JP2595928Y2 - コンパクト - Google Patents

コンパクト

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JP2595928Y2
JP2595928Y2 JP1993063312U JP6331293U JP2595928Y2 JP 2595928 Y2 JP2595928 Y2 JP 2595928Y2 JP 1993063312 U JP1993063312 U JP 1993063312U JP 6331293 U JP6331293 U JP 6331293U JP 2595928 Y2 JP2595928 Y2 JP 2595928Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この考案は、ペースト状のファン
デーション等の化粧料を収容するコンパクトに関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】化粧料とパフ等の塗布具とを別々に収容
するコンパクトとして、例えば、図11に示すようなも
のがある。このコンパクトは、上面に凹部31aが形成
された容器本体31の後端に、上記凹部31aを蓋する
中蓋32と、上記容器本体31の上面を蓋する蓋体33
とがヒンジ連結されている。そして、上記凹部31aに
化粧料34aが収容された化粧皿34が収容され、中蓋
32の上面にパフ35が載置されている。このコンパク
トに収容されている化粧料34aで化粧を行う場合、ま
ず、一方の手で容器本体31を持ち、他方の手で蓋体3
3を開けて中蓋32に載置されているパフ35を他方の
手に取る。つぎに、そのパフ35を持った手で、中蓋3
2を後方に回動させて中蓋32を開け、容器本体31に
収容された化粧料34aをパフ35に移し取り化粧する
ことが行われる。ところが、上記コンパクトでは、化粧
皿34の4隅にある化粧料34aをパフ35に移し取る
ことが難しいという問題がある。特に、化粧料34aが
ペースト状のファンデーション等である場合には、適量
のファンデーション等をパフ35に移し取ることが難し
いという問題もある。
【0003】そこで、パフ35にペースト状のファンデ
ーション等を適量移し取ること等ができるものとして、
実開平3─30922号公報に示すコンパクト容器があ
る。このコンパクト容器は、図12および図13に示す
ように、内部に化粧皿38およびパフ39が収容された
容器本体36の後端部に蓋体37をヒンジ連結し、上記
化粧皿38に収容された化粧料38aの表面上に、メッ
シュ体41と、このメッシュ体41の外周部に取付けら
れた枠縁42とからなる落とし蓋40を載置している。
図において、43は化粧料38aをしごくための凸状リ
ブである。このものでは、メッシュ体41の上側からパ
フ39の一側部を押圧してメッシュ体41の上側に適量
の化粧料38aを滲み出させ、これをパフ39に付着さ
せることにより、適量の化粧料38aをパフ39に移し
取ることができる。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、このも
のでは、落とし蓋40が化粧皿38に収容された化粧料
38aの表面上に載置されているだけであるため、使用
中(開蓋中)に落とし蓋40がコンパクト外に出て紛失
するという問題がある。しかも、コンパクトをバッグ等
に入れて持ち歩く場合には、コンパクトに振動や衝撃が
作用すると、コンパクト内で落とし蓋40が移動し、パ
フ39等を破損するという問題がある。さらに、パフ3
9に化粧料38aを付着させる際に化粧料38aの表面
上に載置された落とし蓋40を水平姿勢に保っておくこ
とが難しく、落とし蓋40が傾斜しやすい。このため、
落とし蓋40の全面に均等に化粧料38aを滲み出させ
ることができず、適量の化粧料38aをパフ39に移し
取ることが難しいという問題が依然として残っている。
【0005】この考案は、このような事情に鑑みなされ
たもので、使用中に紛失することがなく、しかも、中枠
の網目状体の全面から化粧料を均等に滲み出させてパフ
に適量の化粧料を移し取ることのできるコンパクトの提
供をその目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、この考案のコンパクトは、上面に化粧料が収容され
る化粧料収容凹部を備えた容器本体と、上記容器本体の
後端部に形成された切欠部と、上記容器本体の上面を蓋
する蓋体と、上記蓋体の後端部に形成され上記容器本体
の切欠部内に下垂しヒンジ軸でヒンジ結合される連結部
と、上記化粧料収容凹部に収容可能な中枠とを備え、上
記中枠を、上記化粧料の表面を当接被覆するための網目
状体と、上記網目状体の周縁部に取付けられた枠体と、
上記枠体の後端部から上記化粧料収容凹部の外壁部に延
びその壁面に摺接する垂下部とで構成し、上記垂下部の
下垂部分に、上記ヒンジ軸に対して上下に摺動自在に係
合するガイド用縦穴を形成したという構成をとる。
【0007】
【作用】すなわち、この考案のコンパクトは、上面に化
粧料収容凹部が形成された容器本体の上記凹部に中枠を
収容可能にし、この中枠を、上記化粧料の表面を当接被
覆するための網目状体と、上記網目状体の周縁部に取付
けられた枠体と、上記枠体の後端部から上記化粧料収容
凹部の外壁部に延びその壁面に摺接する垂下部とで構成
し、上記垂下部の下垂部分にガイド用縦穴を形成し、こ
の縦穴を上記容器本体と蓋体の連結部とをヒンジ結合す
るヒンジ軸に対して上下に摺動自在に係合させるように
している。このように、このコンパクトでは、中枠がヒ
ンジ軸に係合しているため、使用中(開蓋中)に中枠が
コンパクト外に出て紛失することがなくなる。しかも、
コンパクトをバッグ等に入れて持ち歩く場合に、振動や
衝撃等が作用しても、上記のように中枠がヒンジ軸に係
合しているため、コンパクト内であまり移動せず、パフ
等を損傷することがない。さらに、中枠の垂下部が化粧
皿に形成された化粧料収容凹部の外壁部の壁面に摺接
し、かつ、中枠は、その垂下部に形成されたガイド用縦
穴がヒンジ軸に係合した状態で、上下に摺動するため、
化粧料の減少(すなわち、化粧料の表面の低下)に伴
い、上記中枠が常に水平に保持されて下降する。このた
め、パフに化粧料を付着させる際にパフの一側部で中枠
の網目状体を上側から押圧することにより、この網目状
体の全面に化粧料を均等に滲み出させて定量の化粧料を
パフに移し取ることができるようになる。そのうえ、ヒ
ンジ軸を利用して中枠を容器本体に取付けるようにして
いるため、中枠の取付け部材がヒンジ軸で共用できるよ
うになる。この考案で、化粧料収容凹部とは、容器本体
の上面に化粧料収容凹部を直接形成した場合には、この
凹部を指し、また、容器本体の上面に形成された化粧皿
収容凹部に化粧皿を収容した場合には、この化粧皿の上
面に形成された化粧料収容用の凹部を指す。
【0008】つぎに、この考案を実施例にもとづいて詳
しく説明する。
【0009】
【実施例】図1はこの考案のコンパクトの一実施例を示
している。このコンパクトは、上面に化粧皿収容凹部1
aが形成された容器本体1と、この容器本体1の後端部
にヒンジ連結された蓋体2と、メッシュ体(網目状体)
13が取付けられた中枠3とを備えている。図におい
て、4はペースト状のファンデーション4aが収容され
た化粧皿で、5はパフで、19はヒンジ軸で、20は開
蓋用の操作片で、21は鏡である。
【0010】上記容器本体1には、図2〜図4に示すよ
うに、その後端部に切欠部6が形成されており、この切
欠部6の左右両側壁面に目盛り7が設けられている。図
において、22は容器本体1の前端部に形成された操作
片20配設用の凹部であり、この凹部22の奥面に係合
凸部22aが形成されているとともに、左右両側面に、
上記操作片20を回動自在に支受する軸部22bが形成
されている。また、23は切欠部6の左右両側面に相対
峙する状態で形成された軸孔である。
【0011】上記蓋体2には、図5〜図7に示すよう
に、その後端部における、上記容器本体1の切欠部6に
対応する部分から連結部8が垂設されている。この連結
部8は、上記蓋体2の下端部の下面から垂下する支受部
分8aと、この支受部分8aの下端部に設けられた横長
円柱状の回動部8bとからなっており、この回動部8b
の中央部に、これを前後に横切る切欠部9が形成されて
いる。図において、2aは容器本体1の係合凸部22a
に係合しうる係合爪であり、蓋体2の前端部から垂下し
ている。また、2bは蓋体2の連結部8に形成された軸
孔であり、上記容器本体1の軸孔23に対応する位置に
形成されている。
【0012】上記中枠3は、図8および図9に示すよう
に、下端面に円形のメッシュ体13の周縁部が接着され
た円筒状の枠体10と、この枠体10の前部から前方に
延びる突部11と、上記枠体10の後部中央から後方に
延びたのちこの後端部から真下に延びる垂下部12とか
らなっており、上記枠体10は、化粧皿4の深さと略同
じ高さに形成されるとともに、化粧皿4のファンデーシ
ョン収容用の凹部よりやや小さく形成されている。ま
た、上記垂下部12には、その真下に延びる部分(下垂
部分)12aに、上記ヒンジ軸19が上下に摺動自在に
係合しうるガイド用縦穴12bが形成されているととも
に、その前面が、中枠3を容器本体1へ組付けた際に容
器本体1の切欠部6の前側壁面6aに摺接するように形
成されている。
【0013】上記中枠3をコンパクトに取付ける場合に
は、まず、容器本体1内に収容された化粧皿4のファン
デーション4aの表面上に中枠3のメッシュ体13を載
置して中枠3の垂下部12を容器本体1の後端部の中央
に位置させ、ついで、容器本体1の上側に蓋体2を配置
して蓋体2の連結部8を容器本体1の切欠部6に位置合
わせするとともに、上記連結部8の切欠部9を中枠3の
垂下部12に位置合わせし、つぎに、蓋体2を下方に移
動させて蓋体2の連結部8を容器本体1の切欠部6に収
容し(このとき、上記連結部8の切欠部9に中枠3の垂
下部12が収容される)、そののち、容器本体1の軸穴
23および蓋体2の軸穴2bにヒンジ軸19を挿通す
る。これにより、容器本体1に蓋体2および中枠3がヒ
ンジ軸19を介してヒンジ連結される。
【0014】このように構成されたコンパクトには、購
入時には、化粧皿4内にファンデーション4aが一杯に
収容されており、メッシュ体13は水平状態で(図1参
照)ファンデーション3の表面に密着被覆している。そ
して、使用時には、パフ5の一側部をメッシュ13に押
し当ててメッシュ体13の上側にファンデーション4a
を滲み出させ、これをパフ5に移し取ることが行われ
る。また、ファンデーション4aが少なくなってその表
面が低下すると、図10に示すように、この表面の低下
に伴い中枠3の垂下部12の下垂部分12aの前面が容
器本体1の切欠部6の前側壁面6aと摺接し、かつ、上
記下垂部分12aの縦穴12bがヒンジ軸19に係合し
ながら下降し、これにより、メッシュ体13がファンデ
ーション4aの表面に密着した状態で水平姿勢に保持さ
れながら下降する。
【0015】このように、上記実施例では、メッシュ体
13を取付けた中枠3をヒンジ軸19に係合させている
ため、使用中(開蓋中)にコンパクト外に出て紛失する
ことがない。また、振動や衝撃等がコンパクトに作用し
ても、中枠3が殆ど動かずパフ5を損傷させることがな
い。さらに、使用によりファンデーション4aが減少し
てその表面が低下しても、この表面の変化に追従してメ
ッシュ体13が水平状態を保持しながらスムーズに下降
する。このため、パフ5の一側部をメッシュ体13に押
圧すると、メッシュ体13の全面から均等にファンデー
ション4aを滲み出させることができる。そのうえ、容
器本体1の切欠部6の左右両側面に目盛り7が設けられ
ているため、上記下垂部分12aの下端面の高さに対応
する目盛り7を見ることにより、コンパクト内の化粧皿
4に収容されているファンデーション4aの残量がコン
パクト外から判るようになる。
【0016】なお、上記実施例では、容器本体1の上面
に形成された凹部1aに、ファンデーション4aが収容
された化粧皿4を収容するようにしているが、これに限
定するものではなく、上記凹部1aにファンデーション
4aを直接収容するようにしてもよい。
【0017】また、上記実施例では、メッシュ体13を
中枠3に接着により固定しているが、これに限定するも
のではなく、中枠3にメッシュ体13を着脱自在に取付
けるようにしてもよい。
【0018】また、上記実施例では、容器本体1の後端
部に切欠部6を形成し、この切欠部6の前面(すなわ
ち、化粧皿収容凹部1aの後壁面)6aに中枠3の垂下
部12の下垂部分12aの前面を摺接するようにしてい
るが、これに限定するものではなく、上記化粧皿収容凹
部1aの後壁を切欠いて切欠部6を形成し(すなわち、
この切欠部6が化粧皿収容凹部1aに繋がっている状態
に形成し)、この化粧皿収容凹部1aに収容される化粧
皿4の後側壁面に中枠3の垂下部12の前面を摺接する
ようにしてもよい。
【0019】
【考案の効果】以上のように、この考案のコンパクトに
よれば、中枠がヒンジ軸に係合しているため、使用中
(開蓋中)に中枠がコンパクト外に出て紛失することが
なくなる。しかも、コンパクトをバッグ等に入れて持ち
歩く場合に、振動や衝撃等が作用しても、上記のように
中枠がヒンジ軸に係合しているため、コンパクト内であ
まり移動せず、パフ等を損傷することがない。さらに、
中枠の垂下部が化粧皿に形成された化粧料収容凹部の外
壁部の壁面に摺接し、かつ、中枠は、その垂下部に形成
されたガイド用縦穴がヒンジ軸に係合した状態で、上下
に摺動するため、化粧料の減少(すなわち、化粧料の表
面の低下)に伴い、上記中枠が常に水平に保持されて下
降する。このため、パフに化粧料を付着させる際にパフ
の一側部で中枠の網目状体を上側から押圧することによ
り、この網目状体の全面に化粧料を均等に滲み出させて
定量の化粧料をパフに移し取ることができるようにな
る。そのうえ、ヒンジ軸を利用して中枠を容器本体に取
付けるようにしているため、中枠の取付け部材がヒンジ
軸で共用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この考案の一実施例を示す断面図である。
【図2】容器本体の断面図である。
【図3】上記容器本体の平面図である。
【図4】上記容器本体の説明図である。
【図5】蓋体の拡大断面図である。
【図6】上記蓋体を下から見た図である。
【図7】上記蓋体の説明図である。
【図8】中枠の拡大断面図である。
【図9】上記中枠の平面図である。
【図10】この考案の作用を示す断面図である。
【図11】従来例を示す断面図である。
【図12】他の従来例を示す斜視図である。
【図13】上記他の従来例の使用状態を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 容器本体 1a 凹部 2 蓋体 3 中枠 4 化粧皿 4a ファンデーション 5 パフ 10 枠体 12 垂下部 12a 下垂部分 12b 縦穴 13 メッシュ体 19 ヒンジ軸

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 上面に化粧料4aが収容される化粧料収
    容凹部1aを備えた容器本体1と、上記容器本体1の後
    端部に形成された切欠部6と、上記容器本体1の上面を
    蓋する蓋体2と、上記蓋体2の後端部に形成され上記容
    器本体1の切欠部6内に下垂しヒンジ軸19でヒンジ結
    合される連結部8と、上記化粧料収容凹部1aに収容可
    能な中枠3とを備え、上記中枠3を、上記化粧料4aの
    表面を当接被覆するための網目状体13と、上記網目状
    体13の周縁部に取付けられた枠体10と、上記枠体1
    0の後端部から上記化粧料収容凹部1aの外壁部に延び
    その壁面6aに摺接する垂下部12とで構成し、上記垂
    下部12の下垂部分12aに、上記ヒンジ軸19に対し
    て上下に摺動自在に係合するガイド用縦穴12bを形成
    したことを特徴とするコンパクト。
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