JP2593611Y2 - 車両のフロントエンド部モジュールキャリア構造 - Google Patents

車両のフロントエンド部モジュールキャリア構造

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JP2593611Y2 JP1993062067U JP6206793U JP2593611Y2 JP 2593611 Y2 JP2593611 Y2 JP 2593611Y2 JP 1993062067 U JP1993062067 U JP 1993062067U JP 6206793 U JP6206793 U JP 6206793U JP 2593611 Y2 JP2593611 Y2 JP 2593611Y2
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年男 増田
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Fuji Jukogyo KK
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は、車両のフロントエンド
部モジュールキャリア構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】車両において、車体のフロントエンドパ
ネルにラジエータ及びファン,更に空調装置のコンデン
サ等車体前面部に装着される部品を組付け、このフロン
トエンドパネル(モジュールキャリア)を艤装工程にて
車体本体の前面部にボルト等によって取り外し可能なる
よう固定するようにしたものは、従来より開発され例え
ば特開昭63−312279号公報で公開されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】一般に、エンジンルー
ムの前方部分には種々の電気装置が組み込まれており、
これら各種電気装置用のワイヤハーネスがエンジンルー
ム内に配設する必要があるが、この周辺はエンジン冷却
水冷却用のラジエータ,エアコンのコンデンサ,オイル
クーラ,排気系の触媒等の放熱にさらされるところであ
り、又エンジンルーム前端部は軽,中衝突でも変形が生
じる部位であるから、上記各種放熱体による熱害を受け
ることなく且つ軽,中衝突程度では断線等の虞れがない
ようにワイヤハーネスを引き回すということは極めて難
しいという課題を有している。
【0004】本考案は上記のような従来の課題に対処す
ることを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本考案は、アッパフレー
ムとロアのサポートフレームとにより形成されるラジエ
ータ組付部の前面部に左右に通るミドルフレームをもっ
た一体構造のモジュールキャリアの該ミドルフレーム前
端部にハーネス嵌装溝部を車幅方向に連続して凹設し、
該ハーネス嵌装溝部にワイヤハーネスを嵌装組付けるよ
うにしたことを特徴とするものであり、又このモジュー
ルキャリアを車体本体の前面部に取付けた状態におい
て、上記ミドルフレームがフロントバンパのバックビー
ム上に重なった構造となるよう構成したことを特徴とす
るものである。
【0006】
【作用】上記のように、モジュールキャリアのラジエー
タ組付部の前面部を横切るミドルフレームの前端部に凹
設したハーネス嵌装溝部内にワイヤハーネスを嵌装組付
けるようにしたことにより、該ワイヤハーネスはラジエ
ータ組付部に組付けられたエンジン冷却用のラジエータ
や空調装置のコンデンサ等の熱的影響を全く受けること
がなく又エンジンルーム内の排気系の触媒やオイルクー
ラ等の放熱源からは隔離され、ワイヤハーネスが熱害を
受ける虞れはなくなり、ワイヤハーネス引き回し作業の
簡単容易化をはかることができる。更に、モジュールキ
ャリアを車体本体に取付けた状態にてミドルフレームが
フロントバンパのバックビーム上に重なった構造となる
よう構成したことによって、軽,中衝突にてフロントバ
ンパが後方に変形したとき、バックビームはミドルフレ
ームの下側をすり抜けて後方変位するだけで、ミドルフ
レームを含むモジュールキャリアには殆ど影響を与える
ことがなく、ミドルフレーム先端部に組込まれたワイヤ
ハーネスが断線等の損傷を受ける虞れはない。
【0007】
【実施例】以下、本考案の実施例を図1及び図2を参照
して説明する。
【0008】図1及び図2において、1は車両のフロン
トエンド部のモジュールキャリアであり、該モジュール
キャリア1は、アッパフレーム12とロアのサポートフ
レーム13と左右の縦フレーム14とで周囲を囲まれた
ラジエータ組付部11を中央部に形成し、その両側にヘ
ッドランプ取付部17を形成した構造に一体に構成され
る。上記ラジエータ組付部11のアッパフレーム12と
サポートフレーム13との中間部には左右に通るミドル
フレーム15が前方にオフセットして一体に設けられ、
且つアッパフレーム12とミドルフレーム15とはステ
ー部16にて中央部を連結した構造に構成されている。
【0009】アッパフレーム12は、その後部が所定範
囲切欠かれた形状に構成され、ラジエータ2をサポート
フレーム13のラジエータ取付部13aに取付けた場
合、該ラジエータ2の上部がアッパフレーム12の切欠
部12a内に嵌合して組付けられるようになっている。
【0010】ロアのサポートフレーム13の左右部に
は、最前端部に空調装置のコンデンサ3を載置取付ける
ためのコンデンサマウント部13bが設けられ、その後
部にラジエータ取付部13aが設けられる。
【0011】そして、ラジエータ2と空調装置のコンデ
ンサ3をモジュールキャリア1の後方よりラジエータ組
付部11内に挿入し、サポートフレーム13のコンデン
サマウント部13bにコンデンサ3を取付け、ラジエー
タ取付部13aにラジエータ2を取付けると共に、冷却
ファン4をラジエータ2の後部に位置するよう取付ける
ことにより、吸い込みファン式のレイアウトとすること
ができるようになっている。
【0012】尚上記において、ラジエータ2の上部は、
アッパフレーム12の切欠部12a内に嵌り該アッパフ
レーム12に取付部材2aにて取付け固定され、冷却フ
ァン4はその外周の枠部をアッパフレーム12,サポー
トフレーム13,左右の縦フレーム14とからなるラジ
エータ組付部11の主要構成フレームに接合しボルト等
による締付けにて適宜取付け固定される。
【0013】上記ミドルフレーム15の前端部には、ハ
ーネス嵌装溝部15aが左端から右端まで連続して凹設
され、該ハーネス嵌装溝部15a内にワイヤハーネス8
が嵌装組込まれるようになっている。尚、ハーネス嵌装
溝部15aに嵌装組込まれたワイヤハーネス8は、フロ
ントバンパ7を取付けた際そのバンパフェイス7bの上
端縁をミドルフレーム15上に接合固定する数箇所のク
リップ7b′にてハーネス嵌装溝部15aより抜け出す
ことがないよう保持され、該ワイヤハーネス8の両端部
に設けたコネクタが該ハーネス嵌装溝部15aの両端部
より突出し、該コネクタにてそれぞれのワイヤハーネス
枝線に接続されるようになっている。
【0014】ステー部16の上方部分にはフードロック
取付部16aが設けられ、該フードロック取付部16a
にフロントフード5のフードロック装置6が取付けられ
るようになっている。
【0015】上記のように、ラジエータ2,コンデンサ
3,冷却ファン4等を組付け、且つヘッドランプ取付部
17にヘッドランプを組付け、且つミドルフレーム15
前端部のハーネス嵌装溝部15aにワイヤハーネス(幹
線)8を嵌装組付けたモジュールキャリア1を、車体本
体の前面部にボルト等により取付け、ワイヤハーネス8
の左右両側端のコネクタにて所定のワイヤハーネス枝線
が接続されるものであるが、その取付状態において図2
(A)に示すように、ミドルフレーム15の下面がフロ
ントバンパ7のバックビーム7a上に緩衝材7a′を介
して接合し、該ミドルフレーム15の上面にバンパフェ
イス7bの上端縁をクリップ7b′にて接合固定する。
そしてステー部16に設けたフードロック取付部16a
にフードロック装置6を取付けることにより、フロント
フード5を閉めたときフードロック入力荷重(下向きの
荷重)がステー部16からミドルフレーム15へと分散
され、更に緩衝材7a′を介してフロントバンパ7のバ
ックビーム7aで上記フードロック荷重を受けるように
している。
【0016】上記のようにミドルフレーム15は単にフ
ロントバンパ7のバックビーム7a上に載っているだけ
であるので、軽,中衝突によってフロントバンパ7が変
形したときミドルフレーム15を含むモジュールキャリ
ア1はそのフロントバンパ7の変形の影響を殆ど受ける
ことがない。即ち、図2(B)に示すように、フロント
バンパ7がバリヤ9に衝突(軽,中衝突)した場合、バ
ンパフェイス7bとバックビーム7aとの間の衝撃吸収
材7cが圧縮弾性変形しバックビーム7aも後方へ変位
するが、上記のようにミドルフレーム15はバックビー
ム7a上に緩衝材7a′を介して単に重なっているだけ
であるので、バックビーム7aはミドルフレーム15の
下部を後方へすり抜けるだけで、ミドルフレーム15を
含むモジュールキャリア1全体には殆ど影響を与えるこ
とがない。尚バンパフェイス7bは通常合成樹脂の薄膜
材にて構成されそれ自体が剛体ではないので、その上端
縁をミドルフレーム15の上面に結合していても衝突時
は該バンパフェイス7bが弾性変形しミドルフレーム1
5には殆ど影響を与えることはない。
【0017】上記のように、ワイヤハーネス(幹線)8
を車幅方向に嵌装組付けたミドルフレーム15の前端部
は、ラジエータ2やコンデンサ3の前方でこれらの放熱
の影響が殆どなく、又排気系の触媒やオイルクーラ等エ
ンジンルーム内の放熱源とは隔離された部位であり、且
つ上記のように軽,中衝突による影響が殆どない部位で
あるから、ワイヤハーネス8が熱的損傷や衝突時の断線
といった虞れはほとんどなくなると共に、ワイヤハーネ
スの引き回し作業が極めて簡単容易となり、更にフロン
トバンパ7にて覆われているので埃や雨水等にさらされ
ることもなく、又整備,メンテナンス性等も極めて良好
である。
【0018】
【考案の効果】以上のように本考案によれば、アッパフ
レームとロアのサポートフレームとにより形成されるラ
ジエータ組付部の前面部に、左右に通るミドルフレーム
と、上記アッパフレームとミドルフレームとをそれらの
中央部にて連結するステー部とをもった一体構造のモジ
ュールキャリアを構成し、該ミドルフレームの前面部に
ハーネス嵌装溝部を設けてこれにワイヤハーネスを嵌装
組込み、且つ該モジュールキャリアを車体本体の前面部
に取付けた状態において上記ミドルフレームが、車体フ
レームに取付けられたフロントバンパのバックビーム上
に重なった状態となる構造に構成したことにより、軽,
中衝突によるフロントバンパの変形に際してはバックビ
ームがミドルフレームの下側を後方へすり抜け、該ミド
ルフレームを含むモジュールキャリアは殆どその変形の
影響を受けることがなく、従ってミドルフレーム前端部
に組込まれたワイヤハーネスは熱害を受けることなく又
衝突によって断線等の損傷を受ける虞れもなく、ワイヤ
ハーネスの引き回し作業の簡単容易化,整備メンテナン
ス性の向上をはかることができるもので、実用上極めて
大なる効果をもたらし得るものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案にかかるフロントエンド部のモジュール
キャリアの一例を示すもので、(A)は前方斜め上方か
ら見た斜視図、(B)は(A)の要部拡大斜視図でワイ
ヤハーネスの組込状態を示している。
【図2】図1に示すモジュールキャリアを車両に取付け
た状態の一例を示す縦断側面図で、(A)は正常状態,
(B)は軽,中衝突時の状態をそれぞれ示している。
【図3】図2(A)のX部の拡大詳細図である。
【符号の説明】
1 モジュールキャリア 2 ラジエータ 3 コンデンサ 4 冷却ファン 5 フロントフード 6 フードロック装置 7 フロントバンパ 7a バックビーム 7b バンパフェイス 7b′ クリップ 7c 衝撃吸収材 8 ワイヤハーネス 11 ラジエータ組付部 12 アッパフレーム 13 サポートフレーム 14 縦フレーム 15 ミドルフレーム 15a ハーネス嵌装溝部 16 ステー部 16a フードロック取付部

Claims (2)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アッパフレームとロアのサポートフレー
    ムとにより形成されたラジエータ組付部の前面部に左右
    に通るミドルフレームをもった一体構造のモジュールキ
    ャリアの該ミドルフレーム前端部にハーネス嵌装溝部を
    車幅方向に連続して凹設し、上記ラジエータ組付部にエ
    ンジン冷却用のラジエータ,空調装置のコンデンサ及び
    冷却ファンを組付け且つミドルフレームに凹設したハー
    ネス嵌装溝部にワイヤハーネスを嵌装組付けて該モジュ
    ールキャリアを車体本体の前面部に取付けるようにした
    ことを特徴とする車両のフロントエンド部モジュールキ
    ャリア構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載したモジュールキャリア
    を車体本体の前面部に取付けた状態において、モジュー
    ルキャリアのミドルフレームがフロントバンパのバック
    ビーム上に重なる構成としたことを特徴とする車両のフ
    ロントエンド部モジュールキャリア構造。
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US08/327,473 US5573299A (en) 1993-10-25 1994-10-21 Module carrier structure for vehicle front end having a groove for a wire harness
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