JP2596590B2 - 薄膜磁気ヘツドおよびその製造方法 - Google Patents

薄膜磁気ヘツドおよびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、VTR等の磁気記録再生装置に使用する薄膜
磁気ヘツドおよびその製造方法に係り、特に高信頼性の
記録再生特性を得ることのできる薄膜磁気ヘツドおよび
その製造方法に関する。
〔従来の技術〕
従来の薄膜磁気ヘツドは、磁気コアとなる磁性層の厚
さが5μm以下であり、記録能力の低下を防ぐ意味か
ら、そのギヤツプ深さは3μm以下の値としている。こ
の様な従来の薄膜磁気ヘツドは、ハードデイスク等のフ
ローテイング方式(記録媒体と磁気ヘツドとの間にスペ
ースを保つ方式)で使用する場合には問題ないが、VTR
等の様に記録媒体と磁気ヘツドが接触するコンタクト方
式で使用する場合には、ギヤツプ深さが小さいために摩
耗寿命が短いという問題がある。
この問題を解決するためには、上記ギヤツプ深さを大
きくすることが必要である。その方法として、特開昭55
−87323号公報に記載の様に、磁束の絞り効率を高める
ために、巻線の領域で磁気コアの幅を広げる試みがなさ
れているが、面内絞り(コアの上面、即ち、上下コアの
対向面から見た形状の絞り)が考慮されただけで、ギヤ
ツプ深さを決めるギヤツプ近傍の磁気コア形状として立
体的な突条を設けることにより充分な磁束の絞りを得る
ことについては考慮されておらず、大きなギヤツプ深さ
を実現するに至つていない。
また、電子通信学会技術研究報告MR84−12(1984),
第55頁から第60頁において論じられている様に、単純に
磁気コアの厚さを大きくする方法がある。この場合に
は、例えばギヤツプ深さ15μm以上を得るのに、コア厚
を20μm以上にすればよい。しかし、このような厚い磁
性膜を高精度にパターニングし、トラツク幅を制御する
ことは非常に難しい。特に高密度記録に対応するための
狭トラツク幅になればなる程、困難になる。
さらに、もう一つの方法として、特開昭60−50711号
公報に記載のように、厚い磁性体層の一部についてのみ
パターニングを行ない、高精度にトラツク幅を制御する
方法が提案されている。
この方法によれば、突起を形成することによつて、上
部磁気コアと下部磁気コアの間隔を大きくできるため、
この部分での漏洩磁束を低減でき、ヘツド性能向上の効
果もある。
しかしながら、この場合、高精度にトラツク幅を制御
するために、トラツク幅相当の寸法に垂直にパターニン
グするとコアの飽和を生じやすく、また、テーパー加工
すると、トラツク幅精度が出ないという問題がある。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術では、磁気コアの先端部のギヤツプ近傍
に、摩耗寿命が長く高精度でトラツク幅を規制して磁束
の絞りを与えるための突起を設けることについて配慮さ
れていない。又、特開昭60−50711号公報のように、一
部この種の突起を設けることが配慮されたものはある
が、トラツク幅を規制する突起の左右両側壁面および突
起の最後部(ギヤツプ深さ零位の位置)に続く後壁面の
いずれもが、垂直に切り立つており、それによつて生じ
る磁気コアの磁気飽和の問題については、全く考慮され
ていない。つまり、この従来技術では、上記の突起左右
両側壁面と後壁面とが同一のエツチング工程によりパタ
ーニングされて作られるので、両側(壁)面と後(壁)
面の垂直度とエツチング深さはほぼ同じになる。高精度
のトラツク幅精度を得るためには、所要のエツチング深
さに亘つて、側壁面の垂直度を高くしなければならな
い。ところが、後壁面については、垂直度が上る程(90
゜に近くなればなるほど)、また、エツチング深さが深
くなる程、磁気飽和が生じ易くなることがわかつた。こ
れは、突起に続く後壁面の設けられる位置が前後方向で
頚部に相当するため、これにこの垂直度の高いエツチン
グが加わると、コア断面積が極く小さくなることに起因
すると考えられる。
従つて、本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解
消し、高精度のトラツク幅精度が得られ、かつまたコア
飽和現象を緩和し最小限に抑えることができる薄膜磁気
ヘツドおよびその製造方法を提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本発明の薄膜磁気ヘツド
は、下部コア先端部に上面がギヤツプ面をなし、横幅が
トラツク幅に等しい突起を設ける。突起の両側壁面はギ
ヤツプ面から少くともある深さまでほぼ垂直になつてい
る。突起はまた、後縁(ギヤツプ深さ零位の位置)に続
く後壁面を有し、前記両側壁面のギヤツプ面までの高さ
は、前記後壁面のギヤツプ面までの高さに比べて高く
(即ち、後壁面は側壁面よりも浅く)する。あるいはま
た、後壁面は緩やかなテーパー形状とする。
上記のトラツク幅を規制する突起の両側壁面とギヤツ
プ深さ零位を規制する後壁面は、エツチングによるパタ
ーニングによつて形成される。両側壁面のエツチング
と、後壁面のエツチングは、上記のように条件が異なる
ため2度に分けて行なわれる。その場合、最初に垂直の
両側壁面をエツチングで作る垂直パターニングを行なつ
て、トラツク幅に等しい一定幅部分を形成し、次に、こ
の一定幅部分の最後部端に後壁面が位置するように、該
後壁面のエツチングによるパターニングを位置合せして
行なうと、一定幅部最後部端とギヤツプ深さ零位置との
ずれがなくなる。
好適な発明において、前記両側壁面を形成する垂直パ
ターニングを行なつた後、コイルを形成する前に、垂直
な両側壁面に対し絶縁材を埋込み平坦化することによ
り、コアの摺動面などに導体コイル材のエツチング残り
が生じないようにする。
〔作 用〕
上記構成に基づく作用を説明する。
フロント部(先端部)の突起側面は、トラツク幅相当
にほぼ垂直もしくは一定深さまでほぼ垂直にパターニン
グするためトラツク幅を高精度に制御することができ
る。
また、ギヤツプ終端部(後壁面)のエツチング深さ
を、ギヤツプ形成部(両側面)よりも浅くするか、もし
くはギヤツプ終端部(後壁面)をゆるやかなテーパー形
状にパターニングするため、コア堆積を大きくすること
ができ、磁気飽和現象を緩和することができる。特に、
磁気飽和に重大な影響を与える頚部(ギヤツプ深さ零位
の位置からすぐ後に続く場所)の断面積を大きくして、
磁気飽和の発生を防止することができる。
また、本発明による薄膜磁気ヘツドの製造方法では、
突起の両側壁面のエツチング工程と、後壁面のエツチン
グ工程を2度に分けて行なうことにより、両側壁面は所
要深さの垂直エツチングとし、後壁面はこれと深さが異
なるか(浅いエツチングとするか)または、テーパー面
となるエツチングを行なうことができる。
〔実施例〕
以下、本発明の実施例を図面を用いて説明する。
第1〜第2図に本発明による薄膜磁気ヘツドの第1実
施例を示す。
第1図はヘツド摺動面の正面図、第2図は下部コアの
形状を示す斜視図である。1は基板、2は下部コア、2a
はヘツドギヤツプ形成部、2bは上・下部コアのリアコア
接続部、3は非磁性絶縁材、4はギヤツプ材、5は上部
コアである。なお第1,2図では図示してないが、後述の
第5図における保護膜6,保護板7、およびコイル導体8
と同様な保護膜,保護板、およびコイル導体を有してい
る。
第1図において、下部コア2の摺動面形状は、下部コ
ア層に対し、トラツク幅相当の寸法Twで、ほぼ垂直な、
もしくは一定深さ(第1図で上下方向の深さ)までほぼ
垂直になる様なパターニングを行なうことにより得られ
る。
下部コア形状は、第2図に示す様に、ギヤツプ形成部
2aおよびリアのコア接続部2bに突起を形成したものとな
つている。
ギヤツプ形成部2aにおいて、トラツク幅Twを規定する
ため、所定のギヤツプ深さd1(前後方向における深さ)
の範囲に亘つて、左右に深さt1の壁面2a2,2a2および肩
部2a3,2a3がエツチングにより形成される。壁面2a2,2a2
は、深さt1の全体に、もしくは上から一定の深さまで
(t1の途中まで)、ほぼ垂直な形状に作られる。なお、
図で、肩部2a3,2a3がやや傾斜しているのは、エツチン
グのため自然にできたものである。
次に、リアコア接続部2bを作成するため、ギヤツプ深
さ零位の線2c(d1とd2の境界線)よりも後方部分d2に対
してエツチングを行なう。このときのエツチング量(深
さ)t2は、本実施例の特徴として、 t1>t2 とされる。また、このとき形成される前部突起部(ギヤ
ツプ形成部)2aの後壁面2a4は、深さt2の全体または途
中まで、ほぼ垂直な形状とされる。同様に、ほぼ方形状
の後部突起部(リアコア接続部)2bの周囲の4つの壁面
2b2,2b4は、ほぼ垂直な形状とされる。肩部2b3も肩部2a
3と同様な形状である。なお、図中2a1はギヤツプ形成面
(上下コア対向面)、2b1は、リアコア接続面である。
次に第2図に示した第1実施例の下部コア形状の製造
方法を説明する。
第3図は、前記第1実施例の下部コア形状の製造方法
の工程図である。
以下(a)〜(e)の順に説明する。同図左例は摺動
面の正面図、右例は磁路長方向の断面図で示している。
(a) 基板1に下部コアを埋め込むための溝あるいは
下部コア形状の穴1aをイオンミリングやダイジングソー
等により形成する。この加工では、テーパー角(第3図
中、穴1aの左右の側壁の傾斜度。この例では、所定の角
度範囲内で徐々に変化していく。)を磁性膜の磁気特性
に悪影響を及ぼさない角度に設定する。
(b) 下部コア用磁性膜2をスパツタリング等で形成
する。
(c) 上面を研磨して平坦化し、下部コア2を形成す
る。
(d) 下部コア2において、ギヤツプ形成部に、トラ
ツク幅相当の寸法にほぼ垂直もしくは一定深さまでほぼ
垂直な形状となる様に深さt1だけエツチングする。この
時のエツチングはイオンミリングを使い、適当なビーム
入射角でエツチングする。
(e) ギヤツプ形成部2aのギヤツプ深さ零位の位置
(線2c)よりも後方の部分d2とリアコア接続部となる部
分2bを、深さt2だけエツチングする。ここで、(d)と
(e)における各エツチングの深さt1とt2は、t1>t2
関係とする。
第2図および第3図では、ギヤツプ深さ形成部2aおよ
びリアコア接続部の側面部を、ほぼ垂直な壁面部2a2,2a
4,2b2,2b4と、それよりもゆるい部分(肩部2a3,2b3)の
2段で示しているが、本実施例の場合は、このゆるい部
分は必ずしも必要でなく、所要の深さt1,t2全体を略垂
直な1段の側面形状となるように(肩部2a3,2b3が水平
となるように)エツチングしてもよい。その理由は、本
実施例の場合、t1>t2として、t2を浅くしたことによ
り、コアの飽和に最も影響のあるコア頚部(ギヤツプ深
さ零の位置2cのすぐ後方部分)の断面積を十分に大きく
することができるからである。
また(e)の工程のエツチングにより、突起部2aの後
壁2a4できまるギヤツプ深さ零位の位置2cが決定する
が、この時、ギヤツプ深さ零位置と、その前の(d)の
工程で定まる下部コアの先端部(一定幅Twの部分)の終
点の位置とが一致することが望ましい。
以上の様にして、トラツク幅を規制する下部コア先端
部(ギヤツプ形成部)の突起2aの高さt1の方が、リアコ
ア接続部の突起2bの高さt2よりも高い形状を持つ下部コ
ア形状を形成することができる。但し、上記の製法から
明らかなように、突起2aと2bの上面2a1と2b1の絶対的な
高さは等しくなつている。
本実施例によれば、突起2aの高さt1をリアコア接続部
の突起2bの高さt2よりも高くしたので、t2の大きな一定
幅Twの先端部分により所要の狭幅のトラツク幅を正確に
与えることができると共に、比較的浅いt2の部分により
断面積を大きくして磁気飽和を防止することができる。
次に本発明の第2の実施例を第4図〜第7図により説
明する。
第4図は、ヘツド摺動面の正面図、第5図は磁路長方
向のヘツド断面図、第6図は下部コア形状の斜視図であ
る。
第4図〜第6図において、1は基板、2は下部コア、
2aは下部コア2に設けたギヤツプ形成部(前部突起
部)、2bは下部コア2のリアコア接続部(後部突起
部)、2cは下部コア2のギヤツプ深さ零の線(ギヤツプ
形成部2aの部分d1とそれより後方部分d2との境界線)、
3は非磁性絶縁材、4はギヤツプ材、5は上部コア、6
は保護膜、7は保護板、8は導体コイルである。ギヤツ
プ形成部2aは、ギヤツプ材4と介して上部コア5と対向
する上面2a1と、所定のギヤツプ深さd1の部分で一定幅
のトラツク幅Twを規定するため、左右側部に形成された
側壁面2a2,2a2と、肩部2a3,2a3と、ギヤツプ深さ零の点
2cから後方に向けて傾斜する後壁面2a4とを有してい
る。リアコア接続部2bは、方形状をなしており、上面2b
と、左右および前後の傾斜した壁面2b2および2b4とを有
している。
第4図でも、下部コア2の摺動面の形状は第1図とほ
ぼ同じで、側壁面2a2は、所要の深さ全体に亘りほぼ垂
直に、もしくは一定の深さまでほぼ垂直に、パターニン
グにより形成される。
本実施例でも、ギヤツプ形成部2aのトラツク幅規定部
分d1での左右側壁2a2,2a2は、第1実施例と同様に所定
の深さ全体に亘つてほぼ垂直に、もしくはその一部の深
さまでほぼ垂直な形状をもつているが、本実施例の特徴
として、d2以降での壁面、即ち、ギヤツプ深さ零の位置
2cに続く突起部2aの後壁面2a4、突起部(リアコア接続
部)2bの4つの壁面2b2,2b4は、いずれもテーパー面
(傾斜面)となつており、この点で第1実施例と異つて
いる。本実施例では、これら壁面2a4,2b2,2b4のテーパ
ー角(水平面となす角)αはいずれも等しくされてい
る。
次に、第4図〜第6図に示した下部コア形状の製造方
法を説明する。
第7図は、前記第2の実施例の下部コア形状の製造方
法の説明図である。
以下、(a)〜(c)の順に説明する。
(a) 基板に下部コアを埋め込むための溝あるいは下
部コア形状の穴をイオンミリングやダイジングソー等に
より形成する。この加工では、テーパー角を磁性膜の磁
気特性に悪影響を及ぼさない角度に設定する。下部コア
用磁性膜をスパツタリングで形成した後、研磨して平坦
化し、下部コア2を形成する。なお、第7図では、基板
1は図示してないが、第3図(a)と同様である。
(b) 下部コア2において、ギヤツプ形成部2aにトラ
ツク幅相当の寸法にほぼ垂直もしくは一定深さまでほぼ
垂直な形状となる様にエツチングする。
この時のエツチングはイオンミリングを使い、適当な
ビーム入射角でエツチングする。
ここまでの工程は、前記第1の実施例の製造方法(第
3図(a)〜(d))と同様である。
(c) ギヤツプ形成部2aのギヤツプ深さ零位置2cより
も後方の部分d2と、リアコア接続部となる部分2bは、な
だらかなテーパー角αをもつ様にテーパーエツチングを
行なう。
例えば、マスク材となるレジストは、ポストベーキン
グ処理を施し、テーパー形状と、イオンエツチングによ
り、ビーム入射角30〜40゜でエツチングを行えば、テー
パー角40゜のテーパーエツチングが可能である。これに
は、下部コアの材料,突起の高さに応じて、レジストの
膜厚や、ビーム入射角を選定すればよい。
以上の様にして、垂直形状の左右側壁とテーパー形状
の後壁を持つギヤツプ形成部の突起2aと、テーパー形状
の4つの壁を持つリアコア接続部の突起2bとを有する下
部コアを形成することができる。
その後、非磁性絶縁層を形成後、研磨によりギヤツプ
形成面2aをつくる。ギヤツプ形成部のトラツク幅を規定
する部分d1はほぼ垂直にパターニングされているので、
この時の研磨量のマージンは大きく、トラツク幅を高精
度に制御することができる。しかも、面内での磁束絞り
形状(第6図で上からみた下部コア形状)のコアで最も
狭くなる部分(ギヤツプ深さ零位置2cのすぐ後の頚部)
で緩やかに傾斜する壁面2a4を形成したので、コアの断
面積を充分に確保しながら、コアの膜厚方向の絞りを実
現でき、高効率のヘツドを実現できる。また、本実施例
の傾斜した後壁2a4を形成したものによれば、第一の実
施例の垂直な後壁2a4を形成したものよりもコアの断面
積確保が容易であるため、第7図(c)の工程で作られ
るギヤツプ深さ零位の位置(ギヤツプ終端部)2cと、第
7図(b)の工程で作られる下部コア先端部(一定幅の
部分)の終点2eの位置合わせ精度はゆるくてもよいとい
う効果がある。つまり、第1の実施例の場合、後壁2a4
が垂直になつているので、もしも一定幅部分の終点2eが
ギヤツプ深さ零位の終点2cよりも後方にずれると、2eと
2cの間が二重に絞られることになつて、この間のコア断
面積は極めて小さくなつてしまう。これに対し、本実施
例では、後壁2a4が緩やかに傾斜しているので、たとえ2
eが2cより後方にずれても、断面積はそれ程小さくはな
らない。
また、本実施例では、両突起部2a,2c間の平坦部2fの
エツチング深さ(即ち、後壁面の高さ)t2を、前部突起
2aの両側面の高さt1に対して、必ずしもt1>t2なる関係
にする必要はなく、従つて、このエツチングの深さt2
制御の精度をゆるくすることができる(第7図(c)で
はほぼ等しくされている)。
さらに、絶縁層3,コイル8,ギヤツプ材4および上部コ
ア5を形成して、第4図,第5図に示す薄膜磁気ヘツド
を作ることができる。
第5図では、下部コア2の突起2a,2b間の凹部に非磁
性絶縁層3の一部を充填して表面を突起2a,2bの上面と
合わせて平坦にした後、導体コイル8を形成している
が、これに代えて、導体コイル8は、ギヤツプ形成部2a
の突起をリアコア接続部2bの突起間に形成してもよい。
その例を第8図および第9図を用いて説明する。
第8図(a)は、第2の実施例、同図(b)は第1の
実施例でコイルを突起間に形成したヘツドの断面図であ
る。第9図は、その製造方法を説明する工程図である。
第1,第2実施例のように、ギヤツプ形成部の突起2aの
側面2a2が略々垂直の場合、この垂直側面部2a2にコイル
材(例えばCu)のエツチング残りが生じる。同様なエツ
チング残りは、第1実施例における突起2aの略々垂直の
後壁2a4にも生じるが、第2実施例における緩やかな傾
斜をもつ後壁2a4にはほとんど生じない。即ち、第1,第
2実施例において、下部コア2の垂直な壁面2a2,2a4
露出したままで、導体層8がスパツタ等で形成され、次
いで、この導体層8がイオンエツチング等によりパター
ニングされると、コイル導体材料が飛び散つて下部コア
の垂直な壁面2a2,2a4に再付着する。再付着したコイル
導体材料は、付着壁面が垂直に近くなる程エツチングに
よつて除去され難くなり、結果的に、緩やかな壁面には
残らないが、垂直な壁面にはコイル材のエツチング残り
が生じることになる。このようなエツチング残りが生じ
ると、コイルのパターニングが十分にできず、摺動面に
露出したコイル材が、摺動に悪影響を及ぼす等の問題が
生じる。この問題に対処するため、以下に説明する様に
第9図に示す手順で作ることにより、エツチング残りを
生じることなくパターニングすることができる。
第9図に、コイルを突起間に形成する場合の製造方法
を示す。同図左は摺動面、同図右は磁路長方向の断面を
示す。ここでは、第2の実施例の構造でコイルを埋め込
む場合について述べる。
ギヤツプ形成部をトラツク幅相当にほぼ垂直もしくは
一定深さまでほぼ垂直な形状となる様にエツチングする
工程までは、前記第1の実施例の製造方法と同様であ
る。(第4図(a),(b)) 続いての工程を(a)〜(e)の順に説明する。
(a) ギヤツプ形成部をトラツク幅相当に略垂直エツ
チングした後に、非磁性絶縁材をスパツタリング等によ
り形成し、研磨によりギヤツプ形成面2aをつくる。
(b) ギヤツプ形成面2aのギヤツプ深さを零位以下の
部分d2とリアコア接続部となる部分2bとが緩やかなテー
パー角αを持つ様にテーパーエツチングを行なう。
(c) 非磁性絶縁材3をスパツタリング等で形成した
後、コイル材8を蒸着,スパツタ等で形成する。
(d) イオンエツチング等により、コイル材8を所望
の形状にパターニングする。
(e) さらに、非磁性絶縁層3′,多層コイルの場合
はコイル,非磁性絶縁層3′の形成を繰り返し、ギヤツ
プ材4,上部コア5を形成する。
以上の工程中、第9図(a)において、ギヤツプ形成
部2aの垂直エツチング後、予め、非磁性絶縁層3を形成
して平坦化研磨し、下部コア2の垂直な側壁2a2が露出
しないようにした後に、コイル導体を成膜することによ
つて、コイルパターニング時に、トラツク幅制御のため
に垂直エツチングされている部分でのコイル材のエツチ
ング残りを防止することができる。なお、第9図では、
後壁面2a4が傾斜しているので、前記のようにこの面に
もコイル導体のエツチング残りは生じない。
以上の様にして、突起間にコイルを形成する構造の薄
膜磁気ヘツドを製造することができる。
本発明の他の実施例を第10図に示す。
本実施例では、下部コア2の前部突起(ギヤツプ形成
部2a)の後壁2a4および後部突起(リアコア接続部)2b
の4つの壁のテーパー角αを更に小さくして、前部突起
2aの後壁2a4および後部突起2bの前壁2b4の前後方向の長
さをd2,d2′とし、突起2aの後縁2cと突起2bの前縁2b5
の間隔をDとするとき、テーパー部d2+d2′=Dとなる
様にパターニングする。ギヤツプ形成部2aの突起により
トラツク幅を決定する構造のヘツドにおいては、この場
合が最も下部コアの体積が大となり磁気飽和が緩和され
る。また、テーパー角αが小さく、スロープがなだらか
になるため、埋め込み材として形成する非磁性絶縁材の
膜質も良好となる。
本発明では、ギヤツプ形成部のテーパーαとリアコア
接続部のテーパーαを等しくしたが、この必要はない。
例えば、突起間にコイル形成のためスペースを必要とす
る場合や、上・下部コア間隔を大きくとる場合には、第
11図に示す様にコア体積が小さくなつて飽和しやすいギ
ヤツプ形成部2aのテーパー角αをリアコア接続部2bのテ
ーパーα′より小さくすればよい。
本発明の実施例の説明においては、下部コア2の摺動
面形状(摺動面からみた形状)は、U字形で示したが、
第12図(a)に示す様に、両側が下に向かつて広がる形
状でも、第12図(b)に示す様に垂直な形状でも、かま
わない。しかし、底の形状は、ギヤツプ面と平行となら
ないことが望ましい。
また、前記突起2aの摺動面形状も、上記実施例では、
両側が略垂直もしくは一定深さまで略垂直な形状のもの
として説明したが、第13図に示す様なカーブ形状として
もよい。
以上、各実施例により説明した様に、本発明によれ
ば、高精度にトラツク幅を制御し、かつ磁気飽和を緩和
することができる。
〔発明の効果〕
以上説明した様に、本発明によれば、下部コアフロン
ト部に垂直側壁面とギヤツプ零位に続く後壁面を形成
し、この後壁面の高さを側壁面の高さよりも低くする
か、または後壁面を緩やかな傾斜面にしたので、トラツ
ク幅を高精度に制御し、かつ下部コアの飽和現象を最小
限に抑えることができ、長寿命,高信頼性の薄膜磁気ヘ
ツドが得られる等、優れた効果を奏する。
さらに、導体コイルを形成するに当り、予め前記側壁
面に対し絶縁材を施して平坦化するようにしたので、突
起間にコイルを埋め込む構造をとる場合においても、コ
イルパターニング時における突起部でのコイル材のエツ
チング残りを無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
第1図〜第3図は本発明の第一実施例の説明図であり、
第1図は摺動面の正面図、第2図は下部コア形状を示す
斜視図、第3図は第一の実施例の下部コアの製造方法を
示す工程図である。第4〜第6図は本発明の第2の実施
例の説明図であり、第4図は摺動面の正面図、第5図は
磁路長方向の断面図、第6図は下部コア形状を示す斜視
図である。第7図は第二の実施例の下部コアの製造方法
を示す斜視図、第8図および第9図はコイル埋め込み構
造を説明する断面図、第10図および第11図は他の下部コ
ア形状の実施例を示す下部コアの斜視図、第12図および
第13図は下部コアの他の形状を示す正面図である。 1……基板、2……下部コア、2a……ギヤツプ形成部
(前部突起部)、2a2……側(壁)面、2c……ギヤツプ
深さ零位、2a4……後(壁)面、2b……リアコア形成部
(後部突起部)、3……非磁性絶縁材、4……ギヤツプ
材、5……上部コア、6,7……保護膜、8……コイル導
体。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 雅通 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所家電研究所内 (72)発明者 小西 捷雄 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所家電研究所内 (72)発明者 青木 茂夫 神奈川県横浜市戸塚区吉田町292番地 株式会社日立製作所家電研究所内 (56)参考文献 特開 昭61−284816(JP,A) 特開 昭60−50711(JP,A) 特開 平1−133212(JP,A)

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板と、磁性層の下部コアと、コイルおよ
    びその周囲の非磁性の絶縁層と、前記下部コアとリアコ
    ア接続部で接すると共に先端部でギヤツプ材を介して接
    して磁気回路を形成する磁性層の上部コアとを順に積層
    して成り、前記下部コアは前記先端部ではほぼ一定幅で
    それより後部に向けて幅が漸増するように形成された薄
    膜磁気ヘツドにおいて、前記下部コアの先端部に突起を
    設け、前記突起は、相互にトラツク幅に相当する前記一
    定幅の間隔で前後方向所定長にわたりほぼ垂直形状に形
    成された両側面と、ギヤツプ面をなす上面と、ギヤツプ
    深さ零位に続く後壁面とを有し、前記両側面の前記ギヤ
    ツプ面までの高さは前記後壁面の前記ギヤツプ面までの
    高さよりも高く構成したことを特徴とする薄膜磁気ヘツ
    ド。
  2. 【請求項2】基板と、磁性層の下部コアと、コイルおよ
    びその周囲の非磁性の絶縁層と、前記下部コアとリアコ
    ア接続部で接すると共に先端部でギヤツプ材を介して接
    して磁気回路を形成する磁性層の上部コアとを順に積層
    して成り、前記下部コアは前記先端部ではほぼ一定幅で
    それより後部に向けて幅が漸増するように形成された薄
    膜磁気ヘツドにおいて、前記下部コアの先端部に突起を
    設け、前記突起は、相互にトラツク幅に相当する前記一
    定幅の間隔で前後方向所定長にわたりほぼ垂直形状に形
    成された両側面と、ギヤツプ面をなす上面と、ギヤツプ
    深さ零位に続く後壁面とを有し、前記後壁面は、前記下
    部コアの広がり部まで及ぶ緩やかな傾斜面により構成し
    たことを特徴とする薄膜磁気ヘツド。
  3. 【請求項3】前記下部コア先端部の前記一定幅の部分の
    最後部と前記ギヤツプ深さ零位の位置とを略一致させた
    ことを特徴とする請求項1又は2記載の薄膜磁気ヘツ
    ド。
  4. 【請求項4】前記下部コアの先端部の突起を形成する際
    に、前記トラツク幅を規制する前記両側面をエツチング
    により形成する垂直パターニングの工程と、これとは別
    に、前記突起のギヤツプ深さ零位の位置を規制する前記
    後壁面をエツチングにより形成するパターニングの工程
    とを含むことを特徴とする請求項1,2、または3記載の
    薄膜磁気ヘツドの製造方法。
  5. 【請求項5】前記トラツク幅を規制する前記両側面を形
    成する垂直パターニングを行なつた後に、前記ギヤツプ
    深さ零位の位置を規制する前記後壁面をエツチングによ
    り形成するパターニングを行ない、しかる後、絶縁材を
    介して、コイル,ギヤツプ材、及び、上部コアを形成す
    ることを特徴とする請求項1,2、または3記載の薄膜磁
    気ヘツドの製造方法。
  6. 【請求項6】前記トラツク幅を規制する前記両側面を形
    成する垂直パターニングを行なつた後に、前記両側面に
    対し絶縁材を埋込み平坦化を行ない、しかる後にギヤツ
    プ深さ零位の位置を規制する前記後壁面のパターニング
    を行ない、更に、絶縁材を介して、コイル,ギヤツプ
    材、及び、上部コアを形成することを特徴とする請求項
    1,2、または3記載の薄膜磁気ヘツドの製造方法。
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