JP2593906Y2 - エンジン吸気量制御装置 - Google Patents

エンジン吸気量制御装置

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JP2593906Y2
JP2593906Y2 JP1992069433U JP6943392U JP2593906Y2 JP 2593906 Y2 JP2593906 Y2 JP 2593906Y2 JP 1992069433 U JP1992069433 U JP 1992069433U JP 6943392 U JP6943392 U JP 6943392U JP 2593906 Y2 JP2593906 Y2 JP 2593906Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、例えばドライブバイワ
イヤ(DBW)システムのスロットルアクチュエータと
して、エンジンの吸気量を制御するエンジン吸気量制御
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、DBWシステムのスロットルアク
チュエータとして用いられるエンジン吸気量制御装置と
して、吸気通路内に設けられたスロットルバルブを、モ
ータによって開閉させるものがある。このような装置で
は、スロットルバルブを開閉させるモータの分解能不足
等に起因して微妙な吸気量制御が困難であるため、主吸
気系とは別にアイドル回転数制御のためのアイドルスピ
ードコントロール(ISC)系を備えている。ISC系
は、吸気通路におけるスロットルバルブの上流側から下
流側に連通するバイパス通路と、このバイパス通路の吸
気量を制御するアイドルスピードコントロールバルブ
(ISCバルブ)から構成されており、スロットルバル
ブがアイドル開度である状態で有効に機能する。
【0003】またエンジンの吸気系を2系統に分割し、
各系統毎にスロットルバルブを備えるものもある。スロ
ットルバルブはそれぞれ、別個のモータによって独立し
て開閉される。
【0004】
【考案が解決しようとする課題】上述した前者のエンジ
ン吸気量制御装置では、モータの故障によってスロット
ルバルブを開閉できなくなった場合、ISCバルブによ
ってバイパス通路の吸気量を制御し、エンジンをアイド
ル回転数より若干高い所定の回転数で運転することがで
きる。しかし、エンジン吸気量がISCバルブの最大流
量によって制限されるため、エンジン回転数を上記所定
の回転数以上に高めることはできない。したがって、車
輛を微速でしか走行させることができず、車輛を修理可
能な場所、あるいは安全を確保できる場所等まで自力で
移動させる(以下、リンプホームという)ことは困難で
ある。
【0005】また前者のエンジン吸気量制御装置では、
リターンスプリングを用いてスロットルバルブを常時閉
方向に付勢することにより、スロットルバルブが開閉で
きないことに起因する車輛の暴走等を防止している。こ
のためモータには、スロットルバルブを開閉させるため
の駆動トルクに加えて、リターンスプリングの付勢力に
抗するためのトルクが要求され、モータの大型化等の問
題が生じる。さらに、モータのロータが固着してスロッ
トルバルブが全開または全閉位置で動かなくなった場合
には、対処することができないという問題がある。
【0006】後者のエンジン吸気量制御装置では、モー
タの故障によっていずれか一方のスロットルバルブを開
閉できなくなった場合、そのスロットルバルブの吸気系
への燃料供給を停止させ、他方の吸気系のみを使ってエ
ンジン吸気量を制御する。これにより、車輛のリンプホ
ームが可能である。しかしエンジンの吸気系を2系統に
分割するため、吸気系の大幅な変更が必要となる場合が
あり、エンジンへの搭載性に問題がある。また、分割さ
れた2つの吸気系の同調性を確保するため、調整および
メインテナンス等に多大の労力と時間を要するという問
題がある。
【0007】そこで本考案者は、第1および第2モータ
によってそれぞれ開閉される上流側および下流側スロッ
トルバルブを、リンク機構を介して遊びを有する状態で
機械的に連結させ、所定の開度領域でのみ連動するよう
に構成したエンジン吸気量制御装置を提案している(平
成4年8月26日提出の特許願)。
【0008】このような装置によれば、上流側および下
流側スロットルバルブのいずれか一方が開閉できなくな
った場合でも、そのスロットルバルブをリンク機構を介
して正常なスロットルバルブに連動させることができ
る。これにより、エンジン吸気量を制御することがで
き、車輛のリンプホームが可能となる。しかもエンジン
の吸気系に大幅な変更を必要とせず、エンジンへの搭載
性が良好である。
【0009】しかしスロットルバルブを開閉できない原
因が、モータのロータ固着である場合、開閉できないス
ロットルバルブを、リンク機構を介して正常なスロット
ルバルブに連動させようとしても、正常なスロットルバ
ルブを開閉させるモータのトルクだけでは、故障したス
ロットルバルブを開くことができないという事態を生ず
るおそれがある。また、ロータ固着がスロットルバルブ
の全開位置またはそれに近い位置で起こった場合、リン
ク機構を介して連結される正常なスロットルバルブまで
も、閉じることができないという事態を生ずるおそれが
ある。
【0010】本考案は、いずれかの駆動手段が動作不能
となった場合でも、その動作不能な駆動手段に妨げられ
ることなく、車輛のリンプホームが可能なエンジン吸気
量制御装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】本考案に係るエンジン吸
気量制御装置は、車輛に搭載されるエンジンの吸気量を
制御する装置であって、吸気通路内に開閉自在に設けら
れた第1スロットルバルブと、吸気通路内における第1
スロットルバルブの下流側に開閉自在に設けられた第2
スロットルバルブと、第1および第2スロットルバルブ
を軸心周りに回転させることにより第1および第2スロ
ットルバルブをそれぞれ開閉させる第1および第2スロ
ットルシャフトと、第1および第2スロットルシャフト
をそれぞれ駆動する第1および第2駆動手段と、第1お
よび第2駆動手段をアクセル開度および車輛の各種運転
情報に基づいて制御し第1および第2スロットルバルブ
の開度を変更させる制御手段と、第1および第2スロッ
トルシャフトを機械的に連結することにより、第1およ
び第2スロットルバルブを所定の開度差の範囲において
独立して互いに相対回転可能にし、かつ第1および第2
スロットルバルブを所定の開度差の範囲の最大値および
最小値において連動させる連動手段とを備え、さらに第
1スロットルシャフトに設けられた第1係止部と、第1
駆動手段に設けられ第1スロットルバルブが開く動作に
おいて第1係止部と係合することにより第1スロットル
シャフトを第1駆動手段に連動させて回転させる第1係
合部と、第1係止部を第1係合部に係合する方向に所定
の荷重で付勢し、第1スロットルバルブが閉じる動作に
おいて所定の荷重の範囲内の伝達力で第1スロットルシ
ャフトを第1駆動手段に連動させて回転させる第1弾性
部材と、第2スロットルシャフトに設けられた第2係止
部と、第2駆動手段に設けられ第2スロットルバルブが
開く動作において第2係止部と係合することにより第2
スロットルシャフトを第2駆動手段に連動させて回転さ
せる第2係合部と、第2係止部を第2係合部に係合する
方向に所定の荷重で付勢し、第2スロットルバルブが閉
じる動作において所定の荷重の範囲内の伝達力で第2ス
ロットルシャフトを第2駆動手段に連動させて回転させ
る第2弾性部材と、第1スロットルシャフトに設けられ
た第3係止部と、連動手段に設けられ第1スロットルバ
ルブが開く動作において第3係止部と係合することによ
り第1スロットルシャフトを第2駆動手段に連動させて
回転させる第3係合部と、第3係合部を第3係止部に係
合する方向に所定の荷重で付勢し、第2スロットルバル
ブが閉じる動作において所定の荷重の範囲内の伝達力で
第2スロットルシャフトを第1スロットルシャフトに対
して相対回転させる第3弾性部材と、第2スロットルシ
ャフトに設けられた第4係止部と、連動手段に設けられ
第2スロットルバルブが開く動作において第4係止部と
係合することにより第2スロットルシャフトを第1駆動
手段に連動させて回転させる第4係合部と、第4係合部
を第4係止部に係合する方向に所定の荷重で付勢し、第
1スロットルバルブが閉じる動作において所定の荷重の
範囲内の伝達力で第1スロットルシャフトを第2スロッ
トルシャフトに対して相対回転させる第4弾性部材とを
備え、連動手段による相対回転量と、第3または第4弾
性部材の付勢力に抗した相対回転量とを合わせた量が、
少なくとも第1または第2スロットルバルブの一方がほ
ぼ全開位置で固着した場合に固着していない他方のスロ
ットルバルブを閉じることができる量であり、かつ少な
くとも第1または第2スロットルバルブの一方がほぼ全
閉位置で固着した場合に固着していない他方のスロット
ルバルブを開放することができる量であることを特徴と
している。
【0012】
【実施例】以下図示実施例により、本考案を説明する。
図1は、本考案の一実施例であるエンジン吸気量制御装
置を示す。この図において、図示しないエアクリーナを
通して吸入された空気は、吸気通路20に設けられた上
流側および下流側スロットルバルブ30、40によって
流量を制御され、エンジン10に吸入される。
【0013】上流側スロットルバルブ30は、スロット
ルシャフト31を中心として第1モータ32によって開
閉される。下流側スロットルバルブ40は、吸気通路2
0における上流側スロットルバルブ30の下流側に設け
られる。下流側スロットルバルブ40は、スロットルシ
ャフト41を中心として第2モータ42によって開閉さ
れる。第1および第2モータ32、42は、図示しない
センサによって検出されるアクセルペダルの開度と、車
輛のトラクションコントロールおよびクルーズコントロ
ール等を行うために必要な各種運転情報に基づいて、図
示しない電子制御ユニットによって制御される。
【0014】上流側および下流側スロットルバルブ3
0、40は、それぞれのスロットルシャフト31、41
をリンク機構50を介して連結されており、開度に所定
の差がつく領域でのみ連動する。リンク機構50の第1
および第2アーム51、52は、ロッド53によって所
定の遊びを有する状態で連結される。第1および第2ア
ーム51、52の基端部はそれぞれ、スロットルシャフ
ト31、41の右端部に回動自在に連結される。第1お
よび第2アーム51、52の先端部はそれぞれ、図3お
よび図4に示すように、ロッド53の上側および下側長
孔54、55に移動ピン56、57を介して連結され
る。これにより各アーム51、52は、ロッド53に対
して長孔分だけ相対移動可能となり、各スロットルバル
ブ30、40の開度差が所定の範囲内である場合に、相
互に独立して回動可能である。
【0015】各スロットルシャフト31、41と各モー
タ32、42のロータ33、43はそれぞれ、スロット
ルバルブ30、40を開く動作では全開度領域で連動す
るように、かつ、スロットルバルブ30、40を閉じる
動作では所定の伝達力の範囲内でのみ連動するように連
結される。また、各スロットルシャフト31、41とリ
ンク機構50の第1および第2アーム51、52はそれ
ぞれ、スロットルバルブ30、40を開く動作では全開
度領域で連動するように、かつ、スロットルバルブ3
0、40を閉じる動作では所定の伝達力の範囲内でのみ
連動するように連結される。
【0016】すなわちスロットルシャフト31、41に
はそれぞれ、図2に示すように、左ストッパ(第1係止
部)34、左ストッパ(第2係止部)44、右ストッパ
(第3係止部)35、右ストッパ(第4係止部)45、
および左右のストッパレバー36、37、46、47が
一体に設けられる。左ストッパ34、44は、第1およ
び第2モータ32、42(図1)のロータ33、43が
各スロットルバルブ30、40を開く方向に回転する
際、ロータ33、43の係合部(第1係合部)38、係
合部(第2係合部)48に係合され、スロットルシャフ
ト31、41をロータ33、43に連動して回転させ
る。右ストッパ35、45は、第1および第2アーム5
1、52が各スロットルバルブ30、40を開く方向に
回転する際、第1および第2アーム51、52の係合部
(第3係合部)58、係合部(第4係合部)59に係合
され、スロットルシャフト31、41を第1および第2
アーム51、52に連動して回転させる。
【0017】左ストッパレバー36、46とロータ3
3、43のレバー部39、49との間には、コイルスプ
リング等からなる弾性部材62、64が設けられてお
り、左ストッパ34、44が係合部38、48に係合す
るようにスロットルシャフト31、41を所定の荷重で
付勢する。この弾性部材62、64は、ロータ33、4
3が各スロットルバルブ30、40を閉じる方向に回転
する際、前記所定の荷重の範囲内の伝達力で、スロット
ルシャフト31、41をロータ33、43に連動して回
転させる。また弾性部材62、64は、ロータ33、4
3が固着して動作不能となった場合、スロットルシャフ
ト31、41が各スロットルバルブ30、40を開く方
向(矢印A方向)に回転するのを、前記所定の荷重以上
の伝達力で可能とする。
【0018】右ストッパレバー37、47と第1および
第2アーム51、52のレバー部60、61との間に
は、コイルスプリング等からなる弾性部材63、65が
設けられており、係合部58、59が右ストッパ35、
45に係合するように、第1および第2アーム51、5
2を所定の荷重で付勢する。この弾性部材63、65
は、スロットルシャフト31、41が矢印A方向に回転
する際、前記所定の荷重の範囲内の伝達力で、第1およ
び第2アーム51、52をスロットルシャフト31、4
1に連動させる。また弾性部材63、65は、ロータ3
3、43がスロットルバルブ30、40の全開位置また
はそれに近い位置で固着して動作不能となった場合、第
1および第2アーム51、52が矢印A方向と逆方向に
スロットルシャフト31、41に対して相対回転するの
を、前記所定の荷重以上の伝達力で可能とする。
【0019】本実施例の作用を説明する。上流側および
下流側スロットルバルブ30、40はそれぞれ、電子制
御ユニットに制御される第1および第2モータ32、4
2(図1)によって、スロットルシャフト31、41を
中心として開閉される。
【0020】第1モータ32(図1)のロータ33(図
2)が、上流側スロットルバルブ30の全閉位置で固着
した場合、図3(a)〜(e)に示すように、上流側ス
ロットルバルブ30は、第2モータ42(図1)によっ
て開閉される下流側スロットルバルブ40に、リンク機
構50を介して所定の開度範囲で連動する。
【0021】すなわち、双方のスロットルバルブ30、
40がアイドル開度である図3(a)に示す状態から、
下流側スロットルバルブ40が、第2モータ42(図
1)によってスロットルシャフト41を中心としてアイ
ドル開度+30°まで開かれると(図3(b))、スロ
ットルシャフト41の右ストッパレバー47(図2)
が、弾性部材65(図2)を介して第2アーム52を反
時計方向(図2中矢印A方向)に回転させる。この第2
アーム52の回転に伴って、移動ピン57が下側長孔5
5内を上端部側に移動し、ロッド53を右斜め上方に移
動させる。このとき第1アーム51は、移動ピン56が
上側長孔54内を下端部側に相対移動するため、ロッド
53に連動しない。したがって上流側スロットルバルブ
30は、アイドル開度のままである。
【0022】下流側スロットルバルブ40が、さらに反
時計方向に回転してアイドル開度+45°まで開かれる
と(図3(c))、第2アーム52もさらに反時計方向
に回転する。この第2アーム52の回転に伴って、移動
ピン57が下側長孔55内をさらに移動して上端部に係
合する。このとき移動ピン56は、上側長孔54の下端
部に係合するまで相対移動する。この移動ピン56と上
側長孔54の係合まで、第1アーム51はロッド53に
連動しない。
【0023】下流側スロットルバルブ40がアイドル開
度+60°まで開かれ、これに伴って第2アーム52が
さらに反時計方向に回転すると(図3(d))、移動ピ
ン57が下側長孔55の上端部に係合した状態で上方に
移動し、ロッド53を押し上げる。押し上げられたロッ
ド53は、上側長孔54の下端部に係合した移動ピン5
6を押し上げる。これにより第1アーム51が、ロッド
53に連動して反時計方向に回転する。このときスロッ
トルシャフト41は、第2アーム52に対して相対回転
し、弾性部材65に所定値以上の荷重を発生させる。
【0024】スロットルシャフト31は、図2に示すよ
うに、第1アーム51の係合部58に係合された右スト
ッパ35を介して第1アーム51に連動し、反時計方向
(矢印A方向)に回転する。この際、スロットルシャフ
ト31は、左ストッパレバー36が弾性部材62を圧縮
しながら回転することにより、固着したロータ33に妨
げられることなく、第1アーム51に連動して回転す
る。これにより、上流側スロットルバルブ30が開かれ
る。
【0025】同様にして、図3(e)に示すように、下
流側スロットルバルブ40がさらにアイドル開度+75
°まで開かれると、上流側スロットルバルブ30も連動
してさらに開かれる。
【0026】第2モータ42(図1)のロータ43(図
2)が、下流側スロットルバルブ41の全閉位置で固着
した場合、図4(a)〜(e)に示すように、下流側ス
ロットルバルブ40は、第1モータ32(図1)によっ
て開閉される上流側スロットルバルブ30に、リンク機
構50を介して所定の開度範囲で連動する。この場合の
動作は、第1モータ32のロータ33(図2)が、上流
側スロットルバルブ41の全閉位置で固着した場合と基
本的に同じである。すなわち、図4(a)〜(e)はそ
れぞれ図3(a)〜(e)に対応し、第1アーム51と
第2アーム52の作用が入れ替わっている。
【0027】第1モータ32(図1)のロータ33(図
2)が、上流側スロットルバルブ30の全開位置で固着
した場合、図5(a)〜(e)に示すように、下流側ス
ロットルバルブ40は、動作不能となった上流側スロッ
トルバルブ30に妨げられることなく、第2モータ42
(図1)によって全閉位置まで閉じられる。
【0028】すなわちロータ33(図2)の固着によ
り、上流側スロットルバルブ30が全開位置で動作不能
となった図5(a)に示す状態から、下流側スロットル
バルブ40が、第2モータ42(図1)によってスロッ
トルシャフト41を中心としてアイドル開度+30°ま
で閉じられると、スロットルシャフト41は、図2に示
すように、第2アーム52の係合部59に係合した右ス
トッパ45を介して、第2アーム52を矢印A方向と逆
方向(図5中時計方向)に回転させる。第2アーム52
の回転に伴って、図5(b)に示すように、移動ピン5
7が下側長孔55内を移動し、下側長孔55の下端部に
係合する。このとき第1アーム51は、移動ピン56が
上側長孔54内を上端部に係合するまで相対移動する。
【0029】第2モータ42(図1)によってスロット
ルシャフト41がさらに時計方向に回転し、下流側スロ
ットルバルブ40がさらに閉じられると(図5
(c))、これに連動して第2アーム52もさらに時計
方向に回転する。第2アーム52の回転に伴って、移動
ピン57が下側長孔55の下端部に係合した状態で下方
に移動し、ロッド53を押し下げる。押し下げられたロ
ッド53は、上側長孔54の上端部に係合した移動ピン
56を押し下げる。このとき第2モータ42(図1)の
ロータ43(図2)は、スロットルシャフト41に対し
て相対回転し、弾性部材64に所定値以上の荷重を発生
させる。
【0030】移動ピン56が押し下げられると、第1ア
ーム51が時計方向に回転する。このとき、スロットル
シャフト31は、図2に示すように、左ストッパ34
を、固着したロータ33の係合部38に係止されて回転
することができないが、弾性部材63が圧縮されて第1
アーム51の回転を許容するため、第1アーム51の回
転が妨げられることはない。これにより、下流側スロッ
トルバルブ40が閉じられる。
【0031】同様にして、図5(d)に示すように、第
2モータ42(図1)によってスロットルシャフト41
がさらに時計方向に回転すると、これに連動して第2ア
ーム52もさらに時計方向に回転し、ロッド53をさら
に押し下げる。押し下げられたロッド53は、上側長孔
54の上端部に係合した移動ピン56を押し下げる。こ
のとき第1アーム51は、固着したロータ33(図2)
によって回転を妨げられることなく、ロッド53に連動
してさらに回転する。これにより、下流側スロットルバ
ルブ40が全閉位置まで閉じられる。
【0032】第2モータ42(図1)のロータ43(図
2)が、下流側スロットルバルブ40の全開位置で固着
した場合、図6(a)〜(e)に示すように、上流側ス
ロットルバルブ30は、下流側スロットルバルブ40に
妨げられることなく、第1モータ32(図1)によって
全閉位置まで閉じられる。この場合の動作は、第1モー
タ32(図1)のロータ33(図2)が、上流側スロッ
トルバルブ30の全開位置で固着した場合と基本的に同
じである。すなわち、図6(a)〜(e)はそれぞれ図
5(a)〜(e)に対応し、第1アーム51と第2アー
ム52の作用が入れ替わっている。
【0033】図7は、モータにより正常に開閉できるス
ロットルバルブの開度(以下、正常スロットル開度とい
う)と、モータの故障により開閉できなくなり、正常な
スロットルバルブに連動するスロットルバルブの開度
(以下、故障スロットル開度という)との関係を示す図
である。この図において、正常スロットル開度が、アイ
ドル開度〜アイドル開度+45°である領域Aにおいて
は、故障スロットル開度はアイドル開度のまま変化せ
ず、正常スロットル開度がアイドル開度+45°を越え
る領域Bにおいては、故障スロットル開度は、正常スロ
ットル開度に比例して変化する。
【0034】以上のように上記実施例によれば、上流側
および下流側スロットルバルブ30、40のいずれか一
方が開閉できなくなった場合に、そのスロットルバルブ
を、正常に作動するスロットルバルブにリンク機構を介
して機械的に連動させることにより、エンジン吸気量を
制御することができ、これにより車輛のリンプホームが
可能となる。
【0035】また、いずれか一方のスロットルバルブ3
0、40を開閉できなくなった原因が、第1および第2
モータ32、42のいずれか一方のロータ固着にある場
合でも、ロータの固着したモータが駆動するスロットル
バルブを、固着したロータに妨げられることなく、正常
なモータの駆動するスロットルバルブにリンク機構を介
して連動させることができる。これによりエンジン吸気
量を制御することができ、車輛のリンプホームが可能と
なる。さらにロータ固着が、そのモータの駆動するスロ
ットルバルブの全開位置で起こった場合でも、そのスロ
ットルバルブに妨げられることなく、正常に動作するス
ロットルバルブを全閉位置まで閉じることができ、これ
により車輛の暴走等を確実に防止することができる。
【0036】さらに、各スロットルバルブ30、40の
連動を機械的に行うことで、高い信頼性を確保すること
ができるとともに、コスト低減を図ることができる。ま
たエンジン10の吸気系に大幅な変更を必要とせず、エ
ンジン10への搭載性が良好である。さらに、各スロッ
トルバルブ30、40の複合的な開閉動作によって微妙
な吸気量制御が可能であるため、主吸気系とは別にアイ
ドルスピード系を設ける必要がなく、アイドル回転数制
御のためのISCバルブ等が不要である。
【0037】なお上記実施例では、第1および第2モー
タ32、42のいずれか一方のロータ33、43が、ス
ロットルバルブ30、40の全開位置または全閉位置で
固着した場合について説明したが、ロータ33、43
が、スロットルバルブ30、40のパーシャル開度域で
固着した場合についても、上述したのと基本的に同一の
作用によって同一の効果を奏する。
【0038】
【考案の効果】以上のように本考案によれば、いずれか
の駆動手段が動作不能となった場合でも、その動作不能
な駆動手段に妨げられることなく、車輛のリンプホーム
を可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の一実施例に係るエンジン吸気量制御装
置を示す図である。
【図2】図1のエンジン吸気量制御装置のスロットルシ
ャフトと、モータのロータおよびリンク機構のアームと
の連結部分を示す図である。
【図3】図1のエンジン吸気量制御装置の第1モータの
ロータが、上流側スロットルバルブの全閉位置で固着し
た場合における各スロットルバルブの動きを示す図であ
る。
【図4】図1のエンジン吸気量制御装置の第2モータの
ロータが、下流側スロットルバルブの全閉位置で固着し
た場合における各スロットルバルブの動きを示す図であ
る。
【図5】図1のエンジン吸気量制御装置の第1モータの
ロータが、上流側スロットルバルブの全開位置で固着し
た場合における各スロットルバルブの動きを示す図であ
る。
【図6】図1のエンジン吸気量制御装置の第2モータの
ロータが、下流側スロットルバルブの全開位置で固着し
た場合における各スロットルバルブの動きを示す図であ
る。
【図7】正常スロットル開度と故障スロットル開度の関
係を示す図である。
【符号の説明】
20 吸気通路 30 上流側スロットルバルブ(第1のスロットルバル
ブ) 31 スロットルシャフト 32 第1モータ(第1の駆動手段) 40 下流側スロットルバルブ(第2のスロットルバル
ブ) 41 スロットルシャフト 42 第2モータ(第2の駆動手段) 50 リンク機構(連動手段)

Claims (1)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車輛に搭載されるエンジンの吸気量を制
    御する装置であって、 吸気通路内に開閉自在に設けられた第1スロットルバル
    ブと、前記吸気通路内における前記第1スロットルバル
    ブの下流側に開閉自在に設けられた第2スロットルバル
    ブと、前記第1および第2スロットルバルブを軸心周り
    に回転させることにより前記第1および第2スロットル
    バルブをそれぞれ開閉させる第1および第2スロットル
    シャフトと、前記第1および第2スロットルシャフトを
    それぞれ駆動する第1および第2駆動手段と、前記第1
    および第2駆動手段をアクセル開度および前記車輛の各
    種運転情報に基づいて制御し前記第1および第2スロッ
    トルバルブの開度を変更させる制御手段と、前記第1お
    よび第2スロットルシャフトを機械的に連結することに
    より、前記第1および第2スロットルバルブを所定の開
    度差の範囲において独立して互いに相対回転可能にし、
    かつ前記第1および第2スロットルバルブを前記所定の
    開度差の範囲の最大値および最小値において連動させる
    連動手段とを備え、 さらに前記第1スロットルシャフトに設けられた第1係
    止部と、前記第1駆動手段に設けられ前記第1スロット
    ルバルブが開く動作において前記第1係止部と係合する
    ことにより前記第1スロットルシャフトを前記第1駆動
    手段に連動させて回転させる第1係合部と、前記第1係
    止部を前記第1係合部に係合する方向に所定の荷重で付
    勢し、前記第1スロットルバルブが閉じる動作において
    所定の荷重の範囲内の伝達力で前記第1スロットルシャ
    フトを前記第1駆動手段に連動させて回転させる第1弾
    性部材と、 前記第2スロットルシャフトに設けられた第2係止部
    と、前記第2駆動手段に設けられ前記第2スロットルバ
    ルブが開く動作において前記第2係止部と係合すること
    により前記第2スロットルシャフトを前記第2駆動手段
    に連動させて回転させる第2係合部と、前記第2係止部
    を前記第2係合部に係合する方向に所定の荷重で付勢
    し、前記第2スロットルバルブが閉じる動作において所
    定の荷重の範囲内の伝達力で前記第2スロットルシャフ
    トを前記第2駆動手段に連動させて回転させる第2弾性
    部材と、 前記第1スロットルシャフトに設けられた第3係止部
    と、前記連動手段に設けられ前記第1スロットルバルブ
    が開く動作において前記第3係止部と係合することによ
    り前記第1スロットルシャフトを前記第2駆動手段に連
    動させて回転させる第3係合部と、前記第3係合部を前
    記第3係止部に係合する方向に所定の荷重で付勢し、前
    記第2スロットルバルブが閉じる動作において所定の荷
    重の範囲内の伝達力で前記第2スロットルシャフトを前
    記第1スロットルシャフトに対して相対回転させる第3
    弾性部材と、 前記第2スロットルシャフトに設けられた第4係止部
    と、前記連動手段に設けられ前記第2スロットルバルブ
    が開く動作において前記第4係止部と係合することによ
    り前記第2スロットルシャフトを前記第1駆動手段に連
    動させて回転させる第4係合部と、前記第4係合部を前
    記第4係止部に係合する方向に所定の荷重で付勢し、前
    記第1スロットルバルブが閉じる動作において所定の荷
    重の範囲内の伝達力で前記第1スロットルシャフトを前
    記第2スロットルシャフトに対して相対回転させる第4
    弾性部材とを備え、 前記連動手段による相対回転量と、前記第3または第4
    弾性部材の付勢力に抗した相対回転量とを合わせた量
    が、少なくとも前記第1または第2スロットルバルブの
    一方がほぼ全開位置で固着した場合に固着していない他
    方のスロットルバルブを閉じることができる量であり、
    かつ少なくとも前記第1または第2スロットルバルブの
    一方がほぼ全閉位置で固着した場合に固着していない他
    方のスロットルバルブを開放することができる量である
    ことを特徴とするエンジン吸気量制御装置。
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