JP2594143B2 - 充電器 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明は蓄電池、特にカメラ一体型VTRの電源として
用いられるパック電池を充電するための充電器に関す
る。

（ロ）従来の技術 カメラ一体型VTR用のパック電池は例えば実開昭63−8
2366号公報に開示されているような底面に複数個の導電
用接続端子が露出せしめられたものであり、充電器側の
電池収納部にはこれらの導電用接続端子に弾性的に接触
する接片が設けられている。

この例の場合、電池の電池収納部に対する位置決めは
電池の四隅に形成された掛止め用受孔と充電器の電池収
納部に形成された掛止め片との係合によって行なわれて
いる。

ところで実際の商品では、電池の接続端子間が近接し
ているため接片が接片カバーにて覆われており、この接
片カバーは、常時突出方向に移動し、パック電池が充電
器に装着されると移動して接片を露出させるように構成
されており、一方の接片も接続端子に密接するようにバ
ネにより付勢されている。

しかし乍ら接片及び接片カバーは充電器本体ケースに
バネ付勢されて取り付けられており、その構造が極めて
複雑になるばかりか、本体ケース内の回路基板と接片と
をリード線等を介して結ぶ必要が生じ組立て作業性が悪
いという問題点があった。

また従来の充電器では、本体ケースの外面より常時突
出させて充電回路をオン・オフするマイクロスイッチ等
の操釦を設け、電池の装着時に該電池がこの操作釦を押
し下げることにより、充電回路がオンする構成が採用さ
れている。この場合本体ケースの電池収納部に前記接片
カバー及び接片と上記操作釦を夫々個々に上下移動可能
に弾性付勢して取付けなければならず、充電器自身の小
型薄形化を阻害すると共に、組立工程数が増加し、作業
効率が悪くなるという問題点があった。

（ハ）発明が解決しようとする課題 本発明が解決しようとする課題は接片カバー及び接片
を本体ケースに取り付けることなく該接片をバネ付勢し
て取り付ける構造を開発し、組立作業の簡便化を図ると
ともに、接片カバーを利用して充電回路のオン・オフス
イッチを構成し、小型薄形の充電器の開発を可能にする
構造を案出することである。

（ニ）課題を解決するための手段 電池収納部を具備する本体ケースと、該本体ケース内
に配設される電源回路基板と、該電源回路基板に固着さ
れ前記本体ケース内部に収納される接片固定台と、前記
電源回路基板に取り付けられて常時上方にバネ付勢され
るとともに前記接片固定台の上方を覆い且つ前記電池収
納部に穿設された開孔部に沿って出没可能に配設される
接片カバーと、常時上方にバネ付勢されるとともに前記
固定台に形成された貫通孔を介して頭部を前記接片カバ
ーに形成された小孔に沿って出没可能に配設される接片
と、前記電源回路基板に形成されたスイッチ接点と、前
記接片カバーの一側に形成され前記電池収納部への電池
収納時において該接片カバーの押下げにより前記スイッ
チ接点をオン・オフ操作する操作片とを有するものであ
る。

（ホ）作用 接片カバー及び接片は共に電源回路基板に取り付けら
れて一つのユニットとして構成され、組立時はこのユニ
ットを本体ケース内に前記接片カバーが該ケースの開孔
部に沿って上下移動可能に組み立てれば良い。また充電
回路のオン・オフスイッチは電源回路基板のスイッチ接
点と、接片カバーに形成された操作片とによって構成さ
れる。

（ヘ）実施例 以下、本発明の充電器を図面の一実施例について詳細
に説明する。

第２図（イ）の概観斜視図、（ロ）の上面図におい
て、（１）は上・下２分割の半割ケースＡ（1a）、Ｂ
（1b）を合体して構成され、半割ケースＡ（1a）の上面
に電池収納部（２）を形成して成る充電器本体ケース、
（３）は前記電池収納部（２）に穿設された開孔部
（４）を介して上下に移動可能に配設される接片カバ
ー、（5a）（5b）は、前記電池収納部（２）に収納され
るニッケル・カドミウム素電池を５本或いは10本まとめ
て一つのユニットとしたパック電池（図示せず）を位置
決めする突起、（６）は該突起（5a）（5b）によって位
置決めされた電池を掛止保持するべく、前記電池収納部
（２）をコ字状に切り欠いて形成された弾性掛止片、
（7a）（7b）は前記電池の導電部（図示せず）と前記接
片カバー（３）内の接片（後述）とが適切な接触圧で接
触するための前記電池の底面と前記電池収納部（２）と
の間の隙間間隔を設定するためのリブ、（８）は前記本
体ケース（１）内に配設される電源回路基板（後述）に
商用交流から電流を供給するべく一端に電源プラグ
（９）を有し、他端を電源回路基板に電気接続してなる
電源コードである。

次に第１図及び第３〜４図に基づき本体ケース（１）
の内部構成について説明する。

電源回路基板（10）は充電回路部品（図示せず）をパ
ターンによって配線したものである。（11）は合成樹脂
製の接片固定台であり、中央にバネ収容部（12）を形成
し、この両側に一対の接片収納部（13a）（13b）を形成
するとともに、該接片収納部（13a）（13b）の上面に貫
通孔（14a）（14b）を夫々形成したものである。また前
記接片固定台（11）の下縁より４つの係合爪（15a）（1
5b）（15c）（15d）を垂下形成し、また上部側面より水
平方向に４つの係合突部（16a）（16b）（16c）（16d）
を張り出し形成しており、前記係合爪（15a）（15b）
（15c）（15d）を介して該接片固定台（11）は前記電源
回路基板（10）に係合固着せしめられている。（17a）
（17b）はＴ字形状の導電性金属から成る接片であり、
下方フランジ部の径は前記接片収納部（13a）（13b）の
貫通孔（14a）（14b）の径よりも小さく、該接片（17
a）（17b）は各接片収納部（13a）（13b）に、導電性の
コイルスプリング（18a）（18b）を介して上方に弾性付
勢されつつ、上下方向に移動可能に配設されるものであ
る。そして前記コイルスプリング（18a）（18b）は前記
接片（17a）（17b）及び電源回路基板（10）にその両端
を半田付け等の手段によって電気的に接続固定されてお
り、電源回路基板（10）で発生する充電電流は該コイル
スプリング（18a）（18b）を介して前記接片（17a）（1
7b）に流れる。

（19）は前記接片固定台（11）の上面を覆う、絶縁体
を材料として形成された接片カバーである。このカバー
（19）は前記電池収納部（２）外に露出する前記接片
（17a）（17b）を効果的に覆うことによって電池の近接
する正・負導電部間の絶縁を保持する役目を担い、皿形
状本体の上面に前記接片固定台（11）（11）ら取り付け
られた各接片（17a）（17b）の頭部を通す小孔（20a）
（20b）を配設し、裏面中央よりボス（21）を垂下形成
してこのボス（21）にバネ（金属でも合成樹脂でも良
い）（22）の上端を嵌着し、該バネ（22）の下端を前記
接片固定台（11）のバネ収溶部（12）に位置せしめてい
る。更に前記接片カバー（19）はその下部周縁にフラン
ジ（23）を形成すると共に、下部内周には前記接片固定
台（11）の係合突部（16a）（16b）（16c）（16d）が圧
入される凹所（24a）（24b）（24c）（24d）が形成され
ている。従って接片（17a）（17b）及びコイルスプリン
グ（18a）（18b）を収納し電源回路基盤（10）に固着さ
れた接片固定台（11）にバネ（22）をボス（21）に嵌着
された接片カバー（19）を前記係合突部（16a）（16b）
（16c）（16d）と凹所（24a）（24b）（24c）（24d）と
の係合によって取り付けることによって該接片カバー
（19）を電源回路基板（10）上で上下に移動可能とした
内部構成ユニットが完成する。

尚、前記電源回路基板（10）の一隅には第５図（イ）
に示すように弾性を有するスイッチ接点（25）が取り付
けられている。一方の前記接片カバー（19）の一側面に
はその上下移動によって前記スイッチ接点（25）を上下
に変形せしめ充電回路の動作オン・オフを制御する操作
片（19）が一体形成されている。また前記内部構成ユニ
ットは前記接片カバー（３）が本体ケース（１）の電池
収納部（２）に設けた開孔部（４）を介して外方に臨む
ようにして該本体ケース（１）内に収納配置される。

第５図（イ）、（ロ）は接片カバー（３）及び接片
（17a）（17b）の動作を説明する断面図であり、電池収
納部（２）に電池が収納されない間は接片カバー（３）
がそのフランジ（23）が本体ケース（１）に当たるまで
上方に移動しており、接片（17a）（17b）も同じくその
フランジ部が接片収納部（13a）（13b）の貫通孔（14
a）（14b）外縁に当たるまで上方に移動している。もち
ろん操作片（19）も本体ケース（１）の内面に当接して
おり、電源回路基板（10）のスイッチ接点（25）は充電
回路のオフ状態にある。

ここで電池収納部（２）に電池を収納すると、接片カ
バー（３）が下降し、連続して接片（17a）（17b）が下
降する。このとき操作片（19）がスイッチ接点25）に作
用して充電回路オン状態にし、同時に接片（17a）（17
b）は接片固定台（11）の貫通孔（14a）（14b）及び接
片カバー（３）の小孔（20a）（20b）を介してコイルス
プリング（18a）（18b）の弾性復帰力により適当な接触
圧で電池底面の導電部に接触し、電源回路基板（10）で
作られた充電電流がコイルスプリング（18a）（18b）→
接片（17a）（17b）→電池の導電部と流れ該電池の充電
が行なわれる。

充電終了時には電池収納部（２）から電池を外すこと
によって接片カバー（３）、接片（17a）（17b）及び操
作片（19）が元の状態に復帰し、スイッチ接点（25）が
オフ状態に復帰して充電回路がオフとなる。尚第５図
（ロ）において右側の接片（17a）は点線が復帰状態、
実線が充電時の状態を示している。

（ト）発明の効果 本発明は以上の説明の如く、電池収納部を具備する本
体ケースと、該本体ケース内に配設される電源回路基板
と、該電源回路基板に固着され前記本体ケース内部に収
納される接片固定台と、前記電源回路基板に取り付けら
れて常時上方にバネ付勢されるとともに前記接片固定台
の上方を覆い且つ前記電池収納部に穿設された開孔部に
沿って出没可能に配設される接片カバーと、常時上方に
バネ付勢されるとともに前記接点固定台に形成された貫
通孔を介して頭部を前記接片カバーに形成された小孔に
沿って出没可能に配設される接片と、前記電源回路基板
に形成されたスイッチ接点と、前記接片カバーの一側に
形成され前記電池収納部への電池収納時において該接片
カバーの押下げにより前記スイッチ接点をオン・オフ操
作する操作片とを有するものであるから、電源回路基板
上に接点固定板、接片、接片カバーを取り付けてリード
線による配線なしに一つのユニットに組立てられ、本体
ケースに組み込み易くなるとともに、別のマイクロスイ
ッチを設けることなく接片カバーの操作体と電源回路基
板のスイッチ接点との間で充電回路のオン・オフ操作が
でき、電池を装着したときに初めて充電電流が発生する
充電器を簡単な構成で製造できる効果が期待できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明充電器の一実施例を示す正面断面図、第
２図（イ）は概観斜視図、第２図（ロ）は同じく上面
図、第３図（イ）は接片カバーの正面図、第３図（ロ）
は同じく上面図、第３図（ハ）は同じく底面図、第３図
（ニ）は同じく（ロ）のＡ−Ａ′断面矢視図、（ホ）は
同じく（ニ）のＢ−Ｂ′断面矢視図、第４図（イ）は接
片固定台の正面図、（ロ）は同じく上面図、（ハ）は同
じく側面図、（ニ）は同じく（ロ）のＣ−Ｃ′断面矢視
図、（ホ）は同じく（イ）のＤ−Ｄ′断面矢視図、第５
図（イ）は接片カバー及び接片の動作説明用要部断面
図、（ロ）は第１図に相当する要部断面図である。 （２）……電池収納部、（１）……本体ケース、（10）
……電源回路基板、（11）……接片固定台、（18a）（1
8b）……コイルスプリング、（４）……開孔部、（３）
……接片カバー、（22）……バネ、（14a）（14b）……
貫通孔、（20a）（20b）……小孔、（17a）（17b）……
接片、（25）……スイッチ接点、（19）……操作片。

Claims (1)

(57)【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】電池収納部を具備する本体ケースと、該本
   体ケース内に配設される電源回路基板と、該電源回路基
   板に固着され前記本体ケース内部に収納される接片固定
   台と、前記電源回路基板に取り付けられて常時上方にバ
   ネ付勢されるとともに前記接片固定台の上方を覆い且つ
   前記電池収納部に穿設された開孔部に沿って出没可能に
   配設される接片カバーと、常時上方にバネ付勢されると
   ともに前記接片固定台に形成された貫通孔を介して頭部
   を前記接片カバーに形成された小孔に沿って出没可能に
   配設される接片と、前記電源回路基板に形成されたスイ
   ッチ接点と、前記接片カバーの一側に形成され前記電池
   収納部への電池収納時において該接片カバーの押下げに
   より前記スイッチ接点をオン・オフ操作する操作片とを
   有する充電器。