZnOウイスカとの均一混合がむずかしくなり、好ま
しくない。
次に混合比に関しては、半導電性短繊維100重量部に
対し、テトラポット状ZnOウイスカを1〜1000重量部混
合するのが好ましい。1重量部未満では、電波吸収性の
不均一性緩和には不十分となり、一方1000重量部を越え
ると電波吸収特性が低下するため好ましくない。特に3
〜100重量部において最も好ましい電波吸収特性が得ら
れる。
次に本発明の電波吸収材は、テトラポット状ZnOウイ
スカと前述の半導電性短繊維の混合物(混合系電波吸収
材)を用いて種々の形態で用いることができる。
すなわち、混合系電波吸収材の粉体状態、堆積物状
態、焼結状態はじめ、各種保持材により適当な方法、形
態で保持されたものなどである。
粉体状態の混合系電波吸収材は、織布、不織布、セラ
ミック、ガラス、樹脂、ゴム、コンクリート、モルタ
ル、ワックス、ゲル状半固体物質、発泡体等の容器ある
いは袋に入れたり、それらの材料で封じ込めて用いるこ
とができる。
また、混合系電波吸収材の堆積物状態とは、抄紙(紙
すき)法によるウイスカ紙や、湿式過法(真空過な
ど)による混合系電波吸収材の過堆積物などがある。
この場合適切な有機や無機系のバインダーを用いること
ができる。
さらに、混合計電波吸収材の集合体を適当な圧力でプ
レスしながら、あるいは、プレスした後で、適当な温度
(500〜1600℃)で焼結した焼結体を用いることができ
る。この場合、一般に用いられる焼結助剤を適当量用い
ると効果的である。プレス圧は特に限定するものではな
いが、1〜2000kg/cm2の範囲でプレスし、特に10〜400k
g/cm2において良好な結果をもたらす。
次に、保持材は電波吸収性であっても透過性であって
もよい。混合系電波吸収剤の保持材として各種樹脂が用
いることができる。具体的には、熱硬化性樹脂と熱可塑
性樹脂のいずれをも用いることができる。
まず、熱硬化性樹脂では、特に限定するわけではない
が、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン
樹脂、シリコーン樹脂、メラミン−ユリア樹脂、フェノ
ール樹脂等が適用できる。
また、熱可塑性樹脂としては、特に限定するわけでは
ないが、ポリ塩化ビニール、ポリエチレン、塩素化ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレー
ト、ポリブチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリス
ルホン、ポリエーテルイミド、ポリエーテルスルホン、
ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケトン、ポ
リエーテルエーテルケトン、ABS樹脂、ポリスチレン、
ポリブタジエン、ポリメチルメタアクリレート、ポリア
クリルニトリル、ポリアセタール、ポリカーボネート、
ポリフェニレンオキサイド、エチレン−酢酸ビニル共重
合体、ポリ酢酸ビニル、エチレン−テトラフロロエチレ
ン共重合体、芳香族ポリエステル、ポリ弗化ビニル、ポ
リ弗化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、“テフロン”
(デュポン社製フッ素樹脂)等が適用される。
この場合、特に電波吸収特性の観点からテトラポット
状ZnOウイスカや半導電性短繊維ができる限り、折損し
ないまま保持材に保持されることが望ましいので、従来
その種の目的で考えられてきた各種の方法が適用可能で
ある。すなわち、混合系電波吸収材に対して応力やせん
断力を極力抑えた混合方法、混練方法、押し出し方法、
成形方法が適用できる。その点においてエポキシ樹脂や
不飽和ポリエステル樹脂、ウレタン樹脂、シリコーン樹
脂等の熱硬化性樹脂の如く粘度の比較的低い液相状態で
混合系電波吸収材を混入し、その後、成形した後、硬化
する方法が好ましい。また、樹脂を適当な溶剤に溶か
し、低粘度の溶液にした状態で混合系電波吸収材を混入
し、その後、溶剤を揮発させる方法も適用できる。さら
に、数μm〜数十μm程度の樹脂の微粉と混合系電波吸
収材を混合し、その後、熱または溶剤を作用させること
により樹脂分を溶かし、混合系電波吸収材を保持する方
法も好ましい。
次に保持剤として用いるゴム材料としては、天然ゴム
や合成ゴムが用いられるがZnOウイスカや半導電性短繊
維に対して悪影響を及ぼさないゴム材料であり電波特性
の優れた材料が好ましく、その点でポリウレタンゴムが
最も好ましく、次に、アクリル系ゴム、シリコーンゴ
ム、ブタジエン系ゴム、イソブチレン系ゴム、EPDM、ポ
リエーテルゴム、イソブチレン−イソプレン共重合体、
イソシアナート系ゴム等のゴムやエラストマーが好まし
く、用途によっては、ニトリルゴム、クロロプレンゴ
ム、クロロスルホン化ポリエチレン、ポリサルファイド
ゴム、フッ素系ゴムも用いられ、また、天然ゴムを溶媒
に溶解したもの、ポリエチレン微分末を水に分散させた
もの、ポリマーのエマルジョン等も使用される。ゴム材
料を保持材とする場合も、電波吸収剤の折損を極力抑え
る一般的な方法を適用するとより好ましいのはいうまで
もない。また、一般的に用いられる各種添加剤、充填剤
等を同時に用い得ることはいうまでもない。
また、各種塗料材料中に分散したり、塗料材料を保持
材とすることができる。すなわち、塗料材料としては、
限定するわけではないが、エポキシ系、アクリル系、ウ
レタン系その他各種塗料が適用され、特に耐熱性、耐候
性の高い塗料材料がより好ましい。
次に、各種無機質固体材料(粉状、繊維状、フレーク
状、粒状、固体状)を保持材として混合系電波吸収材を
分散させ電波吸収材を構成することができる。
具体的には、各種セラミックやガラス、ほうろう等の
中に分散したり、保持材とした電波吸収材であったり、
粘土粉、ガラス繊維、アスベスト、マイカ、砂等に混合
系電波吸収材を分散させて、電波吸収粉体や電波吸収繊
維集合体(織布、不織布状)などを構成することができ
る。
その他、コンクリートやモルタル等を保持材とするこ
とができる。
また、パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、
マイクロクリスタリンワックス等のワックス類を保持材
とすることもできる。
また、寒天やセラチン等のゲル状半固体物質や、糊
や、ゴム糊、高粘度ポリブテン等の粘性や付着性の高い
物質等を保持材にすることができる。さらに、各種発泡
体が保持材として適しており、特にウレタン系が特性的
に優れ、次にエポキシ系であり、その次がスチレン系等
である。
以上のような、保持材を用いる保持材系電波吸収材に
おいては、混合系電波吸収材の種類や混合比、大きさや
ウイスカの折損度合い、形状あるいは、マトリックス材
料や保持材の種類、保持形態により、さらには電波の強
さにより、電波吸収性能が変わるため、限定するわけで
はないが、概略混合系電波吸収材を5wt%以上分散させ
ることにより電波吸収特性が確認可能となり、10wt%以
上で顕著となり、極めて少量の使用で大きな吸収効果が
得られる。
一方、保持材系電波吸収材の強度の点から混合系電波
吸収材を95wt%以下分散するのが好ましく、望ましく
は、10〜90wt%分散するのが好ましい。
また、必要により、粒子形状の半動電性粉末(カーボ
ン、炭化けい素、アンチモンドープ酸化錫、酸化インジ
ウム等)やフレーク形状の半動電性粉末(アンチモンド
ープ酸化錫をコートしたマイカやガラスフレーク等)、
あるいはフェライト系の電波吸収性粉末を混合したり、
併用することを妨げるものではない。
本発明の電波吸収材は、その電波吸収効果が実用的に
得られる電波周波数と電波強度であれば、その周波数と
強度を限定するものではないが、特に、VHF、UHF、マイ
クロ波、レーダ波および準ミリ波、ミリ波等で使用で
き、周波数的には100M〜300GHz、より好ましくは、100M
〜20GHz、さらに好ましくは1G〜15GHz、さらに最も好ま
しくは、5〜15GHz帯において適用されることができ、
広帯域幅で、高吸収性の電波吸収材となる。
実施例1 表面に酸化皮膜を有する金属亜鉛粉末を酸素を含む雰
囲気下で加熱処理してテトラポット状ZnOウイスカを生
成した。このZnOウイスカは、基部から先端までの長さ
が平均100μmで、基部の径の平均が5μmであり(ア
スペクト比:平均20)、大部分がテトラポット構造をし
ていた(抵抗値は5kg/cm2、50VDC,200μm厚で2.5×104
Ω−cmであった)。
次に、導電性チタン酸カリウムウイスカ(デントール
BK−200:大塚化学製)を用意し、導電性を測定したとこ
ろ、5kg/cm2,50VDC、200μm厚で25Ω−cmであった。
次に、上記のZnOウイスカ20重量部と導電性チタン酸
カリウムウイスカ100重量部をビーカ中でガラス棒によ
り手動で充分(10分間)撹拌し、これを混合系電波吸収
材とした。
次に、エピ・ビス系/酸無水物系硬化の二液性低粘度
エポキシ樹脂を用意し、上記混合系電波吸収材を静かに
手で混入し(20wt%)、120回転/minで2分間混合し、6
0℃/15分間予熱した後、15分間減圧脱気した。その後、
80℃で予熱した金型に、上記エポキシ樹脂組成物を流し
込み、さらに、15分間減圧脱気した後、90℃/5時間の条
件で硬化させた。
得られた試料は板状(2mm厚)で10cm角であった。
次に、ネットワークアナライザ(HP−8757C)とスイ
ープジェネレータ(HP−8350B)を用いて電波吸収特性
(反射減衰特性)を評価した。その結果を第1表に示し
た。次に比較のために導電性チタン酸カリウムウイスカ
のみを上記エポキシ樹脂に配合した(20wt%)試料板
(2mm厚)を作成し(作成方法は上記と全く同じ)、評
価した結果を同じく第1表に示した。
第1表より明らかなように、導電性チタン酸カリウム
ウイスカと、ZnOウイスカを組み合わせることにより、
充分な反射減衰特性を持つ電波吸収体が実現でき、電波
吸収特性の面内異方性と、表面と裏面(第1表ではa面
とb面と呼ぶ)の電波吸収特性の不均一さを解消できる
ことがわかる。
実施例2 基部の太さが平均6μm、アスペクト比(針状結晶部
の基部から先端までの長さを基部の径で除したもの)平
均20、径比(針状結晶部先端の径と基部の径との比)が
平均0.01のテトラポット状ZnOウイスカ(1×104Ω−c
m:5kg/cm2、200μm厚、50VDC)用意し、このZnOウイス
カ5重量部と導電性チタン酸カリウムウイスカ100重量
部をビーカ中で撹拌(手動:10分間)し、混合系電波吸
収材とした。
次に、これを液状のシリコーンゴム(東芝シリコーン
社製、製品名YE5822)中に混入し(23wt%)、金型中に
流し込み、100℃/1時間加熱硬化し、厚さ1.7mmのゴム板
を得た。
次に、アルミニウムの反射板を用いて、上記ゴム板と
積層して、その電波反射減衰特性を測定したところ、広
帯域において大きな減衰量の電波吸収体であることがわ
かった。第4図はこの電波反射減衰特性を示すグラフで
あり、それぞれAが本発明のゴム板とアルミニウム反射
板を積層した場合、Bがアルミニウム反射板のみの場合
である。
また、このゴム板を電波の電界方向に対して90゜回転
して反射減衰特性を評価したが、全く変化がなく、ウイ
スカの配向による異方性はほとんど無いことがわかっ
た。
[発明の効果] 本発明は従来の半導電性短繊維状の電波吸収材とテト
ラポット状ZnOウイスカを組合せ、混合して使用したの
で、短繊維状の電波吸収材が一方向に配向したり、偏在
することが防止され、その結果、電波吸収特性のバラツ
キや異方性がなく均一で安定した電波吸収特性を有する
電波吸収材を提供し得る。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の電波吸収材の断面図。 第2図と第3図は本発明に用いるテトラポット状酸化亜
鉛ウイスカの結晶状態を示す電子顕微鏡写真。 第4図は、本発明の電波吸収材の特性を示すグラフ。 1,1′……テトラポット状酸化亜鉛ウイスカ 2,2′……半導電性短繊維 3……保持材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松尾 光二郎 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (72)発明者 中村 秀之助 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電 器産業株式会社内 (56)参考文献 特公 平7−7876(JP,B2)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】テトラポット状酸化亜鉛ウイスカに、アス
    ペクト比が10〜10,000で、繊維径が0.1〜100μmで、比
    抵抗が10-2〜105Ω−cmの半導電性短繊維を混合したこ
    とを特徴とする電波吸収材。
  2. 【請求項2】半導電性短繊維100重量部に対し、テトラ
    ポット状酸化亜鉛ウイスカの混合割合が1〜1000重量部
    である請求項1記載の電波吸収材。
  3. 【請求項3】半導電性短繊維が導電性チタン酸カリウム
    ウイスカである請求項1または2記載の電波吸収材。
  4. 【請求項4】半導電性短繊維が炭素繊維である請求項1
    または2記載の電波吸収材。
  5. 【請求項5】テトラポット状酸化亜鉛ウイスカのアスペ
    クト比が3〜100で、該ウイスカの基部の繊維径が0.1〜
    14μmである請求項1または2記載の電波吸収材。
  6. 【請求項6】テトラポット状酸化亜鉛ウイスカに、アス
    ペクト比が10〜10,000で、繊維径が0.1〜100μm、比抵
    抗が10-2〜105Ω−cmの半導電性短繊維を混合し、該混
    合物を保持材により保持、または保持材中に混入ないし
    分散したことを特徴とする電波吸収材。
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