JP2593110Y2 - 車両用燃料計 - Google Patents

車両用燃料計

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JP2593110Y2
JP2593110Y2 JP1993058712U JP5871293U JP2593110Y2 JP 2593110 Y2 JP2593110 Y2 JP 2593110Y2 JP 1993058712 U JP1993058712 U JP 1993058712U JP 5871293 U JP5871293 U JP 5871293U JP 2593110 Y2 JP2593110 Y2 JP 2593110Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は燃料液面のレベルに応じ
て燃料残量を表示するとともに、燃料液面の一時的な変
動や揺動による誤表示を防止する車両用燃料計に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車の燃料タンク内に液面レ
ベルを検出する抵抗センサを設け、このセンサからの出
力信号により燃料計の指針を動かして燃料残量を運転者
に指示する燃料計は広く知られている。この燃料計に
は、通常、車両走行時の一時的な燃料揺れや変動に伴う
指針揺れを防止するために、ユニット抵抗の一時的な変
化を抵抗とコンデンサによって平滑化する平滑回路(又
は揺動防止回路)が設けられている。また、特公昭61
−22890号公報には、平滑回路を備えた燃料計にお
いて、イグニッションスイッチON時のコンデンサへの
充電遅れによる表示器の誤動作を防止するため、イグニ
ッションスイッチON時、トランジスタによって抵抗を
ショートさせることで、時定数を変えて短時間にコンデ
ンサ充電を行うようにした燃料計が開示されている。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】しかしながら、コンデ
ンサ充電時間を短縮することにより電源投入時の誤表示
を防ぐ上記燃料計は、基本的に大容量のコンデンサを必
要とするため、燃料計自体をコンパクト化したりLSI
化することが困難であった。加えて、この種の燃料計の
揺動防止は、コンデンサ特有のダンピング特性に起因し
て、燃料量が少なく抵抗センサからの信号レベルが低い
場合と、燃料量が多く信号レベルが高い場合とでは、表
示器の指針の振れ幅が異なり、燃料液面が低い場合には
指針の動きが燃料量変動に対して敏感になり、液面が高
い場合には比較的緩慢に作動する問題がある。
【0004】本考案はこのような現状に鑑み、小型化か
つLSI化が容易にできるとともに、燃料液面の高低に
拘らず、液面変動に対する指針感度が常に一定になるよ
うな燃料計を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本考
案の第1の考案の構成上の特徴は、燃料液面のレベルに
応じた信号を発生するセンサからの信号により指針を回
動して燃料残量を指示する車両用燃料計において、液面
レベルを検出するセンサに、センサ出力の変動を緩和す
巡回式デジタルフィルタが接続され、更に、巡回式デ
ジタルフィルタの演算速度を決定する複数の演算クロッ
ク発生回路が設けられており、これら複数の演算クロッ
ク発生回路がセレクタを介して巡回式ディジタルフィル
タに接続されており、巡回式デジタルフィルタの演算速
度が、セレクタの切り換えにより、車両運転条件に応じ
て変化されることを特徴とする車両用燃料計が提供され
ことにあるまた、前記目的を達成する本考案の第2
の考案の構成上の特徴は、更に、車両のイグニッション
スイッチが起動された時に、起動後の所定時間だけセレ
クタにより巡回式デジタルフィルタを、その演算速度を
高速にする高速演算クロック発生回路に接続する、初期
設定回路が設けられていることにある。更に、前記目的
を達成する本考案の第3の考案の構成上の特徴は、現在
のセンサ出力を、前回取り込まれたセンサ出力と比較す
るコンパレータと、コンパレータの比較結果に応じて現
在のセンサ出力をデジタルフィルタに取り込むか否かを
決定する制御回路とが設けられ、この制御回路は、コン
パレータの比較結果が、所定値以内の時は現在のセンサ
出力をデジタルフィルタに取り込み、所定値を越えた時
は前回取り込まれたセンサ出力をデジタルフィルタに取
り込み、更に、所定値を越えた状態が所定時間以上継続
した時には、現在のセンサ出力をデジタルフィルタに取
り込むと共に、前回取り込まれたセンサ出力として保持
することにある。
【0006】
【作用】第1の考案によれば、液面レベルを検出するセ
ンサ出力の変動を緩和する巡回式デジタルフィルタの演
算速度が、セレクタの切り換えにより、車両運転条件に
応じて変化される。 第2の考案によれば、車両のイグニ
ッションスイッチの起動後の所定時間だけ巡回式デジタ
ルフィルタの演算速度を高速にされる。 第3の考案によ
れば、現在のセンサ出力と前回取り込まれたセンサ出力
との比較結果が、所定値以内の時は現在のセンサ出力が
デジタルフィルタに取り込まれ、所定値を越えた時は前
回取り込まれたセンサ出力がデジタルフィルタに取り込
まれ、更に所定値を越えた状態が所定時間以上継続した
時には、現在のセンサ出力をデジタルフィルタに取り込
まれると共に前回取り込まれたセンサ出力として保持さ
れる。 この結果、センサ出力の変動成分が相殺され液面
揺動に拘らず指示特性が一定となる。デジタルフィルタ
は、論理回路によって構成されるため、LSI化が容易
でかつ小型化が可能になる。
【0007】
【実施例】以下、図面を参照して本考案の各実施例を説
明する。図1は本考案の一実施例である燃料計の概略構
成を示している。
【0008】燃料計は、燃料タンクT内に設けられ燃料
液面レベルを検出するセンサユニット1を備える。この
センサユニット1は、従来よりある燃料計用センサユニ
ットであって、燃料液面レベルによって抵抗値を変える
抵抗体1aと、変化した抵抗値を電圧に変換するR/V
変換回路1bとによって構成されており、外部にアナロ
グの出力信号を発する。センサユニット1からの出力
は、A/D変換器2によってデジタル化された後、揺動
防止巡回型デジタルフィルタ3に入力される。このデジ
タルフィルタ3は、それまで保持されていた過去のデー
タ(デジタル信号)に今回検出されたデータを加算する
加算器3aと、加算されたデータ合計値をデータ数n
(本実施例の場合、n=4)で割る除算器3bと、演算
されたデータを保持するデータラッチ3cとによって構
成される。デジタルフィルタ3によって平均化された出
力信号は、PWM変換器(増幅器)4に入力されてPW
M信号に変換され、クロスコイル(交叉コイル)5a,
5bを備えた燃料計ムーブメント5が駆動される。
【0009】揺動防止手段として、上述したような巡回
型デジタルフィルタ3を設けた場合、イグニッションス
イッチ6がONとなってからデジタルフィルタ3から平
均化されたデータが出力されるためには、通常数分の遅
れが生じ、指示誤差が大きくなるため、本実施例では、
イグニッションスイッチ6に初期通電タイマ7を接続す
る。この初期通電タイマ7は、イグニッションスイッチ
6がONになった時から、数秒間に亙りセレクタ(選択
器)8に、デジタルフィルタ3に対して選択信号を出力
させるためのタイマである。
【0010】セレクタ8には、デジタルフィルタ3にお
ける演算スピードを決定する2つのクロック発生器が接
続される。一方は、通常時の液面揺動防止に設定した周
波数特性を持たせるのに必要な通常時演算クロック発生
回路9であり、他方はイグニッションスイッチ6がON
状態になった直後の、いわゆる初期通電時においてデジ
タルフィルタ3の演算速度を通常時よりも高速にする初
期通電時演算クロック発生回路10である。セレクタ8
は、初期通電タイマ7からの出力の有無に応じて、これ
ら2つのクロック発生回路9,10のいずれか一方を選
択し、選択された演算速度で前記巡回型デジタルフィル
タ3を駆動させる。
【0011】以上のように構成された燃料計の作動を説
明する。運転者によって車両のイグニッションスイッチ
6が起動されると、初期通電タイマ7は、これより所定
時間(例えば、数秒間)、セレクタ8に演算速度として
初期通電時演算クロック発生回路10から出力される演
算タイミングを選択するように選択信号を出力する。こ
の結果、デジタルフィルタ3においては通常よりもはる
かに高速な演算タイミング(周波数特性)で燃料液面レ
ベルデータを取り込み、上述した加算・除算処理をす
る。このため、イグニッションスイッチ6が起動されて
から所定時間経過するまでは、真の燃料残量値が速やか
に指示されることになる。
【0012】これに対し、所定時間経過後は、初期通電
タイマ7はセレクタ8に演算速度として通常時演算クロ
ック発生回路から出力される演算タイミングを選択す
るように選択信号を出力する。この結果、デジタルフィ
ルタ3においては通常の遅い演算タイミングで燃料液面
レベルデータを取り込むようになり、これによって揺動
に伴う変動成分が平均化され、燃料計ムーブメント5に
おいては指針は緩慢な動作で応動することになる。図2
は以上説明した本実施例のデジタルフィルタ3のダンピ
ング特性を示すグラフである。本図は、燃料ゼロ(00
h)から満タン状態(FFh)までのデータ入力に対
し、運転開始時と通常時とでは真の値を指示するまでの
所要時間が異なることを示しており、高速クロック周波
数の採用により、運転開始時には迅速に真の値を指示す
ることができる(通常のクロック周波数の場合、満タン
状態では真の値を指示するまで約120秒要する)。
【0013】図3は図1のデジタルフィルタを2つ備え
る本考案の第2実施例を示したものである。尚、以下説
明する各実施例において、上述した第1実施例と同様な
構成要素は同一番号を付し、その説明は省略する。
【0014】本実施例によれば燃料計はデジタルフィル
タ3の他にもう一つのデジタルフィルタ11を直列に接
続する。このデジタルフィルタ11は、それまで保持さ
れていた過去のデータ(デジタル信号)にデジタルフィ
ルタ3より平均化された出力データを加算する加算器1
1aと、加算されたデータ合計値をデータ数n(例え
ば、n=4)で割る除算器11bと、演算されたデータ
を保持するデータラッチ11cとによって構成される。
これらのデータラッチ11cは、先のデータラッチ3c
のクロック周波数を1/10にする分周器12によって
駆動制御される。このように本実施例では、A/D変換
器2から入力された信号に燃料レベル揺動による変動分
が含まれていても、2つの巡回型デジタルフィルタ3,
11を通すことにより、過去の数多くのデータと平均化
されるためその変動成分が互いに相殺され、指針の値を
真の燃料レベル値に近似させることができる。
【0015】図4に本考案の第3実施例を示す。この実
施例は、複数のデータを平均化するデジタルフィルタを
備えた燃料計において、燃料液面レベルの変動が大きい
場合などの特異データの演算取り込みを排除して、指示
精度を更に高めようとするものである。このため、燃料
計はA/D変換された出力データaを入力するウインド
コンパレータ13とコントローラ14とを備える。コン
パレータ13は、出力データaと、レジスタ15に保持
された1つ前の出力データ値bとを比較する。コンパレ
ータ13での比較結果、出力データ差|a−b|が所定
値A以内に収まる場合、コントローラ(制御回路)14
は今回取り込まれたデータが特異値ではないと判断し、
デジタル変換された今回のデータをそのままデジタルフ
ィルタ3に取り込むべく、データセレクタ16に選択信
号出力する。この時、コントローラ14は同時にレジス
タ15に対しても、新たなデータの書き換えを実行させ
る。
【0016】これに対し、コンパレータ13での比較結
果が所定値Aを越えるものであった場合でかつ、車両走
行状態を示すスピードパルス17が入力されている時に
は、この時のデータを特異値と判定し、現在レジスタ1
5に保持されてある前のデータを、デジタルフィルタ3
に取り込むようにデータセレクタ16に選択信号を出力
し、いわゆる異常値排除処理をする。しかしながら、こ
のような特異データが所定時間(例えば、1分間)以上
継続して出力されるような場合には、コントローラ4は
セレクタ6に対してそのデータをデジタルフィルタ3に
取り込むように選択信号を出力し、同時にレジスタ15
にデータ保持させる。尚、この実施例では、車両が走行
中でなくスピードパルス17が入力されないような場合
には、上述したような異常値判定は行わず、そのままデ
ータをデジタルフィルタ3に取り込むようにする。図5
は、以上説明した燃料計作動を示すフローチャートであ
り、このようにして入力され、デジタルフィルタ3によ
って演算されたデータは、その後PWM変換器(増幅
器)4に入力されてPWM信号に変換され、クロスコイ
ル(交叉コイル)5a,5bを持つ燃料計ムーブメント
5を駆動し、燃料残量指示を行う。
【0017】以上、本考案を、デジタルフィルタの演算
速度を変えるものと、2段のデジタルフィルタを備える
ものと、特異値排除するものとに例をとり説明してきた
が、デジタルフィルタを備えるものであれば本考案はこ
れらの実施例に限定されるものではない。
【0018】
【考案の効果】第1の考案によれば、液面レベルを検出
するセンサ出力の変動を緩和する巡回式デジタルフィル
タの演算速度が、セレクタの切り換えにより、車両運転
条件に応じて変化されるという効果がある。 第2の考案
によれば、車両のイグニッションスイッチの起動後の所
定時間だけ巡回式デジタルフィルタの演算速度を高速に
されるという効果がある。 第3の考案によれば、現在の
センサ出力と前回取り込まれたセンサ出力との比較結果
が、所定値以内の時は現在のセンサ出力がデジタルフィ
ルタに取り込まれ、所定値を越えた時は前回取り込まれ
たセンサ出力がデジタルフィルタに取り込まれ、更に所
定値を越えた状態が所定時間以上継続した時には、現在
のセンサ出力をデジタルフィルタに取り込まれると共に
前回取り込まれたセンサ出力として保持されるという効
果がある。 この結果、センサ出力の変動成分が相殺され
液面揺動に拘らず指示特性が一定となる。デジタルフィ
ルタは、論理回路によって構成されるため、LSI化が
容易でかつ小型化が可能になる。
【0019】また、燃料計のデジタル回路化により、ア
ナログ回路のような製造バラツキや指示特性の温度変化
や経時変化が小さく、出力データの信頼性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第1実施例による燃料計のブロック図
である。
【図2】図1のデジタルフィルタのダンピング特性図で
ある。
【図3】本考案の第2実施例による燃料計のブロック図
である。
【図4】本考案の第3実施例による燃料計のブロック図
である。
【図5】図4の燃料計作動を説明するフローチャート図
である。
【符号の説明】
1 センサユニット 2 A/D変換器 3,11 巡回型デジタルフィルタ 4 PWM変換器 5 燃料計ムーブメント 6 イグニッションスイッチ 7 初期通電タイマ 8 セレクタ 9 通常時演算クロック発生回路 10 初期通電時演算クロック発生回路

Claims (3)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃料液面のレベルに応じた信号を発生す
    るセンサからの信号により指針を回動して燃料残量を指
    示する車両用燃料計において、 前記液面レベルを検出するセンサに、センサ出力の変動
    を緩和する巡回式デジタルフィルタが接続され、 更に、前記巡回式デジタルフィルタの演算速度を決定す
    る複数の演算クロック発生回路が設けられており、 これら複数の演算クロック発生回路がセレクタを介して
    前記巡回式ディジタルフィルタに接続されており、 前記巡回式デジタルフィルタの演算速度が、前記セレク
    タの切り換えにより、車両運転条件に応じて変化される
    ことを特徴とする車両用燃料計。
  2. 【請求項2】 更に、車両のイグニッションスイッチが
    起動された時に、起動後の所定時間だけ前記セレクタに
    より前記巡回式デジタルフィルタを、その演算速度を高
    速にする高速演算クロック発生回路に接続する、初期設
    定回路が設けられていることを特徴とする請求項1に記
    載の車両用燃料計。
  3. 【請求項3】 現在のセンサ出力を、前回取り込まれた
    センサ出力と比較するコンパレータと、 前記コンパレータの比較結果に応じて現在のセンサ出力
    を前記デジタルフィルタに取り込むか否かを決定する制
    御回路とが設けられ、この制御回路は、前記コンパレータの比較結果が、所定
    値以内の時は現在のセンサ出力を前記デジタルフィルタ
    に取り込み、所定値を越えた時は前回取り込まれたセン
    サ出力を前記デジタルフィルタに取り込み、更に、前記
    所定値を越えた状態が所定時間以上継続した時には、現
    在のセンサ出力を前記デジタルフィルタに取り込むと共
    に、前回取り込まれたセンサ出力として保持する ことを
    特徴とする請求項1または2に記載の車両用燃料計。
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