JP2597321Y2 - スポーツシューズ - Google Patents

スポーツシューズ

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JP2597321Y2
JP2597321Y2 JP1993044893U JP4489393U JP2597321Y2 JP 2597321 Y2 JP2597321 Y2 JP 2597321Y2 JP 1993044893 U JP1993044893 U JP 1993044893U JP 4489393 U JP4489393 U JP 4489393U JP 2597321 Y2 JP2597321 Y2 JP 2597321Y2
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徹 和泉
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  • Footwear And Its Accessory, Manufacturing Method And Apparatuses (AREA)

Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、ソール面部の優れた
衝撃緩和特性を維持しながら、安定性と運動特性にも改
良を施したスポーツシューズに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、スポーツシューズにおいては運動
時の衝撃を緩和する目的で、例えばシューズ本体の靴底
基板(ソール面部)を形成するミッドソールのヒール部
に空洞部を設け、この空洞部に、例えば気体を封入した
袋体や、空洞部形状と同一の形状のゲル状物質などを充
填し、これら気体やゲル状物質の材料特性(圧縮特性)
を利用することにより、着地時などの衝撃を吸収し、足
首や膝の関節部などへの負担を軽減させるようにしてな
る構成を有するものがある。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ように衝撃を単に緩和すると云った従来構造のスポーツ
シューズの場合には、衝撃緩和特性を高めると、バスケ
ットボール、バレーボール、サッカーと云った動きの激
しいスポーツにおいて、急停止したり、方向転換する時
などでは、靴底に掛かる大きな力によって図7のように
ミッドソール4が衝撃吸収部材10と共に圧縮変形し、
これにより靴底の前後あるいは左右の厚さが変わってし
まう。すなわち、運動中に靴底の平面性が損なわれて不
安定となることから、足首などを痛め易いと云った問題
点があった。
【0004】また、サイドステップやダッシュする時な
どに強い力で地面を蹴っても、ミッドソールの衝撃吸収
部材が変形するなどしてこの力が吸収されてしまい、靴
底を介してこの脚力を地面に伝えることができなくな
り、運動能力の十分な発揮が期待出来なくなると云った
欠点もあった。
【0005】さらに、ゴルフ靴においても履き心地を良
くしようとして衝撃緩和特性を高めると、スイング時の
体重移動によりミッドソールの衝撃吸収部材が圧縮変形
し、これにより踏ん張りが利かなくなってショットが振
れる原因となっていた。
【0006】一方、優れた安定性を得ようとすると、ミ
ッドソールの変形可能範囲を結局は狭めることになり、
このような構成ではミッドソールが本来具備すべき衝撃
緩和特性が犠牲になると云った欠点があった。
【0007】
【考案の目的】この考案の目的は、優れた衝撃緩和特性
を維持しながら、安定性と運動特性の向上を図ることが
できるようにしたスポーツシューズを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】この考案は、上記のよう
なソール面部を形成するインナーソールとアウトソール
との間にミッドソールを介層したスポーツシューズにお
いて、
【0009】前記ミッドソールに空洞部を設け、この空
洞部にジメチルポリシロキサンと硼酸化物の反応物にシ
リカを配合してなるシリコーンバウンシングパテを充填
した第1の構成と、
【0010】シリコーンバウンシングパテが充填された
前記第1の構成の空洞部が、シューズのインサイドライ
ン、アウトサイドラインそれぞれに近接して複数個設け
られた第2の構成と、
【0011】シリコーンバウンシングパテが充填された
前記第1の構成の空洞部が、シューズのインサイドライ
ン、アウトサイドラインそれぞれに近接して、ミッドソ
ールのヒール部およびトウスペース部それぞれに複数個
設けられた第3の構成と、
【0012】をそれぞれに備えたスポーツシューズを提
供することにより、上記従来技術の課題を解決し得るよ
うにしたものである。
【0013】
【作用】ミッドソールの空洞部に充填されたシリコーン
バウンシングパテは、ジメチルポリシロキサンと硼酸化
物の反応物にフィラーとしてシリカを配合したものであ
り、作用する力が小さいときには液体に似た挙動を示
し、作用する力が大きいときには反発係数の大きい剛体
に似た挙動を示す特異な性質を備えているため、通常の
歩行時には、踏み付ける足の力が靴底全体に分散して受
け止められ、
【0014】ストップアンドダッシュなどの激しい動作
時には、剛体のように作用するミッドソール空洞部のシ
リコーンバウンシングパテの存在によって、踏ん張りが
利いて安定性が高まると共に、足から加えた強い力がそ
のまま失われることなく地面などに伝達されるため優れ
た運動特性が発揮される。
【0015】特に、シリコーンバウンシングパテが充填
されている空洞部が、シューズのインサイドライン、ア
ウトサイドラインそれぞれに近接して複数個設けられた
ものにおいては、ヒール部の中央部などでは衝撃緩和層
としてのミッドソールの機能がそのまま発揮されるた
め、ストップアンドダッシの時など、激しく動き回ると
きに受ける衝撃を緩和する作用効果と、優れた安定性
と、脚力の地面などへの良好な伝達特性とが同時に満足
される。
【0016】
【実施例】以下、この考案の実施例を図面に基づいて詳
細に説明すると、図1〜図4はこの本考案に係るスポー
ツシューズの第1の実施例であり、図中1はシューズ本
体である。
【0017】このシューズ本体1の靴底基板を形成する
ソール面部Sは、図1に示したように、アウトソール2
とインナーソール3、およびこれらアウトソール2とイ
ンナーソール3との間に介層され、衝撃緩和層として機
能する、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)、圧
縮成形EVA、発泡性ウレタン、発泡ゴムなどからな
る、例えば発泡体のミッドソール4とから構成され、こ
のミッドソール4のヒール部Hには、図2に示したよう
に、インサイドラインI、アウトサイドラインOそれぞ
れに近接して、シリコーンバウンシングパテ5が充填さ
れた二つの空洞部6が互いに独立して形成されている。
【0018】空洞部6に充填されたシリコーンバウンシ
ングパテ5は、ジメチルポリシロキサンと硼酸化物の反
応物にフィラーとしてシリカを配合したものであり、作
用する力が小さいときには液体に似た挙動を示し、作用
する力が大きいときには反発係数の大きい剛体に似た挙
動を示す特異な性質を備えている。
【0019】上記特性を有するシリコーンバウンシング
パテ5をミッドソール4の空洞部6に充填するには、例
えば図3に示したように、ミッドソール4の上面、すな
わちインナーソール3に臨む側に開口部61を有するよ
うに空洞部6を形成し、この空洞部6にシリコーンバウ
ンシングパテ5を充填したのち、インナーソール3とミ
ッドソール4とを貼り合わせれば良い。
【0020】なお、インナーソール3とミッドソール4
とを貼り合わせる前に、ミッドソール4と同質または異
質の蓋部材(図示せず)により、前記開口部61を予め
密封しておくこともできる。また、ミッドソール4の下
面、すなわちアウトソール2に臨む側に空洞部6の開口
部を形成し、空洞部6にシリコーンバウンシングパテ5
を充填したのちこの開口部を、アウトソール2とインナ
ーソール3とを貼り合わせたり、適宜の蓋部材によって
密封する構成とすることも可能である。
【0021】また、シリコーンバウンシングパテ5は、
予め高分子フィルムなどの袋体に充填しておき、この状
態でミッドソール4の空洞部6に挿入することもでき
る。
【0022】ところで、7はミッドソール4のヒール部
H中央部に前記二つの空洞部6とは異なる、独立して設
けた他の空洞部であり、この空洞部7には、気体を封入
した袋体、ゲル状物質、繊維状弾性体物質などから適宜
選択された衝撃吸収部材10が充填され、ミッドソール
4の衝撃緩和材としての機能を一段と高める構成となっ
ている。
【0023】したがって、本考案になる上記構成のスポ
ーツシューズにおいては、大きな負荷が靴底に掛からな
い通常の歩行動作などでは、踏み付ける足の力がミッド
ソール4自体の弾力と、空洞部7に充填している衝撃吸
収部材10の作用効果と、空洞部6に充填しているシリ
コーンバウンシングパテ5の液体に似た作用効果とによ
って、靴底全体で柔らかく受け止められる。
【0024】一方、強い負荷が掛かるストップアンドダ
ッシュ時などの激しい動作時には、ミッドソール4の左
右の空洞部6に充填しているシリコーンバウンシングパ
テ5が反発係数の大きい剛体のように作用するため、図
4に示したように例え横方向に強い負荷が掛かっても靴
底の左右の厚さに変化を生じることがない。このため、
踏ん張りが利いて安定性が高まるだけでなく、足から加
えた強い力によって地面などをそのまま蹴ることも可能
であるから、優れた運動特性が発揮される。
【0025】しかも、ミッドソール4のヒール部H中央
部には衝撃吸収部材10を充填した空洞部7が設けられ
ているので、衝撃緩和材としてのミッドソール4の機能
も十分に発揮されることから、ストップアンドダッシの
時など、激しく動き回るときに受ける衝撃を緩和する作
用効果と、優れた安定性と、脚力の地面などへの良好な
伝達特性とが同時に満足される。
【0026】図5は、この本考案に係るスポーツシュー
ズの第2の実施例を示すもので、この実施例において
は、ミッドソール4の指先側と土踏まずとの間、すなわ
ちトウスペース部Tにも、ヒール部Hに設けた空洞部6
と同様の空洞部8が、この場合もインサイドラインI、
アウトサイドラインOそれぞれに近接して、図のように
独立して2個形成され、これらの空洞部8にも前記特性
を有するシリコーンバウンシングパテ5が充填されて、
ヒール部Hだけでなくトウスペース部Tにおいても、安
定性とロスのない脚力の伝達性向上とを図っている。
【0027】図6は、この本考案に係るスポーツシュー
ズの第3の実施例を示すもので、この実施例において
は、ミッドソール4のトウスペース部T全体に、空洞部
9が形成され、この部分にシリコーンバウンシングパテ
5が充填され、トウスペース部Tにおいて集中して力を
加えることを可能にしている。
【0028】
【考案の効果】以上の説明から明らかなように、この考
案のスポーツシューズは、シューズ本体のソール面部を
形成するミッドソールに設けた空洞部に、シリコーンバ
ウンシングパテを充填しているので、
【0029】通常の歩行時には、踏み付ける力が靴底全
体に分散して柔らかく受け止められるが、強い負荷が掛
かるストップアンドダッシュ時などの激しい動作時に
は、ミッドソールの空洞部に充填しているシリコーンバ
ウンシングパテが反発係数の大きい剛体のように作用す
るため、何れの方向に強い負荷が掛かっても靴底の厚さ
に変化を生じることがない。このため、踏ん張りが利い
て安定性が高まるだけでなく、足から加えた強い力によ
って地面などをそのまま蹴ることも可能であるから、優
れた運動特性が発揮される。
【0030】特に、シリコーンバウンシングパテが充填
されている空洞部が、ミッドソールのインサイドライン
およびアウトサイドラインそれぞれに近接して設けられ
たものにおいては、ヒール部の中央部などでは衝撃緩和
層としてのミッドソールの機能がそのまま発揮されるた
め、ストップアンドダッシの時など、激しく動き回ると
きに受ける衝撃を緩和する作用効果と、優れた安定性
と、脚力の地面などへの良好な伝達特性とが同時に満足
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例を示す要部切欠き状態の側面
図。
【図2】 第1の実施例に用いたミッドソールの説明
図。
【図3】 シリコーンバウンシングパテの充填要領を示
す説明図。
【図4】 第1の実施例における靴底の機能を示す説明
図。
【図5】 第2の実施例を示す説明面図。
【図6】 第3の実施例を示す説明面図。
【図7】 従来技術の説明図。
【符号の説明】
1…シューズ本体、2…アウトソール、3…インナーソ
ール、4…ミッドソール、5…シリコーンバウンシング
パテ、6・7・8・9…空洞部、10…衝撃吸収部材、
I…インサイドライン、H…ヒール部、O…アウトサイ
ドライン、S…ソール面部、T…トウスペース部。

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シューズ本体のソール面部を形成するイ
    ンナーソールとアウトソールとの間にミッドソールを介
    層したスポーツシューズにおいて、 前記ミッドソールに空洞部を設け、この空洞部にジメチ
    ルポリシロキサンと硼酸化物の反応物にシリカを配合し
    てなるシリコーンバウンシングパテを充填したことを特
    徴とするスポーツシューズ。
  2. 【請求項2】 シューズ本体のソール面部を形成するイ
    ンナーソールとアウトソールとの間にミッドソールを介
    層したスポーツシューズにおいて、 前記ミッドソールのヒール部に、シューズのインサイド
    ラインに近接した空洞部と、アウトサイドラインに近接
    した空洞部とを設け、これらの空洞部にジメチルポリシ
    ロキサンと硼酸化物の反応物にシリカを配合してなるシ
    リコーンバウンシングパテを充填したことを特徴とする
    スポーツシューズ。
  3. 【請求項3】 シューズ本体のソール面部を形成するイ
    ンナーソールとアウトソールとの間にミッドソールを介
    層したスポーツシューズにおいて、 前記ミッドソールのヒール部およびトウスペース部それ
    ぞれに、シューズのインサイドラインに近接した空洞部
    と、アウトサイドラインに近接した空洞部とを設け、こ
    れらの空洞部にジメチルポリシロキサンと硼酸化物の反
    応物にシリカを配合してなるシリコーンバウンシングパ
    テを充填したことを特徴とするスポーツシューズ。
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US8209885B2 (en) 2009-05-11 2012-07-03 Brooks Sports, Inc. Shoe assembly with non-linear viscous liquid

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