JP2596242B2 - 天井埋込型空気調和装置の化粧パネル取付板 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明は天井埋込型空気調和装
置の化粧パネル取付板に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来から、オフィス、病院、各種店舗あ
るいは一般家庭等において、快適な空気調和を図るため
に、塵埃、煙草の煙除去等、空気の清浄性が要望されて
おり、この清浄性を確保するための空気清浄装置やエア
コン等の空気調和装置が広く利用されている。かかる空
気調和装置の一つとして、室内スペースの確保のため
に、天井内に空気調和装置本体を埋設させた、いわゆる
天井埋込型のものが知られている。

【０００３】この天井埋込型空気調和装置は、図７に示
すように、空気調和装置本体２１を、下面側を天井面の
開口（図示せず）から露出させた状態で、天井裏に設置
した吊下げボルト２６に固定して吊り下げ、天井板（図
示せず）と本体２１の下面側との隙間を、開口部２２を
有する化粧パネル２３を本体２１に固定することで塞ぐ
ものであり、化粧パネル２３の開口部２２にはグリル２
５が開閉自在に配置されている。前記化粧パネル２３
は、開口部２２の四隅に化粧パネル取付板２４を取付け
て、取付ネジ２７で本体２１に装着してある。

【０００４】そして、化粧パネル取付板２４は、長方形
状をしており、図８の(A) および(B) に示すように、中
央部に取付ねじ２７の頭２７ａの外径よりも幅広の挿入
穴２４ａを有し、この挿入穴２４ａから一方向に、取付
ねじ２７の頭２７ａの外径よりも幅狭で、取付ねじ２７
の軸２７ｂの外径よりも幅広のスリット２４ｂを有する
と共に、化粧パネル２３に取り付けるための取付用穴２
４ｃを、長辺の長手方向に設けたもの（以降、スリット
タイプと称す）や、図９に示すように、中央部に取付ね
じ２７の頭２７ａの外径よりも幅広の挿入穴３４ａを有
する共に、取付用穴３４ｂを、長辺の長手方向に設けた
化粧パネル取付板３４（以降、ノンスリットタイプと称
す）がある。

【０００５】上記スリットタイプの化粧パネル取付板２
４を使用する場合、スリット２４ｂが挿入穴２４ａに対
して同一方向になるように、化粧パネル２３の開口部２
２の対向する縁部のそれぞれの端部近傍に化粧パネル取
付板２４を取付け、取付ねじ２７を挿入穴２４ａに挿入
し、次に、取付ねじ２７の軸２７ｂがスリット２４ｂ内
にくるように、化粧パネル２３をスリット２４ｂの反対
方向に移動させ、化粧パネル２３を本体２１に仮止す
る。そして、再び化粧パネル２３をスリット２４ｂと平
行に移動させ、化粧パネル２３の最終的な位置合わせを
行い、本体２１に固定する。

【０００６】他方、ノンスリットタイプの化粧パネル取
付板３４を使用する場合、化粧パネル２３の開口部２２
の四隅に化粧パネル取付板３４を取付け、取付ねじ２７
を挿入穴３４ａに挿入し、化粧パネル２３を本体２１に
固定する。

【０００７】

【発明が解決しようとする課題】ところで、スリットタ
イプの化粧パネル取付板２４を使用すると、仮止が行え
るので化粧パネル２３の取り付けが一人で行えるという
利点を有する反面、方向性があるので、スリット２４ｂ
が挿入穴２４ａに対して同一方向となるように化粧パネ
ル２３に取り付けるためには、図８の(A) および(B) に
示したように、挿入穴２４ａおよびスリット２４ｂを挟
んで、下側に取付用穴２４ｃを有するもの（図８(A) 参
照）と、上側に取付用穴２４ｃを有するもの（図８(B)
参照）と、２種類の化粧パネル取付板２４が必要とな
る。したがって、化粧パネル２３に取付けるときに、２
種類の化粧パネル取付板２４をスリット２４ｂの挿入穴
２４ａに対する方向を一方向に揃えて取り付けなければ
ならず、大変煩雑で面倒である。また、この煩雑に起因
して、化粧パネル取付板２４を表裏逆や左右逆に取付け
てしまう場合があり、この場合には、各スリット２４ｂ
の挿入穴２４ａに対する方向が異なり、本体２１に化粧
パネル２３を仮止できなくなるだけでなく、本体２１に
化粧パネル２３を取付けることができなくなるという問
題がある。また、２種類の化粧パネル取付板２４が必要
となることから、製造コストが高くなるという問題があ
る。さらに、スリット２４ｂの挿入穴２４ａに対する方
向が一方向のみであるので、取付け位置がずれてしまっ
た場合には、天井と化粧パネル２３との間に隙間が生じ
るという問題もある。

【０００８】他方、ノンスリットタイプの化粧パネル取
付板３４を使用すると、スリットを有していないので、
化粧パネル取付板３４を表裏逆や左右逆に取付けても支
障はないが、その反面、仮止が行えない。したがって、
化粧パネル２３を支える人が一人と、取付ねじ２７を取
付けるもう一人別の人とが必要となり、一人では化粧パ
ネル２３を本体２１に取付けることができず、人手がか
かるという問題がある。

【０００９】本発明は、化粧パネルに対する取付けが容
易であると共に、製造コストが安く、しかも天井との間
に隙間を生じることなく装置本体に化粧パネルを取り付
けることができる天井埋込型空気調和装置の化粧パネル
取付板を提供することを目的としている。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明の天井埋込型空気
調和装置の化粧パネル取付板は、化粧パネルに装着さ
れ、取付ねじによって空気調和装置本体に化粧パネルを
支承させる化粧パネル取付板であって、中央部に前記取
付ねじの頭の外径よりも幅広の挿入穴を有し、この挿入
穴の少なくとも両側に、前記取付ねじの頭の外径よりも
幅狭かつ前記取付ねじの軸の外径よりも幅広のスリット
を有することを特徴としている。

【００１１】

【作用】上記構成によれば、取付ねじの頭の外径よりも
幅広の挿入穴の少なくとも両側に、取付ねじの頭の外径
よりも幅狭かつ取付ねじの軸の外径よりも幅広のスリッ
トを有しているので、スリットに取付ねじの軸を挿入
し、取付ねじの頭にスリットの両側を引っ掛けた状態に
して化粧パネルの仮止が行える。また、スリットは挿入
穴の少なくとも両側に設けてあるので、方向性がない。
したがって、１種類のみで取り付けが可能で、化粧パネ
ル取付板を表裏逆や左右逆に取付けても支障が生じるお
それがない。また、この化粧パネル取付板を取り付けた
化粧パネルは、移動方向が１方向のみに限らず、少なく
とも挿入穴の両側、すなわちスリットのある２方向に移
動できる。

【００１２】

【実施例】以下、本発明の一実施例を示す添付図面によ
って詳細に説明する。図１は本発明の化粧パネル取付板
の一実施例を示す斜視図である。この化粧パネル取付板
１は、中央部に取付ねじ（図示せず）の頭の外径よりも
幅広の円形の挿入穴２を有している。この挿入穴２の両
側、長手方向に、取付ねじの頭の外径よりも幅狭かつ取
付ねじの軸の外径よりも幅広のスリット３を各々有す
る。そして、スリット３に平行に取付用穴８が、長辺の
片側に設けてある。

【００１３】次に、この化粧パネル取付板１の使用方法
を図２を用いて説明する。同図において、符号４は化粧
パネルを示し、この化粧パネル４は、平面が概ね矩形の
枠材で、開口部４ａを有している。化粧パネル４の開口
部４ａには、グリル５が配置されている。グリル５の一
端部は、化粧パネル４の開口部４ａの一端縁に開閉自在
に支持されており、他端縁が止具等を介して開口部４ａ
の他端縁に支持される。また、天井埋込型空気調和装置
の本体６は、天井裏の梁等から吊り下げボルト５によっ
て吊り下げられている。

【００１４】まず、化粧パネル取付板１を、前記化粧パ
ネル４の開口部４ａのグリル５を支持している一端縁の
２箇所と、当該箇所に対向する他端部に、取付用穴８を
介して各々ねじ（図示せず）で固定する。次に、前記本
体６の下面側周縁の、前記化粧パネル４の開口部４ａ周
縁に固定した化粧パネル取付板１の挿入穴２に対応する
位置に、取付ねじ７を各々仮止する。

【００１５】次に、図３に示すように、化粧パネル取付
板１の挿入穴２に、取付ねじ７の頭７ａを挿入し、取付
ねじ７の軸７ｂがスリット３内にくるように、化粧パネ
ル４を左右いずれかの方向に移動させて、スリット３の
幅が、取付ねじ７の頭７ａの外径よりも幅狭かつ取付ね
じ７の軸７ｂの外径よりも幅広であることを利用して、
化粧パネル４を本体６に仮止する（図４参照）。更に、
図５に示すように、化粧パネル４をスリット３のある方
向（長手方向）に移動して、化粧パネル４と本体６との
位置合わせを行い、取付ねじ７を締めて化粧パネル４を
本体６に固定する。

【００１６】このように、本発明の化粧パネル取付板１
は、取付ねじ７の頭７ａの外径よりも幅狭かつ取付ねじ
７の軸７ｂの外径よりも幅広のスリット３を有している
ので、これを利用して、化粧パネル取付板１のスリット
３の両側を取付ねじ７の頭７ａにぶら下げ、化粧パネル
４を本体６に仮止することができる。したがって、化粧
パネル４の取付作業は、１人で行うことができる。さら
に、スリット３は、挿入穴２の両側に設けてあるので、
たとえ化粧パネル取付板１を表裏逆や左右逆に取付けて
も、化粧パネル４をスリット３と平行に移動して、本体
６との位置合わせを行い、化粧パネル４を本体６に正確
に固定することができる。したがって、化粧パネル取付
板１を化粧パネル４に取付ける際に、化粧パネル取付板
１の方向合せをする必要がなくなる。また、本発明の化
粧パネル取付板１は、１種類のみで取り付けが可能であ
るので、製造コストが低減できる。さらに、２方向に移
動できるので、挿入穴２へ挿入した状態で、化粧パネル
取付板１の取付け位置が多少ずれた場合でも、化粧パネ
ル４と天井との間に隙間を生じるおそれがない。

【００１７】なお、上記実施例では、化粧パネル取付板
１のスリット３は、挿入穴２の両側に１対あるものを示
したが、これは、図６に示すように、挿入穴２の長手方
向と幅方向とに２対設けてもよい。この場合、化粧パネ
ル４が長手方向と幅方向との２方向に移動でき、化粧パ
ネル４と本体６との位置合わせがより一層容易に行え
る。

【００１８】

【発明の効果】以上のように、天井埋込型空気調和装置
の化粧パネル取付板によれば、取付ねじの頭の外径より
も幅広の挿入穴の少なくとも両側にスリットを有し、ス
リットに取付ねじの軸を挿入し、取付ねじの頭にスリッ
トの両側を引っ掛けた状態にして化粧パネルの仮止が行
えるので、化粧パネルの取付作業が１人で行える。ま
た、スリットは挿入穴の少なくとも両側に設けてあり、
方向性がないので、１種のみで使用でき、表裏逆や左右
逆に取付けても支障が生じるおそれがなくなると共に、
製造コストが低減できる。しかも、化粧パネルを少なく
とも挿入穴の両側に移動させることができるので、その
取付作業が容易になるだけでなく、化粧パネルへの取付
位置が多少ずれた場合でも、化粧パネルと天井との間に
隙間を生じるおそれがない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例の天井埋込型空気調和装置の
化粧パネル取付板を示す斜視図である。

【図２】上記化粧パネル取付板を化粧パネルに取付けた
状態を示す分解斜視図である。

【図３】上記化粧パネル取付板にネジを取り付けるとき
の様子を示す分解斜視図である。

【図４】上記化粧パネル取付板にネジを取り付けるとき
の様子を示す分解斜視図である。

【図５】上記化粧パネル取付板にネジを取り付けるとき
の様子を示す分解斜視図である。

【図６】本発明の他の実施例の天井埋込型空気調和装置
の化粧パネル取付板を示す斜視図である。

【図７】従来の化粧パネルの取付方を示す分解図であ
る。

【図８】従来の化粧パネル取付板を示す斜視図である。

【図９】従来の化粧パネル取付板を示す斜視図である。

【符号の説明】

１ 化粧パネル取付板 ２ 挿入穴 ３ スリット ４ 化粧パネル ７ 取付ねじ ７ａ 頭 ７ｂ 軸

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】化粧パネル(4) に装着され、取付ねじ(7)
   によって空気調和装置本体に化粧パネル(4) を支承させ
   る化粧パネル取付板(1) であって、中央部に前記取付ね
   じ(7) の頭(7a)の外径よりも幅広の挿入穴(2) を有し、
   この挿入穴(2) の少なくとも両側に、前記取付ねじ(7)
   の頭(7a)の外径よりも幅狭かつ前記取付ねじ(7) の軸(7
   b)の外径よりも幅広のスリット(3) を有することを特徴
   とする天井埋込型空気調和装置の化粧パネル取付板。