JP2593439B2 - 無段変速機の制御装置 - Google Patents

無段変速機の制御装置

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JP2593439B2
JP2593439B2 JP60262651A JP26265185A JP2593439B2 JP 2593439 B2 JP2593439 B2 JP 2593439B2 JP 60262651 A JP60262651 A JP 60262651A JP 26265185 A JP26265185 A JP 26265185A JP 2593439 B2 JP2593439 B2 JP 2593439B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (イ)産業上の利用分野 本発明は、無段変速機の制御装置に関するものであ
る。
(ロ)従来の技術 従来の無段変速機の制御装置としては、例えば特開昭
60-44653号公報に示されるものがある。この無段変速機
の制御装置は、急加速時のように目標とするエンジン回
転速度と実際のエンジン回転速度との差が大きい場合に
は、目標エンジン回転速度よりも低い所定の回転速度に
達した段階で無段変速機の速度比変化速度を抑制するよ
うにしたものである。これにより、加速中における無段
変速機の速度比変更に伴なう伝達効率の低下を防止し
て、加速中における車両の燃料経済性を向上しようとし
ている。
(ハ)発明が解決しようとする問題点 しかし、上記のような従来の無段変速機の制御装置に
は、燃料経済性はわずかに改善されるものの、加速性能
が低下するという問題点がある。すなわち、スロットル
開度を急激に増大させた場合、無段変速機はその時点の
変速比に固定されるため、低車速時には比較的変速比大
側に固定され、また高車速時には比較的変速比小側に固
定されてしまい、特に高車速時における加速力が不十分
なものとなる。本発明は、このような問題点を解決する
ことを目的としている。
(ニ)問題点を解決するための手段 本発明は、エンジン負荷が大きい場合(すなわち、ス
ロットル開度が大きい場合)の制御目標とするエンジン
回転速度を、スロットル開度を増大させたときの車速に
対応するパラメータとその後の車速との関数として与え
ることにより、エンジン回転速度の上昇に伴なって駆動
力が上昇していくように設定し、上記問題点を解決す
る。すなわち、本発明は、第1図にもあるように、車両
の運転状態に応じてエンジン回転速度、駆動プーリ回転
速度又は変速比を制御目標値に制御する無段変速機の制
御装置において、エンジン負荷を検出する手段と、車速
を検出する手段と、エンジン負荷が所定値よりも小さい
場合に、エンジン負荷にのみ対応してエンジン回転速度
が変化するように、制御目標エンジン回転速度、制御目
標駆動プーリ回転速度又は制御目標変速比を決定する小
負荷時制御手段と、エンジン負荷が所定値よりも大きい
場合に、エンジン負荷が上記所定値よりも小さい状態か
ら大きい状態に変化して該所定値になったときに検出さ
れた車速に対応して第1及び第2の係数を決定し、この
第1の係数とエンジン負荷が前記所定値になったとき及
びそれ以降に検出される車速とを乗じた車速変数、及び
第2の係数とからなり車速の増大に応じて増加する特性
の1次関数により、制御目標エンジン回転速度、制御目
標駆動プーリ回転速度又は制御目標変速比を決定する大
負荷時制御手段とを有し、かつエンジン負荷が所定値に
なり小負荷時制御手段から大負荷時制御手段に切換わっ
たときの制御目標エンジン回転速度、制御目標駆動プー
リ回転速度又は制御目標変速比が一致するように前記係
数を決定する。
(ホ)作用 エンジン負荷が小さい場合には小負荷時制御手段によ
って決定された制御目標値となるように変速の制御が行
われるため、エンジン負荷のみに対応してエンジン回転
速度が変化することになる。すなわち、エンジン負荷が
大きいほどエンジン回転速度が高くなるように制御され
る。一方、エンジン負荷が所定値よりも大きくなると大
負荷時制御手段によって制御目標値が決定され、これに
基づいて変速制御が行われる。大負荷時制御手段は、エ
ンジン負荷が所定値よりも小さい状態から大きい状態に
変化する時点で検出された車速に対応して決定される第
1、第2の係数及び、前記時点から時々刻々に検出され
る車速を変数として決定される1次関数により制御目標
値を決定するので、エンジン回転速度の上昇と加速力の
増大がほぼ一致するようにすることができ、加速フィー
リングの良い変速を実現する。急加速中にも変速が行わ
れるため、十分な加速力を得ることができる。
(へ)実施例 以下、本発明の実施例を添付図面の第2図〜第13図に
基づいて説明する。
(ヘ)実施例 第2図に本発明の制御装置により変速が制御される無
段変速機の動力伝達機構を示す。
エンジンのクランクシャフトと連結される入力軸2
は、前進用クラッチ4を介して、駆動プーリ6を揃えた
駆動軸8に連結可能である。入力軸2には、後述の油圧
制御装置の油圧源である外接歯車式のオイルポンプ10が
設けられている。オイルポンプ10は駆動ギア12及び被動
ギア14を有している。入力軸2には、回転とい16が一体
回転可能に取つけてあり、この回転とい16は略円板状の
板の外周を内側へ折り曲げることにより油だまり18を形
成し、この油だまり18の中に回転とい16と一緒に回転す
る油を保持するようにしてある。なお、油だまり18に
は、回転とい16の回転変化に対する油の追従性を良くす
る羽根として作用する凹凸を形成することが好ましい。
また、回転とい16には、常に所定量の油を油だまり18内
に供給する管路(図示してない)を設けてある。回転と
い16の油だまり18内には、回転とい16と一緒に回転する
油の流れに対向する開口を有するピトー管20を臨ませて
あり、油だまり18内の油の動圧はピトー管20によって検
出可能である。入力軸2と平行に副軸22が回転自在に設
けてあり、この副軸22の一端側に後退用クラッチ24が設
けられている。入力軸2及び副軸22にそれぞれ、互いに
かみ合うギア26及び28を有している。ギア26は入力軸2
と常に一体回転可能であり、またギア28は後退用クラッ
チ24を介して副軸22と一体回転可能である。副軸22の他
端側には、ギア34が一体に設けてあり、ギア34は回転自
在に支持されたギア32とかみ合っている。ギア32は、駆
動軸8と一体回転可能なギア30とかみ合っている。前進
用クラッチ4及び後退用クラッチ24は、いずれもそのピ
ストン室36及び38に後述の油圧制御装置から油圧が導か
れたときに締結される構成となっている。前進用クラッ
チ4が締結されたときには、入力軸2から伝えられるエ
ンジン回転は正転のまま駆動軸8に伝達され、一方、後
退用クラッチ24が締結されたときにはエンジン回転はギ
ア26、28、34、32及び30の作用によって逆転され駆動軸
8に伝達される。駆動プーリ6は、駆動軸8と一体に形
成された固定円すい板40と、固定円すい板40に対向配置
されてV字状プーリみぞを形成すると共に駆動プーリシ
リンダ室42に作用する油圧によって駆動軸8の軸方向に
移動可能である可動円すい板44とから成っている。な
お、V字状プーリみぞの最大幅は、可動円すい板44が図
中で左方へ所定量移動したときに作用するストッパ(図
示してない)によって規制される。駆動プーリ6の固定
円すい板40にも前述の回転とい16とほぼ同様の回転とい
46が設けてある。回転とい46の油だまり47内の油の動圧
はピトー管48によって検出可能であり、また油だまり47
内には油管(図示してない)によって常に所定量の油が
供給される。駆動プーリ6はVベルト50によって従動プ
ーリ51と伝動可能に連結されているが、この従動プーリ
51は回転自在な従動軸52上に設けられている。従動プー
リ51は、従動軸52と一体に形成された固定円すい板54
と、固定円すい板54に対向配置されてV字状プーリみぞ
を形成すると共に従動プーリシリンダ室56に作用する油
圧及びスプリング57によって従動軸52の軸方向に移動可
能である可動円すい板58とから成っている。駆動プーリ
6の場合と同様に、可動円すい板58の軸方向の動きは、
図示してないストッパによって制限されて最大のV字状
プーリみぞ幅以上とならないようにしてある。なお、従
動プーリシリンダ室56の受圧面積は駆動プーリシリンダ
室42の受圧面積の約1/2としてある。従動軸52と一体回
転するように設けられたギア60は、リングギア62とかみ
合っている。すなわち、従動軸52の回転力は、ギア60を
介してリングギア62に伝達される。リングギア62が取り
付けられたデフケース64には、1対のピニオンギア66及
び68及びこのピニオンギア66及び68とかみ合って差動装
置70を構成する1対のサイドギア72及び74が設けられて
いる。サイドギア72及び74にはそれぞれ出力軸76及び78
が連結される。
上記のような無段変速機の動力伝達機構にエンジンの
クランクシャフトから入力された回転力は、入力軸2か
ら前進用クラッチ4を介して駆動軸8に(又は、入力軸
2からギア26、ギア28、後退用クラッチ24、副軸22、ギ
ア34、ギア32及びギア30を介して駆動軸8に)伝えら
れ、次いで駆動プーリ6、Vベルト50、従動プーリ51、
従動軸52へと伝達されていき、更にギア60を介してリン
グギア62に入力され、次いで差動装置70の作用により出
力軸76及び78に回転力が伝達される。上記動力伝達の
際、前進用クラッチ4が締結され後退用クラッチ24が解
放されている場合には、駆動軸8は入力軸2と同一方向
に回転し、出力軸76及び78は前進方向に回転される。ま
た逆に、前進用クラッチ4が解放され後退用クラッチ24
が締結されている場合には、駆動軸8は入力軸2と逆方
向に回転し、出力軸76及び78は後退方向に回転する。こ
の動力伝達の際に、駆動プーリ6の可動円すい板44及び
従動プーリ51の可動円すい板58を軸方向に移動させてV
ベルト50との接触位置半径を変えることにより、駆動プ
ーリ6と従動プーリ51との回転比を変えることができ
る。例えば、駆動プーリ6のV字状プーリみぞの幅を拡
大すると共に従動プーリ51のV字状プーリみぞの幅を縮
小すれば、駆動プーリ6側のVベルト接触位置半径は小
さくなり、従動プーリ51側のVベルト接触位置半径は大
きくなり、結局大きな変速比が得られることになる。可
動円すい板44及び58を逆方向に移動させれば、上記と全
く逆に変速比は小さくなる。
次に、この無段変速機の油圧制御装置について説明す
る。油圧制御装置は第3図に示すように、オイルポンプ
10、ライン圧調圧弁102、マニアル弁104、変速制御弁10
6、クラッチ完全締結制御弁108、変速モータ110、変速
操作機構112、スロットル弁114、スターティング弁11
6、スタート調整弁118、最大変速比保持弁120、リバー
スインヒビター弁122、潤滑弁124等から成っている。
オイルポンプ10は、前述のように入力軸2によって駆
動されて、タンク130内の油をストレーナ131を介して吸
引し油路132に吐出する。油路132の吐出油は、ライン圧
調圧弁102のポート146d及び146eに導かれて、後述のよ
うにライン圧として所定圧力に調圧される。油路132
は、スロットル弁114のポート192c及び変速制御弁106の
ポート172bにも連通している。また、油路132は従動プ
ーリシリンダ室56にも連通している。すなわち、従動プ
ーリシリンダ室56には常にライン圧が供給されている。
マニアル弁104は、4つのポート134a、134b、134c及
び134dを有する弁穴134と、この弁穴134に対応した2つ
のランド136a及び136bを有するスプール136とから成っ
ている。運転席のセレクトレバー(図示していない)に
よって動作されるスプール136はP、R、N、D及びL
レンジの5つの停止位置を有している。ポート134aはド
レーンポートであり、ポート134bは油路138によってリ
バースインヒビター弁122のポート240cと連通してい
る。またポート134cは油路140によってスターティング
弁116のポート204aと連通し、ポート134dは油路142によ
って前進用クラッチ4のピストン室36に連通している。
スプール136がPの位置では、後述のスターティング弁1
16によって制御される油路140のスタート圧が加圧され
たポート134cはランド136bによって閉鎖され、前進用ク
ラッチ4のピストン室36は油路142及びポート134dを介
してドレーンされ、また、後退用クラッチ24のピストン
室38は油路144、リバースインヒビター弁122のポート24
0b及び240c、油路138及びポート134bを介してドレーン
される。スプール136がR位置にあると、ポート134bと
ポート134cとがランド136a及び136b間において連通し
て、(リバースインヒビター弁122が図中上半部状態に
あるときには)後退用クラッチ24のピストン室38に油路
140のスタート圧が供給され、他方、前進用クラッチ4
のピストン室36はポート134dを経てドレーンされる。ス
プール136がN位置にくると、ポート134cはランド136a
及び136bによってはさまれて他のポートに連通すること
ができず、一方、ポート134b及び134dは共にドレーンさ
れるから、P位置の場合と同様に後退用クラッチ24のピ
ストン室38及び前進用クラッチ4のピストン室36は共に
ドレーンされる。スプール136がD又はL位置にあると
きは、ポート134cとポート134dとがランド136a及び136b
間において連通して、前進用クラッチ4のシリンダ室36
にライン圧が供給され、他方、後退用クラッチ24のピス
トン室38はポート134bを経てドレーンされる。これによ
って、結局、スプール136がP又はN位置にあるときに
は、前進用クラッチ4及び後退用クラッチ24は共に解放
されて動力の伝達がしゃ断され入力軸2の回転力が駆動
軸8に伝達されず、スプール136がR位置では後退用ク
ラッチ24が締結されて(リバースインヒビター弁122が
図中上半部状態の場合)、出力軸76及び78は前述のよう
に後退方向に駆動され、またスプール136がD又はL位
置にあるときには前進用クラッチ4が締結されて出力軸
76及び78は前進方向に駆動されることになる。なお、D
位置とL位置との間には上述のように油圧回路上は何の
相違もないが、両位置は電気的に検出されて異なった変
速パターンに応じて変速するように後述の変速モータ11
0の作動が制御される。
ライン圧調圧弁102は、6つのポート146a、146b、146
c、146d、146e及び146fを有する弁穴146と、この弁穴14
6に対応して5つのランド148a、148b、148c、148d及び1
48eを有するスプール148と、軸方向に移動自在なスリー
プ150と、スプール148とスリープ150との間に並列に設
けられた2つのスプリング152及び154と、から成ってい
る。スリープ150は、ピン156を支点として揺動するレバ
ー158の一端から押圧力を受けるようにしてある。レバ
ー158の他端は駆動プーリ6の可動円すい板44の外周に
設けたみぞにかみ合っている。従って、変速比が大きく
なるとスリープ150は図中右側に移動し、変速比が小さ
くなるとスリープ150は図中左側に移動する。2つのス
プリング152及び154のうち、外周側のスプリング152は
常に両端をそれぞれスリープ150及びスプール148に接触
させて圧縮状態にあるが、内周側のスプリング154はス
リープ150が所定以上図中右方向に移動してはじめて圧
縮されるようにしてある。ライン圧調圧弁102のポート1
46aは油路160を介して変速制御弁106のポート172aと接
続されている。ポート146bにはスロットル圧回路である
油路162からスロットル圧が供給されている。ポート146
cは潤滑回路である油路164に連通している。ポート146d
及び146eにはライン圧回路である油路132からライン圧
が供給されている。ポート146fはドレーンポートであ
る。なお、ポート146a、146b及び146eの入口にはそれぞ
れオリフィス166、168及び170が設けてある。結局この
ライン圧調圧弁102のスプール148には、スプリング152
による力(又はスプリング152及び154による力)、ポー
ト146aの油圧がランド148a及び148b間の面積差に作用す
る力及びポート146bの油圧(スロットル圧)がランド14
8b及び148c間の面積差に作用する力という3つの右方向
の力と、ランド148d及び148e間の面積差に作用するポー
ト146eの油圧(ライン圧)による力という左方向の力と
が作用するが、スプール148はポート146dからポート146
cへの油の洩れ量を調節して常に左右方向の力が平衡す
るようにポート146eのライン圧を制御する。従ってライ
ン圧は、変速比が大きいほど高くなり、ポート146aの油
圧(この油圧は後述のように急変速時のみ作用し、ライ
ン圧と同じ油圧である)が高いほど高くなり、またポー
ト146bに作用するスロットル圧が高いほど高くなる。こ
のようにライン圧を調節するのは、変速比が大きいほど
プーリのVベルト押付力を大きくする必要があり、また
急変速時に急速にプーリシリンダ室に油を供給する必要
があり、またスロットル圧が高い(すなわち、エンジン
吸気管負圧が小さい)ほどエンジン出力トルクが大きい
ので油圧を上げてプーリのVベルト押圧力を増大させて
摩擦による動力伝達トルクを大きくするためである。
変速制御弁106は、4つのポート172a、172b、172c及
び172dを有する弁穴172と、この弁穴172に対応した3つ
のランド174a、174b及び174cを有するスプール174と、
スプール174を図中左方向に押すスプリング175とから成
っている。ポート172aは前述のように油路160を介して
ライン圧調圧弁102のポート146aと連通しており、ポー
ト172bはライン圧回路である油路132と連通してライン
圧が供給されており、ランド172cは油路176を介して最
大変速比保持弁120のポート230dと連通しており、また
ポート172dは潤滑回路である油路164と連通している。
なお、ポート172dの入口にはオリフィス177が設けてあ
る。スプール174の左端は後述の変速操作機構112のレバ
ー178のほぼ中央部にピン181によって連結されている。
ランド174bの軸方向長さはポート172cの幅よりも多少小
さくしてある。従って、ポート172bに供給されるライン
圧はランド174bの図中左側部分とポート172cとの間のす
きまを通ってポート172cに流れ込むが、その一部はラン
ド174bの図中右側部分とポート172cとの間のすきまから
ポート172dへ排出されるので、ポート172cの圧力は上記
のすきまの面積の比率によって決定される圧力となる。
従って、スプール174が右方向に移動するに従ってポー
ト172cのライン圧側のすきまが大きくなり排出側のすき
まが小さくなるのでポート172cの圧力は次第に高くなっ
ていく。ポート172cの油圧は、油路176、最大変速比保
持弁120(ただし、図中下半部状態)及び油路180を介し
て駆動プーリシリンダ室42へ供給される。従って、駆動
プーリ6の駆動プーリシリンダ室42の圧力は高くなりV
字状プーリみぞの幅が小さくなり、他方、従動プーリ51
の従動プーリシリンダ室56には常に油路132からライン
圧が供給されているが従動プーリシリンダ室56の受圧面
積は駆動プーリシリンダ室42の受圧面積の約1/2となっ
ているため駆動プーリ6側と比較して相対的にVベルト
押付力が小さくなってV字状プーリみぞの幅が大きくな
る。すなわち、駆動プーリ6のVベルト接触半径が大き
くなると共に従動プーリ51のVベルト接触半径が小さく
なるので変速比は小さくなる。逆にスプール172を左方
向に移動させると、上記と全く逆の作用により、変速比
は大きくなる。
変速操作機構112のレバー178は前述のようにそのほぼ
中央部において変速制御弁106のスプール174とピン181
によって結合されているが、レバー178の一端は前述の
レバー158のスリープ150と接触する側の端部とピン183
によって結合されており(なお、図示の都合上、レバー
158上のピン183と、レバー178上のピン183とが別々に示
してあるが、実際には両者は同一の部材である)。また
他端はロッド182にピン185によって結合されている。ロ
ッド182はラック182cを有しており、このラック182cは
変速モータ110のピニオンギア110aとかみ合っている。
このような変速操作機構112において、変速制御装置300
によって制御される変速モータ110のピニオンギア110a
を回転することによりロッド182を例えば右方向に移動
させると、レバー178はピン183を支点として反時計方向
に回転し、レバー178に連結された変速制御弁106のスプ
ール174を右方向に動かす。これによって、前述のよう
に、駆動プーリ6の可動円すい板44は右方向に移動して
プーリ6のV字状プーリみぞ間隔は小さくなり、同時に
これに伴って従動プーリ51のV字状プーリみぞ間隔は大
きくなり、変速比は小さくなる。レバー178の一端はピ
ン183によってレバー158と連結されているので、可動円
すい板44が右方向に移動してレバー158が反時計方向に
回転すると今度はレバー178の他端側のピン185を支点と
してレバー178は反時計方向に回転する。このためスプ
ール174は左方向に引きもどされて、駆動プーリ6及び
従動プーリ51を変速比が大きい状態にしようとする。こ
のような動作によってスプール174、駆動プーリ6及び
従動プーリ51は、変速モータ110の回転位置に対応して
所定の変速比の状態で安定する。変速モータ110を逆方
向に回転した場合も同様である(なお、ロッド182は変
速比最大値に対応する位置を越えて更に図中で左側(オ
ーバストローク領域)へ移動可能であり、オーバストロ
ーク領域に移動すると変速基準スイッチ298が作動し、
この信号は変速制御装置300に入力される)。従って、
変速モータ110を所定の変速パターンに従って作動させ
ると、変速比はこれに追従して変化することになり、変
速モータ110を制御することによって無段変速機の変速
を制御することができる。
なお、変速モータ110の変速比大側に急速に作動させ
ると、変速制御弁106のスプール174は一時的に図中左側
に作動させられる(ただし、変速の進行に伴い次第に中
央位置に復帰する)。スプール174が大きく左側に移動
すると、ポート172aと172bとがランド174a及び174b間で
連通し、油路160にライン圧が供給される。油路160のラ
イン圧はライン圧調圧弁106のポート146aに作用し、前
述のようにライン圧を上昇させる。すなわち、変速比大
側へ急速に変速する場合にはライン圧が高くなる。これ
によって、従動プーリシリンダ室56に急速に油を送り込
み、迅速に変速させることができる。
変速モータ(以下の説明においては「ステップモー
タ」という用語を使用する)110は、変速制御装置300か
ら送られてくるパルス数信号に対応して回転位置が決定
される。変速制御装置300からのパルス数信号は所定の
変速パターンに従って与えられる。
クラッチ完全締結制御弁108は、その弁体を変速操作
機構112のロッド182と一体に形成してある。すなわち、
クラッチ完全締結制御弁108はポート186a及び186bを有
する弁穴186と、ロッド182に形成したランド182a及び18
2bとから成っている。ポート186aは油路188によって前
述のピトー管48と連通している。すなわち、ポート186a
には駆動プーリ6の回転速度に対応した信号油圧が供給
されている。ポート186bは、油路190を介してスターテ
ィング弁116のポート204eと連通している。通常はポー
ト186aと186bとはランド182a及び182b間において連通し
ているが、ロッド182が変速比最大値に対応する位置
(変速基準スイッチ298がオンとなる位置)を越えてオ
ーバストローク領域に移動したときにのみポート186aは
封鎖されポート186bはドレーンされるようにしてある。
すなわち、クラッチ完全締結制御弁108は、通常は駆動
プーリ6の回転速度信号油圧をスターティング弁116の
ポート204eに供給し、ロッド182が最大変速比位置を越
えてオーバストローク領域に移動したときに上記信号油
圧の供給を停止する機能を有する。
スロットル弁114は、ポート192a、192b、192c、192d
及び192eを有する弁穴192と、弁穴192に対応した3つの
ランド194a、194b及び194cを有するスプール194と、ス
プール194を図中右側に押すスプリング196と、スプール
194に押力を作用する負圧ダイヤフラム198とから成って
いる。負圧ダイヤフラム198は、エンジン吸気管負圧が
所定値(例えば、300mmHg)よりも低い(大気圧に近
い)場合にスプール194に負圧に反比例した力を作用
し、エンジン吸気管負圧が所定値よりも高い場合には全
く力を作用しないようにしてある。ポート192aは潤滑回
路である油路164と連通しており、ポート192b及び192d
はスロットル圧回路である油路162と連通しており、ポ
ート192cはライン圧回路である油路132と連通してお
り、またポート192eはドレーンポートである。ポート19
2dの入口にはオリフィス202が設けてある。スプール194
には、スプリング196の力及び負圧ダイヤフラム198によ
る力という図中右向きの力と、ランド194b及び194c間の
面積差に作用するポート192dの油圧による力という図中
左向きの力とが作用するが、スロットル弁114は上記両
方向の力がつり合うようにポート192cのライン圧を圧力
源としポート192aを排出ポートとして周知の調圧作用を
行う。これによってポート192b及び192dにはスプリング
196及び負圧ダイヤフラム198による力に対応したスロッ
トル圧が発生する。このようにして得られたスロットル
圧は、エンジン吸気管負圧に応じて調圧されているの
で、エンジン出力トルクに対応する。すなわち、エンジ
ン出力トルクが大きければ、スロットル圧もこれに対応
して高い油圧となる。
スターティング弁116は、ポート204a、204b、204c、2
04d及び204eを有する弁穴204と、ランド206a、206b、20
6c及び206dを有するスプール206(なお、ランド206aの
図中左側の部分はテーパ状に縮径されている)と、スプ
ール206を図中右方向に押すスプリング208とから成って
いる。ポート204aは、スロットル圧回路である油路162
とオリフィス210を介して接続された油路140と連通して
いる。ポート204bはドレーン回路である油路200(この
油路はオイルポンプ10とストレーナ131との間に連通し
ている)を介してドレーンされている。ポート204cは油
路212を介してスタート調整弁118と接続されている。ポ
ート204dは油路214によって前述のピトー管20と連通し
ている。すなわち、ポート204dには入力軸2の回転速度
に対応した信号油圧(すなわち、エンジン回転速度信号
油圧)が供給されている。ポート204eは前述のように油
路190によってクラッチ完全締結制御弁108のポート186b
と連通している。ポート204c、ポート204d、ポート204e
の入口にはそれぞれオリフィス216、218及び220が設け
てある。スターティング弁116はスプール206の位置に応
じてポート204aの油をポート204bに排出することにより
油路140の油圧(スタート圧)をスロットル圧よりも減
圧された油圧とする機能を有する。すなわち、スプール
206が図中左側寄りに位置している場合にはポート204a
からポート204bへのすきまが小さいためポート204aの油
圧は高く、逆にスプール206が図中右側に移動するとポ
ート204aからポート204bへのすきまが大きくなって油の
洩れ量が増大しポート204aの油圧が低くなる。なお、ス
ロットル圧回路である油路162とスタート圧回路である
油路140とはオリフィス210を介して接続されているた
め、油路140の油圧が低くなっても油路162のスロットル
圧は実質的に影響を受けない。スプール206の位置は、
スプリング208の力及びランド206b及び206c側の面積差
に作用する油圧(スタート調整圧)による力という右向
きの力と、ランド206c及び206d間の面積差に作用するポ
ート204dの油圧(エンジン回転速度信号油圧)による力
及びランド206dに作用するポート204eの油圧(駆動プー
リ回転速度信号油圧)による力という左向きの力とのつ
り合いによって決定される。すなわち、後述のスタート
調整バルブ118によって得られる油路212のスタート調整
圧が高いほど油路140のスタート圧は低くなり、エンジ
ン回転速度信号油圧及び駆動プーリ回転速度信号油圧が
高いほどスタート圧は高くなる。発進時には、前述のク
ラッチ完全締結制御弁108のロッド182は最も左へ移動し
ており、油路190はドレーンされているため、スターテ
ィング弁116のポート204eには駆動プーリ回転速度油圧
信号は作用していない。従って、スタート圧はスタート
調整圧及びエンジン回転速度油圧によって制御され、エ
ンジン回転速度の上昇にともなって緩やかに上昇する。
このスタート圧は前進用クラッチ4(又は後退用クラッ
チ24)に供給され、これを徐々に締結していき、円滑な
発進を可能とする。発進がある程度進行すると、ステッ
プモータ110の作用によりクラッチ完全締結制御弁108が
切換わり、油路190を介してポート204eに駆動プーリ回
転速度信号油圧が供給され、スタート圧は急激に上昇す
る。これによって前進用クラッチ4(又は後退用クラッ
チ24)は確実に締結され、滑りのない状態となる。な
お、スターティング弁116は、ポート204aに供給される
エンジン出力トルクに応じたスロットル圧を調圧し前進
用クラッチ4及び後退用クラッチ24に供給するから、前
進用クラッチ4及び後退用クラッチ24に不必要に高い油
圧が作用することはない。このことは前進用クラッチ4
及び後退用クラッチ24の耐久性能上好適である。
スタート調整弁118は、油路212の油のポート222(こ
のポート222はドレーン回路である油路200と連通してい
る)への排出量をプランジャ224aによって調節可能なフ
ォースモータ224によって構成されている。油路212には
潤滑油路である油路164からオリフィス226を介して低圧
の油が供給されている。フォースモータ224はその通電
量に反比例して油路212の油を排出するため、油路212の
油圧(スタート調整圧)は通電量によって制御される。
フォースモータ224の通電量は変速制御装置300によって
制御される。車両が停止したアイドリング状態において
は、このスタート調整弁118によって得られるスタート
調整圧によって、スタート圧(スターティング弁116に
よって調圧される油圧)は前進用クラッチ4又は後退用
クラッチ24が締結開始直前の状態となるように制御され
る。発進前には常にこのスタート圧が前進用クラッチ4
又は後退用クラッチ24に供給されているので、エンジン
回転の上昇にともなって直ちに先進用クラッチ4又は後
退用クラッチ24が締結を開始し、エンジンの空吹きを生
ずることはなく、またエンジンのアイドリング回転速度
が通常より高い場合であっても誤発進することはない。
最大変速比保持弁120は、ポート230a、230b、230c、2
30d、230e及び230fを有する弁穴230と、ランド232a、23
2b及び232cを有するスプール232と、スプール232を図中
左方向に押すスプリング234とから成っている。ポート2
30aには油路188から駆動プーリ回転速度信号油圧が導か
れており、ポート230cは油路180によって駆動プーリシ
リンダ室42及びリバースインヒビタ弁122のポート240d
と連通しており、またポート230dは油路176を介して変
速制御弁106のポート172cと連通している。ポート230b
は油路200を介してドレーンされ、またポート230fはド
レーンポートである。ポート230a及び230eの入口にはオ
リフイス236及び238が設けてある。ランド232aと232bと
は同径であり、ランド232cはこれらよりも小径である。
この最大変速比保持弁120は、変速制御弁106の状態にか
かわらず発進時においては最大変速比を実現する弁であ
る。これによって、ステップモータ110の故障等によっ
て変速制御弁106が変速比小側で固定されても、最大変
速比状態となって発進することができる。車両が停止し
た状態では、駆動プーリ回転速度信号油圧が0であるた
めスプール232を図中右方向に押す力が存在せず、スプ
ール232はスプリング234によって押されて図中上半部に
示す状態にある。従って、駆動プーリシリンダ室42は油
路180、ポート230c、ポート230b及び油路200を介してド
レーンされており、無段変速機は必ず変速比状態とな
る。この状態は、スプール232のランド232aの面積に作
用するポート230aの油圧(駆動プーリ回転速度信号油
圧)による図中右向きの力がランド232b及び232c間の面
積差に作用するポート230eの油圧(エンジン回転速度信
号油圧)による力及びスプリング234による力という左
向きの力に打ち勝つまで維持される。すなわち、前進用
クラッチ4の締結が開始され駆動プーリ6がある程度の
速度で回転するようになる(つまり前進用クラッチ4の
滑りが小さくなる)までは最大変速比のままである。駆
動プーリ6が所定以上の速度で回転するようになると最
大変速比保持弁120は図中下半部の位置に切換わり、ポ
ート230cと230dとが連通するため、駆動プーリシリンダ
室42に変速制御弁106からの油圧が供給され、無段変速
機は変速可能な状態となる。最大変速比保持弁120のス
プール232がいったん図中下半部に示す状態となると、
ランド232b及び232c間の面積差に作用していた油圧がポ
ート230fからドレーンされるため、スプール232は駆動
プーリ回転速度信号油圧が非常に低くなるまで上半部に
示す位置に復帰しない。すなわち、車速が非常に低くな
って停止直前にスプール232は上半部に示す位置に復帰
し、最大変速比状態となる。なお、駆動プーリ回転速度
信号油圧は、駆動プーリ6が逆回転している場合(すな
わち、後退用クラッチ24が作動している場合)には油圧
が0であるから、後退時にも必ず最大変速比状態とな
る。
リバースインヒビター弁122は、ポート240a、240b、2
40c及び240dを有する弁穴240と、等径のランド242a及び
242bを有するスプール242と、スプール242を図中右方向
に押すスプリング244とから成っている。ポート240aは
ドレーンポートであり、ポート240bは油路144を介して
後退用クラッチ24のピストン室38と連通しており、ポー
ト240cは油路138を介してマニアル弁104のポート134bと
連通しており、ポート240dは駆動プーリシリンダ室42へ
油圧を供給する油路180と接続されている。このリバー
スインヒビター弁122は、前進走行中に誤ってマニアル
弁104をR位置にセレクトしたときに、後退用クラッチ2
4が作動することを阻止する弁である。車両が停止して
いる場合には、前述の最大変速比保持弁120の作用によ
り油路180(すなわち、駆動プーリシリンダ室42)の油
圧はドレーンされている。従って、リバースインヒビタ
ー弁122のスプール242に図中左向きの力が作用しないた
め、スプール242はスプリング244に押されて図中上半部
に示す位置にあり、ポート240bと240cとが連通してい
る。この状態でマニアル弁104をR位置にセレクトする
と、マニアル弁104のポート134bの油圧は油路138、ポー
ト240c、ポート240b及び油路144を介して後退用クラッ
チ24のピストン室38に供給される。これによって後退用
クラッチ24が作動し、後退状態となる。しかし、車両が
前進走行中は、最大変速比保持弁120は停止直前まで図
中下半部に示す位置にあり、油路180には油路176から油
圧が供給されている。この油圧はリバースインヒビター
弁122のポート240dに作用するので、リバースインヒビ
ター弁122は図中下半部に示す状態となり、油路138と14
4との連通が阻止され、後退用クラッチ24のピストン室3
8の油圧はポート240aからドレーンされる。従って、こ
の状態においてマニアル弁104をR位置にセレクトして
も後退用クラッチ24のピストン室38には油圧が供給され
ない。これによって、前進走行中に動力伝達機構が後退
状態となって破損するという事態を防止することができ
る。
潤滑弁124は、ポート250a、250b、250c及び250dを有
する弁穴250と、等径のランド252a及び252bを有するス
プール252と、スプール252を図中左方向に押すスプリン
グ254とから成っている。ポート250aはクーラ260の下流
側に連通する油路164と接続されており、ポート250bは
スロットル回路である油路162と接続されており、ポー
ト250cはクーラ260の上流側と連通する油路258と接続さ
れており、ポート250dはドレーン回路である油路200と
接続されている。この潤滑弁124は、ポート250bのスロ
ットル圧を油圧源として周知の調圧作用によりポート25
0aの油圧をスプリング254に対応した一定の油圧とし、
これを油路164に供給する。油路164の油は回転とい16及
び46への供給及び潤滑に使用された後、タンク130へド
レーンされる。
次に、ステップモータ110及びフォースモータ224の作
動を制御する変速制御装置300について説明する。
変速制御装置300には、第4図に示すように、エンジ
ン回転速度センサー301、車速センサー302、スロットル
開度センサー(又は吸気管負圧センサー)303、シフト
ポジションスイッチ304、変速基準スイッチ298、エンジ
ン冷却水温センサー306、ブレーキセンサー307及びスタ
ート圧検出圧力センサー321からの電気信号が入力され
る。エンジン回転速度センサー301はエンジンのイグニ
ッション点火パルスからエンジン回転速度を検出し、ま
た車速センサー302は無段変速機の出力軸の回転から車
速を検出する。スロットル開度センサー(又は吸気管負
圧センサー)303はエンジンのスロットル開度を電圧信
号として検出する(吸気管負圧センサーの場合は吸気管
負圧を電圧信号として検出する)。シフトポジションス
イッチ304は、前述のマニアルバルブ104がP、R、N、
D、Lのどの位置にあるかを検出する。変速基準スイッ
チ298は、前述の変速操作機構112のロッド182が変速比
の最も大きい位置にきたときにオンとなるスイッチであ
る(なお、ロッド182は変速基準スイッチ298がオンとな
った状態で更に移動すること、すなわちオーバストロー
クが可能である)。エンジン冷却水温センサー306は、
エンジン冷却水の温度が一定値以下のときに信号を発生
する。ブレーキセンサー307は、車両のブレーキが使用
されているかどうかを検出する。スタート圧検出圧力セ
ンサー321は前述の油路140のスタート圧を電気信号に変
換する。エンジン回転速度センサー301及び車速センサ
ー302からの信号はそれぞれ波形整形器308及び309を通
して入力インターフェース311に送られ、またスロット
ル開度センサー(又は吸気管負圧センサー)303からの
電圧信号はAD変換機310によってデジタル信号に変換さ
れて入力インターフェース311に送られる。変速制御装
置300は、入力インターフェース311、CPU(中央処理装
置)313、基準パルス発生器312、ROM(リードオンメモ
リ)314、RAM(ランダムアクセスメモリ)315、及び出
力インターフェース316を有しており、これらはアドレ
スバス319及びデータバス320によって連結されている。
基準パルス発生器312は、CPU313を作動させる基準パル
スを発生させる。ROM314には、ステップモータ110及び
フォースモータ224を制御するためのプログラム、及び
制御に必要なデータを格納してある。RAM315には、各セ
ンサー及びスイッチからの情報、制御に必要なパラメー
タ等を一時的に格納する。変速制御装置300からの出力
信号は、それぞれ増幅器317及び電流制御器318を介して
ステップモータ110及びフォースモータ224に出力され
る。
次に、この変速制御装置300によって行われるステッ
プモータ110及びフォースモータ224の具体的な制御の内
容について説明する。
制御は大きく分けて、フォースモータ制御ルーチン50
0と、完全締結制御ルーチン600と、ステップモータ制御
ルーチン700とから成っている。
まず、フォースモータ224の制御について説明する。
フォースモータ制御ルーチン500を第5図に示す。フォ
ースモータ制御ルーチン500は、エンジンのアイドリン
グ時にスタート調整弁118及びスターティング弁116を介
してスタート圧を調整し、前進用クラッチ4(又は後退
用クラッチ24)を締結開始直前の状態とする機能を有す
る。このフォースモータ制御ルーチン500は一定時間毎
に行われる(すなわち、短時間内に以下のルーチンが繰
り返し実行される)。まず、スロットル開度センサー30
3からスロットル開度THの読み込みを行い(ステップ50
1)、車速センサー302から車速Vの読み込みを行い(同
503)、次いでステップ505において車速Vが所定の小さ
い値Vo以下であるかどうかを判断し、所定値Vo以下の場
合にはステップ507においてスロットル開示THが所定の
小さい値THo以下であるかを判断し、所定値THo以下(す
なわち、車両は停止し、エンジンはアイドリング状態)
ならばステップ509に進んでスタート圧検出圧力センサ
ー321からスタート圧Psを読み込む。なお、ステップ505
及び507においてV>Vo又はTH>THoと判断された場合に
はステップ527に進み前回ルーチンと同じフォースモー
タ電流信号、すなわちV>Vo又はTH>THoとなる直前の
電流信号、を出力する。ステップ509においてスタート
圧Psを読み込んだ後はステップ511に進んでスタート圧P
sが目標締結開始前スタート圧上限値Psuより大きいかど
うかを判断する。Ps>Psuの場合には、前回ルーチンの
フォースモータ電流信号Iに微小値ΔIを加算して新た
な電流信号値とする(ステップ513)。次いで、電流信
号Iが許容最大電流信号Io以下であるかどうかを判断し
(ステップ515)、I≦Ioの場合はそのままステップ527
に進み、I>Ioの場合にはI=Ioとして(ステップ51
7)ステップ527に進み、フォースモータ電流信号Iを出
力する。ステップ511においてPs≦Psuの場合、スタート
圧が目標締結開始前スタート圧下限値PSLより小さいか
どうかを判断する(ステップ519)。Ps≧PSLの場合(ス
テップ511の判断と組み合わせるとPSL≦Ps≦Psuとな
る。すなわち、スタート圧Psは目標締結開始前スタート
圧の上、下限値間にある。)、ステップ527に進んで前
回ルーチンの電流信号Iをそのまま出力する。ステップ
519においてPs<PSLの場合、フォースモータ電流信号I
から微小値ΔIを減じ、これを新たな電流信号Iとする
(ステップ521)。次いで、電流信号Iが負になること
を防止するために、I≧0であるかどうかを判断し(ス
テップ523)、I≧0の場合はそのままステップ527に進
み、I<0の場合はステップ525においてI=0として
ステップ527に進み、電流信号Iを出力する。結局、上
記一連のステップによって、スタート圧Psが目標締結開
始前上限値よりも大きい場合はフォースモータ電流信号
Iを増大させてスタート圧Psを低下させ、スタート圧Ps
が目標締結開始前スタート圧下限値よりも小さい場合に
はフォースモータ電流信号Iを減少させてスタート圧を
上昇させる制御が行われ、スタート圧Psは目標締結開始
前スタート圧の上、下限値間に維持される。目標締結開
始前スタート圧は、前進用クラッチ4(又は後退用クラ
ッチ24)の締結開始直前の油圧(すなわち、これよりわ
ずかに高くなると締結が開始される油圧)に設定してあ
る。従って、この状態からエンジン回転速度が上昇する
と、スターティング弁116の作用によりスタート圧Psは
目標締結開始前スタート圧にエンジン回転速度に対応す
る油圧を加算した油圧となり、前進用クラッチ4(又は
後退用クラッチ24)が締結され発進が行われる。これに
よってエンジンのアイドル回転速度の変動にかかわら
ず、空吹き、誤発進等のない安定した発進動作を得るこ
とができる。なぜならば、エンジンのアイドル回転速度
はチョーク使用時、クーラ使用時、エンジン不調時等に
は正規の設定値どおりでなくなるが、アイドル回転速度
にかかわらずスタート圧Psは上記作用により常に目標締
結開始前スタート圧となるように制御されるからであ
る。
次に、完全締結制御ルーチン600について説明する。
完全締結制御ルーチン600を第6図に示す。完全締結制
御ルーチン600は前述のフオースモータ制御ルーチン500
のステップ527に引き続いて実行される。すなわち、ス
テップ527からステップ601に進み、今回ルーチンの変速
基準スイッチ298のデータの読み込みが行われ、ステッ
プ602において前回ルーチンの変速基準スイッチ298のデ
ータの読み出しが行われ、次いで603において前回ルー
チンにおいて変速基準スイッチ298がオンであったかど
うかが判断される。前回ルーチンにおいて変速基準スイ
ッチ298がオフの場合には、今回ルーチンの変速基準ス
イッチ298がオンかどうかが判断され(ステップ604)、
オンの場合には完全締結用パルス数データMを一定値Mo
に設定して(ステップ605)、ステップ607に進む。ま
た、ステップ603で前回ルーチンの変速基準スイッチ298
がオンの場合には、今回ルーチンの変速基準スイッチ29
8がオンであるかどうかが判断され(ステップ606)、オ
ンの場合にはステップ607に進み、ステップ607では完全
締結オン車速VONの検索が行われる。なお、パルス数Mo
は、変速操作機構112のロッド182が第3図左方向へ移動
してオーバストローク領域に入る直前、すなわち変速基
準スイッチ298がオンとなるときのステップモータ110の
位置に対応している。この位置ではクラッチ完全締結制
御弁108から駆動プーリ回転速度信号油圧がスターティ
ング弁116へ導かれる。
完全締結オン車速VONは実スロットル開度に基づいて
予めROM314に設定されているデータから検索される。
そして、この読み出された完全締結オン車速VONと実
車速Vとを比較し(同609)、実車速Vの方が完全締結
オン車速データVONよりも大きい場合には、ステップ611
において完全締結フラグFを1に設定し、次いでステッ
プ613において完全締結用パルス数データMがMoとなっ
ているかどうかを判断し、M≠Moの場合にはステップ61
5に進む。ステップ615では、タイマ値Tが負又は0にな
っているかどうかを判断し、タイマ値Tが正の場合に
は、タイマ値Tから所定の減算値ΔTを減算してこれを
新たなタイマ値として設定し(同617)、前回ルーチン
と同様のステップモータ駆動信号を出力して(同647)
リターンする。このステップ617はタイマ値Tが0又は
負になるまで繰り返し実行される。タイマ値Tが0又は
負になった場合、すなわち一定時間が経過した場合、ス
テップモータ110の駆動信号をアップシフト方向へ1段
階移動し、(同619)、タイマ値Tを所定の正の値T1
設定し(同621)、パルス数Mを現在のステップモータ
のパルス数Mに1だけ加算したものに設定しなおし(同
623)、アップシフト方向に1段階移動されたステップ
モータ駆動信号を出力して(同647)リターンする。こ
れによってステップモータ110はアップシフト方向に1
単位だけ回転される。上記ルーチンを繰り返すことによ
りMの値は増大し、M=Moに達するとステップ613から
ステップ651に進む。なお、ステップ604及び606におい
て今回ルーチンの変速基準スイッチ298がオフの場合に
もステップ651に進む。
ステップ609において、V<VONの場合には、完全締結
を解除すべき車速(完全締結オフ車速)データVOFFを検
索するルーチン(同625)を行う。この検索ルーチン625
は、完全締結オン車速データVONを検索する検索ルーチ
ン607と基本的に同様である。
なお、完全締結オン車速データVONと完全締結オフ車
速データVOFFとは、VON>VOFFとしてヒステリシスを与
えてある。これによってハンチングの発生を防止してあ
る。また、車速データVON及びVOFFは、スロットル開度T
Hに対応して増大するように決定することが好ましい。
次いで、上記のようにしてステップ625において検索
された完全締結オフ車速データVOFFと実車速Vとを比較
して(同627)、実車速Vが小さい場合には、完全締結
フラグFを0とし(同629)ステップ631に進み、実車速
Vが大きい場合には完全締結フラグFが0かどうかを判
断し(同633)、F=0の場合にはステップ631に進み、
F=1の場合には前述のステップ613に進む。ステップ6
31では、完全締結用パルス数データMが0かどうかを判
断し、M≠0の場合には、タイマ値Tが0又は負である
かどうかを判断し(同635)、タイマ値Tが正の場合に
は所定の減算値ΔTを減じてタイマ値Tとし(同63
7)、前回ルーチンと同様のステップモータ駆動信号を
出力し(同647)、リターンする。これを繰り返すこと
により、タイマ値Tから減算値ΔTが繰り返し減じられ
るので、ある時間を経過するとタイマ値Tが0又は負に
なる。タイマ値Tが0又は負になった場合、ステップモ
ータ駆動信号をダウンシフト方向へ1段階移動させる
(同641)。またタイマ値Tには所定の正の値T1を設定
し(同643)、パルス数Mを現在のステップモータパル
ス数Mから1だけ減じたものに設定しなおし(同64
5)、ダウンシフト方向へ1段階移動されたステップモ
ータ駆動信号を出力し(同647)、リターンする。これ
によってステップモータ110はダウンシフト方向へ1単
位だけ回転される。上記ルーチン繰り返すことによりM
の値は次第に小さくなり、M=0に達するとステップ63
1からステップ651に進む。なお、パルス数M=0は、変
速操作機構112のロッド182が第3図中で最も左方向へ動
いたオーバストローク領域終端のステップモータ110の
位置に対応している。
ステップ651では完全締結フラグFが1であるかどう
かが判断され、F=1ならば完全締結用パルス数MがMo
であるかどうかを判断する(同653)。M≠Moならばリ
ターンし、M=Moならば、後述のステップモータ制御ル
ーチン700のステップ705に進む。すなわち、クラッチの
完全締結が行われ且つM=Moのときにのみステップモー
タ制御ルーチン700が実行されるようにしてある。
上記完全締結制御ルーチン600の動作を場合に分けて
要約して説明すると以下のようになる。
まず、変速基準スイッチ298が前回ルーチンでオフで
あり今回ルーチンでオンとなった場合(ステップ603→6
04→605→607→609)。パルス数MをMoに設定する。次
いでV≧VONならばステップモータ110は動かさない。す
なわち完全締結の状態のままである(ステップ611→613
→651)。V<VONならばVとVOFFとを比較し、V≦VOFF
ならばM=0となるまでステップモータ110をオーバス
トローク領域側に回転して完全締結を解除する(ステッ
プ625→627→629→631→635→(637)→641→643→645
→647)。V>VOFFならば(すなわち、VOFF<V<VON
ありヒステリシス範囲にある)。前回ルーチンで完全締
結されていればM=Moとなるまでステップモータ110を
回転し(完全締結はオンのまま)(ステップ627→633→
613以下)、また前回ルーチンで完全締結されていなけ
ればステップモータ110をM=0となるまで回転する
(完全締結はオフのままである)ステップ627→633→63
1以下)。なお、前述したように、変速基準スイッチ298
は、変速操作機構112のロッド182がオーバストローク領
域に入る直前にオンとなるようにしてあるので、走行中
アクセルペダルの急踏み込み、いわゆるキックダウンを
行ったとき、ロッド182は変速比を最大とする所まで動
き変速基準スイッチ298はオンとなるが、明らかにV>V
ONとなるので完全締結は保持される。
次に、変速基準スイッチ298が前回ルーチンでオフで
あり今回ルーチンでもオフの場合(ステップ603→60
4)。ステップ651に進む。
変速基準スイッチ298が前回ルーチンでオンであり今
回ルーチンでもオンの場合(ステップ603→606→60
7)。V≧VONならばM=Moに達するまでステップモータ
110を回転し(ステップ609→611→613→615→(617)→
619→621→623→647)、クラッチを完全締結しステップ
651へ進む。V<VONならばVとVOFFとを比較し、V≦V
OFFならばM=0になるまでステップモータ110を回転す
る(完全締結はオフとされる)(ステップ627→629→63
1→635→(637)→641→643→645→647)。V>VOFF
らば(すなわち、VOFF<V<VONならば)、前回ルーチ
ンで完全締結オンならM=Moになるまでステップモータ
110を回転し(ステップ627→633→613以下)、前回ルー
チンで完全締結オフならばM=0になるまでステップモ
ータ110を回転する(ステップ627→633→631以下)。す
なわち、前回ルーチンのままの完全締結オン又はオフが
維持される。
変速基準スイッチ298が前回ルーチンでオン、今回ル
ーチンでオフの場合(ステップ603→606)、ステップ65
1に進む。
ステップ651からステップモータ制御ルーチン700に進
めるのは、前述のように完全締結オンでM=Moの場合で
ある。
第7図にステップモータ制御ルーチン700を示す。
まず、シフトポジションスイッチ304からシフトポジ
ションを読込み(ステップ705)、次いでシフトポジシ
ョンがD位置にあるかどうかを判断し(同707)、D位
置にある場合にはステップ3002に進んでフラグF1が設定
されているかどうかを判断し、フラグF1が設定されてい
る場合にはスロットル開度THが所定の値θ‐Δθよりも
小さいかどうかを判断する(同3004)。θは例えば5/8
スロットル開度であり、Δθは微小な値である。TH<θ
‐Δθの場合にはフラグF1及びF2を清算し(同3005)、
次いでステップ2720でDレンジ変速パターンの検索を行
う。ステップ3004でTH≧θ‐Δθの場合にはステップ30
06に進んでフラグF1を設定する。一方、ステップ3002で
フラグF1が設定されていない場合には、スロットル開度
THが所定の値θよりも大きいかどうかを判断する(同30
08)。TH≦θの場合にはステップ2720に進んでDレンジ
変速パターンの検索を行う。ステップ3008でTH>θの場
合には前述のステップ3006に進んでフラグF1を設定す
る。ステップ3006に次いでステップ3010で車速センサー
302から現在の車速Vを読込む。次いで、フラグF2が設
定されているかどうかを判断し(同3012)、フラグF2
設定されていない場合には車速に対応してあらかじめ記
憶させてある係数KOを検索する(同3014)。この係数KO
は、第8図に示すように、車速の増大に応じて減少する
ように設定してある。次いで、同様に車速に対応してあ
らかじめ記憶させてある係数NOの検索を行う(同301
5)。この係数NOは、第9図に示すように、車速の増大
に応じて減少するように設定してある。このようにして
決定されるパラメータである係数KO及び係数NOはスロッ
トル開度がθになったときの車速に対応してあらかじめ
設定してある値である。次いで、フラグF2を設定し(同
3016)、ステップ3017に進む。前述のステップ3012でフ
ラグF2が設定されている場合にもステップ3017に進む。
ステップ3017では係数KO、係数NO及び車速Vから目標と
するエンジン回転速度NEDを、NED=KO・V+NOの式によ
り演算する。次いで、演算した目標エンジン回転速度N
EDが許容される最大値Nmax以下であるかを判断する(同
3018)。NED≦Nmaxの場合にはステップ2783に進み、ま
たNED>Nmaxの場合には、Nmaxの値をNEDに設定し(同30
20)、ステップ2783に進む。
前述のようにステップ2720ではDレンジ変速パターン
の検索が行われるが、ROM314の所定の番地内には車速及
びスロットル開度に対応して第10図に示すように目標エ
ンジン回転速度NEDが格納されており、ステップ2720で
はこの目標エンジン回転速度NEDが検索される。ステッ
プ2720及びステップ3020からステップ2783に進み、エン
ジン回転速度センサー301から実エンジン回転速度NEA
読込みが行われ、次いで目標エンジン回転速度NEDから
所定の微小回転速度ΔNLを減算し、その結果を目標エン
ジン回転速度下限値NLとする(同2785)。次いで、実エ
ンジン回転速度NEAが目標エンジン回転速度下限値NL
りも小さいかどうかを判断し(同2787)、NL>NEAの場
合にはステップ713に進み、NL≦Nの場合にはステップ2
789に進む。ステップ713からステップ715→801→805と
進んでステップモータ駆動信号をダウンシフト方向に移
動させた後、タイマTをT2に設定し(同807)、次い
で、ステップモータパルス数NAを1減じた値に設定する
(同809)。これによってステップモータはT2時間毎に
1単位駆動される。
ステップ2787からステップ2789へ進んだ場合、目標エ
ンジン回転速度NEDに所定の微小回転速度ΔNuを加算
し、その結果を目標エンジン回転速度上限値Nuとし(同
2789)、次いでNuが実エンジン回転速度NEAよりも小さ
いかどうかを判断し(同2791)、Nu<NEAの場合にはス
テップ2793以下のステップでステップモータ110をアッ
プシフト方向に回転する(ただし、ステップモータ110
がすでに最大回転位置まできている場合、すなわちステ
ップ2793でNA≧Nmaxの場合にはそれ以上回転させな
い)。この場合ステップモータはT1時間毎に1単位駆動
される。以上の制御により実エンジン回転速度NEAは目
標エンジン回転速度上限値Nu及び下限値NL間の値となる
ように(すなわち、NL≦NEA≦Nu)制御される。なお、
Dレンジ以外の場合の制御(ステップ707→709に進んだ
場合)については説明を省略する。
結局、上記制御ルーチンによって次のような制御が達
成されることになる。まず、ステップ3004又はステップ
3008からステップ2720へ進んだ場合、すなわちスロット
ル開度THが所定の値θよりも小さい場合には第10図に示
すような変速パターンによってエンジン回転速度(すな
わち、変速比)が制御される。従って、この状態では目
標エンジン回転速度NEDはスロットル開度(すなわち、
エンジン負荷)のみによって決定される。一方、ステッ
プ3006以下に進むと、ステップ3014及び3015でそれぞれ
係数KO及び係数NOが所定の値に決定される。この係数KO
及び係数NOの値は、それぞれ第8及び9図に示すよう
に、スロットル開度THがθになったときの車速Vの大き
さに応じて決定される。次いで、この決定された係数KO
及び係数NOの値、及び車速Vに基づいてステップ3017で
目標エンジン回転速度NEDが演算されるため、目標エン
ジン回転速度NEDは車速に応じて変化することになる。
従って、所定のスロットル開度(θ)以下ではスロット
ル開度のみに応じて目標エンジン回転速度が決定され、
また所定のスロットル開度以上ではスロットル開度が所
定値θになったときの車速に応じて決定される係数KO
び係数NOにより形成される車速Vを変数とする1次関数
に応じてエンジン回転速度が増大することになる。
上記制御を実際の運転状態に対応させると、第11図に
示すように、A点において変速比が小さい状態で定常的
な走行をしている状態からスロットル開度を急速に増大
すると目標エンジン回転速度はB点まで移動する。A点
からB点までの間に変速が進行し第12図に示すようにエ
ンジン回転速度が増大する。この間(to→t1)は第11図
に実線によって示すように駆動力はほとんど増大しな
い。しかし、B点に達すると、変速比が車速に応じて比
較的緩やかに変化するため、以下C点に向って車速及び
エンジン回転速度が共に上昇する。従って、B点以降は
第13図に示すように駆動力が増大し、フィーリングのよ
い加速感を得ることができる。なお、C点に達すると、
これ以上エンジン回転速度が増大することを防止するた
め、変速を急速に行わせ、エンジン回転速度をほとんど
上昇させることなく車速を増大させる。なお、スロット
ル開度THをθとしたときの車速によって係数KO及び係数
NOは相違してくるため、車速が高い場合には、例えば第
11図にA′→B′→C′によって示すような制御が行わ
れることになる。なお、説明した実施例は、制御対象を
エンジン回転速度としたが、駆動プーリ回転速度、又は
変速比を直接の制御対象にすることによっても同様の作
用を得ることができる。
(ト)発明の効果 以上説明してきたように、本発明によると、所定のエ
ンジン負荷以下ではエンジン負荷のみに対応して目標エ
ンジン回転速度を決定し、所定のエンジン負荷以上では
車速を変数とする所定の関係に従って変速比を制御する
ようにしたので、急加速を意図した場合に直ちに駆動力
が増大し迅速な駆動力の応答性を得ることができ、運転
者の感覚に整合した好適な加速フィーリングを得ること
ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の構成要素間の関係を示す図、第2図は
Vベルト式無段変速機の断面図、第3図は油圧制御装置
を示す図、第4図は変速制御装置を示す図、第5図はフ
ォースモータ制御ルーチンを示す図、第6図は完全締結
制御ルーチンを示す図、第7図はステップモータ制御ル
ーチンを示す図、第8図は係数KOの特性を示す線図、第
9図は係数NOの特性を示す線図、第10図は所定スロット
ル開度以下の場合の変速パターンを示す図、第11図は本
発明によって得られる変速時の車速、エンジン回転速
度、及びスロットル開度の変化を示す図、第12図は変速
中のエンジン回転速度の変化を示す図、第13図は変速中
のトルクの変化を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 F16H 59:42

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】車両の運転状態に応じてエンジン回転速
    度、駆動プーリ回転速度又は変速比を制御目標値に制御
    する無段変速機の制御装置において、 エンジン負荷を検出する手段と、 車速を検出する手段と、 エンジン負荷が所定値よりも小さい場合に、エンジン負
    荷にのみ対応してエンジン回転速度が変化するように、
    制御目標エンジン回転速度、制御目標駆動プーリ回転速
    度又は制御目標変速比を決定する小負荷時制御手段と、 エンジン負荷が所定値よりも大きい場合に、エンジン負
    荷が上記所定値よりも小さい状態から大きい状態に変化
    して該所定値になったときに検出された車速に対応して
    第1及び第2の係数を決定し、この第1の係数とエンジ
    ン負荷が前記所定値になったとき及びそれ以降に検出さ
    れる車速とを乗じた車速変数、及び第2の係数とからな
    り車速の増大に応じて増加する特性の1次関数により、
    制御目標エンジン回転速度、制御目標駆動プーリ回転速
    度又は制御目標変速比を決定する大負荷時制御手段と、
    を有し、かつ エンジン負荷が所定値になり小負荷時制御手段から大負
    荷時制御手段に切換わったときの制御目標エンジン回転
    速度、制御目標駆動プーリ回転速度又は制御目標変速比
    が一致するように前記係数が決定されることを特徴とす
    る無段変速機の制御装置。
  2. 【請求項2】上記車速に乗ぜられる第1の係数は、エン
    ジン負荷が所定値になったときに検出される車速に対応
    し、そのときの車速が増大するにつれて減少する値であ
    る特許請求の範囲第1項記載の無段変速機の制御装置。
  3. 【請求項3】上記第2の係数は、エンジン負荷が所定値
    になったときに検出される車速に対応し、そのときの車
    速が増大するにつれて減少する値である特許請求の範囲
    第1項又は第2項記載の無段変速機の制御装置。
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JP2784919B2 (ja) * 1987-08-10 1998-08-13 スズキ株式会社 連続可変変速機制御方法
JP4557534B2 (ja) * 2003-12-04 2010-10-06 富士重工業株式会社 無段変速機のキックダウン制御装置

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