JP2597668C - - Google Patents

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JP2597668C
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は難燃性、機械的性質、電気的性質、成形性および耐熱性に優れ、しか
もブリードアウトがなく使用時のガス発生量が少ない難燃性ポリエステル組成物
に関する。 〔従来の技術〕 ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレートなどに代表される 芳香族ポリエステルは、その優れた諸特性を利用して機械機構部品、電気部品、
自動車部品などに用途をひらきつつある。一方これらの工業用材料には一般の化
学的、物理的諸特性のバランス以外に火炎に対する安全性すなわち難燃性が強く
要求されている。また電子コネクターなどの分野においては難燃性を付与した際
にも良好な機械的性質を保有していると共に難燃剤がブリードアウトしない必要
がある。このような要求に対する難燃剤としては、臭素化ポリカーボネートオリ
ゴマや臭素化エポキシオリゴマなどが種々検討されてきた。 しかし、臭素化ポリカーボネートオリゴマは、炭酸エステルであるため、同様
にエステル結合を有する芳香族ポリエステルの間にエステル交換反応を起こし、
芳香族ポリエステルの機械的性質を低下させる、成形滞留安定性が不良となる、
あるいは成形品の熱処理時に白粉としてブリードアウトしやすいなどの問題があ
った。 また、臭素化エポキシオリゴマについては、成形滞留時に増粘して流動性が不
良になる、耐衝撃性が低い上、低重合度のものでは白粉は生成しないもののブリ
ードアウトが完全にはなくならないなどの問題があった。 このため特開昭58−118849号公報には平均重合度11以上の臭素化フ
ェノキシ樹脂の適用が開示され、さらに特開昭62−169847号公報には重
合度20以上の高重合度の臭素化フェノキシ樹脂と重合度10以下の低重合度の
臭素化エポキシ化合物の併用が開示されている。 〔発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、前記特開昭58−118849号公報記載の組成物において、
臭素化フェノキシ樹脂として平均重合度11以上20未満のものを使用した場合
、耐衝撃性および耐熱性において、未だ満足できるものではなく、平均重合度2
0以上のものを使用した場合には成形流動性が悪い、滞留安定性が低下するなど
の問題がある。 また、特開昭62−169847号公報に開示された技術によると、確かに耐
衝撃性などの機械的性質と成形滞留安定性、成形流動性および耐熱性などのバラ
ンスが比較的良好となるものの、低重合度の臭素化エポキシを併用することに起
因すると考えられる非白粉状のブリードアウト物の発生や実使用時におけるガス の発生量が多く、コネクタなどの接点を有する部品に対する適用は難しいという
問題があった。 〔課題を解決するための手段〕 そこで本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討した。結果、芳香族ポリ
エステルに対してアンチモン化合物と共に特定の重合度範囲、重量平均分子量及
び重合度分布を有するハロゲン化フェノキシ樹脂を特定割合含有せしめることに
より、難燃性、耐衝撃性などの機械的性質、耐トラッキング性などの電気的性質
、成形滞留安定性、成形流動性および耐熱性に優れ、しかもブリードアウトがな
く、使用時のガス発生量も少ないポリエステル組成物が得られることを見い出し
本発明に到達した。 すなわち本発明は、 (A)末端カルボキシル基濃度が50当量/106g以下である芳香族ポリエステ
ル100重量部に対して (B)下記一般式(I)で示される繰り返し単位を有するハロゲン化フェノキシ
樹脂1〜50重量部および (上記(I)式においてXは塩素原子または臭素原子を、YはC1〜10のアルキ
レン基、アルキリデン基、シクロアルカン基、カルボニル基、−O−、−S−ま
たは−SO2−を各々示す。) (C)アンチモン化合物0.1〜30重量部 を含有せしめてなる組成物であって、成分(B)のハロゲン化フェノキシ樹脂の 該ハロゲン化フェノキシ樹脂の数平均の分散粒子径が0.05〜2μmであり、
かつ組成物中のリン含有率がリン原子として0.2重量%以下であることを特徴
とする難燃性ポリエステル組成物を提供するものである。 本発明で用いる(A)芳香族ポリエステルとは芳香環を重合体の連鎖単位に有
するポリエステルで、芳香族ジカルボン酸(あるいはそのエステル形成性誘導体
)とジオール(あるいはそのエステル形成性誘導体)とを主成分とする縮合反応
により得られる重合体ないしは共重合体である。 ここでいう芳香族ジカルボン酸としてはテレフタル酸、イソフタル酸、オルト
フタル酸、1,5−ナフタレンジカルボン酸、2,5−ナフタレンジカルボン酸、
2,6−ナフタレンジカルボン酸、2,7−ナフタレンジカルボン酸、4,4′−
ビフェニルジカルボン酸、3,3′−ビフェニルジカルボン酸、2,2′−ビフェ
ニルジカルボン酸、4,4′−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4.,4′−ジ
フェニルメタンジカルボン酸、4,4′−ジフェニルスルホンジカルボン酸、4,
4′−ジフェニルイソプロピリデンジカルボン酸、1,2−ビス(フェノキシ)
エタン−4,4′−ジカルボン酸、2,5−アントラセンジカルボン酸、2,6−
アントラセンジカルボン酸、4,4′−p−ターフェニレンジカルボン酸、2,5
−ピリジンジカルボン酸などであり、テレフタルフタル酸が好ましく使用できる
。 これらの芳香族ジカルボン酸は二種以上を混合して使用してもよい。なお少量
であれば、これらの芳香族ジカルボン酸とともにアジピン酸、アゼライン酸、セ
バシン酸、ドデカンジオン酸などの脂肪族ジカルボン酸、シクロヘキサンジカル
ボン酸などの脂環族ジカルボン酸を一種以上混合使用することができる。 また、ジオール成分としては、エチレングリコール、プロピレングリコール、
ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、ネオペンチルグリコール、2−メ
チル−1,3−プロパンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコ
ールなどの脂肪族ジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シク
ロヘキサンジメタノールなどの脂肪族ジオールなど、およびそれらの混合物など
が好ましく挙げられる。なお、少量であれば、分子量400〜6,000の長鎖
ジオール、すなわちポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリ
テトラメチレングリコールなどを一種以上共重合せしめてもよい。 具体的な好ましい芳香族ポリエステルとしてはポリエチレンテレフタレート、
ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリヘキシレン
テレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレート、ポリ エチレン−1,2−ビス(フェノキシ)エタン4.,4′−ジカルボキシレート、
ポリ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートなどのほか、ポリエチ
レンイソフタレート/テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート/イソフタ
レート、ポリブチレンテレフタレート/デカンジカルボキシレート、ポリ−1,
4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレート/イソフタレートなどのような共
重合ポリエステルが挙げられる。これらのうち機械的性質、成形性などのバラン
スのとれたポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンテレフタレートおよびポ
リ−1,4−シクロヘキサンジメチレンテレフタレートが特に好ましく使用でき
る。 また、本発明で用いる芳香族ポリエステルの末端カルボキシル基濃度は50当
量/106g以下であるので、滞留安定性および耐熱性が向上する。特にハロゲン
化フェノキシ樹脂として末端基にグリシジル基を有するタイプの化合物を使用す
る場合、芳香族ポリエステルの末端基濃度が50当量/106g以下であることが
成形時の流動性の向上に有効である。 本発明において使用する芳香族ポリエステルは0.5%のo−クロルフェノー
ル溶液を25℃で測定した相対粘度が1.15〜2.0、とくに1.3〜1.85の
ものが好ましい。 本発明において使用する(B)ハロゲン化フェノキシ樹脂とは前記一般式(I
)で示されるものであり、例えば適当な触媒の存在下に、必要により溶媒を使用
してハロゲン化ビスフェノールグリシジルエーテルとハロゲン化ビスフェノール
を反応させる方法などにより製造される。 前記一般式(I)のハロゲン化フェノキシ樹脂の構成成分となるハロゲン化ビ
スフェノール化合物としては、2,2−ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシ
フェニル)プロパン、ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)メタ
ン、ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)フェニルメタン、1,1
−ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)エタン、ビス(3,5−ジ
ブロム−4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジブロム−4−ヒ
ドロキシフェニル)エーテル、ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニ
ル)ケトン、ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、 2,2−ビス(3,5−ジクロル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、ビス(3
,5−ジクロル−4−ヒドロキシフェニル)メタン、ビス(3,5−ジクロル−4
−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(3,5−ジクロル−4−ヒドロキシフ
ェニル)スルフィドなどが挙げられるが、なかでも通常テトラブロムビスフェノ
ールAと呼ばれる2,2−ビス(3,5−ジブロム−4−ヒドロキシフェニル)プ
ロパンの使用が最も好ましい。ハロゲン化ビスフェノールと共にハロゲン化され
ていない通常のビスフェノール化合物、例えば2,2−ビス(4−ヒドロキシフ
ェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)メタンなどを併用することができる。 本発明のハロゲン化フェノキシ樹脂としては、末端基が一般にグリシジル基お
よび/または水酸基のものが使用されるが、さらにこれらの末端基がカルボン酸
類、フェノール類、アミン類またはアルコール類などで封鎖されたものも使用で
きる。 6〜50、好ましくは8〜40、より好ましくは10〜25であり、重量平均重 燃剤がブリードアウトしたり、ガスの発生量が多くなるなどの問題を生じる傾向 性や機械物性が不良となるなどの問題を生じる傾向がある。 の比が4.0を越えた場合、成形時の流動性および電気特性が低下する傾向があ
るなどいずれも好ましくない。ここで重合度は、溶剤としてクロロホルムを用い
て、分子量既知のポリスチレンを標準として、GPC法によって求めたものであ
る。 このような樹脂は、テトラブロムビスフェノールAとエピクロルヒドリンを縮
合させて得られるテトラブロムビスフェノールAジグリシジルエーテルにテトラ
ブロムビスフェノールAをアミン系触媒の存在下で反応させて、特定範囲の数平
均重合度、重量平均重合度を有するハロゲン化フェノキシ樹脂を得ることができ
る。また数平均重合度と重量平均重合度の比を得るためには、従来公知の分子量
分布の制御方法が用いることができるが、重合反応によって得られた重合体を良
溶媒に溶解し、その溶液を重合体の貧溶媒に滴下することによって、低分子量体
を貧溶媒中に溶解させ、それ以外の重合体は固体として析出させ、析出物を使用
する方法が例示される。ここで良溶媒としてはテトラヒドロフラン、貧溶媒とし
てはメタノールが使用できる。 さらに該ハロゲン化フェノキシ樹脂のマトリックス樹脂中の分散粒子径(数平
均粒子径)は、0.05〜2μm、好ましくは0.10〜1μm、より好ましくは
0.15〜0.5μmの範囲にあることが望ましい。ここでいう分散粒子径とは、
得られた組成物を切削後、切削面を電子顕微鏡で観察して得られた数平均分散粒
子径を意味する。分散粒子径が0.05μm未満になった場合、成形時の流動性
および離型性の低下、電気特性の低下などを生じ、一方2μmを越えた場合には
機械物性、成形品の外観などが低下し、いずれも好ましくない。このような粒子
径の範囲は前記の芳香族ポリエステルの重合度および末端基量ならびにハロゲン
化フェノキシ樹脂の重合度および重合度分布を前記の範囲に適宜選択することに
よって達成される。 なお、本発明において使用する該ハロゲン化フェノキシ樹脂のリン含有量が0
.2重量%以下、より好ましくは0.1重量%以下の場合、ガス発生量が一層低減
し、末端グリシジル基のハロゲン化フェノキシ樹脂を用いた場合には、成形時の
流動性が特に良好となる特徴がある。 本発明におけるハロゲン化フェノキシ樹脂の添加量は、芳香族ポリエステル1
00重量部に対して1〜50重量部、好ましくは3〜40重量部、より好ましく
は5〜30重量部が望ましい。ハロゲン化フェノキシ樹脂の添加量が1重量部未
満の場合、難燃性の改良効果が十分でなく、一方50重量部を越えた場合には、
機械物性や成形性が著しく低下するため、いずれも好ましくない。 また、本発明組成物中のリン含有量はリン原子として0.2重量%以下であり
、好ましくは0.1重量%以下である。組成物中のリン含有量がリン原子として
0.2重量%を越えた場合、成形時に増粘し、流動性が不良となったり、ガスの
発生量が増加する傾向があり好ましくない。 本発明で用いる(C)アンチモン化合物としては、各種のものが使用できる。
具体的には三酸化アンチモン、五酸化アンチモンなどの酸化アンチモン、リン酸
ァンチモン、アンチモン酸ソーダ、KSb(OH)6、酒石酸アンチモニルカリウ
ム、Sb(OCH2CH33、Sb〔OCH(CH3)CH2CH33、トリフェニ
ルスチビンなどが挙げられ、酸化アンチモンが好ましく使用できる。 本発明におけるアンチモン化合物の添加量は芳香族ポリエステル100重量部
に対し0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部であり、0.1重量部未満
では難燃性改良効果が十分ではなく、30重量部を越えると芳香族ポリエステル
の機械的性質が損なわれる。さらに好ましくは添加した難燃剤中のハロゲン2〜
5原子に対しアンチモン化合物中のアンチモン原子1の割合で加えるのがよい。
同時に他の難燃補助剤である酸化ホウ素、酸化ジルコニウム、酸化鉄、硫酸バリ
ウムなどを併用してもよい。 なお、特に必須ではないが本発明組成物に対してさらに繊維状および/または
粒状の充填剤を添加した場合、他の特性を低下させずに剛性を大幅に向上させる
ことができる。このような充填剤としてはガラス繊維、炭素繊維、金属繊維、ア
ラミド繊維、セラミック繊維、アスベスト、チタン酸カリウイスカ、ワラステナ
イト、石コウ繊維、セピオライト、ガラスビーズ、ガラスフレーク、タルク、マ
イカ、クレー、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、酸化チタン、酸化アルミニウム
などが挙げられ、なかでもチョップドストランドタイプのガラス繊維が好ましく
使用できる。これらの添加量は通常芳香族ポリエステル100重量部に対して3
〜80重量部である。 さらに本発明組成物に対して、本発明の目的を損なわない範囲で、酸化防止剤
、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑剤、離型剤、染料および顔料を含む着色剤、核剤
などの通常の添加剤を1種以上添加することができる。また少量の他の熱可塑性
樹脂(例えばポリカーボネート、ポリフェニレンオキサイド、ポリアミド、ポリ
プ ロピレン、ポリエチレン、エチレン/プロピレン共重合体、エチレン/ブテン−
1共重合体、エチレン/プロピレン/非共役ジエン共重合体、エチレン/アクリ
ル酸エチル共重合体、エチレン/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/
酢酸ビニル/メタクリル酸グリシジル共重合体、エチレン/プロピレン−g−無
水マレイン酸共重合体など)を添加することもできる。 本発明の組成物の製造方法は特に限定されるものではないが、芳香族ポリエス
テル、特定のハロゲン化フェノキシ樹脂、アンチモン化合物および必要に応じて
その他の添加剤を押出機を使用して芳香族ポリエステルの融点以上で溶融混練す
る方法が挙げられる。 〔実施例〕 以下に実施例を挙げて本発明の効果をさらに詳述する。 実施例1〜6、比較例1〜8 相対粘度1.77で末端カルボキシル基量21当量/106gのポリブチレンテ
レフタレート100重量部に対して、三酸化アンチモン8重量部、下記のハロゲ
ン化フェノキシ樹脂(a)〜(e)の表2記載量をVブレンダーで混合後、ニー
ディングブロックを2組組み込んだスクリューアレンジの40mmφの2軸押出機
を用いて、250℃、回転数50rpmで溶融混練−ペレット化した。このペレッ
トを乾燥後、ASTM D−1238に従い、荷重2160g、シリンダー温度
260℃で加熱時間8分および30分のメルトフローレート(MFR)を求める
と共に250℃に設定した5オンスのスクリューインライン型射出成形機を使用
して金型温度80℃、成形サイクル(射出時間/冷却時間/中間時間)10秒/
10秒/10秒(成形サイクル(イ))で成形し、80mm×80mm×3mmの角板
、1/16″の引張衝撃試験用S型ダンベルおよび燃焼試験片(1/16″×1/
2″×5″)を各々得た。また、幅50mm、長さ80mm、深さ30mm、肉厚2mm
の箱状の成形品を金型から脱型させるのに必要な力を圧力センサーを使用して求
め、離型力とした。 さらに成形サイクル(射出時間/冷却時間/中間時間)を10秒/10秒/50
秒(成形サイクル(ロ))に変えたのみで、他の条件は同じにして上記と同様に
引張衝撃試験片を得、引張衝撃試験(ASTM D1822)を行った。 成形サイクル(イ)の試験片についてはUL94規格に従い垂直型燃焼試験を
、IEC Publication112、従ってIECトラッキング試験(CTI値測定)を
、ASTM D1822に従い引張衝撃試験を、またデュポン社の熱重量分析装
置を用いて窒素気流下、265℃、40分後の重量減少(加熱減量)測定を行っ
た。また、130℃オーブン中24時間処理後、反射赤外スペクトルを測定し、
ブリードアウトの有無をチェックすると共に、190℃のオーブン中で150時
間熱処理後、さらに引張衝撃試験を行った。また、成型サイクル(イ)のAST
M1号ダンベルについて厚さ70nmの超薄切片を作成し、透過型電子顕微鏡に
より切削面を撮影、2万倍に拡大した写真中で分散するハロゲン化フェノキシ樹
脂の粒子径を実測し、数平均分散粒子径を算出した。 これらの結果を表2にまとめて示す。 〔難燃剤(a)〜(i)〕 難燃剤(a)〜(i)は各々下記一般式の構造を有し、かつ表1の重合度およ
び重合分布、等を有する。ここで重合度は、溶剤としてクロロホルムを用いて、
分子量既知のポリスチレンを標準として、GPC法によって求めた。 ノキシ樹脂をアンチモン化合物と共に特定量、芳香族ポリエステルに併用添加し
、かつハロゲン化フェノキシ樹脂の粒径が0.05〜2μmの範囲になった場合
には、難燃性、機械的性質、電気的性質、成形性および耐熱性に優れるのみなら
ず、ブリードアウトがなく、実使用時のガス発生量が極めて少ない難燃性ポリエ
ステル組成物が得られることがわかる。 実施例7〜9、比較例9〜12 相対粘度1.45、末端カルボキシル基量37当量/106gのポリブチレンテ
レフタレート100重量部に対して、前記難燃剤(a)〜(g)の難燃剤の1種
18重量部、チョップドストランドタイプのガラス繊維(3mm長)50重量部お
よび三酸化アンチモン8重量部をタンブラーでドライブレンドし、実施例1と同
様にして溶融混合、射出成形(ただし成形温度は260℃)および特性評価を行
った。これらの結果を表3に示す。 表3の実施例から明らかなようにガラス繊維を配合したときにおいても本発明
の組成物は、難燃性、機械的性質、電気的性質、成形滞留安定性および耐熱性に
優れるのみならずブリードアウトがなく、実使用時ガス発生量が極めて少ない難
燃性ポリエステル組成物が得られることがわかる。 比較例13 原子吸光分析により実施例8中のリン原子濃度を測定したところ、0.15重
量%であることがわかった。これに対してリン含有量(重合時にリン酸トリメチ
ルとして添加)が0.55重量%のPBT(相対粘度1.44、末端カルボキシル
基量40当量/106g)を用いて実施例7と同様に押出配合、成形、物性評価を
行ったところ、MFRが滞留8分で21g/10分、30分で7g/10分と大幅な
増粘が認められ、加熱減量も0.24%と大きくなると共に、CTI値が230
Vへ、成形サイクル(イ)の引張衝撃強さ(未処理品)も110kg・cm/cm2へ低
下した。この組成物のリン含有量はリン原子として0.57重量%であり、組成
物中のリン濃度が高くなると本発明組成物の特性が損なわれることがわかる。 〔発明の効果〕 芳香族ポリエステルに対して、アンチモン化合物と共に、特定の数平均重合度
、重量平均重合度を有し、かつそれらが特定の比率であるハロゲン化フェノキシ
樹脂を特定の分散サイズに含有せしめてなる本発明の難燃性ポリエステル組成物
は成形性に優れるのみならず得られる成形品は良好な難燃性、機械的性質、電気
的性質が良好でかつ実使用時にガスの発生量が極めて少なく、ブリードアウトも
ない成形品が得られるため電気・電子機器部品、自動車部品などとして有用であ
る。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (A)末端カルボキシル基濃度が50当量/106g以下である芳香族ポリエステ
    ル100重量部に対して (B)下記一般式(I)で示される繰り返し単位を有するハロゲン化フェノキシ
    樹脂1〜50重量部および (上記(I)式においてXは塩素原子または臭素原子を、YはC1〜10のアルキ
    レン基、アルキリデン基、シクロアルカン基、カルボニル基、−O−、−S−ま
    たは−SO2−を各々示す。) (C)アンチモン化合物0.1〜30重量部を含有せしめてなる組成物であって
    数平均の分散粒子径が0.05〜2μmであり、かつ組成物中のリン含有率がリ
    ン原子とし0.2重量%以下であることを特徴とする難燃性ポリエステル組成物

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