JP2597757Y2

JP2597757Y2 - 化粧板、又は、該化粧板からなる扉

Info

Publication number: JP2597757Y2
Application number: JP1993049587U
Authority: JP
Inventors: 一則岡; 誠司長尾; 正志福家
Original assignee: Okura Kogyo KK
Current assignee: Okura Kogyo KK
Priority date: 1993-09-13
Filing date: 1993-09-13
Publication date: 1999-07-12
Anticipated expiration: 2008-09-13
Also published as: JPH0719576U

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案の化粧板は、家屋の壁や建
具、或は、家具等の材料として用いられるものである。
又、本考案の化粧板からなる扉は、家屋や家具に用いら
れるものである。

【０００２】

【従来技術】合板やパーティクルボード、或は、繊維板
等の木質系板の表面に化粧を施した化粧板は、家屋や家
具等の材料として多く用いられている。これらの化粧板
は、一般に薄く、見た目に重量感がなくて高級感に乏し
いものであった。しかし、これらの木質系化粧板は厚め
にすると価格が高くなるばかりか、重量が大きくなり、
加工や施工等の面からも好ましいものではなかった。

【０００３】又、家屋や家具等に用いられる扉は、厚め
で重量感があることが高級感を生じさせるために必要で
あった。しかし、実用面では、軽量であることが取り付
け等の面から必要であった。更に、長尺物の扉に於て
は、湾曲等を生じさせないような高い強度を有している
ことが必要であった。

【０００４】従来、これらの問題を解決する手段とし
て、フラッシュパネルからなる化粧板が用いられてき
た。しかし、このようなフラッシュパネルは、製造に手
間を要するばかりか、手に触れた際に重量感がなく、高
級感に劣るものであった。又、フラッシュパネルからな
る扉は、ノックをした場合等にすぐに中空物であること
が分かり、安物感があった。

【０００５】以前、本考案者等は、見た目に厚めで重量
感があり、しかも、軽量で強度の高い化粧板、或は、見
た目に厚めで高級感があり、しかも、軽量で取り付け作
業が容易で、その上、湾曲等を生じないような強度の高
い扉を、実願平０５−０４４７３９号として出願した。
即ち、該実用新案は、木質系板の少なくとも片方の表面
に化粧展貼物が貼付され、該化粧展貼物が貼付された面
と反対の面に設けられた切り欠き部によって、該化粧展
貼物が貼付された面を化粧板の外面となるように木質系
板の端部が折り返され、該化粧展貼物が貼付された面と
反対の面の一部とが接合されている化粧板、及び、これ
らの化粧板を用いた扉を提供したものである。

【０００６】本考案者等が提供した化粧板、又は、該化
粧板からなる扉は、見た目に厚めで重量感があり、しか
も強度の高いものであった。しかし、木質系板の端部が
折り返された側の表面は意匠性に劣り、又、長尺物につ
いては強度が多少不足していた。そこで、更に、高級感
と強度の優れた化粧板又は扉が要求されている。特に、
木質系板の端部が折り返された面の意匠性を向上させ、
高級感を付与させた化粧板及び扉が要求されている。

【０００７】

【考案が解決しようたとする課題】本考案は、見た目に
厚めで重量感があり、両表面共に意匠性に優れ、しか
も、軽量で強度が高く、長尺物でも湾曲を生じない化粧
板を提供しようとするものである。又、見た目が厚め
で、両表面共に意匠性に優れて高級感があり、しかも、
軽量で取り付け作業等が容易で、その上、強度が高く、
長尺物でも湾曲を生じない扉を提供しようとするもので
ある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本考案は、上記課題を解
決するために次のような手段を講じた。即ち、木質系板
の少なくとも片方の表面に化粧展貼物が貼着され、片方
の表面にのみ化粧展貼物が貼着されている場合には、該
化粧展貼物が貼着された表面と反対の表面に、或は、両
方の表面に化粧展貼物が貼着されている場合には、どち
らか片方の表面に設けられた切り欠き部によって木質系
板の端部が折り返され、折り返された木質系板端部の内
側面と木質系板の切り欠き部が施された表面が貼着され
いる化粧板に於て、折り返された木質系板端部の外側面
と折り返された木質系板端部の端面に断面Ｌ字型の補強
部材が取り付けられている化粧板とした。好ましくは、
断面Ｌ字型の補強部材の端部が、木質系板の切り欠き部
が施された表面に設けられた溝に嵌合している化粧板と
した。更に、これらの化粧板を用いた扉とした。

【０００９】本考案に用いられる木質系板としては、無
垢の木板は勿論、合板やパーティクルボード、或は、繊
維板等が挙げられる。又、化粧展貼物としては、紙やプ
ラスチックフィルム、或は、アルミ箔等の金属箔が用い
られる。特に、木目等の印刷加工や表面樹脂加工等の施
されたものが好適に用いられる。

【００１０】木質系板の端部を折り返すための切り欠き
部の形状としては、一般的にはＶ字型や櫛目等の溝状で
ある。そして、これらの切り欠き部は、木質系板の端部
が折り返されて形成される化粧板の端部の形状に応じ
て、その形状や加工を施す場所等を任意に選定すればよ
い。例えば、木質系板の端部を直角に折り返すには、９
０度の角度を有するＶ字型の溝を木質系板の端部に添っ
て２筋設けることによって得られる。

【００１１】尚、折り返された木質系板端部の内側面と
木質系板の切り欠き部加工の施された表面との貼着は、
必ずしも直接貼着されている必要はなく、両面の間に別
のもの、例えば、木質系板等を挿入させて貼着されてい
てもよい。

【００１２】本発明に用いる断面Ｌ字型の補強材部は、
特に限定されるものではないが、一般的には、無垢の木
は勿論、合板、集成材、パーティクルボード、或は、繊
維板等から作られる。又、プラスチック等からも作るこ
とができる。そして、断面Ｌ字型の補強材部は、折り返
された木質系板端部の端面と折り返された木質系板端部
の外側面の一部を覆うように取り付けるものである。
尚、断面Ｌ字型の補強材部と折り返された木質系板端部
のこれら面との接合面は、接着剤等により強く貼着され
ている事が好ましい。更に、断面Ｌ字型の補強材部の端
部が、木質系板の切り欠き部が施された表面に設けられ
た溝に嵌合していると、強度が更に増し、長尺物でも湾
曲等が生じないようになる。

【００１３】尚、断面Ｌ字型の補強部材は、必ずしも断
面がＬ字状を呈している必要はなく、内側がＬ字状を呈
しておればよい。即ち、折り返された木質系板端部の端
面と折り返された木質系板端部の外側面に接する表面
が、Ｌ字状を呈しておればよい。断面Ｌ字型の補強部材
の外側、即ち、折り返された木質系板端部の端面や折り
返された木質系板端部の外側面と接しない表面は、必ず
しもＬ字状を呈している必要はなく、意匠性や強度のこ
とを考慮して任意の形にすることができる。

【００１４】以下、本考案の化粧板、又は、該化粧板か
らなる扉を図面を用いて説明する。尚、本考案は、図面
に示された化粧板、又は、図面に示された該化粧板から
なる扉のみに限定されるものでないことは当然である。
図１は、本考案の化粧板を示す斜視図である。図２は、
図１の化粧板に用いられている木質系板の両端部が折り
返される前の状態を示す断面図である。又、図３は、図
１の化粧板に用いられている断面Ｌ字型の補強部材の斜
視図である。

【００１５】木質系板（１）の片方の表面に化粧展貼物
（２）が貼着されている。そして、該化粧展貼物が貼着
された表面と反対の表面（３）に切り欠き部（４）が形
成され、該化粧展貼物が貼着された表面が外側面となる
ように木質系板の端部（５）が折り返されている。折り
返された木質系板端部の内側面（６）と木質系板の切り
欠き部が施された表面（３）は貼着されている。更に、
折り返された木質系板端部の外側面（７）の一部と折り
返された木質系板端部の端面（８）とを覆うように断面
Ｌ字型の補強部材が取り付けられている。

【００１６】図４は、図１に示されたものとは異なる態
様の化粧板を示す斜視図である。図５は、図４の化粧板
に用いられている木質系板の両端部が折り返される前の
状態を示す断面図である。又、図６は、図４の化粧板に
用いられている断面Ｌ字型の補強部材の斜視図である。

【００１７】木質系板（１）の両面に化粧展貼物（２）
が貼着されている。そして、該化粧展貼物が貼着された
片方の表面（３’）に切り欠き部（４）が形成され、木
質系板の端部（５）が折り返されている。しかも、木質
系板の端部が折り返されて形成された化粧板の端部の角
が面取りされた状態になっている。又、折り返された木
質系板端部の内側面（６）と木質系板の切り欠き部が施
された表面（３’）は貼着されている。更に、折り返さ
れた木質系板端部の外側面（７）の一部と折り返された
木質系板端部の端面（８）とを覆うように断面Ｌ字型の
補強部材が取り付けられ、しかも、断面Ｌ字型の補強部
材の端部（１０）が、木質系板の切り欠き部が施された
表面（３’）に設けられた溝（１１）に嵌合している。
尚、折り返された木質系板端部の外側面と折り返された
木質系板端部の端面とに接触しない断面Ｌ字型の補強部
材の表面には、装飾が施されて意匠性をより向上させて
いる。

【００１８】図７は、図４に示された化粧板を用いた扉
の斜視図である。尚、断面Ｌ字型の補強部材の施された
端部が、扉の長手方向の縁になっている。

【００１９】

【効果】以上説明したように、本考案の化粧板の端部
は、木質系板の端部が折り返されて形成されているため
に厚くなっているので、見た目に重量感がある。しか
も、折り返された木質系板端部の端面等には、装飾等の
施された断面Ｌ字型の補強用部材が装着されているため
に、より高級感を生じさせている。しかし、該化粧板は
見た目よりは軽量である。又、本考案の化粧板の端部
は、折り返された木質系板の端部によって補強されてお
り、しかも、折り返された木質系板端部の端面等に取り
付けされた断面Ｌ字型の補強用部材が補強効果を生じて
いるので、より強度が高くなっている。特に、長尺物で
も湾曲が生じ難くなっている。

【００２０】そこで、本考案の化粧板は、家屋の壁や建
具やドアー、或は、家具等の材料として用いた際に、高
級感を付与させることができる。しかも、本考案の化粧
板は強度に優れているので、施工後に湾曲を生じたり、
或は、施工時に片方の端のみを持ち上げても折れたりし
ない。しかし、該化粧板は見た目よりは軽量であるので
加工や施工等が容易である。

【００２１】又、本考案の化粧板からなる扉は、端部が
厚くなっており、しかも、折り返された木質系板端部の
端面等に補強部材が装着されているので、高級感を有し
ている。更に、本考案の化粧板からなる扉は、強度が高
く、長尺物でも湾曲等を生じないので何時迄も扉の開け
閉めがスムーズである。しかし、該扉は見た目よりは軽
量であるので扉枠等への取り付け等が容易である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の化粧板を示す斜視図である。

【図２】図１の化粧板に用いたれている木質系板の両端
部が折り返される前の状態を示す断面図である。

【図３】図１の化粧板に用いられている断面Ｌ字型の補
強部材の斜視図である。

【図４】図１に示されたものとは異なる態様の化粧板を
示す斜視図である。

【図５】図４の化粧板に用いられている木質系板の両端
部が折り返される前の状態を示す断面図である。

【図６】図４の化粧板に用いられている断面Ｌ字型の補
強部材の斜視図である。

【図７】図４に示された化粧板を用いた扉の斜視図であ
る。

【符号の説明】

１：木質系板２：化粧展貼物３：化粧展貼物が貼着された表面と反対の表面３’：化粧展貼物が貼着されたどちらか片方の表面４：切り欠き部５：木質系板の端部６：折り返された木質系板端部の内側面７：折り返された木質系板端部の外側面８：折り返された木質系板端部の端面９：断面Ｌ字型の補強部材 10 ：断面Ｌ字型の補強部材の端部 11 ：溝

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.⁶，ＤＢ名) E06B 3/70 - 3/88 E04C 2/30

Claims

(57)【実用新案登録請求の範囲】

【請求項１】木質系板（１）の少なくとも片方の表面
に化粧展貼物（２）が貼着され、片方の表面にのみ化粧
展貼物が貼着されている場合には、該化粧展貼物が貼着
された表面と反対の表面（３）に、或は、両方の表面に
化粧展貼物が貼着されている場合には、どちらか片方の
表面（３’）に設けられた切り欠き部（４）によって木
質系板の端部（５）が折り返され、折り返された木質系
板端部の内側面（６）と木質系板の切り欠き部が施され
た表面（（３）又は（３’））が貼着されいる化粧板に
於て、折り返された木質系板端部の外側面（７）と折り
返された木質系板端部の端面（８）に断面Ｌ字型の補強
部材（９）が取り付けられていることを特徴とする化粧
板。
【請求項２】断面Ｌ字型の補強部材（９）の端部（１
０）が、木質系板の切り欠き部が施された表面（（３）
又は（３’））に設けられた溝（１１）に嵌合している
ことを特徴とする請求項１記載の化粧板。
【請求項３】請求項１乃至２のいずれかに記載の化粧
板からなることを特徴とする扉。