JP2598099B2 - 環状オレフィン系ランダム共重合体組成物 - Google Patents

環状オレフィン系ランダム共重合体組成物

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JP2598099B2 JP18140588A JP18140588A JP2598099B2 JP 2598099 B2 JP2598099 B2 JP 2598099B2 JP 18140588 A JP18140588 A JP 18140588A JP 18140588 A JP18140588 A JP 18140588A JP 2598099 B2 JP2598099 B2 JP 2598099B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の技術分野 本発明は、耐熱性、耐熱老化性、耐薬品性、耐溶剤
性、誘電特性、剛性に優れ、しかも耐衝撃性に優れた環
状オレフィン系重合体組成物に関する。
発明の技術的背景ならびにその問題点 剛性、衝撃強度のバランスに優れた合成樹脂として
は、ポリカーボネート、ABS(アクリロニトリル−ブタ
ジエン−スチレン組成物)等が知られている。たとえば
ポリカーボネートは剛性とともに、耐熱性、耐熱老化
性、耐衝撃性にも優れた樹脂である。しかし強アルカリ
に対しては容易に侵されて耐薬品性に劣り、また吸水率
が大きいという問題点がある。またABSは機械的性質に
は優れるものの耐薬品性に劣り、系内に二重結合を含む
ため耐候性に劣り、さらに耐熱性に劣るという問題点が
ある。
一方、凡用樹脂として広く利用されているポリオレフ
ィンは、耐薬品性、耐溶剤性に優れているが、耐熱性に
乏しいものが多く、さらに結晶性が完全とはいえず剛性
にも劣る。このため一般にポリオレフィンの剛性および
耐熱性を改善するには造核剤を添加して、結晶の成長を
速める、もしくは徐冷を行なって、結晶の成長を促す方
法が用いられるがその効果は充分とは言い難い。むしろ
造核剤のような第三成分を添加することは、ポリオレフ
ィンが本来有している優れた諸性質を損なう虞があり、
また徐冷法は生産効率が悪い上、非晶部の減少に伴って
衝撃強度が低下する虞がある。
エチレンと崇高なコモノマーとの共重合体について
は、たとえば米国特許公報第2,883,372号明細書に、エ
チレンと2,3−ジヒドロキシジシクロペンタジエンとの
共重合体が開示されている。この共重合体は、剛性、透
明性のバランスには優れているが、ガラス転移温度が10
0℃程度であって耐熱性に劣るという問題点がある。ま
た、エチレンと5−エチリデン−2−ノルボルネンとの
共重合体も同様の問題点がある。
また、特公昭46−14910号公報には、1,4,5,8−ジメタ
ノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a,−オクタヒドロナフタレンの単
独重合体が提案されているが、該重合体は耐熱性や耐熱
老化性に劣る。さらに、特開昭58−127728号公報には、
1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ
ナフタレンの単独重合体または該環状オレフィンとノル
ボルネンタイプのコモノマーとの共重合体が提案されて
いるが、該重合体は、いずれも開環重合体であることが
前記公報の記載から明らかである。このような開環重合
体は、重合体主鎖中に不飽和結合を有しているので、耐
熱性、耐熱老化性に劣るという問題点がある。
また、本出願人は先に、エチレンと特定の崇高な環状
オレフィンとからなる環状オレフィン系ランダム共重合
体が耐熱性を有し、しかも耐熱老化性、耐薬品性、耐溶
剤性、誘電特性、剛性をもつ剛性樹脂であることを見出
しすでに特開昭60−168708号公報、特願昭59−220550
号、特願昭59−236828号、特願昭59−236829号、特願昭
59−242336号、特願昭61−95906号に提案した。これら
の環状オレフィン系ランダム共重合体は、オレフィン系
重合体であるにもかかわらず、耐熱性、剛性に優れた樹
脂ではあるが、脆くて耐衝撃性に劣るという問題点があ
った。
本発明者らは、上記のような環状オレフィン系ランダ
ム共重合体の有する耐熱性、耐熱老化性、耐薬品性、耐
溶剤性、誘電特性などの優れた特性を損なうことなく、
剛性、耐衝撃性を向上させるべく鋭意検討した結果、特
定の軟化温度(TMA)を有する環状オレフィン系ランダ
ム共重合体と、特定の少なくとも2種以上の軟質共重合
体とからなる組成物に、無機充填剤または有機充填剤あ
るいはこの両者を配合することによって、上記のような
優れた特性を有する環状オレフィン系ランダム共重合体
が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
発明の目的 本発明は、上記のような従来技術に伴う問題点を解決
しようとするものであって、耐熱性、耐熱老化性、耐薬
品性、耐溶剤性、誘電特性などに優れるとともに、剛
性、耐衝撃性に優れた環状オレフィン系ランダム共重合
体組成物を提供することを目的としている。
発明の概要 本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体組成
物は、 (A)エチレン成分と、下記一般式[I]または[II]
で表わされる環状オレフィン成分とからなり、135℃の
デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.05〜10dl/gの
範囲にあり、軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オ
レフィン系ランダム共重合体、 (B)(i)エチレン成分と少なくとも他の一種のα−
オレフィン成分および下記一般式[I]または[II]で
表わされる環状オレフィン成分とからなり、135℃のデ
カリン中で測定した極限粘度[η]が0.01〜10dl/gの範
囲にあり、軟化温度(TMA)が70℃未満である環状オレ
フィン系ランダム共重合体、 (ii)少なくとも2種のα−オレフィンから形成される
非晶性ないし低結晶性のα−オレフィン系弾性共重合
体、 (iii)少なくとも2種のα−オレフィンと、少なくと
も1種の非共役ジエンとから形成されるα−オレフィン
・ジエン系弾性共重合体、および (iv)芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン共重合体ま
たはその水素化物、 からなる群から選択される少なくとも2種以上の軟質共
重合体、および (C)無機充填剤または有機充填剤、 から形成され、上記(A)成分100重量部に対して、
(B)成分の合計量が1〜100重量部、(C)成分が1
〜100重量部の量で存在していることを特徴としてい
る。
一般式 (式中、nおよびmはいずれも0もしくは正の整数であ
り、lは3以上の整数であり、R1ないしR10はそれぞれ
水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示す)。
本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体組成
物は、上記(A)成分、(B)成分および(C)成分か
ら形成され、上記(A)成分100重量部に対して(B)
成分の合計量が1〜100重量部、 (C)成分が1〜100重量部の量で存在しているため、
耐熱性、耐熱老化性、耐薬品性、耐溶剤性、誘電特性な
どに優れるとともに、剛性および耐衝撃性にも優れてい
る。
発明の具体的説明 以下本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体
組成物について具体的に説明する。
本発明によれば、 (A)エチレン成分と、下記一般式[I]または[II]
で表わされる環状オレフィン成分とからなり、135℃で
デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.05〜10dl/gの
範囲にあり、軟化温度(TMA)が70℃以上である環状オ
レフィン系ランダム共重合体、 (B)(i)エチレン成分と少なくとも他の一種のα−
オレフィン成分および下記一般式[I]または[II]で
表わされる環状オレフィン成分とからなり、135℃のデ
カリン中で測定した極限粘度[η]が0.01〜10dl/gの範
囲にあり、軟化温度(TMA)が70℃未満である環状オレ
フィン系ランダム共重合体、 (ii)少なくとも2種のα−オレフィンから形成される
非晶性ないし低結晶性のα−オレフィン系弾性共重合
体、 (iii)少なくとも2種のα−オレフィンと、少なくと
も1種の非共役ジエンとから形成されるα−オレフィン
・ジエン系弾性共重合体、および (iv)芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン共重合体ま
たはその水素化物、 からなる群から選択される少なくとも2種以上の軟質共
重合体、および (C)無機充填剤または有機充填剤、 から形成され、上記(A)成分100重量部に対して、
(B)成分の合計量が1〜100重量部、(C)成分が1
〜100重量部の量で存在していることを特徴とする環状
オレフィン系ランダム共重合体組成物が提供される。
一般式 (式中、nおよびmはいずれも0もしくは正の整数であ
り、lは3以上の整数であり、R1ないしR10はそれぞれ
水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示す)。
本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体組成
物を構成する環状オレフィン系ラダム共重合体[A]お
よび[B](i)はいずれもエチレン成分および特定の
環状オレフィン成分から構成される環状オレフィン系ラ
ンダム共重合体である。該環状オレフィン成分は、下記
一般式[I]または一般式[II]で表わされる環状オレ
フィン成分であり、本発明の環状オレフィン系ランダム
共重合体中においては、該環状レフィン成分は一般式
[III]または一般式[IV]で表わされる構造を形成し
ている。
一般式 (式中、nおよびmはいずれも0もしくは正の整数であ
り、lは3以上の整数であり、R1ないしR10はそれぞれ
水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示す)。
一般式 (式中、n、m、lおよびR1ないしR10は前記と同じで
ある。) 本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体組成
物を構成する環状オレフィン系ランダム共重合体の構成
成分の環状オレフィン[A]および[B](i)は、一
般式[I]および一般式[II]で表わされる不飽和単量
体からなる群から選ばれた少なくとも1種の環状オレフ
ィンである。一般式中[I]で表わされる環状オレフィ
ンは、シクロペンタジエン類と相応するオレフィン類と
をディールス・アルダー反応で縮合させることにより容
易に製造することができる。また一般式[II]で表わさ
れる環状オレフィンは、同様に、シクロペンタジエン類
と相応する環状オレフィン類とをディールス・アルダー
反応によって縮合させることにより容易に製造すること
ができる。
一般式[I]で表わされる環状オレフィンとして、具
体的には、表1に記載した化合物、あるいは1,4,5,8−
ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレ
ンのほかに、2−メチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,
4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−エチル−
1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロ
ナフタレン、2−プロピル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,
3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−ヘキシ
ル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒ
ドロナフタレン、2,3−ジメチル−1,4,5,8−ジメタノ−
1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−メ
チル−3−エチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,
8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−クロロ−1,4,5,8
−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、2−ブロモ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,
8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−フルオロ−1,4,5,
8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタ
レン、2,3,−ジクロロ−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−シクロヘキシ
ル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒ
ドロナフタレン、2−n−ブチル−1,4,5,8−ジメタノ
−1,2,3,4,4a,5,8,8a−オクタヒドロナフタレン、2−
イソブチル−1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a−
オクタヒドロナフタレンなどのオクタヒドロナフタレン
類、および表2に記載した化合物を例示することができ
る。
また、一般式[II]で表わされる環状オレフィンとし
て、具体的には、たとえば、表3および表4に示した化
合物などを例示することができる。
本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体組成
物を構成する環状オレフィン系ランダム共重合体[A]
は、上記のようにエチレン成分および前記環状オレフィ
ン成分を必須成分とするものであるが、該必須の二成分
の他に本発明の目的を損なわない範囲で、必要に応じて
他の共重合可能な不飽和単量体成分を含有していてもよ
い。任意に共重合されていてもよい該不飽和単量体とし
て、具体的には、たとえば生成するランダム共重合体中
のエチレン成分単位と等モル未満の範囲のプロピレン、
1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセ
ン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1−テ
トラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセン、1
−エイコセンなどの炭素原子数が3〜20のα−オレフィ
ンなどを例示することができる。
本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体組成
物を構成する環状オレフィン系ランダム共重合体[A]
において、エチレン成分に由来する繰り返し単位(a)
は、40〜85モル%、好ましくは50〜75モル%の範囲で存
在しており、また該環状オレフィンに由来する繰り返し
単位(b)は15〜60モル%、好ましくは25〜50モル%の
範囲で存在しており、エチレン成分に由来する繰り返し
単位(a)および該環状オレフィン成分に由来する繰り
返し(b)は、ランダムに実質上線状に配列している。
この環状オレフィン系ランダム共重合体[A]が実質上
線状であり、ゲル状架橋構造を有していないことは、該
共重合体が135℃のデカリン中に完全に溶解することに
よって確認できる。
このような環状オレフィン系ランダム共重合体[A]
の135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]は、0.0
5〜10dl/g、好ましくは0.08〜5dl/gの範囲にある。
また環状オレフィン系ランダム共重合体[A]のサー
マル・メカニカル・アナライザーで測定した軟化温度
(TMA)は、70℃以上、好ましくは90〜250℃、さらに好
ましくは100〜200℃の範囲にある。また、該環状オレフ
ィン系ランダム共重合体[A]のガラス転移温度(Tg)
は、通常50〜230℃、好ましくは70〜210℃の範囲にあ
る。
また、この環状オレフィン系ランダム共重合体[A]
のX線回折法によって測定した結晶化度は、0〜10%、
好ましくは0〜7%、とくに好ましくは0〜5%の範囲
である。
本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体組成
物を構成する環状オレフィン系ランダム共重合体[B]
(i)は、エチレン成分および前記環状オレフィン成分
を必須成分とするものであるが、該必須の二成分の他に
少なくとも1種以上の他の共重合可能な不飽和単量体成
分を必須成分とする。少なくとも1種以上の該不飽和単
量体として具体的には、たとえば生成するランダム共重
合体中のエチレン成分単位と等モル未満の範囲のプロピ
レン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘ
キセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン、1
−テトラデセン、1−ヘキサデセン、1−オクタデセ
ン、1−エイコセンなどの炭素原子数が3〜20のα−オ
レフィン等を例示することができる。
本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体組成
物を構成する環状オレフィン系ランダム共重合体[B]
(i)においてエチレン成分に由来する繰り返し単位
(a)は40〜99モル%、好ましくは75〜98モル%の範囲
で存在しており、また該環状オレフィンに由来する繰り
返し単位(b)は1〜40モル%好ましくは1〜15モル%
の範囲で存在しており、またエチレン成分以外の少なく
とも1種のα−オレフィン成分に由来する繰り返し単位
(c)は1〜45モル%好ましくは1〜35モル%の範囲で
存在しており、エチレン成分に由来する繰り返し単位
(a)および該環状オレフィン成分に由来する繰り返し
単位(b)およびエチレン成分以外の少なくとも1種の
α−オレフィン成分に由来する繰り返し単位(c)は、
ランダムに実質上線状に配列している。この環状オレフ
ィン系ランダム共重合体[B](i)が実質上線状であ
り、ゲル状架橋構造を有していないことは、該共重合体
が135℃のデカリン中に完全に溶解することによって確
認できる。
本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体組成
物を構成するα−オレフィン系弾性共重合体[B](i
i)は、少なくとも2種のα−オレフィンから形成され
る非晶性ないし低結晶性の共重合体であり、具体的に
は、(i)エチレン・α−オレフィン共重合体ゴム、
(ii)プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴムが用い
られる。
(i)エチレン・α−オレフィン共重合体ゴムを構成す
るα−オレフィンとしては、通常、炭素数3〜20のα−
オレフィンたとえばプロピレン、1−ブテン、1−ペン
テン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−
オクテン、1−デセンあるいはこれらの混合物などを例
示することができる。このうち特にプロピレンまたは1
−ブテンが好ましい。
また(ii)プロピレン・α−オレフィン共重合体ゴム
を構成するα−オレフィンとしては、通常、炭素数4〜
20のα−オレフィンたとえば1−ブテン、1−ペンテ
ン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、1−オ
クテン、1−デセンあるいはこれらの混合物などを例示
することができる。このうち特に1−ブテンが好まし
い。
上記のような(i)エチレン・α−オレフィン共重合
体ゴムにおいては、エチレンとα−オレフィンとのモル
比(エチレン/α−オレフィン)は、α−オレフィンの
種類によっても異なるが、一般に50/50〜95/5であるこ
とが好ましい。上記モル比は、α−オレフィンがプロピ
レンである場合には、50/50〜90/10であることが好まし
く、α−オレフィンが炭素数4以上である場合には80/2
0〜95/5であることが好ましい。
上記のような(ii)プロピレン・α−オレフィン共重
合体ゴムにおいては、プロピレンとα−オレフィンとの
モル比(プロピレン/α−オレフィン)は、α−オレフ
ィンの種類によっても異なるが、一般に50/50〜95/5で
あることが好ましい。上記モル比は、α−オレフィンが
1−ブテンである場合には、50/50〜90/10であることが
好ましく、α−オレフィンが炭素数5以上である場合に
は80/20〜95/5であることが好ましい。
このようなα−オレフィン系弾性共重合体[B](i
i)は、X線回析法により測定した結晶化度が0〜50%
好ましくは0〜25%であることが望ましい。
また、α−オレフィン系弾性共重合体[B](ii)の
135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]は、0.2〜
10dl/g好ましくは1〜5dl/gであることが望ましい。さ
らにまたその密度は、0.82〜0.96g/cm3好ましくは0.84
〜0.92g/cm3であることが望ましい。
本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体組成
物を構造するα−オレフィン・ジエン系弾性共重合体
[B](iii)としては、(i)エチレン・α−オレフ
ィン・ジエン共重合体ゴム、(ii)プロピレン・α−オ
レフィン・ジエン共重合体ゴムが用いられる。
(i)エチレン・α−オレフィン・ジエン共重合体ゴム
を構成するα−オレフィンとしては、通常、炭素数3〜
20のα−オレフィンたとえばプロピレン、1−ブテン、
1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−オクテン、1−デセンあるいはこれらの混合物
などを例示することができる。このうち特にプロピレン
または1−ブテンが好ましい。
また(ii)プロピレン・α−オレフィン・ジエン共重
合体ゴムを構成するα−オレフィンとしては、通常、炭
素数4〜20のα−オレフィンたとえば1−ブテン、1−
ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、
1−オクテン、1−デセンあるいはこれらの混合物など
を例示することができる。このうち特に1−ブテンが好
ましい。
また(i)エチレン・α−オレフィン・ジエン共重合
体ゴムあるいは(ii)プロピレン・α−オレフィン・ジ
エン共重合体ゴム中のジエン成分としては、1,4−ヘキ
サジエン、1,6−オクタジエン、2−メチル−1,5−ヘキ
サジエン、6−メチル−1,5−ヘプタジエン、7−メチ
ル−1,6−オクタジエンのような鎖状非共役ジエン、シ
クロヘキサジエン、ジシクロペンタジエン、メチルテト
ラヒドロインデン、5−ビニルノルボルネン、5−エチ
リデン−2−ノルボルネン、5−メチレン−2−ノルボ
ルネン、5−イソプロピリデン−2−ノルボルネン、6
−クロロメチル−5−イソプロペニル−2−ノルボルネ
ンのような環状非共役ジエン、2,3−ジイソプロピリデ
ン−5−ノルボルネン、2−エチリデン−3−イソプロ
ピリデン−5−ノルボルネン、2−プロペニル−2,2−
ノルボルナジエンを例示することができる。このうち、
1,4−ヘキサジエンおよび環状非共役ジエン、とりわけ
ジシクロペンタジエンまたは5−エチリデン−2−ノル
ボルネン、5−ビニル−2−ノルボルネン、5−メチレ
ン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、1,4−オク
タジエンが好ましい。
上記のような(i)エチレン・α−オレフィン・ジエ
ン共重合体ゴムにおいては、エチレンとα−オレフィン
とのモル比(エチレン/α−オレフィン)は、α−オレ
フィンの種類によっても異なるが、一般に50/50〜95/5
であることが好ましい。上記モル比は、α−オレフィン
がプロピレンである場合には、50/50〜90/10であること
が好ましく、α−オレフィンが炭素数4以上である場合
には80/20〜95/5であることが好ましい。
またこの共重合体ゴムにおけるジエン成分の含有量
は、0.5〜10モル%好ましくは0.5〜5モル%であること
が望ましい。
上記のような(ii)プロピレン・α−オレフィン・ジ
エン共重合体ゴムにおいては、プロピレンとα−オレフ
ィンとのモル比(プロピレン/α−オレフィン)は、α
−オレフィンの種類によっても異なるが、一般に50/50
〜95/5であることが好ましい。上記モル比は、α−オレ
フィンが1−ブテンである場合には、50/50〜90/10であ
ることが好ましく、α−オレフィンが炭素数5以上であ
る場合には80/20〜95/5であることが好ましい。
またこの共重合体ゴムにおけるジエン成分の含有量
は、0.5〜10モル%好ましくは0.5〜5モル%であること
が望ましい。
このようなα−オレフィン・ジエン系弾性共重合体
[B](ii)は、X線回析法により測定した結晶化度が
0〜10%好ましくは0〜5%であることが望ましい。
また、α−オレフィン・ジエン系弾性共重合体[B]
(ii)の135℃、デカリン中で測定した極限粘度[η]
は、0.1〜10dl/g好ましくは1〜5dl/gであることが望ま
しい。さらにその沃素価は、1〜30好ましくは5〜25で
あることが望ましい。さらにまた、その密度は0.82〜1.
00g/cm3好ましくは0.85〜0.90g/cm3であることが望まし
い。
本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体組成
物を構成する芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン共重
合体またはその水素化物[B](iv)としては、(i)
スチレン・ブタジエン共重合体ゴム、(ii)スチレン・
ブタジエン・スチレンブロック共重合体ゴム、(iii)
スチレン・イソプレンブロック共重合体ゴム、(iv)ス
チレン・イソプレン・スチレンブロック共重合体ゴム、
(v)水添スチレン、ブタジエン・スチレンブロック共
重合体ゴム、(vi)水添スチレン・イソプレン・スチレ
ンブロック共重合体ゴムなどが用いられる。(i)スチ
レン・ブタジエン共重合体ゴムにおいては、スチレンと
ブタジエンとのモル比(スチレン/ブタジエン)は、一
般に0/100〜60/40であることが好ましい。
(ii)スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共重合
体ゴムにおいては、スチレンとブタジエンとのモル比
(スチレン/ブタジエン)は、0/100〜60/40であること
が好ましく、各ブロックの重合度は、スチレンでは0〜
5000程度であり、ブタジエンでは10〜20000程度である
ことが好ましい。
(iii)スチレン・イソプレンブロック共重合体ゴムに
おいては、スチレンとイソプレンとのモル比(スチレン
/イソプレン)は、一般に0/100〜60/40であることが好
ましい。
(iv)スチレン・イソプレン・スチレンブロック共重合
体ゴムにおいては、スチレンとイソプレンとのモル比
(スチレン/イソプレン)は、0/100〜60/40であること
が好ましく、各ブロックの重合度は、スチレンでは0〜
5000程度であり、イソプレンでは10〜20000程度である
ことが好ましい。
(v)水添スチレン・ブタジエン・スチレンブロック共
重合体ゴムとは、上記のようなスチレン・ブタジエン・
スチレンブロック共重合体ゴム中に残存する二重結合を
部分的に水素化した共重合体ゴムであって、スチレンと
ゴム部との重量比(スチレン/ゴム部)は0/100〜50/50
であることが好ましい。
(vi)水添スチレン・イソプレン・スチレンブロック共
重合体ゴムとは、上記のようなスチレン・イソプレン・
スチレンブロック共重合体中に残存する二重結合を部分
的に水素化した共重合体ゴムであって、スチレンとゴム
部の重量比(スチレン/ゴム部)は0/100〜50/50である
ことが好ましい。
このような芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン共重
合体のGPC(ゲル・パーミエーション・クロマトグラフ
ィー、溶媒オルトジクロロベンゼン、140℃)により測
定した重量平均分子量Mwは500〜2000000好ましくは1000
0〜1000000であることが望ましい。さらにその密度は0.
80〜1.10g/cm3好ましくは0.88〜0.96g/cm3であることが
望ましい。
本発明では、上記のような軟質共重合体(i)〜(i
v)が少なくとも2種以上組合わされて環状オレフィン
系ランダム共重合体組成物中に用いられる。軟質共重合
体(i)〜(iv)は、どのような組合わせで用いること
もできる。
本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体組成
物には、上記した環状オレフィン系ランダム共重合体
[A]および軟質共重合体[B]に加えて、無機充填剤
または有機充填剤[C]が含まれる。
無機充填剤としては、具体的には、シリカ、シリカ−
アルミナ、アルミナ、ガラス粉末、ガラスビーズ、ガラ
ス繊維、ガラス繊維クロス、ガラス繊維マット、アスベ
スト、グラファイト、カーボン繊維、カーボン繊維クロ
ス、カーボン繊維マット、酸化チタン、二硫化モリブデ
ン、水酸化マグネシウム、タルク、セライト、金属粉
末、金属繊維などが用いられる。
有機充填剤としては、具体的には、ポリテレフタロイ
ル−p−フェニレンジアミン、ポリテレフタロイルイソ
フタロイル−p−フェニレンジアミン、ポリイソフタロ
イル−p−フェニレンジアミン、ポリイソフタロイル−
m−フェニレンジアミンなどの全芳香族ポリアミドの繊
維状物、あるいはナイロン66、ナイロン6、ナイロン10
などのポリアミドなどの繊維状物が用いられる。
これらの繊維状物は、単繊維状、ストランド状、クロ
ス状、マット状などの形態をとることができる。
これらの無機充填剤または有機充填剤は、単独でまた
は組合せて用いられる。
無機充填剤または有機充填剤[C]は、本発明に係る
環状オレフィン系ランダム共重合体組成物中に、種々の
目的で配合され、たとえば該組成物の耐熱性あるいは難
燃性を向上させたり、該組成物を着色したり、剛性を向
上させたり、成形収縮率を抑えたりするために、その目
的に応じた量で用いられる。
本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体組成
物では、環状オレフィン系ランダム共重合体[A]100
重量部に対して、軟質共重合体[B]の合計量は、1〜
100重量部、好ましくは5〜100重量部、特に好ましくは
5〜50重量部の量で存在しており、また環状オレフィン
系ランダム共重合体[A]100重量部に対して、無機充
填剤または有機充填剤[C]は1〜100重量部、好まし
くは5〜100重量部、特に好ましくは5〜50重量部の量
で存在している。該環状オレフィン系ランダム共重合体
[A]100重量部に対して該軟質共重合体[B]の合計
量が1重量部未満であると、衝撃強度が低いため好まし
くなく、一方100重量部を越えると、剛性が低下するた
め好ましくない。
また、該環状オレフィン系ランダム共重合体[A]10
0重量部に対して、無機充填剤または有機充填剤[C]
が100重量部を越えると、成形性が悪化するため好まし
くない。
なお本発明に係る環状オレフィン系ランダム重合体組
成物を構成する環状オレフィン系ランダム共重合体
[A]および[B](i)は、特開昭60−168708号公
報、特開昭61−120816号公報、特開昭61−115912号公
報、特開昭61−115916号公報、特願昭61−95905号、特
願昭61−95906号、特開昭61−271308号公報、特開昭61
−272216号公報などにおいて、本出願人が提案した方法
に従い適宜条件を選択することにより、製造することが
できる。
本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体組成
物の製法としては、公知の方法が適用でき、環状オレフ
ィン系ランダム共重合体[A]および軟質共重合体
[B]および無機充填剤または有機充填剤[C]を別個
に製造し、[A]と[B]と[C]とを押出機でブレン
ドして製造する方法、あるいは[A]、[B]および充
填剤[C]を適当な溶媒、たとえばヘプタン、ヘキサ
ン、デカン、シクロヘキサンのような飽和炭化水素、ト
ルエン、ベンゼン、キシレンのような芳香族炭化水素に
充分溶解して行う溶液ブレンド法、さらには[A]と
[B]とを別個の重合器で合成し得られるポリマーおよ
び[C]を別の容器でブレンドして本発明に係る環状オ
レフィン系ランダム共重合体組成物を製造する方法をあ
げることができる。
本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体組成
物の135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]は、
0.05〜10dl/g、好ましくは0.08〜5dl/gの範囲であり、
サーマル・メカニカル・アナライザーによって測定した
軟化温度(TMA)は80〜250℃、好ましくは100〜200℃の
範囲にあり、ガラス転移温度(Tg)は70〜230℃、好ま
しくは90〜210℃の範囲にある。
本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体組成
物は、前記環状オレフィン系ランダム共重合体[A]、
軟質共重合体[B]および無機充填剤または有機充填剤
[C]を必須成分とするものであるが、その他に耐熱安
定剤、耐候安定剤、帯電防止剤、スリップ剤、アンチブ
ロッキング剤、防曇剤、滑剤、染料、顔料、天然油、合
成油、ワックスなどを配合することができ、その配合割
合は適宜量である。たとえば、任意成分として配合され
る安定剤として、具体的には、テトラキス[メチレン−
3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)
プロピオネート]メタン、β−(3,5−ジ−t−ブチル
−4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸アルキルエス
テル、2,2′−オキザミドビス[エチル−3(3,5−ジ−
t−ブチル−4−ビロキシフェニル)プロピオネートな
どのフェノール系酸化防止剤、ステアリン酸亜鉛、ステ
アリン酸カルシウム、12−ヒドロキシステアリン酸カル
シウムなどの脂肪酸金属塩、グリセリンモノステアレー
ト、グリセリンモノラウレート、グリセリンジステアレ
ート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタ
エリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトール
トリステアレート等の多価アルコール脂肪酸エステルな
どを挙げることができる。これらは単独で配合してもよ
いが、組合わせて配合してもよく、たとえばテトラキス
[メチレン−3(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シフェニル)プロピオネート]メタンとステアリン酸亜
鉛およびグリセリンモノステアレートとの組合せ等を例
示することができる。
発明の効果 本発明に係る環状オレフィン系ランダム共重合体組成
物は、上記のような環状オレフィン系ランダム共重合体
[A]、軟質共重合体[B]および無機充填剤または有
機充填剤[C]からなり、該共重合体[A]100重量部
に対して該共重合体[B]は1〜100重量部、そして無
機充填剤または有機充填剤[C]は1〜100重量部の量
で存在しているため、耐熱性、耐熱老化性、耐薬品性、
耐溶剤性、誘電特性、剛性などに優れるとともに耐衝撃
性に優れている。
実施例 次に、実施例によって本発明を具体的に説明するが、
本発明はこれら実施例に限定されるものではない。な
お、本発明における各種物性値の測定方法および評価方
法を次に示した。
(1)熱変形温度(TMA):セイコー電子社製TMA10(Th
ermomechanical Analyser)を用いて1mm厚さシートの熱
変形挙動により測定した。すなわちシート上に石英製針
をのせ、荷重50gをかけ、5℃/分で昇温していき、針
が0.1mm侵入した温度をTMAとした。
(2)衝撃強度:東洋精機製アイゾット衝撃試験機を用
いて、2mm厚さのプレスシートから長さ63.8mm、幅12.7m
mの試験片を打ち抜き0.25mmRのノッチを入れ、23℃で測
定を行なった。
(3)剛性率(曲げ弾性率):インストロン引張試験機
を用い、2mm厚さのプレスシートから長さ63.8mm、幅12.
7mmの試験片を打ち抜き、圧縮速度5mm/分、支持間距離3
2mm、23℃で測定を行なった。
IZ衝撃試験、曲げ試験はプレス成型後、3日経た後に
行なった。
充填剤[C]としては、 (1)旭ファイバーガラスグラスロンチョップストラン
ドGR−S−3A(GF)または、 (2)フジミホワイトアルミナ#4000(WA)を用いた。
重合例1 (軟化温度が70℃以上の共重合体(A)の合成) 撹拌翼を備えた2lガラス製重合器を用いて、連続的
に、エチレンと1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4a,5,8,8a
−オクタヒドロナフタレン(構造式: 以下DMONと略記する)の共重合反応を行った。すなわ
ち、重合器上部から、DMONのシクロヘキサン溶液を、重
合器内でのDMON濃度が30g/触媒としてVO(OC2H5)Cl2
のシクロヘキサン溶液を、重合器内でバナジウム濃度が
0.9ミリモル/、エチルアルミニウムセスキクロリド
(Al(C2H51.5Cl1.5)のシクロヘキサン溶液を、重合
器内でのアルミニウム濃度が7.2ミリモル/となるよ
うにそれぞれ重合器中に連続的に供給し、一方、重合器
下部から、重合器内の重合液が1になるように連続的
に抜き出す。また、重合器上部から、エチレンを毎時85
、水素を毎時0.2、窒素を毎時45の速度で供給す
る。共重合反応は、重合外部にとりつけられたジャッケ
ットに冷媒を循環させることにより10℃で行った。
上記反応条件で共重合を行うと、エチレン・DMONラン
ダム共重合体を含む重合反応混合物が得られる。重合器
下部から抜き出した重合液に、イソプロピルアルコール
を少量添加して重合反応を停止させた。この後、重合液
に対して約3倍量のアセトンが入れてある家庭用ミキサ
ー中に、ミキサーを回転させながら重合液を投入し、生
成共重合体を析出した。析出させた共重合体は過によ
り採取し、ポリマー濃度が約50g/になるようにアセト
ン中に分散させ、アセトンの沸点で約2時間共重合体を
処理した。上記記載の処理後、過により共重合体を採
取し、120℃で一昼夜減圧乾燥した。
以上のようにして得られたエチレン・DMONランダム共
重合体(A)の13C−NMR分析で測定した共重合体中のエ
チレン組成は67モル%、135℃デカリン中で測定した極
限粘度[η]は0.60dl/g、軟化温度(TMA)は111℃であ
った。
重合例2 (軟化温度が70℃未満の共重合体[B](i)の合成) 重合例1においてDMON、VO(OC2H5)Cl2およびエチル
アルミニウムセスキクロリドの重合器内濃度がそれぞれ
20g/、0.5ミリモル/および4ミリモル/になる
ように連続的に供給し、また重合器上部からエチレンを
毎時45、プロピレンを30、水素を毎時0.1、窒素
を毎時25供給し、重合温度を10℃とした以外は同様に
して連続的に重合体を行なった。重合終了後、重合例1
と同様に生成共重合体を析出させ、析出した共重合体を
採取し、120℃で減圧下12時間乾燥した。
以上のようにして得られたエチレン・プロピレン・DM
ON共重合体(B)の13C−NMR分析で測定した共重合体中
のエチレン組成は69モル%、プロピレン組成は21モル
%、135℃デカリン中で測定した極限粘度[η]は1.44d
l/g、軟化温度(TMA)は−4℃であった。
実施例1 重合例1で得られた共重合体(A)および重合例2で
得られた環状オレフィン系ランダム共重合体(以下TDR
と略す)(B1)およびエチレン組成80モル%、結晶化度
5%、密度0.88g/cm3、[η]=2.2dl/gであるエチレン
−プロピレンランダム共重合体(以下EPRと略す)(B
2)を重量比80/5/5の割合でドライブレンドし、これに
安定剤としてテトラキス[メチレン−3(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
メタンおよびジ−ラウリル−チオ−ジ−プロピオネート
を樹脂(A)、(B1)、(B2)の総量に対して各々0.5
%、0.3%配合し30mmφ2軸押出機を用いて、220℃で混
練後、GFを樹脂(A)、(B1)、(B2)の総量に対して
10重量%ドライブレンドし、30mmφ2軸押出機を用いて
220℃で混練後、240℃で圧縮成形を行ない1mmおよび2mm
厚さのプレスシートを得た。このシートより試験片を切
り出し、衝撃試験、曲げ試験、TMA測定を行なった。
この組成物のノッチ付アイゾット衝撃強度は6kg cm/c
m、曲げ初期弾性率は30900kg/cm2、TMAは114℃であっ
た。剛性、耐熱性、耐衝撃性に優れた組成物が得られ
た。
比較例1 重合例1で得られた共重合体(A)を240℃で圧縮成
形し、1mmおよび2mm厚さのプレスシートを得た。このシ
ートより試験片を切り出し、衝撃試験、曲げ試験、TMA
測定を行なった。
この試験片のノッチ付アイゾット衝撃強度は2kg cm/c
m、曲げ初期弾性率は、28900kg/cm2、TMAは111℃であ
り、実施例1で得られたブレンド物に比較すると衝撃強
度、曲げ初期弾性率、耐熱性に劣っていた。
実施例2 重合例1で得られた表5に示す共重合体(A)および
TDR(B1)およびシェル化学社製スチレン−ブタジエン
−スチレンブロック共重合体カリフレックスTR1102、密
度0.94g/cm3(以下SBSと略す)(B2)およびGFを用い、
表5に示した重量比により実施例1と同様の評価を行な
った。結果を表5に示す。剛性、耐熱性、耐衝撃性に優
れた組成物が得られた。
実施例3 重合例1得られた共重合体(A)およびエチレン/プ
ロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネンの組成が66
/31/3モル%、[η]=2.1dl/g、沃素化22、密度0.87g/
cm2であるエチレン−プロピレン−ジエン共重合体(以
下EPDMと略す)(B1)およびSBS(B2)およびGFを用
い、表5に示した。重量比により実施例1と同様の評価
を行なった。結果を表5に示す。剛性、耐熱性、耐衝撃
性に優れた組成物が得られた。
実施例4〜6 重合例1と同様の方法で得られた表5に示す共重合体
(A)および表5に示した共重合体(B1)、(B2)およ
び充填剤(C)を用い、表5に示したブレンド比でブレ
ンドし、実施例1と同様の評価を行なった。結果を表5
に示す。剛性、耐熱性、耐衝撃性に優れた組成物が得ら
れた。
比較例2 表5に示した共重合体(A)を用い、比較例1と同様
の評価を行なった。結果を表5に示す。実施例4〜6で
得られた組成物に比べて剛性、耐熱性、衝撃強度に劣っ
ていた。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 23/08 LCL C08L 23/08 LCL LCN LCN 45/00 LKB 45/00 LKB //(C08L 23/08 23:02 9:06 25:10 47:00 53:02) (C08L 45/00 23:02 9:06 25:10 47:00 53:02) (72)発明者 山本 陽造 山口県玖珂郡和木町和木6丁目1番2号 三井石油化学工業株式会社内 (56)参考文献 特開 平1−256547(JP,A)

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(A)エチレン成分と、下記一般式[I]
    または[II]で表わされる環状オレフィン成分とからな
    り、135℃のデカリン中で測定した極限粘度[η]が0.0
    5〜10dl/gの範囲にあり、軟化温度(TMA)が70℃以上で
    ある環状オレフィン系ランダム共重合体、 (B)(i)エチレン成分と、少なくとも他の一種のα
    −オレフィン成分および下記一般式[I]または[II]
    で表わされる環状オレフィン成分とからなり、135℃の
    デカリン中で測定した極限粘度[η]が0.01〜10dl/gの
    範囲にあり、軟化温度(TMA)が70℃未満である環状オ
    レフィン系ランダム共重合体、 (ii)少なくとも2種のα−オレフィンから形成される
    非晶性ないし低結晶性のα−オレフィン系弾性共重合
    体、 (iii)少なくとも2種のα−オレフィンと、少なくと
    も1種の非共役ジエンとから形成されるα−オレフィン
    ・ジエン系弾性共重合体、および (iv)芳香族ビニル系炭化水素・共役ジエン共重合体ま
    たはその水素化物、 からなる群から選択される少なくとも2種以上の軟質共
    重合体、および (C)無機充填剤または有機充填剤、 から形成された、上記(A)成分100重量部に対して、
    (B)成分の合計量が1〜100重量部、(C)成分が1
    〜100重量部の量で存在していることを特徴とする環状
    オレフィン系ランダム共重合体組成物: 一般式 (式中、nおよびmはいずれも0もしくは正の整数であ
    り、lは3以上の整数であり、R1ないしR10はそれぞれ
    水素原子、ハロゲン原子または炭化水素基を示す)。
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