JP2545686Y2 - 靴 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この考案は、ランニング、バスケ
ット、テニス、サッカー等の運動靴、紳士靴、婦人靴に
摘用される靴であって、歩行、走行時の安定性と着用感
に優れた靴を提供しようとするものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、運動靴に歩行、走行時にクッショ
ン性を付与するという観点から、布帛からなる上張り施
したゴム弾性発泡体で構成した中敷を靴内に挿入したも
のは、一般に周知である。

【０００３】歩行、走行する場合足裏に付加される体重
負荷は、踵部後方の外側部の着地に始まり、踵部、不踏
部外側辺、第５指のボール部、第１指のボール部の接地
を経て、第１指部、第２〜５指部の蹴り動作に対応して
順次移動されるものであるが、中敷のクッション性に基
因して足が不安定、即ち着地動作から接地動作にかけて
地面から受けた衝撃圧によって中敷を構成する弾性発泡
体が部分的に圧縮され、その後の急速な弾性回復力によ
って靴内の足、特に踵部が過度に内回転したり踏付部が
過度に外回転したりして、歩行、走行安定性という点が
問題が指摘されていた。またこれらの中敷は、吸湿性に
乏しく長時間にわたる着用において、発汗によって靴内
がむれ微生物が繁殖によって発酵腐敗がひき起され、不
快な臭いを発する原因ともなっていた。

【０００４】

【考案の解決しようとする課題】この考案はこれらの欠
点を除去し、歩行、走行時の安定性と着用感に優れた靴
を提供しようとするものである。

【０００５】

【課題を解決するための手段】以下実施図面によって説
明すれば、この考案は、通気性のカップインソール１
と、粗布２１と低反発弾性の発泡体で構成された衝撃吸
収材２２と繊維圧縮ボード２３との積層体よりなる中底
２との間にコルクボード３を介在させたことを特徴とす
る靴を考案の要旨とするものである。

【０００６】この考案においてカップインソール１は、
ＰＶＣ、ポリエチレン、ＥＶＡ等の発泡体と布等を貼り
合わせたものを加熱軟化させ、これをプレスして足型状
に裁断形成したもので形成され、適宜個所に通気孔１
１．１１…を形成したもので構成されている。

【０００７】この考案において中底２は、寒冷紗のよう
な薄い粗布２１とレザボート、パルプボード、不織布ボ
ード、繊維圧縮ボード２３の間にゴム、ＥＶＡ等の弾性
材料に通常以上の粘着剤を添加して発泡架橋させたも
の、または不完全架橋のウレタン発泡体のような低反発
弾性の発泡体で構成された衝撃吸収材２２を介在させた
ものを積層して構成されている。

【０００８】この考案においてコルクボード３は、粉末
コルクをゴム系または合成樹脂系の接着剤で固めたボー
ドで形成されている。コルクボードは中底形状に形成さ
れ、踵部から爪先部にかけて全体的に介在されていても
よいし、前底、踵底等の部分底形状に形成され、踏付部
から爪先部にかけて部分的に介在されていてもよいし、
踵部において部分的に介在されていてもよい。

【０００９】

【考案の作用効果】この考案は以上のように構成されて
いるので、歩行、走行の際地面から負荷される衝撃圧
は、アウトソールを通して中底２の繊維圧縮ボード２３
に伝えられ、この繊維圧縮ボード２３を介して上面が粗
布で拘束された低反発弾性の発泡体で構成された衝撃吸
収材２２に全体的に分散され自己吸収される。従って従
来のようにクッション性を付与するという観点で構成さ
れたゴム弾性発泡体からなる中敷のように過度に圧縮さ
れたり、その後の急速な弾性回復に基因して靴内の足が
過度に内回転したり、過度に外回転したりして歩行、走
行が不安定となることなく、歩行、走行が安定である。
また着用において足から発汗された汗はカップインソー
ル１の通気孔を通してコルクボード３で吸湿されるの
で、靴内がむれて不快な臭いを発することなく、しかも
コルクボード３が適度の弾性を有するため着用感が良好
である。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案の靴の一部切欠見取図である。

【符号の説明】

１．カップインソール １１…通気孔 ２．中底 ２１…粗布 ２２…衝撃吸収材 ２３…繊維圧縮
ボード ３．コルクボード

Claims (1)

(57)【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】通気性のカップインソール１と、粗布２１
   と低反発弾性の発泡体で構成された衝撃吸収材２２と繊
   維圧縮ボード２３との積層体よりなる中底２との間にコ
   ルクボード３を介在させたことを特徴とする靴。