JP2597731B2 - N―(2―ヒドロキシエチル)―3―(4―ニトロフェニル)プロピルアミン及びその製造方法 - Google Patents

N―(2―ヒドロキシエチル)―3―(4―ニトロフェニル)プロピルアミン及びその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、抗不整脈剤の有効成分として用い得るピリ
ミジンジオン誘導体の製造中間体として有用なN−(2
−ヒドロキシエチル)−3−(4−ニトロフェニル)プ
ロピルアミン及びその製造方法に関する。
[従来の技術] 抗不整脈剤としては、すでに種々の薬物が開発、ある
いは利用されている。しかしながら、複雑な発生機序を
もち、抗不整脈剤の長期投与が必要な抗不整脈療法にと
って、理想的な抗不整脈剤の探索がなお続けられている
が、充分に満足できる結果が得られていないのが現状で
ある。
このような現状に鑑み、本発明者らは、抗不整脈剤の
有効成分として有用な化合物を提供すべく、鋭意検討を
行い、その成果として、1,3−ジメチル−6−{2−
〔N−(2−ヒドロキシエチル)−3−(4−ニトロフ
ェニル)プロピルアミノ〕エチルアミノ}−2,4(1H,3
H)−ピリミジンジオンなどの各種ピリミジンジオン誘
導体に、心筋細胞の活動電位持続時間を顕著に延長し、
さらに成犬を用いた動物実験においてその心室不応期を
著明に延長する薬理学的特性及び陽性変力作用を見出し
た。
その過程において、本発明者らは、上記ピリミジンジ
オン誘導体の製造法についての検討も行い、該ピリミジ
ンジオン誘導体の製造に有用な中間体化合物を見出すと
ともに、該中間体化合物の製造方法を確立するに至り本
発明を完成した。
本発明の目的は、抗不整脈剤の有効成分として有用な
ピリミジンジオン誘導体の製造に好適に用いる製造中間
体及びこれら中間体の製造方法を提供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の下記式(I)で示されるN−(2−ヒドロキ
シエチル)−3−(4−ニトロフェニル)プロピルアミ
ンは、1,3−ジメチル−6−{2−〔N−(2−ヒドロ
キシエチル)−3−(4−ニトロフェニル)プロピルア
ミノ〕エチルアミノ}−2,4(1H,3H)−ピリミジンシオ
ンなどの抗不整脈剤の有効成分として有用なピリミジン
ジオン誘導体の製造に好適に利用できる。
この式(I)で示される化合物は、下記式(II)で示
されるN−(2−ヒドロキシエチル)−3−(4−ニト
ロフェニル)プロピオンアミドを還元する過程を含む方
法によって製造することができる。
また、この式(II)で示される化合物は、4−ニトロ
フェニルプロピオン酸とエタノールアミンを縮合する過
程を含む方法により製造することができる。
4−ニトロフェニルプロピオン酸とエタノールアミン
を縮合して式(II)で示される化合物を得る方法として
は、例えば、以下に示す方法などのアミンとカルボン酸
誘導体の縮合反応に用いられる各種の反応が利用でき
る。
a)まず、4−ニトロフェニルプロピオン酸を、アリー
ルエステルもしくはアルキルエステル誘導体、または混
合酸無水物等に変換し、ついでエタノールアミンと反応
させて、加アミノ分解反応を行い、式(II)の化合物を
得る方法。
b)4−ニトロフェニルプロピオン酸を酸ハロゲン化物
誘導体に変換し、これとエタノールアミンを反応させ
て、式(II)の化合物を得る方法。
c)ジアルキルカルボジイミド等の縮合剤を使用して、
4−ニトロフェニルプロピオン酸とエタノールアミンを
縮合して、式(II)の化合物を得る方法。
なお、上記aの方法には、例えば、4−ニトロフェニ
ルプロピオン酸をアシル化剤の存在下で変換して得た活
性エステル誘導体と、エタノールアミンを反応させる方
法が利用できる。
その際のアシル化剤としては、例えばクロロ炭酸エス
テルに代表される各種アシル化剤が利用できる。
また、この活性エステル誘導体とエタノールアミンの
反応に用いる溶媒または分散剤としては、例えば、酢酸
エチル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロ
メタン及びジメチルホルムアミドなどを挙げることがで
き、なかでもテトラヒドロフランが好ましい。
また、反応温度は、例えば、−15〜40℃の範囲、好ま
しくは4〜32℃の範囲から選択することができる。
4−ニトロフェニルプロピオン酸とアシル化剤の反応
においては、アシル化剤に4−ニトロフェニルプロピオ
ン酸を添加しても、4−ニトロフェニルプロピオン酸に
アシル化剤を添加しても良いが、後者の方が望ましい。
上記bの方法には、例えば、4−ニトロフェニルプロ
ピオン酸をハロゲン化剤によって酸ハロゲン化物誘導体
に変換し、これにエタノールアミンを反応させる方法が
利用できる。
この反応に用いるハロゲン化剤としては、オキシ塩化
リン、塩化チオニルに代表される各種ハロゲン化剤が利
用でき、なかでも塩化チオニルが好ましい。
この4−ニトロフェニルプロピオン酸のハロゲン化反
応は、反応に不活性な溶媒または分散剤中で行なうこと
ができる。
この反応に不活性な溶媒または分散剤としては、テト
ラヒドロフラン、クロロホルム、ジクロロメタン、トル
エン、ベンゼンなどこの反応に不活性なものであれば制
限なく利用できる。
反応は、用いた溶媒または分散剤の沸点以下、室温以
上の温度で進行させることができ、加熱還流下で実施す
ることが望ましい。
ハロゲン化剤の使用量は、所期の目的が達成できる範
囲内から適宜選択すればよいが、例えば、4−ニトロフ
ェニルプロピオン酸に対し1.2等量以上、望ましくは1.5
等量以上を用いるのが好ましい。
また、反応液中に、ジアルキルホルムアミドなどのハ
ロゲン化反応の触媒として作用する化合物を共存させる
ことにより、より好ましく反応を進行させることができ
る。
なお、4−ニトロフェニルプロピオン酸のクロル化反
応は、C.K.Ingoldら[J.Chem.Soc.,123,1505(1923)]
や、F.Konekら[Ber.51,855(1981)]などによって既
に報告されているが、これら従来の方法では大過剰のク
ロル化試薬を用いているため、操作性、後処理、生成物
の純度、生成物の着色などに点において、大きな問題が
あるので、このような問題を回避する必要がある場合
に、上記の方法を用いることが好ましい。
ハロゲン化剤によって4−ニトロフェニルプロピオン
酸を変換して得た酸ハロゲン化物誘導体とエタノールア
ミンとの反応は、適当な溶媒または分散剤中で行なうこ
とが好ましく、用いる溶媒または分散剤としては、水、
低級アルコール、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ク
ロロホルム、ジクロロメタン及びベンゼンなどを挙げる
ことができる。
反応温度は、溶媒または分散剤の沸点以下、凝固点以
上の範囲から選ぶことができるが、0〜10℃の範囲の温
度が好ましい。
以上の方法で得ることのできる式(II)で示される化
合物を還元して式(I)で示される化合物を製造するこ
とができる。
式(II)の化合物の還元は、還元剤を用いて行なうこ
とができる。
該還元剤としては、例えば、アミドをアミンに還元す
る目的で一般的に利用されている各種還元剤を式(II)
の化合物のフェニル基に置換されているニトロ基を還元
しない範囲で利用できる。
その一例として、水素化ホウ素リチウムとブタノール
の組合せ、水素化ホウ素ナトリウムと三フッ化ホウ素エ
ーテラートの組合せ、水素化ホウ素ナトリウムと低級カ
ルボン酸の組合せ、ジボラン、ボランアルキルスルフィ
ド錯体及びジアルコキシボラン等を挙げることができ
る。
なかでも、水素化ホウ素ナトリウムと低級カルボン酸
の組合せ、ジボラン及びジアルコキシボランが特に好ま
しい。
反応溶媒または分散剤は、反応を阻害しない限り限定
されないが、還元剤としてジボランを用いる場合にはア
ルキルスルホキシドが好ましい。また、還元剤として水
素化ホウ素ナトリウムと低級カルボン酸の組み合わせ、
あるいはジアルコキシボランを用いる場合には、テトラ
ヒドロフラン、ジオキサン及びジグリムが好ましい。
反応温度は、反応を制御できる範囲内であれば特に限
定されないが、ジボランを用いる場合には10〜30℃が好
ましい。また、水素化ホウ素ナトリウムと低級カルボン
酸の組合せ、またはジアルコキシボランを用いる場合に
は30℃以上、溶媒の沸点以下の温度が好ましく、特に、
加熱還流下で実施するのが好ましい。
このようにして得られた式(I)の化合物は、抗不整
脈剤の有効成分として用い得るピリミジンジオン誘導体
の製造における原料化合物として有用である。
例えば、式(I)の化合物を下記式(III)で示され
る化合物と反応させることにより、下記式(IV)で示さ
れる抗不整脈剤の有効成分として用い得るピリミジンジ
オン誘導体を得ることができる。
[式(III)および(IV)中、R1及びR2は、互いに独立
に、水素原子、または低級アルキル基を示す。] なお、式(IV)の化合物の製造に際して、式(III)
の化合物の代りに、後述する式(III)の化合物の製造
過程において得られるスルホネート体やハライドを前記
式(I)の化合物と反応させても良い。
この反応は、室温から当該反応混合物の還流温度以下
の温度で行なうことができ、例えば、20〜150℃の範囲
の温度が好ましく用いられる。
この反応に用いる適当な溶媒または分散剤としては、
この反応に対して不活性な溶媒または分散剤であれば制
限なく利用でき、例えば、メタノール、エタノール等の
アルコール類、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムア
ミド、クロロホルム、ジクロロメタン、ジオキサン、ベ
ンゼンおよびジメチルスルホキシド等が利用できる。
また、この反応は、酸触媒を共存させることにより、
より好ましく進行させることができる。該酸触媒として
は、例えばp−トリエンスルホン酸、酸性イオン交換樹
脂[例えば、商品名アンバーリスト(米国ローム・アン
ド・ハース社製、商品名アンバーリスト15等)]などを
挙げることができる。
また、式(III)の化合物は、例えば、以下に示す方
法によって製造することができる。
まず、下記式(V)で表される化合物と、2−アミノ
エタノールとを反応させて下記式(VI)の化合物を得
る。
[これら式中、R1およびR2は、式(III)および(IV)
におけるのと同様に定義され、Zはハロゲン原子を表わ
す。] この反応は、室温から当該反応混合物の還流温度以下
の温度で行なうことができ、例えば、20〜150℃の範囲
の温度が好ましく用いられる。
この反応に用いる適当な溶媒または分散剤としては、
この反応に対して不活性な溶媒または分散剤であれば制
限なく利用でき、例えば、メタノール、エタノール等の
アルコール類、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムア
ミド、クロロホルム、ジクロロメタン、ジオキサン、ベ
ンゼンおよびジメチルスルホキシド等が利用できる。
また、この反応は、塩基を共存させることにより、よ
り好ましく進行させることができる。塩基としては、例
えばトリエチルアミン、ピリジン、炭酸カリウム、炭酸
ナトリウム、水酸化ナトリウム等を挙げることができ
る。
次に、式(VI)の化合物を、メタンスルホニルクロラ
イド、p−トルエンスルホニルクロライド等を用いてス
ルホネート体として、あるいは塩化チオニル、三臭化リ
ン等によりハライドとして、その後、水素化ナトリウ
ム、水酸化ナトリウム等の塩基の存在下、ジメチルスル
ホキシド、メタノール等の溶媒中、室温または加熱下に
撹拌して、上記式(III)の化合物を得ることができ
る。
式(IV)の化合物は、抗不整脈剤の有効成分として有
用であるが、その薬理学的に許容される酸付加塩も抗不
整脈剤の有効成分として同様に有用である。
式(IV)の化合物の薬理学的に許容される酸付加塩
は、式(IV)の化合物を、水または有機溶媒、あるいは
それらの混合物からなる溶媒中で、例えば、塩酸、臭化
水素酸、リン酸、硫酸、酢酸、クエン酸、マレイン酸、
フマル酸、シュウ酸、メタンスルホン酸等の無機酸もし
くは有機酸と反応させて得ることができる。
なお、ここで「薬理学的に許容される」とは、人体に
投与された時において著しい副作用、または毒性が出現
しないこと、及びその薬理活性を消失させないことを意
味する。
式(IV)の化合物およびその酸付加塩を、不整脈治療
剤、心不全治療剤等の心臓機能障害改善剤として用いる
場合、その投与量、剤形は、有効成分として用いる該化
合物の物性、投与対象の症状により異なるが、例えば、
成人1日あたり、1〜1000mgを1回に、または数回に分
け、経口的に、錠剤、顆粒剤、散剤、懸濁剤、カプセル
剤等として、また非経口的に、例えば座剤、注射剤、輸
液用等張液として投与できる。
式(IV)の化合物を含む医薬品の一般的製法として
は、例えば、 a)式(IV)の化合物を、綿実油、トウモロコシ油、ラ
ッカセイ油、オリーブ油等から選ばれる油の任意量に溶
解させて非水性注射剤とする方法、 b)式(IV)の化合物に、水を加え、適当な界面活性剤
の存在下に乳濁液として水性注射剤とする方法、 c)式(IV)の化合物に、吸着剤として結晶性セルロー
ス及び軽質無水ケイ酸を加え、更に賦形剤としてトウモ
ロコシデンプン等を加え、最終的にステアリン酸マグネ
シウムを加えて錠剤とする方法 などを挙げることができる。
なお、式(IV)の化合物を含む医薬品の製剤法は、上
記の方法に限定されるものではなく、その他各種の方法
が制限なく利用できる。
また、製剤中の式(IV)の化合物の配合量は、例え
ば、1回あたりの投与量が先に挙げた量となるように適
宜選択すれば良い。
[実施例] 実施例1 N−(2−ヒドロキシエチル)−3−(4−ニトロフェ
ニル)プロピオンアミド[式(II)の化合物]の製造 4−ニトロフェニルプロピオン酸60gを、クロロホル
ム360mlに懸濁し、これにジメチルホルムアミド2.25gを
加えた。
反応混合物を60℃に加温し、その状態で、これに更に
塩化チオニル33.5mlをクロロホルム溶液16.5mlに溶解し
て得た溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、徐々
に昇温し、反応液の内温を65℃にして、更に1時間加熱
還流した。この加熱還流の後、溶媒を減圧留去し、4−
ニトロフェニルプロピオン酸クロリドの黄赤色油状物を
得た。
この油状物を、クロロホルム150mlに溶解させ、滴下
液Aを得た。
これとは別に、エタノールアミン28.2g、炭酸カリウ
ム42.5gを水450mlに溶解し、5℃に冷却した。ここへ、
先に調製した滴下液Aを1時間かけて滴下した。
滴下終了後、反応液を3℃に冷却し、1時間撹拌した
後、析出した結晶を濾取し、これを冷水200ml、冷クロ
ロホルム200mlの順で洗浄した後、減圧乾燥し、N−
(2−ヒドロキシエチル)−3−(4−ニトロフェニ
ル)プロピオンアミドの淡黄色粗結晶64.79gを得た。
次に、この淡黄色粗結晶(64.79g)を、酢酸エチル98
0mlに加熱還流し、溶解させた。
得られた溶液に、活性炭6.5gを加え、40分間加熱還流
後、セライトを用い熱時活性炭除去を行ない、濾液を回
収した。
除去された活性炭は、フィルター上で熱酢酸エチル20
0mlで洗浄し、得られた濾液を先に回収した濾液と合
せ、これから減圧下で溶媒を300ml程度留去した。
次に、残溶液を加熱還流し、残溶液中に一部析出した
結晶を溶解させた後、これを撹拌下氷冷することにより
生成した針状結晶を濾取し、減圧乾燥し、N−(2−ヒ
ドロキシエチル)−3−(4−ニトロフェニル)プロピ
オンアミド56.14gを得た。
得られたN−(2−ヒドロキシエチル)−3−(4−
ニトロフェニル)プロピオンアミドの分析結果; 融点:122〜125℃ NMR(DMSO),δppm:2.37(t,1H),2.54(t,3H),3.10
(t,2H),3.40(q,2H),3.68(q,2H),5.90(brs,1H),
7.38(d,2H),8.14(d,2H). 実施例2 N−(2−ヒドロキシエチル)−3−(4−ニトロフェ
ニル)プロピルアミンの製造 水素化ホウ素ナトリウム31.8gをテトラヒドロフラン5
00mlに懸濁し、得られた懸濁液に、氷冷下、実施例1で
得たN−(2−ヒドロキシエチル)−3−(4−ニトロ
フェニル)プロピオンアミドの50gを加えた。
得られた混合物に、更に、酢酸(50.5g)のテトラヒ
ドロフラン溶液(500ml)を氷冷下40分かけて滴下した
後、得られた反応液を加熱し、40℃として1時間撹拌
後、更に1時間加熱還流した。
加熱還流終了後、反応液を氷冷し、これに水15mlを約
10分かけて滴下した後、更に水115mlを約10分かけて滴
下した。
滴下終了後、反応液を更に水370mlで希釈し、得られ
た希釈液のpHを4N塩酸の約75mlを加えることによって5
に調整した。
次に、このpH調整後の希釈液から減圧下でテトラヒド
ロフランを留去し、残溶液に4N塩酸425mlを加え、60℃
で1時間加熱撹拌した後、反応液を室温に冷却してか
ら、クロロホルム500mlで2回洗浄した。
洗浄された反応液を氷冷し、これに16%水酸化ナトリ
ウム水溶液約600mlを加え、そのpHを約11に調整した。
このpH調整を行なった溶液に、食塩126gおよびクロロ
ホルム500mlを加え、激しく撹拌した後、不溶物を濾去
してから、クロロホルム層を分取した。濾去した不溶物
は、クロロホルム250mlで洗浄し、得られた洗浄液と先
に分取したクロロホルム層とを合せ、これを更に、水30
0mlで洗浄した。
この水洗したクロロホルム溶液を減圧濃縮し、粗N−
(2−ヒドロキシエチル)−3−(4−ニトロフェニ
ル)プロピルアミン44.2gを得た。
この粗生成物の全量(44.2g)をトルエン880mlに60℃
で溶解後、得られた溶液に4.42gの活性炭を加え、同温
で1時間撹拌した。
溶液から活性炭を濾去し、得られた濾液を撹拌し、放
冷して、析出晶を濾取した。濾取した結晶は、冷トルエ
ン44mlで2回程度洗浄し、減圧乾燥し、N−(2−ヒド
ロキシエチル)−3−(4−ニトロフェニル)プロピル
アミン38.6gを得た。
得られたN−(2−ヒドロキシエチル)−3−(4−
ニトロフェニル)プロピルアミンの分析結果; 融点:82.5〜84.3℃ NMR(DMSO),δppm:1.84(q,2H),2.67(t,2H),2.77
(m,4H),3.62(t,2H),7.40(d,2H),8.13(d,2H). 参考例 1)1,3−ジメチル−6−(2−メタンスルホニルオキ
シエチルアミノ)−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオンの
製造 6−クロロ−1,3−ジメチル−2,4(1H,3H)−ピリミ
ジンジオン52.4gをピリジン280mlに溶解し、トリエチル
アミン45.5gとエタノールアミン21.3gを加え、90℃で4
時間加熱撹拌した。
反応液を、氷冷し、内温を0〜4℃に保った状態で、
これにメタンスルホニルクロリド55.8gを滴下し、同温
で3時間撹拌し、これにメタノール1.2を加え更に2
時間撹拌した。撹拌終了後、反応液中に析出した結晶を
濾取し、更にメタノール3.5で再結晶するこにより、
1,3−ジメチル−6−(2−メタンスルホニルオキシエ
チルアミノ)−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオンの結晶
70.0gを得た。
得られたこの結晶の分析結果; 融点:169〜170℃ 2)1,3−ジメチル−6−{2−[N−(2−ヒドロキ
シエチル)−3−(4−ニトロフェニル)プロピルアミ
ノ]エチルアミノ}−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン
(化合物1)の製造 前記1)項で得た1,3−ジメチル−6−(2−メタン
スルホニルオキシエチルアミノ)−2,4(1H,3H)−ピリ
ミジンジオンの20.2gと炭酸カリウム15.1gをアセトニト
リル300mlに懸濁し、4時間加熱還流した後、反応液か
ら不溶物を濾取し、濾液を減圧濃縮し、全量が約60mlと
なったところでこの溶液に、実施例2で得たN−(2−
ヒドロキシエチル)−3−(4−ニトロフェニル)プロ
ピルアミン18gとDMF36ml、p−トルエンスルホン酸0.69
gを加え、得られた混合物から減圧下でアセトニトリル
を留去し、残渣を80℃で2時間加熱撹拌した。
次に、反応液を室温に戻し、これに0.1N塩酸900mlを
加え、不溶物を溶解させた後、これに0.5M炭酸カリウム
水溶液を加えてアルカル性とし、室温で3時間撹拌し
た。その際析出した結晶を濾取して乾燥させ、エタノー
ルより再結晶させることにより、1,3−ジメチル−6−
{2−[N−(2−ヒドロキシエチル)−3−(4−ニ
トロフェニル)プロピルアミノ]エチルアミノ}−2,4
(1H,3H)−ピリミジンジオン(化合物1)の結晶26.6g
を得た。
得られたこの化合物1の分析結果; 融点:125〜126℃ 3)1,3−ジメチル−6−{2−[N−(2−アセトキ
シエチル)−3−(4−ニトロフェニル)プロピルアミ
ノ]エチルアミノ}−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン
のシュウ酸塩(化合物2)の製造 上記2)項で得た化合物1の1.6gと無水酢酸0.8gを、
ピリジン5mlに溶解し、室温で24時間撹拌した後、更に6
0℃で1時間撹拌した。
得られた反応液を水に注ぎ、クロロホルムにより抽出
し、抽出液を水洗後、濃縮し、得られた残渣をシリカゲ
ルカラムクロマト精製(クロロホルム/メタノール=25
/1〜10/1、容量比)し、1,3−ジメチル−6−{2−
[N−(2−アセトキシエチル)−3−(4−ニトロフ
ェニル)プロピルアミン]エチルアミノ}−2,4(1H,3
H)−ピリミジンジオンの結晶1.65gを得た。
得られたこのピリミジンジオン誘導体の分析結果; 融点:90.5〜92.0℃ NMR(CDCl3),δppm:1.85(m,2H),2.15(s,3H),2.5
〜3.3(m,10H),3.26(s,3H),3.37(s,3H),4.3(t,2
H),4.78(s,1H),7.2〜8.2(m,4H). 次に、このピリミジンジオン誘導体の1.5gをシュウ酸
/メタノール溶液で常法に従って処理し、1,3−ジメチ
ル−6−{2−[N−(2−アセトキシエチル)−3−
(4−ニトロフェニル)プロピルアミノ]エチルアミ
ノ}−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン シュウ酸塩
(化合物2)の結晶1.6gを得た。
得られたこの化合物2の分析結果; 元素分析値C21H29N5O6・(COOH)・H2Oとして; 計算値(%):C 49.73,H 5.99,N 12,61 分析値(%):C 50.22,H 5.75,N 12.98 4)1,3−ジメチル−6−{2−[N−(2−ヒドロキ
シエチル)−3−(4−ニトロフェニル)プロピルアミ
ノ]エチルアミノ}−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン
・塩酸塩(化合物3)の製造 上記2)項で得た化合物1の2.6gをメタノール26mlに
加熱溶解し、内温40℃に保ち13%HCl/CH3OH(重量比)
2.7mlを滴下した。氷冷し一夜放置後、析出晶を濾取
し、得られた結晶を真空乾燥することにより、1,3−ジ
メチル−6−{2−[N−(2−ヒドロキシエチル)−
3−(4−ニトロフェニル)プロピルアミノ]エチルア
ミノ}−2,4(1H,3H)−ピリミジンジオン・塩酸塩(化
合物3)2.5gを得た。得られた化合物3の分析結果: mp.172〜174℃ IR(KBr)υmax(cm-1) 3230.1640.1605.1540.1340.1240. 5)上記2)項で得た化合物1を有効成分とする錠剤の
製造: 上記2)項で得た化合物1の1g、乳糖123gおよびトウ
モロコシデンプン20gをよく混合し、これをヒドロキシ
プロピルセルロース5gを水100mlに溶解した液で混合造
粒し、50℃で4時間乾燥した。これにステアリン酸マグ
ネシウム1gを加えてよく混合し、打錠機を用い1錠あた
り150mgの重量で打錠し錠剤を得た。
6)上記3)項で得た化合物2を有効成分とする錠剤の
製造: 上記3)項で得た化合物2の1g、乳糖123gおよびトウ
モロコシデンプン20gをよく混合し、これをヒドロキシ
プロピルセルロース5gを水100mlに溶解した液で混合造
粒し、50℃で4時間乾燥した。これにステアリン酸マグ
ネシウム1gを加えてよく混合し、打錠機を用い1錠あた
り150mgの重量で打錠し錠剤を得た。
7)薬理学的試験例 7−1)心筋活動電位接続時間(APD75)に対する作用 雑種成犬をペントバルビタール30mg/kg静脈内投与し
て麻酔後、心臓を摘出しタイロード液中で右室自由壁を
切り出した。
切り出した右室自由壁は37℃の恒温槽内に固定し、栄
養液(20ml、タイロード液)を潅粒させた。
この状態で、上記3)項及び4)項で得られた化合物
2、3及び対照薬としてのd−ソタロールの投与前と投
与後における心筋活動電位持続時間(APD75)を求め、
得られた結果から以下の式に従って、APD75(%)を算
出し、表1に示した。
なお、APD75は、右室自由壁に1ヘルツのフィールド
刺激を行い、活動電位の変化をそのプルキン繊維に刺入
したガラス微小電極(10〜20MΩ)から増幅器を介して
オシロブラウン管上に描記し、コンピュータを用いて波
形解析を行い、活動電位発生時から75%再分極時までの
時間を心筋活動電位持続時間として算定した。
表1に示した各化合物は、それぞれ個々に、潅流栄養
液(20ml)中に加えられ、20分間のインキュベーション
後の心筋活動電位持続時間の変化から投与後のAPD75
算出された。
なお本試験は、佐藤らの方法[H.Sato,K.Hashimoto,A
rzneimittel Forschung,34(1),3a,376〜380(198
4)]に準じて行なった。
7−2)心室筋不応期に対する作用 上記7−1)項で用いた各化合物をそれぞれ個々に静
脈内または十二指腸内に投与した場合の投与前と投与後
の不応期を、以下の方法に従って求め、得られた値から
下記式に従ってERP(%:不応期延長率)を算出した。
雑種成犬をペントバルビタール30mg/kg静脈内投与し
て麻酔後、右側開胸右心室に極間3mmの銀−塩化銀電極
を縫い付け、400msecの刺激間隔、4msecの持続時間、閾
値の2倍の電流で電気刺激を行う。その後、洞動脈より
アルコールを少量動注してペースメーカー活性を消滅さ
せ、心室ペーシング下に心室不応期(ERP)を測定し
た。
即ち、400msecの刺激間隔の刺激10回を1トレインと
し、トレインとトレインの間隔は通常400msecとしてお
くが、不応期測定時にはその間隔を10msecずつ短縮して
行き、トレインの最初の刺激の反応が消滅した時のトレ
インの間隔を不応期とした。
なお、これら電気刺激には心臓刺激装置(ダイヤメジ
ィカル社製 DHM−226−3)を用い、プログラム刺激に
より行った。
得られた結果を表1に示す。
8)毒性試験 上記3)項及び4)項で得られた化合物2、3を、そ
れぞれ個々にマウス(ddY系、雄)に投与した。投与
は、各化合物につき300mg/kg経口投与(p.o.)によって
行なった。
投与24時間後おけるマウスの死亡率(検体数:一群2
〜4)を求め、その結果を表2に示す。
[発明の効果] 本発明によれば、抗不整脈剤の有効成分として有用な
ピリミジンジオン誘導体の製造に好適に用い得る製造中
間体及びこれら中間体の製造方法を提供することができ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 神谷 譲二 千葉県茂原市東郷2141 (72)発明者 石井 正昭 千葉県茂原市東郷2142

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記式(I)で示されることを特徴とする
    N−(2−ヒドロキシエチル)−3−(4−ニトロフェ
    ニル)プロピルアミン。
  2. 【請求項2】下記式(II)で示されることを特徴とする
    N−(2−ヒドロキシエチル)−3−(4−ニトロフェ
    ニル)プロピオンアミド。
  3. 【請求項3】請求項2に記載のN−(2−ヒドロキシエ
    チル)−3−(4−ニトロフェニル)プロピオンアミド
    を還元する過程を含むことを特徴とする請求項1に記載
    のN−(2−ヒドロキシエチル)−3−(4−ニトロフ
    ェニル)プロピルアミンの製造方法。
  4. 【請求項4】4−ニトロフェニルプロピオン酸とエタノ
    ールアミンを縮合する過程を含むことを特徴とする請求
    項2に記載のN−(2−ヒドロキシエチル)−3−(4
    −ニトロフェニル)プロピオンアミドの製造方法。
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