JP2592968B2 - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JP2592968B2
JP2592968B2 JP1285900A JP28590089A JP2592968B2 JP 2592968 B2 JP2592968 B2 JP 2592968B2 JP 1285900 A JP1285900 A JP 1285900A JP 28590089 A JP28590089 A JP 28590089A JP 2592968 B2 JP2592968 B2 JP 2592968B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は支持材上の未定着トナー像を定着する定着装
置に関し、特には一対の回転体で未定着トナー像を支持
する支持材を挟持搬送することにより定着する定着装置
に関する。
〔従来技術〕
従来、電子写真装置、静電記録装置等の画像形成装置
に使用される定着装置としては、ハロゲンヒーター等の
加熱源を内部に有する定着ローラーとこれに加圧接触し
て回転するシリコンゴム等の弾性体を表面に有する加圧
ローラーとから構成されるローラー定着装置が一般的で
ある。このローラー定着装置は記録材の安定した搬送性
及びヒーター暴走時等の火災防止安全性等の点から他の
定着方法に比較して非常に優れ広く実用化にいたってい
る。
〔発明が解決する問題点〕
しかしながら、上記従来のローラー定着装置において
は、未定着トナー像がローラー表面に直接接触するた
め、記録材上の未定着トナーが一部ローラー表面に転移
し、いわゆるオフセツト現象を生じるという欠点があっ
た。
一般的に上述の定着装置に生じるオフセツトは、温度
的要因のものと静電気的要因のものに大別される。
前者は、定着装置でのトナー温度が低すぎて定着され
ずにオフセツトするいわゆる低温オフセツトと、逆にト
ナー温度が高すぎて液状にトナーが溶けて生じる高温オ
フセツトがあり、これらは、用いる現像剤の特性、記録
材搬送速度、ローラー加圧力を定めた上で、サーミスタ
等の温度制御手段による定着ローラー温度を適切に定め
ることによって防止できる。
一方後者の静電気的要因によるオフセツトに関して
は、記録材上の帯電したトナーが静電気的に定着ローラ
ーに転移するものであるが、この現象が記録材の種類及
び環境等に大きく依存するため、その制御は困難であ
り、直接にオフセツト電界を減ずるよりもむしろ、フエ
ルトパツドあるいはブレード等のクリーニング手段を定
着ローラーに当接させ、オフセツトによる弊害例えばオ
フセツトトナーの再転写による記録材の汚れあるいは、
ローラーのオフセツトトナー汚れによって生じる記録材
巻き付きジヤム等の対策としており、静電気的オフセツ
トは解決されるに至っていない。
〔問題点を解決する手段〕
上記問題点を解決するため本発明は、互いに圧接する
一対の回転体を有し、この圧接部で未定着トナー像を担
持した記録材を挟持搬送し未定着トナー像を記録材上に
定着する定着装置において、未定着トナー像と接する回
転体と接地間にはトナーの帯電極性と同極性の電荷を保
持する向きのみにダイオードが接続され、未定着トナー
像と接する回転体とは反対側の回転体と接地間にはトナ
ーの帯電極性と逆極性の電荷を保持する向きのみにダイ
オードが接続されていることを特徴とするものである。
〔発明の実施例〕
以下、図面を用いて本発明の実施例を詳述する。
第1図は、本発明の実施例の定着装置を用いた画像形
成装置の主要部の断面図である。
図中において、定着ローラー1は、アルミニウム、鉄
等の中空円筒の導電性芯金の外周面にPTFE,PFAあるいは
シリコーンゴム等の離型性のよい材料をコーテイングあ
るいはチユーブ被覆したものであり、内部にはハロゲン
ヒーター等の加熱源を有し図示しない温度制御手段によ
ってその表面は一定の温度に制御される。
上記定着ローラー1に加圧従動回転する加圧ローラー
2は、鉄・ステンレス等の芯金にシリコーンゴムやフツ
素ゴムが層状に形成されているものである。
加圧ローラー2の芯金には、整流素子であるダイオー
ド3が未定着トナー像の荷電極性と逆極性の電荷が加圧
ローラー2に保持される向きにGNDとの間に接続されて
おり、また定着ローラー1の芯金には整流素子であるダ
イオード4が未定着トナー像の荷電極性と同極性の電荷
が定着ローラー1に保持される向きにGNDとの間に接続
されている。本実施例では帯電のトナー5が用いられ
ている場合を記す。
記録材6は、感光ドラム7の表面に形成された現像像
を転写帯電手段8によって記録材6の背面にトナー帯電
極性と逆極性の電荷(本実施例では)が与えられ、静
電気的に記録材に転写保持して定着ローラー1と加圧ロ
ーラー2で形成される当接ニツプ部に導かれ加熱定着さ
れる。
通常、転写工程を有する画像形成装置では、像担持体
から転写帯電手段により記録材に転写された未定着トナ
ーは未定着トナーが有する電荷と記録材背面に注入され
た未定着トナーと逆極性の転写電荷により記録材に強く
静電的に保持されている。
本発明者の実験によれば、前述の静電気要因による定
着オフセツトは、記録材4に現像剤を静電気的に保持す
るために記録材4の背面に与えられた現像剤帯電極性と
逆極性の転写電荷が定着装置内で記録材背面に接触する
加圧ローラー2を介してリークする事が主因であると判
明した。
特に上記静電オフセツトは、通常の紙より第2図に示
すような昨今広く用いられている誘電体フイルムの両面
に約109〜1012Ωの表面抵抗を有するような中抵抗物質
をコーテイングしたサンドイツチ構造のOHP用透明フイ
ルムにおいて顕著である。
このようなOHPフイルムは、感光ドラムからの分離過
程において転写帯電工程で付与された転写電荷量+Qに
依存した逆電荷−Q′が剥離放電によってOHPフイルム
の記録面(トナー像のある面)に付与される。実験結果
的には、Q′は転写電荷Qに対して約50〜90%の電荷量
であった。したがって背面転写電荷の加圧ローラーを介
してのリークがあると、OHPフイルム上では記録面の剥
離電荷は残存するため、トナー像の静電気力による保持
力は急激に減衰しオフセツトが発生しやすくなると考え
られる。
例えば、第4図のように加圧ローラー2、定着ローラ
ー1ともに芯金をそのままGNDへ接地した定着装置にお
いて、3M社製OHPシート(表面抵抗約1012Ω)を用いて
種々の抵抗の加圧ローラーに対してOHPシート通紙時の
リーク電流とオフセットを調べたところ、下記第1表の
ような結果であった。
加圧ローラーの抵抗に関しては、ステンレスの金属ロ
ーラーに約2〜3mmのニツプを形成するように押し当
て、加圧ローラー芯金と金属ローラーとの間の抵抗を高
抵抗計で測定したものである。また定着ローラー1はAl
の円筒に約30μm厚の絶縁性のPFAチユーブを被覆した
ものである。
加圧ローラーの抵抗が1012Ω以下となると、OHPシー
ト背面の転写電荷が加圧ローラーを介してGND1にリー
ク電流が流れ始め、加圧ローラーの抵抗が低下するにつ
れこのリーク電流は増大する。
一方、これと同時にOHPシートの画像記録面側に付与
されてきたトナーと同極性の電荷は、その保持力が減
衰しこの電荷は定着ローラー表面にリークされ始め、
GNDから定着ローラー芯金へ流入する電流が観測される
ようになる。オフセツトは加圧ローラーの抵抗が1012Ω
以下になると、その程度はだんだんと悪くなる。一方、
加圧ローラーの抵抗が1013Ω以上ではリーク電流は観測
されないが、オフセツトはなくならない。
これは一般にローラ定着装置においては、数kg〜数10
kgの力で加圧ローラーが定着ローラーに圧接しているた
め、記録材の種類によっては、加圧ローラー表面が摩擦
帯電によってトナーと同極性に帯電することがあり、こ
れがこの場合の静電オフセツトの要因となっている。こ
の現象はトナーの帯電極性がマイナスであるとき顕著で
ある。
したがって、記録材との摩擦帯電のチヤージアツプを
防止するため、加圧ローラーとしては1012Ω以下のロー
ラを利用するのが望ましい。
また、加圧ローラーを接地せずにフロート状態とした
場合は、1012Ω以下であっても転写電荷のリークは減少
される。
この転写電荷のリークの減少により加圧ローラー抵抗
が1012Ω以下の場合でも、加圧ローラーをフロートにす
ればオフセツトの発生は小さくできる。
このように低抵抗の加圧ローラーを用いて、その芯金
をフロートにすることで、静電オフセツトを軽減するこ
とは可能ではあるが、連続プリント動作を行なった場合
あるいは低湿環境下においては、加圧ローラーのチヤー
ジアツプによって周囲の導体にリークする可能性があ
り、この電荷のリークによって機械が電気的誤作動を生
じるという危険性がある。
そこで、第1図実施例では定着ローラーと接地間にト
ナー帯電極性と同極性の電荷を保持する向きのみに整流
素子であるダイオード4を接続し、加圧ローラーと接地
間にトナーの帯電極性と逆極性の電荷を保持する向きの
みに整流素子であるダイオード3を接続している。
このように構成することにより、ダイオード3の整流
機能によってOHPシート背面の転写電荷のGNDへのリー
クを防止することができる一方、OHPシートの記録面側
に付与されたトナーと同極性の電荷とダイオード4に
より定着ローラーの電位はトナーと同じ荷電極性に高め
られ、しかして、ローラー表面ではOHPシート上のトナ
ーを反発させる向きの力が働くようになる。またこれら
のダイオードの構成により定着ローラーにプラスの電圧
が、加圧ローラーにマイナスの電圧が生じることを防止
することができる。しかも、ダイオードは逆方向接続に
対して降伏電圧以上にはほどんど大きくならないから、
適正な降伏電圧のダイオードを選択することにより、加
圧ローラーのチヤージアツプにともなう放電による装置
の電気的誤動作を防止することができる。
第2表は、本実施例において降伏電圧値1kVのダイオ
ードを接続した時のOHPシート通紙中のリーク電流、オ
フセツト、および定着ローラー、加圧ローラーの芯金電
位を示すものである。
定着ローラー1は、30μm厚のPFAチユーブをAl円筒
に被覆した20mmφのものを用い、抵抗制御材の量によっ
て種々の抵抗の有する16mmφの加圧ローラー2を約7kg
の総圧で圧接従動させ、24mm/secの速度で搬送するOHP
シートに1.5μAの転写電流を与えて評価したものであ
る。
1010〜1012Ωの加圧ローラーにおいて、加圧ローラー
の芯金電位はダイオード3により約+800Vに維持され、
また定着ローラの芯金電位は約−50Vに維持され、両ロ
ーラーともGNDへの電流は1mA以下の微小電流であり、OH
Pシートの静電オフセツトは発生しなかった。
また、各ローラーの過度のシヤージアツプを確実に防
止するためには降伏電圧点が3kVより小さい、特には2kV
以下のダイオードを使用することが好ましい。
第3図は本発明の他の実施例の定着装置を用いた画像
形成装置の主要部の断面図である。本実施例では定着装
置の排紙出側に記録材同士の静電気的吸着を防止し記録
材の積戴性を向上する記録材背面に接触するGNDに接続
された除電ブラシ9が設けられている。加圧ローラーは
前述実施例と同じ1010〜1012Ωのローラーである。本実
施例において、OHPシート背面が除電ブラシ9に接触す
ると、除電ブラシにはOHPシートからGNDの方向へ100〜2
00mAの電流が観測され除電が行なわれる。
この除電ブラシによるOHPシート背面の除電によりOHP
シートの画像記録面側に残存するトナーと同極性の電荷
の静電気的による保持力は急激に減衰する。この時、定
着ローラー1の芯金を直接接地するとここにGNDから定
着ローラーの芯金の方向に10〜20mAの電流が観測されオ
フセツトも発生した。しかし、本実施例ではダイオード
4が接続されているためこの電流はもちろん観測され
ず、そのかわり定着ローラー1の芯金の電位が約−600V
に高められ、OHPシート上の電荷をもつ未定着トナー
像がOHPシートの背面方向に静電気力が働き、オフセツ
トはもちろん発生しなかった。
また、本発明はに帯電するトナーに対してももちろ
ん有効であり、その場合ダイオードの方向が前述実施例
とは逆向きに接続するだけで、同様の優れた作用効果を
得ることができる。
〔発明の効果〕
以上本発明によれば、静電的オフセツトを防止できる
と共に、回転体の帯電量の増大を防止できるため、電気
ノイズの発生がなく装置の誤動作が発生しない。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例の定着装置を適用した画像形成
装置の主要部の断面図、 第2図は誘電体フイルムの断面図、 第3図は本発明の他の実施例の定着装置を適用した画像
形成装置の主要部の断面図、 第4図は本発明の比較例の定着装置を適用した画像形成
装置の主要部の断面図、 図において、 1……定着ローラ、 2……加圧ローラ、 3,4……ダイオード、 5……トナー像、 6……記録材、 7……感光ドラム、 8……転写手段。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 奥田 幸一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 斉藤 雅信 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 西村 克彦 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 早川 亮 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 宮本 敏男 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 石山 竜典 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 佐藤 康志 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 中畑 公生 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−34573(JP,A) 特開 昭55−96970(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】互いに圧接する一対の回転体を有し、この
    圧接部で未定着トナー像を担持した記録材を挟持搬送し
    未定着トナー像を記録材上に定着する定着装置におい
    て、 未定着トナー像と接する回転体と接地間にはトナーの帯
    電極性と同極性の電荷を保持する向きのみにダイオード
    が接続され、未定着トナー像と接する回転体とは反対側
    の回転体と接地間にはトナーの帯電極性と逆極性の電荷
    を保持する向きのみにダイオードが接続されていること
    を特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】上記未定着トナー像と接する回転体とは反
    対側の回転体の抵抗値は、1012Ω以下であることを特徴
    とする特許請求の範囲第1項記載の定着装置。
JP1285900A 1988-12-07 1989-10-31 定着装置 Expired - Lifetime JP2592968B2 (ja)

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