JP2598271B2 - 航空機搭載用の食品サービスカート - Google Patents

航空機搭載用の食品サービスカート

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JP2598271B2
JP2598271B2 JP17903687A JP17903687A JP2598271B2 JP 2598271 B2 JP2598271 B2 JP 2598271B2 JP 17903687 A JP17903687 A JP 17903687A JP 17903687 A JP17903687 A JP 17903687A JP 2598271 B2 JP2598271 B2 JP 2598271B2
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敬蔵 松橋
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Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、航空機内において乗客へ食事等をサービス
するためのカートに関する。
さらに詳しくは、例えば、機内において乗客に食事を
サービスする際、一人一人の乗客に、それぞれそのまま
サービスできる状態に各トレイ上に配置された各種の食
品等を、カート内において、冷やした状態が適した食品
等は冷気によって冷却し、暖めた状態が適した食品等は
ヒータによって加熱することができるよう構成された航
空機搭載用の食品サービスカートに関する。
「従来の技術」、「発明が解決しようとする問題点」 従来、例えば、機内で乗客に食事をサービスする場合
には、一般に、各トレイ上に、サラダ等の冷やした状態
でサービスするのが適した食品は、一人前ずつ配膳でき
るようにトレイ上に配置し、これらの食品が配置された
各トレイを食品サービスカート(以下単に「カート」と
いう。)に収納した状態で、適宜冷却手段により冷却
し、また、暖めた状態が適した食品、例えば、ステーキ
等の食品は、予め、ギャレのオーブンにて加熱し、これ
ら加熱調理された食品は、一旦、サービス用食品容器に
移し変え、このサービス用食品容器をカート上に載置し
て搬送し、サービス時、これら加熱食品をトレイ上に盛
り付けて各乗客に食事をサービスしていた。
したがって、第1に、加熱調理する食品を暖めるため
のオーブンが必要で、ギャレが大型となり、そのため、
ギャレの設置に広いスペースを要すると共に、ギャレの
重量が重くなるという欠点があった。
第2に、加熱食品はギャレのオーブンで調理するた
め、乗客にサービスするまでの手順が面倒で、サービス
に多くの時間を要し、よって、迅速なサービスができな
いという難点を有していた。
第3に、狭い機内通路をカート上にサービス用食品容
器を載置した状態でサービスして回るため、カートの移
動が容易でなく、かつ、サービスが面倒なためにスチワ
ーデスに大きな負担がかかり、さらには、航空機の急激
な揺動等によってサービス用食品容器が落下する虞れが
あり、極めて危険であるという問題点も指摘されてい
た。
それ故、上記従来の欠点を解消すべく、一部には、各
乗客にそれぞれそのまま配膳できる状態に各トレイ上に
配置された各種の食品をカート内において、冷やした状
態が適した食品を冷却すると同時に、暖めた状態が適し
た食品のみをヒータによって加熱できるように構成され
たカートが提供されている。
しかし、係る従来の冷却と同時に、一部の食品のみを
加熱できるよう構成されたカートは、ギャレに設けられ
た冷却ユニットの給気、排気ダクトに接続してカート内
に冷気を循環させることによってカート内を冷却させる
か、ドライアイス等の冷却源をカート内に配置してカー
ト内を冷却させる冷却手段と、第16図に示す如く、トレ
イB上の所定位置にそれぞれ位置決めされて配置された
各食品等の内、カートA内所定位置に各トレイBが収納
された状態において、加熱調理する食品が入れられた加
熱食品容器Cの下面に対応接触して位置すべく、各トレ
イBを支承するためのガイドレールDの直上に、カート
本体内の側壁Eから略水平に突出する態様に配置された
ヒータ棚Fを有する加熱手段を備えた構成よりなってお
り、この加熱手段のヒータ棚Fが、トレイBの収納時、
加熱食品容器Cをやや持ち上げつつその下面に進入し、
収納状態においてヒータ棚Fのヒータ面が加熱食品容器
Cの下面に接触位置するようなっていた。
したがって、第1に、冷却雰囲気中で加熱食品のみを
加熱する構成のため、効率良く加熱食品を加熱するため
には、加熱食品容器Cの下面とヒータ棚Fのヒータ面と
が完全に対応して接触する必要があるが、従来の係るカ
ートAは、特に、トレイBの収納時、トレイBの上面と
加熱食品容器Cの下面間に臨む位置関係に配設されたヒ
ータ棚Fによって加熱食品容器Cをやや持ち上げつつト
レイBの進行に伴なってヒータ面が加熱食品容器Cの下
面に対応接触する構造のため、トレイB、加熱食品容器
Cの相互間に加熱食品Cのずれを防止するための支承部
Gが設けられているにもかかわらず、加熱食品容器Cの
上部方向に移動可能に支承されているので、往往にし
て、トレイBを収納した状態において、加熱食品容器C
とヒータ面とがずれて位置し、中の食品が適温に加熱さ
れないことがあった。
第2に、ヒータ棚FがガイドレールDの直上に突設さ
れているため、食後にトレイB、食器等を片付ける際、
各食器、特に、加熱食品容器Cは、いちいち容器本体に
蓋を被せると共に、トレイB上の所定位置にセットしな
ければトレイBを収納することできない等、食器、トレ
イBの取扱いが面倒で、片付けに多くの時間を要すると
いう欠点があった。
第3に、多数のヒータ棚Fがカート本体内に突設され
ているため、カート本体Aの洗浄作業が極めて面倒であ
ると共に、取付部等から浸入した水によってヒータがシ
ョートする等の事故が発生する虞れがあった。
第4に、食事のメニューによっては用いることができ
ない等、汎用性に乏しいという難点が指摘されていた。
第5に、ヒータ棚Fの電気的な取付構造等が複雑なた
め、組立作業、部品交換等が面倒で係る作業に多くの時
間を要するという問題点も指摘されていた。
本発明は上述の事情に鑑みなされたもので、その目的
とするところは、加熱手段を構成するヒータをトレイに
配設することにより、トレイを収納した状態において、
加熱食品容器とヒータ面との対応接触関係がずれること
なく、また、食後のトレイ、食器等の片付けが容易であ
り、さらには、カート本体の洗浄が容易で、しかも、ト
レイを交換することによって通常のカートとして使用で
きる等、汎用性にも優れ、なおかつ、ヒータの電気回路
を構成する部品等の組立、交換も容易なカートを提案す
ることにある。
「問題点を解決するための手段」 本発明は、上記目的を達成すべくなされたもので、そ
の技術的解決手段は、カート本体内に、棚状に収納され
た多数のトレイ上に配置された各食品の内、冷却手段に
より冷却すべき食品が冷却されている間に、加熱手段に
より前記トレイ上に配置された少なくとも一個の加熱食
品容器内の食品が加熱されるよう構成された航空機搭載
用の食品サービスカートにおて、前記加熱手段を、前記
各トレイに少なくとも一個のヒータを配設すると共に、
該ヒータに接続されたトレイ側の接続端子を、前記カー
ト本体内の所定位置に収納された状態のトレイにおける
カート本体の扉と対向する縁部に配設し、一方、機内電
源に接続可能にカート側に配設された前記ヒータの電気
回路を形成するためのカート本体側の接続端部を、前記
扉の裏面側における前記トレイ側の接続端子に対応する
部位に配設し、前記カート本体内所定位置にトレイを収
納すると共に、前記扉を閉じた状態において、トレイ側
の接続端子とカート本体側の接続端子とが接続され、ヒ
ータの電気回路が形成されるようしたものである。
「作用」 本発明は上記手段よりなるので、以下の如く作用す
る。なすわち、各トレイに配設された少なくとも一個の
ヒータ上に加熱すべく食品が入れられた加熱食品容器を
配置すると共に、各トレイの他の位置にそれぞれ冷却す
べき食品を盛付けた食器を配置し、これらのトレイをカ
ート本体内所定位置に収納すると共に、扉を閉じること
によって、トレイに配設されたヒータの電気回路が形成
されるので、然る後、カート本体内を冷却手段により冷
却せしめると共に、電源にヒータの電気回路を接続する
ことによって、カート本体内は冷気によって冷却され、
この雰囲気中において、トレイ上の他の食品が冷却され
ている間に、加熱食品のみは、それが入れられた加熱食
品容器の下面に接触して位置するヒータの熱によって加
熱され、トレイ上の各食品はそれぞれ食べやすい状態に
調理される。したがって、そのままの状態でトレイ毎、
乗客にサービスすることができる。
しかも、予め、トレイに配設されたヒータ上に加熱食
品容器を載置するのみによって、加熱食品容器を完全に
ヒータに対応接触せしめることが可能なため、加熱食品
容器のセットが極めて容易であり、かつ、トレイを収納
した状態で、加熱食品容器とヒータとの対応接触関係が
ずれることはなく、よって、加熱食品が適温に加熱され
ないという事故が生ずることはない。また、食後のトレ
イ、食器等の片付時、特に、加熱食品容器は、蓋と本体
とを別別に、また、トレイ上の何れの位置に載置しても
トレイの収納が可能なため、食後の片付作業が容易であ
る。さらには、カートの洗浄作業が、通常のカートと同
様、容易であると共に、トレイの互換性に優え、一般の
トレイの使用も可能なため、通常のカートとしても使用
することができる等、汎用性にも優れ、なおかつ、ヒー
タの電気回路を形成するためのカート本体側の接続端子
等、各部材が扉の裏面側に配設されているため、これ
ら、カート本体側の接続端子等電気回路を構成する各部
材の組立、交換等が容易である。
「実施例」 以下、本発明を図面に示す実施例に基づいて説明す
る。
第1図はトレイを取外し、扉を開いた状態を示すカー
トの斜視図、第2図は本体側の接続端子取付部材の要部
の正面図、第3図は第2図のIII−III線に沿う断面矢視
図、第4図はトレイの斜視図、第5図はトレイ側の接続
端子取付部材の斜視図、第6図は第5図のVI−VI線に沿
う断面矢視図、第7図はトレイを収納し、扉を閉じる過
程を示すカート本体の要部の斜視図、第8図はトレイを
収納し、扉を閉じた状態を示すカートの要部の一部破断
側面図、第9図は第8図のIX部の詳細を示す縦断面図で
ある。
先ず、カート本体の概略について説明する、 図において、1はカート、2はカート1のカート本体
であり、このカート本体2は、一対の側壁パネル4、4
と天井パネル5と床パネル6とを備え、両端面に開口部
7、7が形成された本体部3と、開口部7、7を開放、
閉鎖するために一方の側壁パネル4の両側縁部に、それ
ぞれヒンジ10、10…を介して螺着された扉8、8とから
なり、本体部3の両側壁パネル4、4の内側面には、水
平方向に断面略L字状のガイドレール9、9…が、上下
方向に所定間隔を隔てて対をなすよう突出して配設され
ている。
また、各扉8、8の内側面における螺着部に近接した
部位には、それぞれ扉8の上下方向に沿って、後述のト
レイ20、20…をカート本体2内の所定位置に収納し、扉
8、8を閉じた状態において、各トレイ20にトレイ側の
接続端子取付部材25を介して配設されたトレイ側の接続
端子24、24と対応当接する位置関係に、本体側の接続端
子11、11…を配設した絶縁材で形成された本体側の接続
端子取付部材12、12が突設されており、本体側の各接続
端子11、11…と、本体部3上に配設された機内電源に接
続可能なコネクタ17とは、それぞれ電線16、16…を介し
て接続されている。
なお、この実施例におけるカート本体2は、何れの開
口部7からもトレイ20の出し入れが可能であると共に、
トレイ20の収納量を多くするため、各ガイドレール9の
レール面9a上には、二個のトレイ20、20を互いの端部と
端部とを当接せしめて収納できるようになっている。
カート本体2の概略は以上の如くなっている。
なお、60は本体部3の下面四隅部に配設されたキヤス
タである。
次に、トレイ20について説明する。
トレイ20は、プラスチック材で形成されたトレイ本体
21と、トレイ本体21に配設されたヒータ23と、このヒー
タ23の電気回路を形成するための絶縁材で形成された接
続端子取付部材25を介して配設されたトレイ側の接続端
子24等からなっている。
トレイ本体21は、フラットなトレイ面21aの周囲に、
このトレイ面21aに続いて立設されたリブ部(図示せ
ず)の先端に水平方向に突設された縁部21bを備え、平
面略長四角形の盆状に形成されており、長手方向に沿っ
て位置する縁部21bの下面をガイドレール9のレール面9
aに支承せしめるよう構成されている。
23はトレイ面21a上に配設されたヒータであり、この
ヒータ23は、乗客に食事をサービスする際、暖めた状態
でサービスする食品が入れられた蓋付の加熱食品容器50
を配設する位置、実施例においては、第4図に示す如
く、トレイ面21aにおける一隅部に、加熱食品容器50の
下面略全面を各熱することができる大きさを有する一個
の面状のヒータ23がヒータ23の面とトレイ面21aのが面
一となるよう配設されている。
25はトレイ側の接続端子取付部材であり、この接続端
子取付部材25は、第5図および第6図に示す如く、鉛直
状に形成された接続端子取付面25aを有し、この接続端
子取付面部には、後述のトレイ20に接続端子取付部材25
を配設した状態において、前記本体側の接続端子11、11
とそれぞれ対応すると共に、トレイ側の接続端子24の先
端接触面部を稍突出させて配設できるよう構成された一
対の接続端子取付孔25bが接続端子取付面25aに開口して
形成されており、また、この後方には接続端子取付孔25
bに続いて後方に向って下降傾斜状に電線配設孔25cが穿
設されている。そして、これらの接続端子取付部材25、
25は、第4図および第8図に示す如く、トレイ20の幅方
向に沿って対向する縁部21b上のそれぞれの所定位置、
すなわち、トレイ20を所定の位置関係にガイドレール9
のレール面9aに支承せしめてカート本体2内に収納し、
扉8を閉じた状態において、トレイ側の接続端子取付部
材25に付着された接続端子24、24と、扉8に配設された
本体側の接続端子取付部材12に付着された接続端子11、
11とが対応すると共に、接続端子取付面25aと縁部21bの
側端とが一致する位置関係に配設されている。
トレイ側の接続端子取付部材25に付着された接続端子
24、24とヒータ23の端子(図示せず)とは、一端部が電
線配設孔25c内に臨むと共に、他部がトレイ本体21内に
配設された電線26、26を介して接続されている。
なお、27、27はトレイ本体21における接続端子取付部
材25、25を配設した縁部21bの端面に、その先端が接続
端子取付部材25に付着された接続端子24の先端より突出
する態様に設けられた当接片である。
トレイ20は以上の如く構成されている。
次に、トレイ20に配設されたヒータ23の電気回路を形
成するためのカート本体2側の電気回路等について説明
する。
各扉8、8の内側面における所定部位に配設された本
体側の接続端子取付部材12、12は以下の如く構成されて
いる。すなわち、断面略角形の棒状体よりなり、その前
面部に所定ピッチ、すなわち、ガイドレール9、9の上
下方向の間隔の等しいピッチで、ガイドレール9、9…
の段数と同一数の側面において略台形状を呈する凹部1
3、13…が、ガイドレール9に支承されたトレイ20の端
部と対応する位置関係に形成されており、各凹部13は、
第9図に示す如く、トレイ20をカート本体2内所定位置
に収納し、扉8を閉じた状態において、当接片27の先端
と、凹部13の底面部13aとが若干の間隔を隔てて位置す
る深さに形成されていると共に、凹部13を構成する対称
的な両傾斜壁13b、13bが、トレイ20の端部を包み込むよ
うトレイ20の端部に近接して位置するようになってい
る。また、この接続端子取付部材12の背面側中央部に
は、後述の本体側の接続端子11、11…と、機内電源(図
示せず)に接続可能に、カート本体2の上面部に配設さ
れたコネクタ17とを接続する電線16、16…を配設するた
めの溝部14が全長に亙って形成されている。この溝部14
と凹部13の底面部13a間には、トレイ側の接続端子取付
部材25における接続端子取付孔25bの中心と、その中心
が一致する位置関係に、底面部13a側に開口する前記ト
レイ側の接続端子24における接触面部の径より若干大径
な小径部と、溝部14側に開口する大径部とからなる接続
端子ガイド孔15が穿設されている。
11は本体側の接続端子であり、この接続端子11は、接
触部11aの胴部11bとからなり、内部には胴部11bの後端
に開口するスプリング嵌装孔11cが穿設されており、接
触部11aは接続端子ガイド孔15の小径部より、また、胴
部11bは大径部よりそれぞれ若干小径に形成されている
と共に、それらは、また、接続端子11が接続端子ガイド
孔15に、接触部11aが底面部13b上に突出する態様に嵌装
された状態において、接触部11aは、その先端が所定位
置に収納されたトレイ20におけるトレイ側の接続端子24
の接触面に余裕をもって当接する長さを備え、かつ、胴
部11bは、その下端部が溝部14内に臨む長さに形成され
ている。
したがって、接続端子ガイド孔15内に摺動自在に嵌装
された接続端子11の接触部11aは、スプリング嵌装孔11c
内に嵌装されたスプリング18の付勢力により、常時、突
出状態を保持するようになっており、扉8を閉じる際、
先ず、トレイ側の接続端子24に当接した接触部11aは、
次に、扉がさらに閉じられるに伴ない圧接される。この
圧接により接続端子11はスプリング18の付勢力に抗して
接続端子ガイド孔15内に後退する方向に移動するが、移
動の過程において、両接続端子11、24は圧接状態を保持
しているため、扉8が完全に閉じられた状態において
も、両接続端子11、14はこの状態を保持するようになっ
ている。
また、本体側の各接続端子11における胴11bの後端部
にそれぞれの一端を接続し、かつ、他端をコネクタ17に
接続された各電線16は、扉8側においては、接続端子取
付部材12における溝部14内に沿って配設されており、ま
た、本体部3側においては、第7図に示す如く、本体部
3内における扉8の蝶着側の側壁パネル4の上方隅部
に、この隅部に沿って配設されたカバー部材19に形成さ
れた配線通路(図示せず)に沿って配設されており、途
中、本体部3と扉8との蝶着部付近においては、束ねら
れた各電線16、16…が露出状態で、扉8の開閉に支承を
来たさない程度に稍弛ませた状態に配設されている。
したがって、この実施例によれば、特に、ヒータ23の
電気回路を形成するためのカート本体2側の電気配線の
構成が簡単で、かつ、本体部3のパネル内に配設されて
いない構造のため、本体部3の強度が損なわれることが
ないと共に、組立、交換等が極めて容易である。
ヒータ23の電気回路を形成するためのカート本体2側
の電気回路等は以上の如くなっている。
この実施例におけるカート1は以上の如き構成よりな
るので、今、第8図に示す如く、各一対のガイドレール
9、9上に、ヒータ23上に加熱食品容器50を配置した二
個づつのトレイ20、20を、それぞれ所定の位置関係、す
なわち、トレイ側の接続端子取付部材25の扉8を螺着し
た側壁パネル4に近接する位置関係にカート本体2内に
収納し、先ず、一方の扉8を閉じた後、他方の扉8を閉
じることにより各一対のガイドレール9、9上に支承さ
れた二個のトレイ20、20は、互いの当接部が縁部21b、2
1bの端面に突設された当接片27、27を介して当接されて
いる。よって、この当接部における縁部21b、21b上に対
向する位置関係に配設された接続端子取付部材25、25に
付着された接続端子24、24…は、接触することなく若干
の間隔を隔てて対向位置している。また、各トレイ20に
おける扉8側に位置する接続端子取付部材25に付着され
た接続端子24、24と、それぞれ本体側の接続端子取付部
材12における各凹部13に配設された接続端子11、11とは
圧接状態を保持しているため、各トレイ20上に配設され
たヒータ23の電気回路が形成される。したがって、コネ
クタ17と機内電源(図示せず)とを接続し、例えば、ス
イッチ(図示せず)を操作することによりヒータ23が働
き、ヒータ23上の加熱食品容器50内の食品は加熱され
る。
また、トレイ20、20は収納状態において、縁部21bの
下面をガイドレール9に支承されていると共に、両端部
を圧接支持され、強固にその収納状態を保持しているた
め、例えば、航空機の急激な揺動等によってトレイ20が
移動し、接続端子11、24の接続が外れヒータ23が働かな
くなるという事態が生ずることはない。
また、仮に、トレイ20に、トレイ20が飛び跳ねるよう
に運動する力が作用した際にも、トレイ側の接続端子取
付部材25の上方部には、これに近接してトレイ20の端部
を包み込むように位置する凹部13の傾斜壁13bが存在す
るため、トレイ20の運動は、この傾斜壁13bによって阻
止される。したがって、トレイ20が大きく傾き、トレイ
20上の食品が雰れる等の事故が生ずることはない。
なお、ヒータ23の電気回路を形成するためのカート本
体2、トレイ20に配設される接続端子取付部材、接続端
子等の構成については、上述の実施例に限定されるもの
ではなく、例えば、第10図、第11図および第12図に示す
如く、トレイ側の接続端子取付部材35の接続端子取付面
35aを、本体側の接続端子取付部材12の凹部13における
上部側の傾斜壁13bと平行な傾斜状態に形成し、トレイ2
0を収納し、扉8の閉じた状態において、接続端子取付
面35aと直交して穿設された接続端子取付孔35bに付着さ
れたトレイ側の接続端子25と、傾斜壁13bに直交して穿
設された接続端子取付孔32に付着された本体側の接続端
子31とが対応接触するようしてもよい。
なお、35cはトレイ側の接続端子取付部材35の接続端
子取付孔35bに続いて互いの中心が一致するよう穿設さ
れた電線配設孔であり、33は本体側の接続端子孔32に続
いて互いに中心が一致するように穿設された電線配設孔
である。
したがって、この実施例によれば、トレイ20の扉8の
端部が、ガイドレール9と本体側の接続端子31とによっ
て強固に挟持された状態となっている。ため、より安定
的に収納状態を保持することができる。
なお、この実施例によれば、トレイ20の縁部21bに突
設された当接片27が不要となるため、トレイ20の構造も
簡単になる。
また、ヒータ23の配設構造、配設位置、数量等につい
ても、実施例に限定されるものではなく、例えば、配設
構造については、第13図に示す如く、ヒータ面がトレイ
面21aより窪んで位置するよう配設してもよく、係る構
成によれば、加熱食品容器50の下部周縁が段部に支承さ
れるため、加熱食品容器50がヒータ23からずれることは
全くなく、加熱食品容器50とヒータ23との対応接触関係
により安定的に保つことができる。また、第14図に示す
如く、トレイ面21a上に添設してもよく、係る構成の場
合であって、加熱食品容器50の周縁下端に係止部を立設
し、この係止部をヒータ23の周縁に係止せしめるように
すれば、前記と同様、加熱食品容器50とヒータ23との対
向接触関係をより安定的に保つことができる。
また、上述の実施例においては、カート本体2の両端
面に開口部7、7を形成し、何れの開口部7からもトレ
イ20の出し入れが可能であると共に、トレイ20の収納量
を多くするため、各ガイドレール9上には二個づつのト
レイ20、20を収納できるよう構成したカート1について
説明したが、カートの構成は実施例に限定されるもので
はなく、例えば、一方の端面にのみ開口部を形成し、各
ガイドレール上には一個のトレイを収納できるよう構成
したものであってもよく、係るカートの場合にあって
は、トレイ側の接続端子取付部材は、各トレイにそえぞ
れ一個づつ配設するようにすればよい 次に、カート本体2内に収納されたトレイ20上に配置
された冷やした状態が適した食品を冷気によって冷却す
るための冷却手段を、第15図に示す実施例に基づいて説
明する。
図において、41は機内に配置されたギャレ40に配設さ
れた冷却ユニットであり、この冷却ユニット41は、カー
ト本体2内に冷気を吹込むための給気ダクト42と、カー
ト本体2内から冷気を排出するための排出ダクト43とを
備え、これらのダクト42、43は、それらの先端に設けら
れた接続部材(図示せず)を介してカート本体2の一方
の扉8(カート本体の一方の端面にのみトレイを出し入
れするための開口部を有し、開口部に扉を設けた構成よ
りなるカートにあっては、端面パネル)に設けられた開
閉可能に構成された給気口44と排気口45にそれぞれ接続
可能となっている。
なお、46は給気口44と排気口45との間の直接の冷気の
流れを阻止し、矢印の如く、各トレイ20、20…上に冷気
が流れるよう吸気口44、排出口45を設けた扉8の中央部
にカート本体2の幅方向に沿って突設された遮断部材で
ある。
したがって、カート本体2に給気ダクト42、排出ダク
ト43をそれぞれ接続し、冷却ユニット41を駆動せしめる
ことによって、給気ダクト42からカート本体2内に吹込
まれた冷気は、カート本体2の前後に形成された流路47
を経ると共に、各トレイ20上を流れ排出ダクト43から排
出され、冷却ユニット42に送られる。係る冷却の循環に
よってカート本体2内は冷却される。
なお、冷却手段としては、カート本体2内にドライア
イス、氷等の冷却源を配置し、これらの冷却源によって
カート本体2内を冷却するようにしてもよい。
本発明に係るカート1は、以上の如き構成よりなるの
で、乗客に食事をサービスするに当たっては、事前にト
レイ20のヒータ23上に加熱すべき食品が入れられた加熱
食品容器50を対応接触せしめて配置すると共に、トレイ
20上の他の部位に、冷えた状態が適した食品が盛付けら
れた食器等を配膳できるように配置し、これらの各トレ
イ20、20…をカート本体2内に収納し、扉8、8により
両開口部7、7を閉鎖し、各食品がそれぞれ食べやすい
状態に調理されるのに十分な時間をとって、カート本体
2内を冷却手段により冷却せしめると共に、機内電源と
コネクタ17とを接続し、スイッチ(図示せず)を操作す
ることによって、カート本体2内は冷気によって冷却さ
れ、この雰囲気中において、トレイ20上の他の食品が冷
却されている間に、 加熱食品容器50のみはヒータ23に
よって加熱され、中の食品は適温に加熱される。したが
って、そのままの状態で、乗客にサービスすることがで
きる。
また、カート本体2内の構造が通常のカートと殆ど同
一のため、特に、食後の各食器の片付け、カート本体2
の洗浄等、通常のカートの場合と同様、簡単に行なうこ
とができると共に、通常のカートのトレイの使用も可能
なため、食事のメニューが異なる場合等の使用も可能で
あり、さらには、ヒータ23の電気回路を形成するための
カート本体2側の電気回路を構成する各部材の取付構造
が簡単なため、これら各部材の組立、交換等が極めて容
易である。
「発明の効果」 以上詳述した如く、本発明に係る航空機搭載用の食品
サービスカートによれば、そのままの状態で配膳できる
ようトレイ上に配置された各食品をカート内において、
冷却すべき食品は冷却し、加熱すべき食品は加熱できる
ため、食事のサービスを迅速、かつ、容易に行なうこと
ができるのは勿論のこと、カート本体の構造が簡単で、
特に、加熱食品容器のトレイ上へのセット、食後の片付
け等が容易であり、なおかつ、カートの洗浄も容易で、
さらには、トレイの互換性に優れ、通常のカートのトレ
イを用いることによって通常のカートとしても使用でき
る等、汎用性にも優れ、その上、ヒータ電気回路を形成
するためのカート本体側の接続端子等、各部材が扉の裏
面側に配設されているため、これら、カート本体側の接
続端子等、電気回路を構成する各部材の組立、交換等が
容易であり、従来のこの種カートが有していた欠点が一
掃される等、その有する効果は顕著にして大なるものが
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図乃至第9図は本発明の実施例を示すもので、第1
図はトレイを取外し、扉を開いた状態を示す航空機搭載
用の食品サービスカートの斜視図、第2図は本体側の接
続端子取付部材の要部の正面図、第3図は第2図のIII
−III線に沿う断面矢視図、第4図はトレイの斜視図、
第5図はトレイ側の接続端子取付部材の斜視図、第6図
は第5図のVI−VI線に沿う断面矢視図、第7図はトレイ
を収納し、扉を閉じる過程を示すカート本体の要部の斜
視図、第8図はトレイを収納し、扉を閉じた状態を示す
航空機搭載用の食品サービスカートの要部の一部破断側
面図、第9図は第8図のIX部の詳細を示す縦断面図であ
る。 第10図乃至第12図はそれぞれトレイ側、本体側の接続端
子取付部材、接続端子等の他の実施例を示すもので、第
10図はトレイ側の接続端子取付部材の斜視図、第11図は
第10図のXI−XI線に沿う断面矢視図、第12図はトレイ
側、本体側の接続端子の接続状態を示す要部の縦断面
図、第13図、第14図はそれぞれトレイの他の実施例を示
す要部の断面図である。 第15図は冷却手段の一実施例を示す概略説明図である。 第16図は従来のトレイを収納した状態を示すカート本体
の要部の正面図である。 1……航空機搭載用の食品サービスカート、2……カー
ト本体、3……本体部、7……開口部、8……扉、9…
…ガイドレール、10……ヒンジ、11、31……接続端子
(本体側)、12……接続端子取付部材本体側)、13……
凹部、14……溝部、16、26……電線、17……コネクタ、
20……トレイ、21……トレイ本体、21a……トレイ面、2
1b……縁部、23……ヒータ、24……接続端子(トレイ
側)、25、35……接続端子取付部材(トレイ側)、27…
…当接片、41……冷却ユニット、42……給気ダクト、43
……排出ダクト、44……吸気口、45……排出口、50……
加熱食品容器、60……キヤスタ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カート本体内に、棚状に収納された多数の
    トレイ上に配置された各食品の内、冷却手段により冷却
    すべき食品が冷却されている間に、加熱手段により前記
    トレイ上に配置された少なくとも一個の加熱食品容器内
    の食品が加熱されるよう構成された航空機搭載用の食品
    サービスカートにおいて、前記加熱手段を、前記各トレ
    イに少なくとも一個のヒータを配設すると共に、該ヒー
    タに接続されたトレイ側の接続端子を、前記カート本体
    内の所定位置に収納された状態のトレイにおけるカート
    本体の扉と対向する縁部に配設し、一方、機内電源に接
    続可能にカート本体側に配設された前記ヒータの電気回
    路を形成するためのカート本体側の接続端子を、前記扉
    の裏面側における前記トレイ側の接続端子に対応する部
    位に配設し、前記カート本体内の所定位置にトレイを収
    納すると共に、前記扉を閉じた状態において、トレイ側
    の接続端子とカート本体側の接続端子とが接続され、ヒ
    ータの電気回路が形成されるよう構成してなることを特
    徴とする航空機搭載用の食品サービスカート。
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